【2026年最新版】事業継続力強化計画とは?補助金加点・申請方法・審査ポイントまで完全解説

Contents
  1. はじめに:事業継続力強化計画は「守りの制度」ではなく「攻めにも効く経営戦略」
  2. 制度の概要:事業継続力強化計画とは何か
  3. BCPとの違いと位置づけ:簡易版ではなく「中小企業が回せる実装仕様」
  4. なぜ今、事業継続力強化計画が重要なのか:災害・感染症・サイバーは“同時多発”する
  5. 制度の推移とこれまでの変更点:電子申請の前提化と、最新手引きの更新
  6. 申請類型:単独型と連携型(削除されがちな“連携”こそ、実務では強力)
  7. 連携事業継続力強化計画を作る意味:中小企業が“1社で抱えない”ための設計
  8. 計画作成の5ステップ:テンプレではなく「審査に耐える骨格」を作る
  9. ステップ1:目的の整理(審査で強い会社は“守る理由”が明確)
  10. ステップ2:リスクの特定(ハザード+自社固有リスクをセットで見る)
  11. ステップ3:影響分析(ヒト・モノ・カネ・情報で分解すると漏れが減る)
  12. ステップ4:対策の具体化(「何を/誰が/いつ」まで落とす)
  13. ステップ5:訓練・見直しの仕組み化(ここを書かないと“作って終わり”になる)
  14. 初動対応の重要性:最初の48時間で差がつく「迷わない設計」
  15. 補助金加点との関係:制度として「補助金の加点」が明確に位置づけられている
  16. 補助金審査で評価される理由:「実現可能性」「リスク耐性」「継続性」に直結するから
  17. 税制優遇の仕組み:設備投資を検討するなら「事前に」要件確認が必須
  18. 金融支援との連動:資金繰りこそ“最大の防災”
  19. 申請の手順:ここからが本番(電子申請の“詳細”を実務レベルで)
  20. 申請前の準備:GビズIDと「社内の合意」を先に固める
  21. 電子申請の入力:単独型で詰まりやすい“3つの壁”
  22. 連携型の申請:同意書・窓口・協定書の扱いを最初に整理する
  23. 添付書類:任意資料こそ“差戻し回避”の武器になる
  24. 差戻し(修正依頼)対応:増やすのではなく“つなげ直す”
  25. 認定後にやるべきこと:ここで差がつく(次回申請・信用・補助金の土台)
  26. 実施期間と更新:最長3年を前提に「満了前に動く」
  27. よくある質問(FAQ)|実務で本当に多い疑問を厳選20問で解説
  28. まとめ:事業継続力強化計画は「採択率を上げる経営基盤」であり、災害時の生存戦略
  29. 各種補助金・融資など資金調達のサポート|壱市コンサルティング

はじめに:事業継続力強化計画は「守りの制度」ではなく「攻めにも効く経営戦略」

事業継続力強化計画は、自然災害や感染症、サイバー攻撃など、企業活動を停止させかねないリスクに備えるための制度です。しかし、この制度を単なる「防災対策」として捉えるのは非常にもったいない理解です。本質は、緊急時にも事業を止めない/止まっても早期復旧できる企業体質を作ることにあります。そしてその結果として、補助金審査での加点金融支援税制措置など、経営上のメリットにつながります。中小企業庁も、認定を受けた企業が「税制措置や金融支援、補助金の加点など」を受けられる旨を制度ページで明記しています。

中小企業にとって、災害は単なる一時的トラブルではありません。売上減少、従業員離職、取引停止、信用低下といった連鎖を引き起こします。事業継続力強化計画は、こうした連鎖を断ち切るための「経営の土台づくり」です。本記事では制度の概要から申請方法、審査のポイント、補助金加点との関係、そして認定後の運用まで、実務で使えるレベルまで肉付けして解説します(2026年版の最新手引き類が中小企業庁ページで更新されていることも前提にしています)。


制度の概要:事業継続力強化計画とは何か

事業継続力強化計画とは、中小企業・小規模事業者が自社のリスクを把握し、その対策を計画としてまとめ、経済産業大臣の認定を受ける制度です。中小企業庁は本制度を「中小企業のための取り組みやすいBCP」と位置づけています。

計画に求められるのは、単なる災害想定ではありません。ポイントは次の通りです。

  • 想定リスクの明確化(地震・水害・台風・豪雪・感染症・サイバー等)
  • 影響の分析(ヒト・モノ・カネ・情報への影響)
  • 初動対応の整理(誰が何を判断し、どう連絡し、何を優先するか)
  • 事前対策の具体化(実行できるレベルまで落とす)
  • 訓練・見直しで実効性を回す(作って終わりにしない)

ここで一番大切なのは、「書類として整っている」より「実際に動ける」ことです。審査でも、抽象的な精神論より、具体的な手順・体制・優先順位の一貫性が見られます。


BCPとの違いと位置づけ:簡易版ではなく「中小企業が回せる実装仕様」

事業継続力強化計画は、一般的なBCP(事業継続計画)よりも取り組みやすい制度設計になっています。BCPは詳細化すると膨大なボリュームになりがちですが、本制度は中小企業でも作成可能な構成に整理されています。

ただし、「簡易版だから甘い」というわけではありません。むしろ中小企業に必要なのは、立派な分厚いBCPよりも、いざという時に迷わず動ける“薄くて強い”計画です。たとえば、次のような違いで考えると分かりやすいです。

  • BCP:業務継続の全体設計(代替生産・代替調達・顧客対応方針など)まで深掘りしやすい
  • 強化計画:初動・重要資源・優先復旧・平時の備えを中小企業の現実に合わせて固め、訓練・見直しで改善する仕組みまで持つ

既にBCPを作成している企業は、その内容を整理し直して本制度の様式に落とし込むことで申請可能です。逆に、BCPが未整備でも「最低限の実装」を先に作り、必要に応じてBCPへ拡張する、という進め方が現実的です。


なぜ今、事業継続力強化計画が重要なのか:災害・感染症・サイバーは“同時多発”する

日本は自然災害大国です。地震、水害、台風、豪雪などが毎年のように発生しています。さらに近年は新型感染症、ランサムウェア被害など、自然災害以外のリスクも増加しています。

中小企業は経営資源が限られているため、1回の被災が致命傷になることも少なくありません。事業継続力強化計画は、「被災しないため」ではなく、「被災しても立ち上がれる会社になるため」の制度です。

そして2026年の実務で重要なのは、単一リスクではなく複合リスクです。たとえば、

  • 台風で停電 → 通信不可 → クラウドに入れない
  • 感染症で出勤率低下 → 物流も不安定 → 納期遅延
  • サイバー攻撃で受発注停止 → 取引先へ連絡不能 → 信用低下

こうした事象は、「現場が止まる」→「取引が止まる」→「資金繰りが止まる」という順で経営に直撃します。だからこそ計画は、設備対策だけでなく、連絡・判断・資金・情報保全まで含めて設計する必要があります。


制度の推移とこれまでの変更点:電子申請の前提化と、最新手引きの更新

制度は令和元年に開始され、その後、電子申請への移行や連携型の電子対応など、運用面での変更が行われてきました。加えて、2026年版の手引き類も中小企業庁ページで更新されています(単独型手引き・連携型手引きともに2026年2月更新として掲載)。

実務で押さえるべき変更の方向性はシンプルです。

  • 申請は電子が前提(GビズIDが入口になる)
  • 差戻しを減らすための入力・チェックが強化
  • 「認定後に回しているか」(訓練・見直し・実施状況)が重視される

つまり、今は「作って提出して終わり」ではなく、“回せる設計になっているか”がますます重要になっています。


申請類型:単独型と連携型(削除されがちな“連携”こそ、実務では強力)

申請には2種類あります。

  • 単独型:自社のみで策定する計画
  • 連携型:複数事業者が連携して策定する計画

中小企業の多くは単独型を選択します。連携型は、サプライチェーン内で代替生産を行う場合や、共同復旧体制を構築する場合などに有効です。

ここで強調したいのは、連携型は「難しいから不要」ではなく、“条件が合えば最も費用対効果が高い”ことがある点です。理由は簡単で、災害時に強い会社は「自社の強さ」だけでなく、周囲とのつながり(代替・応援・情報共有)で復旧速度が上がるからです。


連携事業継続力強化計画を作る意味:中小企業が“1社で抱えない”ための設計

連携型を検討すべき典型パターンは、次のようなケースです。

  • 同業複数社で相互応援(人員・車両・倉庫・配送ルートなど)
  • サプライチェーンの前後工程で連携(部材供給/加工/組立/出荷)
  • 地域の中小企業団体・組合で共同対策(共同備蓄、共同連絡網)
  • 委託先・協力会社が止まると自社も止まる(外注依存が高い)

連携型では、個社の計画だけでなく、「連携が発動する条件」「連携の窓口」「情報の集約と発信」「役割分担」「共同訓練」などを、実際に機能する粒度で整理するのが肝になります。

特にブログで読者に刺さるのは、「連携型は何を書けばいいか分からない」という悩みへの解像度です。連携型は、次の“箱”で考えると迷いが減ります。

  • 連携の目的:なぜ連携するのか(代替供給・共同復旧・地域機能維持 など)
  • 連携の体制:誰が代表で、各社の連絡窓口は誰か
  • 連携のトリガー:どんな状態になったら連携を発動するか(停電〇時間、主要設備停止、出勤率〇%など)
  • 連携のメニュー:何を融通するか(人・設備・場所・資材・輸送・情報)
  • 連携のルール:費用負担、優先順位、情報開示範囲、守秘
  • 訓練:年1回、最低でも机上訓練(連絡・判断・資材手配の流れを回す)

連携型を作る目的は、「立派な協定」を作ることではなく、“災害時に電話がつながる相手と、すぐ動ける約束を持つ”ことです。


計画作成の5ステップ:テンプレではなく「審査に耐える骨格」を作る

計画作成は次の流れで進めるとスムーズです。

  1. 目的の整理
  2. リスクの特定
  3. 影響分析
  4. 対策の具体化
  5. 訓練・見直しの仕組み化

ここから先は、制度説明で終わらせず「何を書けばいいか」を実務レベルで肉付けします。


ステップ1:目的の整理(審査で強い会社は“守る理由”が明確)

目的では「なぜ継続が必要か」を書きます。ここが薄いと、計画全体が“やらされ感”になります。逆に目的が強いと、以降の対策が一本筋になります。

目的に入れると強い要素は、次の3つです。

  • 顧客・取引先への責任(供給を止めると連鎖的に影響が出る)
  • 地域への影響(雇用・生活インフラ・地域機能)
  • 従業員への責務(安全確保、雇用維持、生活支援)

ここは短くても良いので、具体的に書くのがコツです。
例)「当社が出荷停止すると、主要顧客A社の生産が〇日停止し得るため、〇日以内の復旧を最優先目標とする」
こうした“数字”が入るだけで、計画が一気に現実になります。


ステップ2:リスクの特定(ハザード+自社固有リスクをセットで見る)

リスクは、地震だけでなく感染症やサイバー攻撃も含めると現実的です。リスク特定で重要なのは、「起きる確率」より「起きた時に詰むポイント」を先に見つけることです。

中小企業が詰みやすいポイントはだいたい共通しています。

  • 主要設備が1台止まると生産がゼロ
  • キーパーソン依存(社長・経理・現場責任者)
  • 受発注が特定システム依存
  • 資金繰りが薄い(在庫・売掛回収・借入返済)
  • 連絡網が属人化(個人携帯頼み)

リスク特定は「網羅」が目的ではありません。“復旧のボトルネック”を特定する作業です。


ステップ3:影響分析(ヒト・モノ・カネ・情報で分解すると漏れが減る)

影響分析では、ヒト・モノ・カネ・情報それぞれへの影響を整理します。ここは審査でも見られやすい“計画の核”です。

  • ヒト:安否、出勤率低下、代替要員、在宅移行
  • モノ:建物、設備、原材料、在庫、物流
  • カネ:売上減少、固定費支払い、資金調達、保険
  • 情報:受発注、顧客情報、バックアップ、連絡手段

特に中小企業は「カネ」と「情報」で倒れるケースが多いので、ここを薄くしないことが重要です。
“復旧に必要な資金はいくらで、どこから出るのか”“連絡と受発注をどう代替するのか”は、必ず言語化しておきましょう。


ステップ4:対策の具体化(「何を/誰が/いつ」まで落とす)

対策は具体的であることが重要です。「備える」ではなく「何を」「いつ」「誰が」行うのかまで落とします。

中小企業で効果が出やすい対策は、派手な投資より地味な運用整備だったりします。

  • 連絡手段の二重化:電話+チャット、SMS、掲示板
  • 安否確認のルール:何時までに誰へ、返信が無い場合の再確認
  • 重要データのバックアップ:頻度、保管先、復旧手順
  • 手作業に戻す手順:受発注停止時の紙運用テンプレ
  • 代替調達先・代替輸送:候補と連絡先を事前に決める
  • 資金繰りライン:緊急時に相談する金融機関、借入枠の考え方

そして設備投資を入れる場合は、必ずこう書ける状態にしましょう。
「この設備(対策)は、どのリスクのどの影響を、どれだけ減らすのか」
ここが曖昧だと、補助金や税制とつながりにくく、差戻しにもつながりやすいです。


ステップ5:訓練・見直しの仕組み化(ここを書かないと“作って終わり”になる)

訓練・見直しは、制度上も実効性確保の要素として重要です。年1回の机上訓練でも十分価値があります。

おすすめは、次の“最小訓練セット”です。

  • 年1回:机上訓練(30〜60分)
  • テーマ:停電/通信断/主要設備停止/感染症欠勤/サイバー停止のどれか
  • ゴール:
    • 連絡網は回るか
    • 誰が意思決定するか
    • 優先復旧は何か
    • 代替手段は発動できるか

訓練後は、「うまくいかなかった点」だけを1枚に残すのがコツです。改善点が残っていれば、次の見直しが回り始めます。


初動対応の重要性:最初の48時間で差がつく「迷わない設計」

災害発生直後の48時間が企業の命運を分けます。ここは“書き方”が非常に重要です。なぜなら、初動対応は抽象論になると一切役に立たないからです。

初動対応に必ず入れるべき項目は次の通りです。

  • 安否確認方法(全員/協力会社含むか、締切時間、再確認手順)
  • 連絡体制(緊急連絡網、代替連絡、集合ルール)
  • 指揮命令系統(社長不在時の代行順位)
  • 被害状況把握(点検項目、写真、報告先、判断基準)
  • 代替手段の発動条件(在宅移行、外注切替、代替拠点利用など)

ここで強調すべき重要点は、「判断基準」を書くことです。
例)「停電が〇時間以上継続見込みの場合、在庫引当・出荷調整・顧客連絡を開始」
判断基準が無い計画は、現場が“様子見”になって動けません。


補助金加点との関係:制度として「補助金の加点」が明確に位置づけられている

事業継続力強化計画の認定は、制度として「補助金の加点など」のメリットがあることが中小企業庁の制度ページで明示されています。

ここから先で一番大事なのは、「どの補助金でも必ず加点」ではないという点です。加点は公募回・枠によって変わります。ただし、少なくとも公募要領に明記される形で加点扱いになる例が確認できます。

たとえば、小規模事業者持続化補助金(一般型等)では、「事業継続力強化計画策定加点」として、締切までに認定を受けていて実施期間が終了していない事業者に対して、採択審査時に加点を行う旨が公募要領抜粋として紹介されています(商工会議所等が公募要領の該当箇所を掲示する形で周知されることが多いです)。

重要:加点を狙うなら「補助金締切前に認定が必要」です。標準処理期間を踏まえ、逆算で動く必要があります。


補助金審査で評価される理由:「実現可能性」「リスク耐性」「継続性」に直結するから

補助金審査では概ね次が重視されます。

  • 事業の実現可能性(体制・資金・工程が現実的か)
  • リスク管理体制(止まったときの想定があるか)
  • 持続可能性(一時的で終わらず継続するか)
  • 社会的意義(雇用・地域・供給責任)

事業継続力強化計画は、これらと相性が良い制度です。特に設備投資を伴う補助金では、「災害時にも活用可能な設備か」「投資が長期的に機能するか」という観点が評価につながりやすいです。

ここでの実務ポイントは、補助金申請書の中で次の“接続文”を作れる状態にしておくことです。

  • 投資の目的(何が止まるリスクがあるか)
  • 投資の効果(止まる時間・被害・復旧時間がどう変わるか)
  • 運用の担保(訓練・保守・代替手順で継続性があるか)

この3点がつながると、補助金の“説得力”が上がり、加点の有無に関わらず強い申請になります。


税制優遇の仕組み:設備投資を検討するなら「事前に」要件確認が必須

認定計画に基づく防災・減災設備投資については、一定の税制措置が設けられています(中小企業庁ページでも税制措置がメリットとして示されています)。

ただし税制は、対象設備・適用期限・要件が更新される可能性が高い領域です。ブログ記事としては、ここを断定しすぎると危険なので、実務としては次を推奨します。

  • 設備投資の計画があるなら、申請前に税理士へ確認
  • 「認定」だけでなく、設備の種類と取得タイミングが重要
  • 補助金と併用する場合は、会計処理・要件の整合も確認

重要:税制は“後から知っても間に合わない”ことがあるため、先に確認するのが鉄則です。


金融支援との連動:資金繰りこそ“最大の防災”

認定を受けることで、金融支援の活用可能性が広がります(中小企業庁ページでも金融支援がメリットとして示されています)。

中小企業の災害対応で最も厳しいのは資金繰りです。復旧期は、売上が落ちても固定費が発生します。ここで重要なのは次の2点です。

  • 緊急時の資金需要(最低〇か月分)を把握しておく
  • 相談先(金融機関・保証協会・公庫)を事前に決めておく

さらに実務的には、平時のうちに金融機関へ「当社は事業継続力強化計画の認定を目指している/認定済みである」と伝え、災害時の相談ルートを作っておくと、有事の初動が変わります。


申請の手順:ここからが本番(電子申請の“詳細”を実務レベルで)

申請の全体像は以下です。

  1. GビズID取得
  2. 電子申請システムにログイン
  3. 計画の入力(単独型は入力中心/連携型は様式添付中心になりやすい)
  4. 添付書類のアップロード
  5. 申請・受付
  6. 差戻し対応(必要に応じて)
  7. 認定通知

ここから、つまずきやすいポイントを含めて“詳細手順”を解説します。


申請前の準備:GビズIDと「社内の合意」を先に固める

まず電子申請の入口はGビズIDです。これが無いと始まりません。
そして、申請そのものより先に、社内で最低限合意すべき事項があります。

  • 緊急時の責任者(代行順位まで)
  • 重要業務(止めてはいけない業務の優先順位)
  • 投資予定があるなら、概算予算と調達方針
  • 連携型なら、連携先の参加合意(窓口担当も確定)

重要:社内合意が曖昧だと、差戻し対応で迷走します。
申請は書類作業に見えますが、実態は「経営の意思決定の整理」です。


電子申請の入力:単独型で詰まりやすい“3つの壁”

単独型でよく詰まるのは、次の3つです。

  • 空欄が残る(該当無しも含めて埋める)
  • 抽象的すぎる(「徹底する」「強化する」だけでは弱い)
  • 整合が取れていない(リスク→影響→対策がつながらない)

入力時は、次の“自己チェック”をすると差戻しが減ります。

  • この対策は、どのリスクのどの影響を減らす?
  • その対策は、誰が実行する?代行は?
  • 実施時期は?(すぐ/1か月/半年など)
  • 訓練・見直しで改善される設計か?

重要:計画は「美文」ではなく「オペレーション仕様書」です。


連携型の申請:同意書・窓口・協定書の扱いを最初に整理する

連携型の申請で重要なのは、計画本文以上に「連携の証拠」をどう整理するかです。

  • 連携先の一覧と窓口(連絡担当者)
  • 連携の内容(何を相互支援するか)
  • 連携の発動条件
  • 可能であれば、協定・覚書の写し(任意でも説得力が上がる)

そして、連携型は共同作業になる分、スケジュールが崩れやすいです。補助金加点を狙う場合は、連携先との調整を含めて早めに着手するのが安全です。


添付書類:任意資料こそ“差戻し回避”の武器になる

申請には必須書類と任意書類があります。実務では任意書類が効きます。たとえば、

  • 既存のBCP(機密は黒塗り)
  • 緊急連絡網
  • バックアップ手順書(概要)
  • 保険加入状況(概要)
  • 協定書(連携型の場合)

任意書類は、審査側の理解を助けます。結果として、差戻しの可能性を下げることにもつながります。


差戻し(修正依頼)対応:増やすのではなく“つなげ直す”

差戻しを受けたとき、やってはいけないのは「文章をただ増やす」ことです。重要なのは、計画全体のつながりを修正することです。

  • リスクは妥当か
  • 影響分析に漏れはないか
  • 初動対応の担当と判断基準は明確か
  • 対策が現実的か
  • 訓練・見直しで回るか

重要:差戻しは“落第通知”ではなく“改善指示”と捉えると、対応の質が上がります。


認定後にやるべきこと:ここで差がつく(次回申請・信用・補助金の土台)

認定後は以下が重要です。

  • 年1回の訓練(机上訓練でOK。まず回す)
  • 実施状況の記録(次回申請の材料になる)
  • 設備投資の記録(税制・補助金との整合にも役立つ)
  • 計画の見直し(人事異動・設備更新・取引変化に追随)

これを怠ると、2回目申請時に苦労します。逆に言うと、認定後に回している会社ほど、補助金申請書も強くなります。なぜなら、「計画が現場で動いている」こと自体が実行可能性の証拠になるからです。


実施期間と更新:最長3年を前提に「満了前に動く」

実施期間は最長3年です。満了後は新規申請扱いになります。延長ではありません。
そのため、満了の半年前には見直し準備を始めるのが理想です。

実務的には、次の“更新サイクル”が安全です。

  • 認定後6か月:初回の訓練(机上でOK)
  • 12か月:計画見直し(担当変更・連絡網更新)
  • 24か月:投資・保険・IT更新の反映
  • 30か月:次回申請に向けた整理開始

重要:更新は“締切対応”ではなく“運用の延長線上”に置くと、負担が激減します。


よくある質問(FAQ)|実務で本当に多い疑問を厳選20問で解説


Q1. 事業継続力強化計画は義務ですか?

いいえ、義務ではありません。任意制度です。
ただし、補助金加点や税制優遇、金融支援の活用を考える場合、実質的に「やっておいた方が有利」な制度です。特に競争型補助金を狙う企業にとっては、戦略的に取得しておく価値があります。


Q2. 小規模事業者や個人事業主でも申請できますか?

可能です。
本制度は小規模事業者や個人事業主も対象です。むしろ、経営資源が限られている企業ほど、リスク整理と初動対応の明確化が重要になります。


Q3. 申請から認定までどれくらいかかりますか?

標準処理期間は約45日程度です。
ただし、記載不備があると差戻しが入り、さらに時間がかかります。補助金締切に間に合わせたい場合は、最低でも2か月前には申請することをおすすめします。


Q4. 補助金の申請と同時進行できますか?

可能ですが注意が必要です。
補助金の加点対象になるためには「認定済み」であることが条件になるケースが多いです。補助金締切前に認定通知が出ている必要があります。


Q5. どの補助金で加点されますか?

公募回によって異なりますが、代表的なものは以下です。

・ものづくり補助金
・小規模事業者持続化補助金
・事業承継・M&A補助金
・中小企業省力化投資補助金
・中小企業成長加速化補助金

必ず最新の公募要領で加点対象と明記されているか確認してください。


Q6. 加点はどれくらい効果がありますか?

補助金によって異なります。
明確な点数が示される場合もあれば、評価項目の一部として扱われる場合もあります。競争型補助金では数点の差が採択を分けるため、加点の効果は小さくありません。


Q7. 認定を取れば補助金は必ず採択されますか?

いいえ。
あくまで加点・評価要素の一つです。事業計画そのものが弱ければ採択は難しいです。


Q8. 計画の内容は公表されますか?

本文は公表されません。
公表されるのは事業者名や所在地などの基本情報のみです。


Q9. 申請方法は?紙で提出できますか?

現在は原則電子申請です。
GビズIDの取得が必要で、発行まで約2週間程度かかるため早めの準備が必要です。


Q10. 計画はどれくらいのボリュームになりますか?

単独型であれば10~20ページ程度に整理できます。
重要なのはページ数ではなく、具体性と実行可能性です。


Q11. 自社だけで作れますか?専門家は必要ですか?

自社でも作成可能です。
ただし、補助金加点を狙う場合や設備投資と連動させる場合は、専門家の助言が有効なケースもあります。


Q12. 連携型とは何ですか?

複数企業で共同して計画を策定する類型です。
代替生産体制や相互支援協定を組む場合に有効ですが、単独型より難易度は高めです。


Q13. 差戻し(修正依頼)が多い理由は何ですか?

主な原因は以下です。

・空欄がある
・抽象的な記載
・対策が具体的でない
・訓練計画が曖昧

「誰が・いつ・何をするか」まで書くことが重要です。


Q14. 実施期間は何年ですか?更新はありますか?

実施期間は最長3年です。
満了後は自動更新ではなく、新規申請扱いになります。


Q15. 計画通りに実施できなかったら取消になりますか?

やむを得ない事情があれば直ちに取消にはなりません。
ただし、全く実施していない場合は問題になる可能性があります。


Q16. 訓練は必ずやらなければなりませんか?

法的義務ではありませんが、実効性確保の観点から実施が強く推奨されています。年1回程度の訓練が望ましいとされています。


Q17. 設備投資をしないと意味がありませんか?

いいえ。
体制整備やマニュアル作成のみでも申請可能です。設備投資は必須ではありません。


Q18. サイバー対策や感染症対策も対象になりますか?

対象になります。
近年は自然災害だけでなく、サイバー攻撃や感染症も重要なリスクとして扱われています。


Q19. 税制優遇や金融支援は自動で受けられますか?

自動ではありません。
要件を満たした上で、税理士や金融機関と相談しながら申請・手続きを行う必要があります。


Q20. 今すぐ取り組むべき理由は何ですか?

補助金競争は年々激化しています。加点取得は早い者勝ちの側面があります。
さらに、災害やシステム障害はいつ発生するか分かりません。
事業を守り、採択率を高めるためにも、早めの取り組みが経営上のリスクヘッジになります。

まとめ:事業継続力強化計画は「採択率を上げる経営基盤」であり、災害時の生存戦略

事業継続力強化計画は、防災対策を超えた経営強化制度です。中小企業庁も、認定のメリットとして税制措置・金融支援・補助金加点を明示しています。

  • 補助金加点(公募要領で明記される回があり、持続化補助金では「計画策定加点」が示される例がある)
  • 税制優遇(設備投資とセットで要件確認が重要)
  • 金融支援(資金繰りの耐性を上げる)
  • 信用力向上(取引先・地域への説明力)

そして何より、災害は待ってくれません。補助金競争も激化しています。
「事業を守る」ことと「成長投資を有利に進める」ことを同時に進めるためのツールとして、2026年版は戦略的に活用する価値があります。

各種補助金・融資など資金調達のサポート|壱市コンサルティング

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壱市コンサルティングでは、
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当社には、各業界に精通した専門分野をもつ
中小企業診断士・行政書士が在籍しており、
2〜3名体制で責任をもって担当いたします。

  • 補助金・融資制度の制度理解と最新動向の把握
  • 採択・融資審査を見据えた事業計画・資金計画の設計
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単なる書類作成にとどまらず、
「通る計画」「実行できる計画」を重視しています。


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補助金・融資による資金調達は、
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事前面談のうえで対応可否を判断しております。


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  • 補助金・融資が活用可能な事業内容かどうか
  • 補助金と融資のどちら、または併用が適切か
  • どの申請枠・制度を選ぶと有利か
  • 採択・融資審査における評価ポイント・注意点
  • 事業計画・資金計画で重視すべき要素

「情報収集段階」「検討中」の方でも問題ありません。


このような方におすすめです

  • 中小企業庁管轄の補助金を活用したい中小企業・小規模事業者
  • 補助金だけでなく融資を含めた資金調達を検討している方
  • 採択率・融資実行率を高めるため専門家の支援を受けたい方
  • 2026年以降の補助金・資金調達を見据えて準備したい方

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中小企業庁管轄の補助金申請、
および 融資を含む資金調達をご検討中の方は、
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