超激化!第19次「ものづくり補助金」採択結果が発表されました

2025年7月28日に、第19次のものづくり補助金の採択発表がありましたので、採択データの分析をして次回公募以降どのようにしたらよいのかについて解説していきます。
【ものづくり補助金の概要】
ものづくり補助金の採択結果

🎉 超激化!第19次「ものづくり補助金」採択結果が発表されました

2025年7月28日(月)、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金第19次締切に関する採択結果が正式に公表されました 。


公募概要

  • 受付期間:令和7年2月14日(金)~4月25日(金)

  • 公募枠

    • 製品・サービス高付加価値化枠

    • グローバル枠


📊 採択実績(全国)

区分 申請件数 採択件数 採択率
全体 5,336件 1,698件 約31.8%
高付加価値化枠 5,025件 1,623件 約32.3%
グローバル枠 311件 75件 約24.1%

🔥 採択率の推移と背景

近年の採択率を踏まえると、第19次の 31.8% は過去の50〜60%と比較してかなり厳しい結果です。特に、前回・第18次は約35.8%とすでに低下傾向にありましたが、今回はさらに減少しています 。

  • 第15次:採択率 約50.2%

  • 第16次:約48.8%

  • 第17次:約29.4%(例外的に少数募集)

  • 第18次:約35.8%

  • 第19次:約31.8%


📌 なぜここまで採択が厳しく?

  • 応募総数は引き続き高水準で推移:1年ぶりにということもあり5,000件以上の申請件数

  • 審査がより厳格になり、システム上で差別化が困難:革新性・成長性・実現可能性の高さが重視されており、システム上での申請となり差別化が困難

  • 競争が激化:ものづくり補助金そもそもの技術革新と、高付加価値、そして、賃上げ重視といった時代背景を鑑みて、どのポイントが重要で、どんな計画だと足切りなのかが焦点に

これらの要因などで、全体の採択率が下降傾向になっています。


 

✅ 今後の展望とアドバイス

  1. 採択率が低下している今こそ、事業計画の精緻さが命運を分ける
     革新性、社会的意義、ROI(投資回収率)まで明確なプレゼン資料が鍵です。第21次公募では補足資料がA4・3ページからA4・5ページと枚数が2枚増えて、事業計画書の差別化を図れる部分となっています。
     第19次から申請システムが大きく変化して、事業計画書における差を表現することが難化しています。

  2. 他補助金との併用・保険申請検討も視野に
     例えば「中小企業省力化投資補助金(一般型)」や「中小企業新事業進出補助金」など、該当する制度も注目の選択肢です 。

  3. 第20次、第21次など次回応募に向けて
     第20次締切の公募は〆切られ、現在は第21次の公募が開始されています。


✍️ ふまえて!

第19次締切における採択率31.8%という厳しい結果は、中小企業がものづくり革新に取り組む上での競争激化審査基準の高度化を改めて示しています。

しかしながら、補助金を活用して事業成長を実現するチャンスは依然として存在します。入念な準備と魅力ある事業計画により、次回以降の公募でぜひ採択を勝ち取ってください。

🗾 全国都道府県別:第19次ものづくり補助金 採択事業の傾向分析


🧊 北海道地方(北海道)

  • 農業×自動化:ロボット農機・スマート収穫設備など、省力化・スマート農業への投資が顕著

  • 地域加工強化:もち米・水産物等を用いた冷凍食品・和菓子の製造体制整備

  • 建設技術革新:ICT施工、ドローン測量、無人施工機導入など省人化対応が目立つ


🍎 東北地方(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)

  • 地域特産物活用:リンゴ、味噌、魚介類などを用いた食品加工設備の導入が多数

  • 医療福祉向け製造:介護用リフトや医療部品加工の内製化など

  • 高精度加工・鋳造技術:5軸加工機やNC制御による中小製造業の設備刷新


🏙️ 関東地方(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川)

  • DX・省力化対応(東京都・神奈川県):

    • AI・画像処理・IoT制御を活用した生産自動化

    • 医療介護・建築・物流領域での業務効率化設備

  • 地域工業・農業の高付加価値化(埼玉県・千葉県):

    • 農産物加工・パッケージ化設備、食品製造の強化

    • 建設用部材の高精度加工設備の導入


🏔️ 中部地方(新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・愛知)

  • 部品加工・機械工業が強み(愛知・静岡):

    • 自動車部品製造、鋳造、金型業の最新設備導入が多い

  • 観光・食のブランド化(山梨・長野):

    • 地場産品を活かした菓子・酒類など6次産業型事業

  • 環境対応型の製造体制:省エネ型炉、再生可能素材の活用


🏯 近畿地方(三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)

  • 高付加価値の製造業革新(大阪・兵庫):

    • 高精度加工機、複合工作機械、画像検査装置の導入

  • 伝統工芸の現代化(京都・奈良):

    • 京友禅、仏具、木工芸などのデジタル製造化

  • 食品製造・省人化(和歌山・三重):

    • 乾燥・冷凍加工、包装自動化設備など


🗾 その他地域(中国・四国・九州・沖縄)

※このエリアの分析についても、必要であれば続けてご提供可能です。


都道府県単位での詳細データや特定業種の採択事例分析も可能です。続き(中国・四国・九州・沖縄地方)をご希望の場合はお知らせください。

 

第19次「ものづくり補助金」における関東各都県(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川)の採択事業について。


🔧 茨城県:34件

  • 工業系自動化:NC旋盤・マシニングセンタの導入による省人化

  • 農産加工強化:サツマイモ・米を活用した食品製造・冷凍設備の導入

  • 衛生・洗浄強化:水産・機械分野での全自動洗浄・滅菌体制の構築


🏭 栃木県:26件

  • 金属加工革新:大型プレス、CNC機械で自動車・建材部品の内製化を推進

  • 医療向け製造:介護福祉向けの軽量・高耐久製品の量産化体制を構築

  • 冷凍食品事業拡大:冷凍弁当や業務用惣菜の製造ライン強化


🛠 群馬県:30件

  • 伝統と現代化の融合:地場織物の新ブランド化・小ロット製造体制の構築

  • 部品加工の高度化:難加工対応のマシニング、放電加工機の導入

  • 省エネ設備刷新:老朽設備の更新で省電力型生産を実現


🏘 埼玉県:64件

  • 中小製造業の自動化:多軸加工機、ロボット搬送ラインの導入が目立つ

  • クラウド対応製造体制:IoT・クラウドによる生産・在庫連携

  • 伝統産業のブランド化:川越・秩父などの地域特産品の6次産業化


🏞 千葉県:53件

  • 観光・農産連携:地域観光と連動した農産品加工(ジャム、菓子など)事業

  • 物流・倉庫業の省力化:自動搬送装置、検品システムの導入

  • 医療・介護支援設備:多機能ベッド、可搬リフト等の生産体制整備


🏙 東京都:138件

  • 先進サービス型DX:AI接客・スマート検査・クラウド在庫管理のソリューション強化

  • ヘルスケア分野のICT化:訪問看護・介護の業務支援システムや電子記録化

  • エコ製品開発:再生材を活用した環境対応商品、サーキュラーエコノミー対応型製造体制


🌊 神奈川県:67件

  • 高度加工の自動化:航空・自動車・精密部品向け5軸加工設備が多く見られる

  • リサイクル・環境重視:廃材再資源化、自社内循環型製造ラインの導入

  • 物流業のスマート化:自動仕分け・無人搬送システムによる倉庫改革


地域 採択件数
北海道 76件
青森県 19件
岩手県 22件
宮城県 36件
秋田県 19件
山形県 20件
福島県 34件
茨城県 34件
栃木県 26件
群馬県 30件
埼玉県 64件
千葉県 53件
東京都 138件
神奈川県 67件
新潟県 40件
富山県 25件
石川県 28件
福井県 20件
山梨県 14件
長野県 36件
岐阜県 33件
静岡県 53件
愛知県 79件
三重県 27件
滋賀県 23件
京都府 43件
大阪府 108件
兵庫県 62件
奈良県 14件
和歌山県 15件
鳥取県 8件
島根県 11件
岡山県 30件
広島県 49件
山口県 24件
徳島県 11件
香川県 19件
愛媛県 25件
高知県 13件
福岡県 66件
佐賀県 14件
長崎県 23件
熊本県 30件
大分県 19件
宮崎県 17件
鹿児島県 30件
沖縄県 18件
合計 1,698件

 

🏅 採択件数ランキング:第19次ものづくり補助金 トップ10都道府県

令和7年7月に発表された第19次「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」において、全国1,698件の採択の中で、最も採択件数が多かった都道府県は以下の通りです。

  1. 東京都:138件(約8.13%)
    全国最多の採択数を記録。DX、AI、自動化など先進技術を活用した事業が多数採択されました。

  2. 大阪府:108件(約6.36%)
    精密加工や食品関連の設備導入、伝統産業の高度化に関する事業が目立ちました。

  3. 愛知県:79件(約4.65%)
    自動車部品などの高度な製造業を中心に、最新工作機械導入が多数。

  4. 北海道:76件(約4.47%)
    スマート農業や食品加工、建設ICT関連の投資が目立つ傾向。

  5. 神奈川県:67件(約3.94%)
    精密製造・医療機器・物流設備等への省人化投資が多く採択。

  6. 福岡県:66件(約3.89%)
    地場産業の自動化、観光関連の再構築支援などが多く見られました。

  7. 埼玉県:64件(約3.77%)
    中小製造業のIoT導入・省力化設備投資が多く、幅広い業種からの採択。

  8. 兵庫県:62件(約3.65%)
    鋳造・鉄鋼・機械加工等、工業色の強い設備更新投資が多数。

  9. 千葉県:53件(約3.12%)
    食品加工や観光関連、自動化包装設備の導入事業などが多い。

  10. 静岡県:53件(約3.12%)
    部品製造・環境対応型設備導入など、技術革新志向の事業が採択。

ものづくり補助金の申請サポート

株式会社壱市コンサルティングでは、大型補助金の申請サポートを実施しております。
専門分野をもち各業界に精通した中小企業診断士が2~3名体制で責任をもって担当します。
切れ目なく続くものづくり補助金などの大型補助金の申請サポートについても引き続き、先着10社様限定で承っております。
第19次ものづくり補助金で残念ながら不採択となってしまった、合計3,638社の事業者様については、無料相談から着手金の割引、補助金コンサル乗り換えキャンペーンを実施させていただきます。
今後ものづくり補助金の申請をご検討の方は、是非お問い合わせいただければと思います。

 

お問い合わせはこちら

山口 晋

山口 晋

山口晋(壱市コンサルティング)認定経営革新等支援機関ID:107613000510
経済産業大臣登録 中小企業診断士(登録番号420415)
長野県上田市出身 中小企業診断士チームである、壱市コンサルティングチームの代表 不動産業界にて約18年間に渡り、不動産売買仲介、ビル管理運営などの業務に従事し、経営コンサルタントとして独立開業。得意な業界は、IT業、不動産業、建設業、飲食業、サービス業全般。「中小企業診断士の認知度とブランド力向上のため、人生をかけています。」補助金採択率90%以上。事業再構築補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など約100件以上採択
壱市コンサル塾 中小企業診断士2次試験対策講座の講師 実務従事サービス 独立・副業支援 毎年、中小企業診断士試験合格者を連続輩出

関連記事

RELATED POST

PAGE TOP
MENU