【令和8年度対応】Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)“採択を取りにいく”実務ガイド:公募要領を読み解く、申請設計、勝ち筋、採択後に詰まない運用まで

Contents
  1. 1. まず押さえるべき結論:Go-Techは「研究費」ではなく「事業化までの設計力」を審査する制度
  2. 2. 今回(令和8年度)の公募スケジュール:締切は4/17 17:00。勝負は「3週間前」に決まる
  3. 3. 採択・不採択の通知/公表:この制度は「文書通知が来ない」設計(社内混乱を防ぐ)
  4. 4. 予算規模・補助上限:通常枠は最大9,750万円。しかも「2/3ルール」が地味に難所
  5. 5. 申請対象となる研究開発計画:ここを外すと“どれだけ文章が上手くても落ちる”
  6. 6. 審査基準を“採択される書類構造”に翻訳する:専門家の王道ロジック
  7. 7. 採択されるKPI設計:KPIは「技術→工程→事業」の3階層で置け
  8. 8. 事業化計画:審査員が最も不安になるのは「誰が買うのか」が見えない計画
  9. 9. 申請の手順(実務フロー):e-Rad提出は“手段”。本当の勝負は整合性監査
  10. 10. 採択後〜補助金をもらうまでのハードル:最大の壁は「キャッシュフロー」と「証憑」
  11. 11. 採択事例から読み解く“通る案件の共通パターン”(申請者が真似すべきのはテーマではなく構造)
  12. 12. どうすれば採択するのか:審査で点が入る「書き方」ではなく「作り方」
  13. 13. 採択後に詰まないための“運用設計”までが申請の一部(ここで専門性が出る)
  14. 14. メリット/デメリット(申請者が意思決定できる粒度)
  15. 15. よくある質問(15項目)— 実務の判断軸まで踏み込んだ専門家コメント
  16. 16. 最後に:今回の締切(4/17 17:00)から逆算した「採択を取りにいく」最短ルート
  17. 各種補助金・融資など資金調達のサポート|壱市コンサルティング

1. まず押さえるべき結論:Go-Techは「研究費」ではなく「事業化までの設計力」を審査する制度

Go-Tech(成長型中小企業等研究開発支援事業)は、研究開発の“面白さ”だけでは通りません。公募要領の要件は一貫して、「研究開発をやること」ではなく「研究開発の結果を、事業として成立させること」に重心があります。申請段階で特に重いのが次の3本柱です。

  • 研究開発終了後、短期間(目安:1年以内)にサンプル出荷等を通じて川下(顧客側)から評価を受けられる計画であること
  • 補助対象期間終了後、一定期間(目安:5年以内)を見据え、事業化達成の目標を策定できること
  • 主たる中小企業者等として、付加価値・賃金等の成長目標を掲げ、それを実行できる計画であること

つまり審査員は、「技術が新しいか」以上に、“誰が・何を・いつまでに・どの証拠で・どう売って・どう成長するか”の整合性を見ます。
この制度は、申請書を“作文”として作ると落ち、設計図(審査者が判断できる資料)として作ると通りやすい。これが現場の結論です。


2. 今回(令和8年度)の公募スケジュール:締切は4/17 17:00。勝負は「3週間前」に決まる

2-1. 公募期間と締切(ここは1ミスで即死)

  • 公募期間:令和8年2月16日(月)~令和8年4月17日(金)17時まで

「17:00締切」は、“当日中”ではありません。17:00を過ぎた瞬間にアウトです。

2-2. 相談窓口の“落とし穴”:締切前は相談が殺到し、しかも17時以降は相談不可

公募要領では、締切が近づくほど相談が殺到し対応できない場合がある、また17時以降は相談に応じられない旨が明確に注意されています。さらに、記載漏れなど不備がある場合は審査しない可能性があるという趣旨が示されています。

実務上の意味ははっきりしていて、締切直前は

  • 共同体内の合意(役割・予算・知財)が未確定のまま提出
  • 添付や整合性が崩れて“形式不備”
  • 第三者レビューや差し戻し対応が間に合わない
    という事故が増えます。採択を取りに行くなら、提出日は締切ではなく「品質管理の最終期限」です。

2-3. e-Rad登録は「2週間以上前」が“最低条件”

申請はe-Radのみで、登録手続に日数を要する場合があるため、2週間以上の余裕をもって登録するよう明確に注意されています。

専門家の実務判断:共同体(複数法人+大学等)なら「2週間前」は最低ライン。採択を取りに行くなら、3〜4週間前倒しが安全圏です。詰まるのはシステムではなく、共同体内の承認フロー、添付整合、役割・予算の最終確定です。


3. 採択・不採択の通知/公表:この制度は「文書通知が来ない」設計(社内混乱を防ぐ)

この制度では、採択・不採択の結果について「文書通知を行わない」趣旨の運用が示されており、採択発表後に交付申請の意思確認を求められる場合があります。

また採択案件は公表され、計画名・研究概要・各機関名(大学等含む)が公開されることが前提です。公表時期は概ね6月頃が目安です。

コメント

  • 「通知が来ない=落ちた」と誤解し、社内が混乱する例があります。発表タイミングまでの社内コミュニケーション設計が必要です。
  • 公表される前提なので、申請書は「評価可能な具体性」と「公開されても困らない抽象度」を両立させる必要があります。知財・秘匿の線引きは申請前に決めてください。

4. 予算規模・補助上限:通常枠は最大9,750万円。しかも「2/3ルール」が地味に難所

4-1. 通常枠:2〜3年/最大9,750万円(総額)

通常枠は、2年または3年で実施する設計が基本で、補助上限は年数に応じて上限が設定されています(例:3年合計で最大9,750万円)。補助率は中小企業者等で原則2/3以内ですが、一定の条件(企業規模・所得等)により1/2となる場合があります。

4-2. 「中小企業が受け取る補助金が2/3以上」ルール(共同体の予算設計で事故る)

通常枠には、共同体全体の補助金総額のうち、中小企業者等が受け取る補助金額が2/3以上であることが求められます。ここを満たさないと制度要件として崩れます。

加えて、大学・公設試等が購入した設備備品であっても、中小企業者等が一定割合以上(「専ら」=概ね2/3以上)使用する場合に限って、中小企業が受け取る補助金額として取り扱える、という趣旨の注意が示されています。逆に言えば、使用実態を説明・証明できないと、精算段階で否認され、要件未達に転落し得ます。

コメント(採択後に致命傷になりやすい)
共同体で大学側に設備費を寄せると、研究は進みやすく見えます。しかし精算・監査の局面では「誰が、どれだけ使ったか」を説明できず、否認が起きやすい。申請段階で次を決めておくのが実務の防波堤です。

  • 設備の設置場所(どこに置くか)
  • 利用計画(誰が・いつ・どれだけ使うか)
  • 記録方法(稼働ログ、利用簿、予約表、写真等)
  • 研究成果の帰属(測定データ、治具、条件表)

5. 申請対象となる研究開発計画:ここを外すと“どれだけ文章が上手くても落ちる”

Go-Techは「研究開発を支援する」制度であり、次のような計画は制度の趣旨から外れやすい(=通りにくい、または要件不適合になりやすい)という線引きがはっきりしています。

  • 研究開発を伴わない販路開拓のみの計画
  • 研究開発計画の本質的部分(研究開発要素のある業務)を、共同体の従たる研究等実施機関以外に委託・外注してしまう計画

そして“対象として求められる核”が、

  • 早期の川下評価(目安:研究終了後1年以内)
  • 事業化の到達目標(目安:補助対象期間終了後5年以内)
  • 成長目標(付加価値・賃金等)
    です。

コメント
この3条件は「気合い」ではなく設計仕様です。審査員が見たいのは、熱意よりも「実行可能で、検証可能で、再現可能な計画か」です。


6. 審査基準を“採択される書類構造”に翻訳する:専門家の王道ロジック

審査は大きく、技術面・事業化面・政策面で評価されます。技術面では、新規性や独創性を見ますが、ここで重要なのは「新規性=本邦初」ではない点です。既存技術の組合せ、創意工夫、プロセス改善も、川下課題を解くなら評価対象になります。

さらに目標値(数値KPI)の妥当性が強く見られ、目標値は川下の課題・要請を踏まえたものであることが求められます。

6-1. “新規性が弱い”と悩む企業ほど、実は勝てる

この制度で勝てるロジックは、技術の凄さの自慢ではなく、次の順番です。

  1. 川下の困りごとを“損失”として定義(停止損失、歩留まり、規制対応費、供給制約、品質事故など)
  2. 既存手法では解けない「制約条件」を明示(温度域、耐久、再現性、コスト上限、工程制約、規格・安全、材料制限など)
  3. その制約を突破する“技術の組合せ/工程革新”を提示(ここが新規性の核心)
  4. 目標値を川下価値に翻訳し、評価方法・合否基準まで書く(ここが採択の決定打)

審査は文章力ではなく、因果が通っているかで決まります。ここを構造(図・表)で示すのが専門家の作り方です。


7. 採択されるKPI設計:KPIは「技術→工程→事業」の3階層で置け

目標値(数値KPI)は、性能目標だけに閉じると弱いです。採択される計画は、次の3階層でKPIを置き、因果でつないでいます。

  • 技術KPI:性能・精度・耐久・処理速度・検出限界・再現性など
  • 工程KPI:歩留まり・タクト・停止時間・保全周期・段取り時間・作業工数など
  • 事業KPI:導入コスト・運用コスト・回収期間・単価・粗利・稼働率・供給安定性・CO2/廃棄物削減など

さらにGo-Techは、早期に川下評価が必要です。したがって、3階層KPIを「川下が評価できる形式」に落とす必要があります。専門家が必ずやるのは、評価仕様(合否基準)の先置きです。

評価仕様(合否基準)の例(そのまま申請書の骨になる)

  • 評価者:川下の工程責任者/品質保証/購買
  • 評価対象:試作品・サンプル・評価データパッケージ
  • 評価項目:性能+量産性+信頼性+規格適合+コスト+保守性
  • 合否基準:採用判断に結びつく閾値(例:耐久○時間、歩留まり○%、処理時間○秒、規格○○準拠 等)
  • 評価環境:実ライン、模擬ライン、第三者試験、規格試験
  • 次アクション:量産試作、PoC拡大、価格交渉、設計変更

8. 事業化計画:審査員が最も不安になるのは「誰が買うのか」が見えない計画

この制度で最も多い不採択理由は、技術そのものではなく「事業化の確度が見えない」ことです。つまり、審査員の頭に浮かぶこの疑問を消せない計画が落ちます。
「それ、誰が、いくらで、いつ買うの?」

8-1. 事業化計画は“市場導入の階段”で書く(売上目標だけでは弱い)

おすすめは、売上目標を先に置くのではなく、段階を置いて書くことです。

  • フェーズ1:試作 → 評価(川下評価)
  • フェーズ2:量産試作 → 信頼性 → 規格・認証
  • フェーズ3:量産立上げ → 供給網整備 → 初期顧客導入
  • フェーズ4:横展開(顧客・用途拡大)→ 収益安定 → 人材強化・賃上げ

この階段ごとに、ボトルネック(歩留まり、材料調達、設備能力、品質保証、規格、保守、販売チャネル)と対策を書きます。これが“実現可能性”を上げます。

8-2. 価格は「コスト積上げ」だけでなく「川下損失」から逆算する

価格の根拠が薄いと、売上見込みも薄く見えます。採択される計画は、次の二つを両方書きます。

  • 原価構造(材料・加工・検査・保全・償却)
  • 川下価値(停止損失削減、歩留まり改善、工程短縮、規格対応コスト削減、廃棄物削減等)

特にBtoBの装置・材料・工程技術では、川下価値(損失)を金額換算できるほど説得力が上がります。


9. 申請の手順(実務フロー):e-Rad提出は“手段”。本当の勝負は整合性監査

9-1. 提出はe-Radのみ。登録遅延が“品質低下”を呼ぶ

提出はe-Radのみで、登録に時間がかかる場合があるため余裕をもって登録することが強く注意されています。
実務上、e-Radが遅れると、共同体の承認フローが押し、最終週に整合性が崩れます。採択狙いなら、提出作業は早期に終え、最終週は品質管理に使うべきです。

9-2. 大型枠は対面審査がある(プレゼン+質疑)。書面の“穴”が一瞬で露呈する

大型枠は、必要に応じて対面審査(プレゼン+質疑)が行われます。対面は「説明すれば何とかなる場」ではありません。むしろ、書面の矛盾や、事業化の弱点が最短で露呈します。大型枠で勝つには、書面段階で“問い”を潰しきる必要があります。

9-3. 過去採択の“報告対応”が今回審査に加味され得る(経験者ほど注意)

過去に採択された案件がある場合、事業化状況報告やフォローアップ対応の状況・内容が評価に影響し得る趣旨が示されています。経験者ほど「採択後の運用」を軽視すると不利になり得ます。


10. 採択後〜補助金をもらうまでのハードル:最大の壁は「キャッシュフロー」と「証憑」

10-1. 受領は原則「精算払い」=資金繰り設計が必須

補助金は、事業完了後の実績報告と確定を経て支払われる形(精算払い)が基本です(途中支払いの可能性があっても、基本は後から入る前提で設計するのが安全です)。

コメント
採択後に研究が止まる最大要因は、技術ではなく資金繰りです。採択前から、

  • 立替が発生する費目
  • 支払サイト(外注、材料、設備)
  • 自社資金・融資・つなぎ
    を明確にし、月次キャッシュフローで潰してください。

10-2. 中間評価がある:評価が低ければ、変更・縮小・中止もあり得る

年度後半に中間評価が行われ、評価が極めて低い場合には、次年度以降の計画変更・縮小・中止の可能性があります。
つまり「採択されたら3年安泰」ではありません。

コメント
中間評価で見られるのは「研究の頑張り」よりも「計画通りに前進し、意思決定できているか」です。申請段階で、

  • 年度ごとの成果物
  • 中間評価で提示する指標
  • 次年度の意思決定条件(Go/No-Go)
    まで入れておくと強いです。

10-3. 証憑(エビデンス)運用:保存義務がある前提で“最初から仕組み化”する

補助事業の経理は、証拠書類を整理し一定期間保存することが求められます。
研究者が忙しいから後でまとめる、は事故のもとです。月次で締める仕組みが必要です。

最低限の運用ルール(これがないと崩れます)

  • 見積 → 稟議 → 発注 → 検収 → 請求 → 支払 → 台帳の紐づけ
  • 工数(タイムシート)の記録方法とレビュー頻度
  • 外注の成果物・検収基準
  • 共同体内のデータ共有と成果物管理(バージョン管理、保管場所)

10-4. 変更は原則「事前承認」。完了後も報告が続く

補助事業は、計画変更、経費配分変更等が手続き対象になり得ます。完了後も、実績報告、知財関連の届出、一定期間の事業化状況報告などが求められます。

コメント
申請段階から「変更が起きる前提」で書けると強いです。

  • 想定リスク(性能未達、材料調達、規格対応、量産性)
  • 代替案(別材料、別工法、別評価法、別用途)
  • 判断条件(KPI達成条件、費用上限、スケジュール限界)
    これがあると、採択後の変更が“合理的”に見え、運用も回ります。

11. 採択事例から読み解く“通る案件の共通パターン”(申請者が真似すべきのはテーマではなく構造)

直近の採択案件を俯瞰すると、通る案件にははっきりした共通項があります。ここで重要なのは、個別テーマの名前ではなく、計画の構造です。

11-1. 共通パターン(5つ)

  1. 社会実装の障壁(説明責任・安全・規制)を技術で潰す
  2. 供給構造(外注依存・納期・品質)を工程革新でひっくり返す
  3. 環境負荷(薬液・溶媒・廃棄物)を工程置換として価値化する
  4. 停止損失や重大不具合など“川下損失が大きい点”に検出・監視を刺す
  5. 量産・安全・監視を最初から計画に組み込む(実装パッケージ型)

11-2. 専門家が見るポイント(ここが“採択の型”)

  • 課題設定が「技術課題」ではなく「川下損失」から始まっている
  • KPIが性能だけでなく、工程・運用・経済価値に翻訳されている
  • 評価計画が“誰が見ても合否が分かる”レベルまで落ちている
  • 事業化が「ロードマップ」ではなく「市場導入の階段」になっている
  • 共同体の役割分担が“名義”ではなく“必然”になっている

12. どうすれば採択するのか:審査で点が入る「書き方」ではなく「作り方」

ここからは、採択を取りにいくための、実務で効く“作り方”を提示します。文章テクではありません。

12-1. 章立ては「審査員の判断順」に合わせる(認知負荷を下げる)

審査員は短時間で多数案件を読みます。よって、読む側の思考順に合わせることが強い。推奨骨格は次です。

1)川下課題(損失・規制・供給制約)
2)既存手法の限界(制約条件)
3)提案の突破口(組合せ/工程革新=新規性の核心)
4)KPI(技術→工程→事業、合否基準)
5)評価計画(川下評価)
6)事業化の階段(量産・規格・供給・販売)
7)成長計画(付加価値・賃金の原資まで)
8)体制・知財・予算(整合性)

12-2. “新規性”は技術説明の前に「今までできなかった理由」から書く

成功例はこうです。

  • 先に制約条件を書く(温度、耐久、再現性、工程制約、コスト、規格、安全、材料制限)
  • 次に突破口を書く(どの要素が制約を外すか)
  • 最後に比較を書く(現行との差、競合との差、代替との差)

こうすると、既存技術の組合せでも「なぜ価値があるか」が一瞬で伝わります。

12-3. 目標値(KPI)は「測れる」「比較できる」「意思決定につながる」

採択されるKPIの条件はこの3つです。

  • 測れる:測定条件、試験法、誤差、サンプル数
  • 比較できる:現行/競合/代替との比較軸
  • 意思決定につながる:川下が採用判断できる閾値

13. 採択後に詰まないための“運用設計”までが申請の一部(ここで専門性が出る)

申請段階で採択後運用が見えている計画は、審査員に「この共同体は回る」と思わせやすいです。最低限、次を申請書のどこかに滲ませる(明記できるなら明記する)と強いです。

  • 月次で証憑が締まる(見積〜台帳まで一気通貫)
  • 工数管理が運用される(タイムシート・レビュー頻度)
  • 変更が起きた時の判断条件(Go/No-Go)が設計されている
  • 共同体の知財・公開・成果物管理が合意済み
  • 中間評価で見せる成果物が年次で設計されている

“採択後の事故”を潰すための最小セット(社内ルール)

  • 発注ルール(いつ、誰が、何を根拠に発注できるか)
  • 検収ルール(成果物の定義、検収の基準)
  • 証憑ルール(保存場所、ファイル命名、アクセス権)
  • 変更ルール(変更理由、代替案、承認フロー)
  • 共同体ルール(データ共有、成果帰属、出願と公開順序)

これが“採択後に詰まない”だけでなく、申請の説得力を上げます。


14. メリット/デメリット(申請者が意思決定できる粒度)

14-1. メリット

  • 研究開発を事業化に接続する要件が制度内で明確(研究が売上に繋がる設計になりやすい)
  • 中間評価等により、プロジェクトが迷子になりにくい
  • 共同体で大学・公設試の力を「評価系」「解析」「規格」「信頼性」などに必然化できれば、技術裏付けが強固になる
  • 採択実績が信用力になり、採用・営業・資金調達に波及するケースがある(※公表前提なので秘匿線引きは必要)

14-2. デメリット(知らずに申請すると採択後が地獄)

  • 資金繰りが厳しくなり得る(立替・後払い前提の設計が必要)
  • 証憑・報告・変更管理が重い(研究者任せにすると破綻)
  • 共同体運営(知財・成果物・公開)の合意が曖昧だと揉める
  • 加点(賃上げ等)を“テク”で取りに行くと、未達時のリスクが重い場合がある

15. よくある質問(15項目)— 実務の判断軸まで踏み込んだ専門家コメント

Q1. 締切当日に出せば大丈夫?

おすすめしません。形式不備があると審査されない可能性があるため、当日提出は事故確率が上がります。
コメント:締切週は提出ではなく、矛盾潰し(整合性監査)の週にしてください。

Q2. e-Rad登録はどれくらい前が安全?

最低でも2週間前、共同体なら3〜4週間前倒しが安全です。
コメント:詰まるのはシステムではなく、共同体の承認と添付整合です。

Q3. 「販路開拓」中心で申請できる?

研究開発を伴わない販路開拓のみは不可です。
コメント:販路は“研究成果の実装導線”として位置づける必要があります。

Q4. 外注はどこまで可能?

研究開発の核心部分を外に丸投げする設計は危険です。
コメント:核心は共同体内、外注は補助的業務に限定し、成果物・知見の帰属と社内化を明確に。

Q5. 川下評価(早期評価)はどこまで具体に書くべき?

「評価する」だけでは弱いです。
コメント:評価者・評価項目・合否基準・評価環境・次の意思決定まで、仕様書として書くと強い。

Q6. 5年以内事業化は売上目標だけでいい?

弱いです。
専門家コメント:量産・規格・供給・販売の階段設計と、各段階のリスク対策が必要です。

Q7. 成長目標(付加価値・賃金)はどう扱うべき?

審査用の数字で作ると、採択後の報告で破綻します。
コメント:原資(値上げ、付加価値増、原価低減、歩留まり改善、稼働率向上)と因果で繋いでください。

Q8. 通常枠の上限は?

年数に応じて上限が設定されています(例:3年合計で最大9,750万円)。

Q9. 補助率は?

中小企業者等は原則2/3以内。ただし条件により1/2となる場合があります。

Q10. 「中小企業が受け取る補助金2/3以上」って何が難しい?

共同体の予算配分で崩れやすい点です。
コメント:設備の使用実態(誰がどれだけ使うか)を証拠化できないと、精算段階で否認→要件未達の事故が起き得ます。

Q11. 採択結果は通知される?

制度運用として文書通知を行わない扱いが示されています。
コメント:社内で誤解が起きやすいので、発表時期までの情報共有設計を。

Q12. 採択案件は公表される?

公表前提です(計画名、概要、機関名等)。
コメント:公開されても困らない抽象度と、評価可能な具体性の両立が必要です。

Q13. お金はいつ入る?

基本は事業完了後の精算払いが中心です。
コメント:採択前から月次キャッシュフローで設計してください。

Q14. 中間評価は何を見られる?

進捗や成果物の妥当性、計画通りに前進しているかが見られます。
コメント:中間評価で提示する成果物とKPIを、申請段階から逆算して置くと強い。

Q15. 採択後の義務で一番重いのは?

証憑・報告・変更管理です。
コメント:研究者の頑張りではなく、経理・購買・検収が回るかで成否が決まります。


16. 最後に:今回の締切(4/17 17:00)から逆算した「採択を取りにいく」最短ルート

採択を取りにいくなら、最短ルートはこうです。

  1. 共同体で「川下課題」「評価者」「合否基準」を先に固める(評価仕様書を作る)
  2. KPIを3階層(技術→工程→事業)で設計し、因果を繋ぐ
  3. 事業化を“市場導入の階段”で書き、量産・規格・供給・販売の抜けをなくす
  4. 予算を「成果物→作業→費目→積算根拠」で組み、要件(2/3ルール等)を壊さない
  5. 採択後運用(証憑・工数・変更・中間評価)のルールを申請前から仕込む
  6. e-Rad登録と提出は前倒しし、最終週は整合性監査に使う

これをやると、申請書は自然に“採択される形”になります。技術の良さを見せる前に、審査員が判断できる設計になっているからです。

Go-Tech事業は、研究開発だけで終わらせず「事業化=成長」まで見据えた技術開発を支援する制度。
だから通称が Go-Tech
Go=成長へ進む/成長志向Tech=技術(Technology)

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