今回は「最終公募 第13回事業再構築補助金の採択結果と第1回新事業進出補助金の採択予想」についてになります。
2025年6月8日に、最高公募となった第13回の事業再構築補助金の採択発表がありました。
第13回は2025年3月26日から約3ヶ月後に採択発表があり申請数も採択数も過去の公募回と比較するとかなり少ない件数となりました。
また、事業再構築補助金の後釜となる、新事業進出補助金の採択の展望についても、採択結果のデータを踏まえて解説していきます。
【第13回事業再構築補助金の採択結果】
2025年6月、第13回事業再構築補助金の採択結果が発表されました。本記事では、今回が最終公募となる第13回の採択データをもとに、業種別・地域別・金額別の傾向や特徴を詳しく分析します。補助金制度の活用を検討している中小企業や支援機関の皆様はぜひご参考ください。
事業再構築補助金 第13回の全体概要
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応募件数:3,100件
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採択件数:1,101件
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採択率:35.5%
第13回は応募件数が半減しておりますが、全体採択率は、第12回の27%から36%と上昇しました。
採択件数の多い事業類型
事業類型 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
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成長分野進出枠 通常類型 | 2,290件 | 739件 | 約32.3% |
成長分野進出枠 GX進出類型 | 489件 | 244件 | 約49.9% |
コロナ回復加速化枠 最低賃金類型 | 321件 | 118件 | 約36.8% |
成長分野進出枠 GX進出類型の採択率が最も高く、今後の政策的方向性(GX・DX・半導体・医療等)に合致した事業が評価されやすい傾向が顕著でした。
業種別 採択件数の特徴
応募数・採択数ともに上位の業種は以下の通りです。
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製造業:応募 22.9%/採択 33.8%
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卸売業・小売業:応募 14.9%/採択 14.4%
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建設業:応募 13.4%/採択 14.2%
注目すべきは、情報通信業(応募7.3%/採択7.1%)や学術・専門技術サービス業(応募8.2%/採択6.2%)などの技術系・知識集約型業種が高採択率を記録している点です。
地域別 採択状況ランキング
採択件数上位の都道府県は以下の通りです。
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東京都:178件
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大阪府:121件
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愛知県:99件
都市部を中心に応募・採択件数ともに高く、地方では比較的応募件数が少ないながらも、採択率は一定の水準を保っています。
補助金申請額の傾向と分布
補助金申請額で最も多かったのは「1,500万〜3,000万円未満」で、採択者・応募者ともに約40%を占めました。
また、3,000万円未満の補助金申請が全体の7割超を占めており、中小企業の現実的な投資規模を反映していると考えられます。
認定支援機関の関与と採択率の関係
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認定支援機関のサポートを受けた応募者の採択率:約53.5%
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支援を受けなかった応募者の採択率:約46.5%
支援機関との連携は採択率を若干ながら押し上げており、今後も申請書の質を高める上で不可欠といえます。
第13回の結果から見える事業再構築補助金の採択傾向
✅ 成長分野(GX・DXなど)をテーマとした事業は高評価
✅ 技術・知識集約型業種の採択率が高い
✅ 認定支援機関との連携が採択率に影響
✅ 都市部を中心に応募件数・採択件数が集中
✅ 実質的な予算規模は3,000万円未満が中心
事業再構築補助金の応募数と採択数の推移
事業再構築補助金の採択率の推移
第1回新事業進出補助金の採択予想
第13回事業再構築補助金の最終公募の結果を受けて、第1回新事業進出補助金の採択予想をしていきます。
新事業進出補助金に対する「甘い見通し」は危険
「事業再構築が終わったから、新制度の方が通りやすいのでは?」という楽観的な見方もありますが、以下の理由から初回から厳しい審査になる可能性は高いです。
【後継補助金】第1回新事業進出補助金の採択率は甘くない|30〜40%前後が現実的
「事業再構築補助金の後継だから通りやすい」というのは大きな誤解です。
以下の背景を踏まえると、第1回新事業進出補助金の採択率は30〜40%前後と予測されます。
✅ 予測理由①:不採択企業が“なだれ込み申請”する
第13回で落選した3,000件弱の企業の一部が、そのまま焼き直しで申請してくると予測されます。
しかし、新制度では政策目的との合致が一段と求められるため、構想の練り直しがないと不採択の可能性が極めて高いです。
✅ 予測理由②:GX・DXなどの特化型制度=「汎用的な事業」は排除されやすい
新事業進出補助金は、次のような重点分野に絞って支援される制度です。
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GX(グリーントランスフォーメーション)
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半導体・バイオ等の成長産業
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地域課題の解決型ビジネス
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海外市場への展開を視野に入れた事業
つまり、「単なる新規出店」「業態転換」「新サービス開始」といった汎用的なモデルでは採択されにくい傾向が明らかです。
✅ 予測理由③:財源縮小・制度設計のシビア化
事業再構築補助金に比べ、新制度では予算が削減される可能性が高いと見られています。
限られた枠内で「政策と一致」「成長性がある」事業だけが採択される方針になれば、採択率30%台前半に突入する可能性も十分あります。
【失敗例に注意】新事業進出補助金で落ちる申請の3つの特徴
🔴 成長分野との関連性があいまい
🔴 収支計画が甘い or 現実性がない
🔴 第三者視点での支援体制・伴走が不明確
過去の不採択事例を分析すると、「それって本当に国が支援したい内容ですか?」というズレが致命傷になります。
【採択率アップ対策】新事業進出補助金に通る申請書のポイント
✅ 政策との整合性をロジカルに示す(GX・DX・半導体等)
✅ 中長期の収益見込み・資金繰りの裏付けを明示
✅ 認定支援機関による支援を明記(採択率UP要因)
✅ 競合分析+マーケティング戦略を盛り込む
✅ “補助金ありき”ではなく“事業の成長ストーリー”が語れている
【まとめ】第1回新事業進出補助金は“チャンスに見えて狭き門”
指標 | 予測 |
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想定応募数 | 4,000〜5,000件程度 |
想定採択件数 | 1,200〜1,800件程度 |
想定採択率 | 30〜40% |
中小企業新事業進出補助金の申請サポート

壱市コンサルティングでは、中小企業診断士のチームで中小企業新事業進出補助金の申請サポートを実施しております。
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今後公募が出てくるであろう、中小企業新事業進出補助金などの大型補助金の申請サポートについても引き続き、先着10社様限定で承っております。
本来十分な準備期間の中で申請まで進めらることが望ましいですが、直前1ヶ月前から始められる方も面談の上、お受けしてきております。
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今後中小企業新事業進出補助金の申請をご検討の方は、是非お問い合わせいただければと思います。