【完全比較】ものづくり補助金 第23次公募と第22次公募の違いを徹底解説!

Contents
  1. ― 制度全体の変更点と「賃上げ要件」は何がどう変わったのか?申請前に必ず知るべきポイント ―
  2. はじめに
  3. 1. 第23次公募は「通常運用への回帰」と「要件の厳格化」が同時に起きている
  4. 2. 補助対象事業・枠組み自体は大きく変わっていない
  5. 3. 補助事業実施期間の考え方が正常化された
  6. 4. 加点項目の整理:評価軸が明確になった
  7. 5. 第23次公募で暗に求められている企業像
  8. 6. なぜ賃上げ要件だけ別枠で理解する必要があるのか
  9. 7. 基本要件②の全体像
  10. 8. 「1人あたり給与支給総額」の正確な定義
  11. 9. 算出対象となる従業員の考え方(実務上の核心)
  12. 10. 給与変動リスクをどう考えるべきか
  13. 11. 目標値設定と「表明義務」の重さ
  14. 12. よくある失敗パターン
  15. まとめ:第23次公募は「経営計画型補助金」である

― 制度全体の変更点と「賃上げ要件」は何がどう変わったのか?申請前に必ず知るべきポイント ―


はじめに

ものづくり補助金は、長年にわたり中小企業・小規模事業者の設備投資を支援してきた代表的な国の補助金制度です。
しかし近年、その性格は大きく変化しています。

2026年2月6日に開始された第23次公募では、前回の第22次公募(2025年10月開始)から、単なる微調整ではなく、制度の考え方そのものが一段階引き上げられたといえる変更が行われました。

特に注目されがちなのが「賃上げ要件」ですが、
実際にはそれ以外にも、

  • 補助事業実施期間の考え方
  • 加点項目の整理
  • 申請者に求められる経営計画の水準
  • 制度全体のメッセージ

など、全体構造に関わる変更が数多くあります。

本記事では、

  1. 第22次と第23次の全体的な制度変更点
  2. そのうえで、賃上げ要件(基本要件②)の詳細解説

という二段構えで、
第23次公募を正しく理解するための情報を網羅的に整理します。


【第1部】第23次公募で何が変わったのか ― 制度全体の変更点 ―


1. 第23次公募は「通常運用への回帰」と「要件の厳格化」が同時に起きている

第22次公募は、制度上やや特殊な位置づけでした。

  • 予算措置の関係で補助事業実施期限が固定
  • 加点項目が比較的多く、評価軸が分散
  • 賃上げ要件も複数指標から選択可能

一方、第23次公募では、

  • 制度運用は平常モードに戻しつつ
  • 求める中身はより厳格化

という方向性がはっきりしています。

つまり第23次は、

「制度としてはシンプルに、
中身は本気の企業だけを残す」

という設計になっています。


2. 補助対象事業・枠組み自体は大きく変わっていない

まず前提として、第23次公募でも、

  • 製品・サービス高付加価値化枠
  • グローバル枠

という基本的な申請枠の構成は第22次と同じです。

補助上限額や補助率も、表面的には大きな変更はありません。

このため、

  • 「制度は同じように見える」
  • 「第22次と同じ感覚で申請できそう」

と誤解されがちですが、
問題は“中身”です。


3. 補助事業実施期間の考え方が正常化された

第22次公募の実施期間(例外的運用)

第22次公募では、補助事業実施期間が、

交付決定日 ~ 2026年12月25日まで

という固定期限で設定されていました。

これは公募要領にも明記されている通り、
第22次に限った予算上の特例措置です。

その結果、

  • 採択時期が遅い事業者ほど実質的な実施期間が短くなる
  • 工程管理や資金繰りに無理が生じやすい

という問題がありました。


第23次公募での変更点

第23次公募では、実施期間が次のように設定されています。

  • 一般枠:交付決定日から原則10か月以内
    (ただし採択発表日から12か月後まで)
  • グローバル枠:交付決定日から12か月以内
    (ただし採択発表日から14か月後まで)

これは、過去の多くの回次と同様の通常運用です。

実務上は、

  • 事業スケジュールを組みやすくなる
  • 無理な前倒し投資を避けられる

という点で、申請者にとっては改善点といえます。


4. 加点項目の整理:評価軸が明確になった

第22次公募の特徴

第22次では、

  • 賃上げ加点
  • 最低賃金引上げ加点
  • その他政策加点

など、加点項目が比較的多く存在していました。

このため、

  • 要件を満たさなくても加点でカバーする
  • どこで点を取るか戦略を組み立てる

といった「テクニカルな申請」が可能でした。


第23次公募での変化

第23次公募では、

  • 賃上げに関する独立した加点は削除
  • 最低賃金関連・政策対応型の加点に集約

されています。

これは、

「加点で救済する制度ではない」

という明確なメッセージです。

評価の前提として、

  • 基本要件を満たしていること
  • 特に賃上げ要件を確実に達成できること

が強く求められる構造になっています。


5. 第23次公募で暗に求められている企業像

制度全体を俯瞰すると、第23次公募が想定しているのは、

  • 一時的な設備投資ではなく
  • 中期的な経営改善
  • 持続的な賃上げを前提とした事業成長

が可能な企業です。

つまり、

「補助金がなくても成長できる企業を、
補助金で加速させる」

という本来の補助金の姿に、制度が戻ってきています。


【第2部】賃上げ要件(基本要件②)を徹底解説

― 第23次公募で最も重要かつ危険なポイント ―


6. なぜ賃上げ要件だけ別枠で理解する必要があるのか

第23次公募において、
唯一、達成できなかった場合に補助金返還義務が生じる要件が、
この「基本要件②:賃金の増加要件」です。

この一点だけで、

  • 採択後に数百万円~数千万円の返還リスク
  • 経営そのものへの影響

が発生し得るため、
他の要件とは次元が異なる重要性を持っています。


7. 基本要件②の全体像

求められている内容を一文でまとめると、次の通りです。

補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、
従業員1人あたり給与支給総額を
年平均3.5%以上増加させ、
申請時に設定・表明した目標値を最終年度に達成すること。

これができなければ、
未達成率に応じた補助金返還が求められます。


8. 「1人あたり給与支給総額」の正確な定義

含まれるもの

  • 給料
  • 賃金
  • 賞与

含まれないもの

  • 役員報酬
  • 福利厚生費
  • 法定福利費
  • 退職金

「人件費」や「給与総額」という言葉で雑に捉えると、
ほぼ確実に計算を誤ります。


9. 算出対象となる従業員の考え方(実務上の核心)

全月分支給が原則

算出対象となるのは、

  • 各年度において
  • 全月分の給与支給を受けた従業員

のみです。

中途採用者・退職者は、
全月分支給を受けていない年度については必ず除外します。


産休・育休・時短勤務者

以下に該当する従業員は、
その年度に限り算出対象から除外できます。

  • 産前・産後休業
  • 育児休業
  • 介護休業
  • 福利厚生による時短勤務

パート・非常勤従業員

パート従業員も対象ですが、

正社員の就業時間に換算して人数を算出

する必要があります。

この換算を誤ると、
分母が過大になり、目標未達リスクが一気に高まります。


10. 給与変動リスクをどう考えるべきか

昇給・減給、残業時間の増減、賞与変動など、
給与が変動する従業員もすべて算出対象です。

特に注意すべきは、

  • 残業削減
  • 働き方改革
  • 業績悪化局面

これらが起きた場合、
意図せず1人あたり給与が下がる可能性がある点です。


11. 目標値設定と「表明義務」の重さ

申請者は、

  • 1人あたり給与支給総額の目標値を設定
  • 交付申請時までに
  • 全従業員および従業員代表者へ表明

しなければなりません。

表明が確認できない場合、

  • 達成していても
  • 交付決定取消し・補助金返還

となる可能性があります。


12. よくある失敗パターン

  • 売上前提が楽観的すぎる
  • 中途採用者を分母に入れてしまう
  • パート換算を誤る
  • 表明資料を作成していない
  • 残業削減を考慮していない

第23次では、

「賃上げ計画を設計できるかどうか」

そのものが審査・運用の核心になっています。


まとめ:第23次公募は「経営計画型補助金」である

第23次公募は、
もはや単なる設備投資補助金ではありません。

  • 経営
  • 人事
  • 賃金
  • 中期戦略

これらを一体として設計できる企業だけが、
安全に活用できる制度へと進化しました。

賃上げを前提に経営を組み立てられるか。
それが、第23次公募における最大の分岐点です。

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壱市コンサルティングでは、専門分野を持ち、各業界に精通した中小企業診断士・行政書士が2~3名体制で担当します。
1名体制では見落とされがちな論点(革新性・必要性・市場性・実行可能性)について、複数の専門家視点でクロスチェックを行いながら申請書を構築する点が特長です。

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「前回の申請をどう改善すべきか」「次回公募で何を変えるべきか」を明確にしたうえで、次の申請につなげます。

今回の公募で何を変えるべきか」を明確にしたうえで、次の申請につなげます。

今後、ものづくり補助金の申請をご検討の方へ

ものづくり補助金は、今や経営計画そのものの完成度が問われる制度です。
申請を検討されている方、過去に不採択となった方、これから設備投資・新事業を本格化させたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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