【令和8年度公募】明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金|申請方法・対象経費・採択ポイント完全ガイド
令和8年度 明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金の公募開始
令和8年度(第1回)「明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金」の公募が開始されています。
本制度は、東京都内の受注型中小企業を対象に、自社の技術・サービスの高度化や高付加価値化に向けた技術開発等を支援する制度です。単なる設備更新ではなく、「受注競争力の強化」に直結する本格的な技術開発支援制度といえます。
本記事では、制度の全体像から助成対象経費の詳細、実務上の注意点、よくある質問まで、専門家の立場から整理します。
制度の目的と基本思想
本制度は、発注企業の仕様等に基づき製品・サービスを提供する受注型(BtoB)中小企業が、技術力向上・高付加価値化を図るための技術開発等を支援するものです。
制度上、「最終消費者に直接提供される製品・サービス」は対象外の考え方が示されています。
つまり、本制度は
・取引先から求められる技術水準への対応
・品質・精度・生産性の向上
・工程改革やDXによる受注力強化
といった“受注型企業の基盤強化”が主軸です。
助成条件の概要
・助成率:助成対象経費の3分の2以内
・助成限度額:一般区分2,000万円/小規模企業区分1,000万円
・助成対象期間:令和8年7月1日~令和9年9月30日(1年3カ月以内)
助成対象事業の成立要件
以下を満たす必要があります。
・自社技術または自社サービスの高度化・高付加価値化であること
・技術的課題の解決があること
・達成目標を期別に具体的(数値等)に設定すること
「良くなります」ではなく、「〇%改善」「〇μm精度向上」など定量化が必要です。
助成対象経費一覧
本制度の助成対象経費は、
①必要最小限であること
②対象期間内に契約・取得・支払い完了
③区分経理可能
④所有権が助成事業者に帰属
という条件を満たす必要があります。
以下に、制度資料に基づく全経費区分を詳細一覧表で整理します。
助成対象経費一覧表
| 経費区分 | 対象内容 | 具体例(制度資料記載事項ベース) | 実務上のポイント |
|---|---|---|---|
| 原材料・副資材費 | 技術開発等に直接使用し消費される材料費 | 試作用材料、部品、特殊鋼材、電子部品、樹脂材料等 | 量産材料は不可。試作・開発用途に限定。 |
| 機械装置・工具器具費 | 技術開発に必要な設備費 | リース・レンタル・購入・据付費 | 汎用PC等は対象外。専用性が重要。 |
| 〃 | 自社製作設備の部品費 | モーター、制御基板、構造部材等 | 設計図・用途説明が必要。 |
| 委託・外注加工費 | 外部専門機関への委託費 | 機械加工、基板設計、試作金型製作、委託設計、デザイン、検査・実験、性能評価、検定、認証、規格申請、実証データ取得 | 自社実施分と明確に区分。選定理由も必要。 |
| 〃 | 組合構成員への委託費 | 組合等の共同取組における委託費 | 役割分担を明確に。 |
| 〃 | 人材育成・研修費 | 技術力向上を目的とする研修費 | 通常研修は不可。技術開発目的に限る。 |
| 産業財産権出願・導入費 | 特許等出願費 | 国内外特許、実用新案出願費 | 開発テーマと関連性必須。 |
| 〃 | 特許等の譲渡・ライセンス費 | 実施許諾料等 | 存続中の権利に限る。 |
| 技術指導受入れ費 | 外部専門家への謝金 | 技術指導謝金等 | 指導内容を具体化すること。 |
| 展示会出展費 | 出展小間料 | 展示会小間費 | 本事業成果の展示であること。 |
| 〃 | 展示資材費 | パネル、ブース装飾等 | 試作品紹介目的に限る。 |
| 〃 | 運搬費 | 試作品の会場搬送費 | 通常営業運搬は不可。 |
| 広告費 | 広告掲載費 | 新聞、雑誌、WEB広告 | 開発成果の広報に限定。 |
| 〃 | 印刷物作成費 | パンフレット制作費 | 通常会社案内は不可。 |
| 直接人件費(ソフトウェア開発) | ソフトウェア開発人件費 | 常勤役員・正社員のみ対象 | 上限700万円 |
助成対象外経費(重要)
| 主な対象外例 |
|---|
| 期間外契約・支払い |
| 帳票不備 |
| クレジットカード払い |
| 消費税・光熱費等の間接経費 |
| 汎用PC・スマホ等 |
経費は「区分を知っている」だけでは足りません。
✔ どの経費区分に入れるか
✔ 技術開発との関連性をどう説明するか
✔ 証憑をどう整えるか
✔ 委託範囲をどう線引きするか
ここまで設計して初めて、採択後のトラブルを回避できます。
制度を正しく理解し、経費設計から戦略的に組み立てることが成功の鍵です。
審査の流れ(申請から交付決定までの全体像)
本制度は、書類提出後すぐに交付決定となるわけではなく、書類審査→面接審査→助成対象者決定というプロセスを経ます。
申請受付は令和8年4月1日~4月8日(当日消印有効)です。
以下に、実務の流れを整理します。
審査プロセス一覧表
| フェーズ | 時期(目安) | 内容 | 申請者がやるべきこと | 審査のポイント |
|---|---|---|---|---|
| ① 公募開始 | 4月 | 公募要領公開 | 事業計画作成、経費設計 | 技術課題の明確化 |
| ② 申請受付 | 4月1日~4月8日 | 郵送提出(簡易書留等) | 書類不備ゼロで提出 | 形式不備で失格しない |
| ③ 書類審査 | 4月~6月中旬 | 技術審査・経営審査 | 追加資料対応(必要時) | 技術妥当性・実現性 |
| ④ 面接審査 | 6月頃 | 書類通過者のみ実施 | プレゼン準備 | 体制・理解度・実行力 |
| ⑤ 助成対象者決定 | 6月下旬 | 採択通知 | 事業開始準備 | 計画の整合性 |
| ⑥ 事業開始 | 7月1日予定 | 助成対象期間開始 | 契約・発注管理 | 期間内完結管理 |
書類審査で見られるポイント
書類審査では、以下が中心になります。
・技術課題の具体性
・達成目標の数値化
・委託と自社実施の区分明確性
・経費の妥当性(4条件適合)
ここでは「文章の分かりやすさ」よりも、論理性・実現可能性・妥当性が評価軸になります。
面接審査で問われる実務的観点
面接では、
✔ 技術内容を自社で説明できるか
✔ 経費の内訳を理解しているか
✔ 達成目標の根拠は何か
✔ 体制は十分か
といった点が確認されます。
書類の内容と口頭説明に齟齬があると評価が下がるため、事業責任者が自ら理解していることが重要です。
審査全体の特徴
本制度の審査は、
・短期間で進む
・技術内容重視
・数値目標重視
・受注型であることの妥当性重視
という特徴があります。
特に、「受注競争力強化につながるか」という視点が一貫しています。
採択事例から見る傾向分析(どのような事業が採択されているか)
令和7年度の採択テーマを分析すると、本制度で評価されやすい事業の傾向が明確に見えてきます。以下は、採択事例に基づく内容分析です。
① 加工精度・技術水準の高度化
多く見られるのが、加工精度の向上や特殊材料対応など、「技術そのものの高度化」を目的とした事業です。
・超精密工具の研磨技術向上
・微細部品金型の高精度加工技術開発
・半導体検査向け高精度光学系の量産体制確立
・特殊材対応の高精度加工体制構築
これらは、既存技術の延長ではなく、「より高い精度」「より高度な仕様」に対応するための開発テーマです。
傾向ポイント
✔ 精度向上
✔ 難加工材対応
✔ 高度要求分野(半導体・宇宙等)対応
② 生産性向上・省人化・工程改革
次に多いのが、生産工程の標準化・自動化・省人化を目的とした取組です。
・排気部品加工の標準化と省人化体制構築
・印刷前後工程の自動化
・自動表紙貼り機導入による製本工程効率化
・作業工程の自動機械化
・量産体制構築による外注内製化
単なる設備更新ではなく、「工程全体を再設計する」タイプのテーマが多く見られます。
傾向ポイント
✔ 工程標準化
✔ 自動化・省人化
✔ 生産能力増強
✔ 内製化による受注力強化
③ DX・システム高度化
受注型企業の業務基盤を強化するDXテーマも多数採択されています。
・作業員手配管理システムの追加機能開発
・基幹システムのDX化
・遠隔監視システムの高機能化
・Cookie同意管理システム開発
・構造計画汎用システム開発
これらは、受注処理・管理・設計・運用といった業務機能を高度化することで競争力を高めるテーマです。
傾向ポイント
✔ 業務効率化
✔ 管理高度化
✔ 受注処理スピード向上
✔ デジタル基盤整備
④ 新市場・高付加価値分野への展開
既存顧客依存からの脱却や新分野参入を狙うテーマも多く見られます。
・宇宙産業向け生産性向上
・防災ドローン開発
・環境負荷低減型材料開発
・高級天然素材対応
・次世代型バーチャルライブ運用システム開発
単なる横展開ではなく、「新しい市場ニーズへの技術適応」が軸となっています。 asucharesaitaku
傾向ポイント
✔ 成長市場への参入
✔ 環境対応
✔ 高付加価値分野特化
✔ 新規受注獲得戦略
⑤ 品質向上・不良率低減
品質改善や信頼性向上をテーマにした事業も目立ちます。
・不良品撲滅への取組
・品質安定化のための設備導入
・高精度断裁による品質向上
受注型企業にとって、品質は継続受注の根幹です。品質改善は評価されやすいテーマといえます。
採択傾向の総括
採択事例を俯瞰すると、評価されやすい事業は以下の特徴を持っています。
✔ 技術的課題が明確
✔ 精度・品質・生産性の向上が数値で示せる
✔ 工程改革や体制強化を伴う
✔ 受注力向上につながる構造がある
✔ 新市場への具体的戦略がある
単なる「設備導入」ではなく、
“技術力・生産体制・受注力の三位一体強化”
が共通テーマであることが読み取れます。
本制度は、受注型企業の競争力を本質的に高めるテーマを強く後押ししていることが、採択事例から明確に見て取れます。
本制度を活用するメリット(専門家視点での重要ポイント)
本制度は「制度要件の厳しさ」よりも、「活用しやすさ」に大きな特徴があります。特に実務上メリットと感じるポイントは以下のとおりです。
① 賃上げ要件がない(経営負担リスクが小さい)
近年の補助金では、
・一定率の賃上げ
・給与総額増加
・最低賃金引上げ計画
といった賃上げ要件が実質的なハードルとなっている制度が多く見られます。
一方、本制度の公募要領上には、賃上げを要件とする規定は設けられていません。
これは、
✔ 人件費固定化リスクを負わずに申請できる
✔ 景気変動リスクを抱えずに投資判断ができる
✔ 将来の未達成による返還リスクを心配しなくてよい
という点で、経営上非常に大きなメリットです。
特に受注型企業は、売上が発注状況に左右されやすいため、「賃上げ義務がない」という点は実務上の安心材料になります。
② 交付決定までのスケジュールが比較的短い
本制度は、
・4月上旬申請締切
・書類審査・面接審査
・7月1日から事業開始予定
というスケジュール設計です。
他の大型補助金では、
「申請から交付決定まで半年以上かかる」
というケースも少なくありません。
本制度は、
✔ 設備導入の意思決定が早くできる
✔ 受注案件に合わせたタイミング投資が可能
✔ 市場変化に迅速対応できる
という点で、機動性の高い制度設計になっています。
③ 技術開発型としては高い補助率(2/3)
助成率は3分の2以内です。
技術開発型の制度で2/3補助は決して低くありません。
設備+外注+知財+広告まで含められる点を考えると、実質的な投資負担軽減効果は大きいと言えます。
④ 展示会・広告費まで含まれる実務的設計
単なる研究開発費だけでなく、
・展示会出展費
・WEB広告
・パンフレット制作費
まで対象に含まれている点は実務上大きなメリットです。
つまり、
「技術を開発して終わり」ではなく
「受注獲得まで見据えた支援」
になっている点が評価できます。
⑤ ソフトウェア開発人件費も対象(上限あり)
常勤役員・正社員に限られますが、直接人件費(ソフトウェア開発)も対象です。
さらに上限は700万円と明示されています。
製造業だけでなく、DX型の受注企業にも適用余地がある点は非常に魅力的です。
よくあるQ&A(10項目)
Q1 最終消費者向け商品は対象ですか?
対象外の考え方です。
Q2 どんな事業が通りやすいですか?
技術課題が明確で数値目標が具体的な事業です。
Q3 設備更新だけでも申請できますか?
単なる更新では不可。高度化目的が必要です。
Q4 展示会費用は対象ですか?
出展小間料等は対象です。
Q5 WEB広告は対象ですか?
対象になります。
Q6 クレジットカード払いは可能?
原則不可です。
Q7 ソフト開発人件費の上限は?
700万円です。
Q8 委託と自社実施の区分は必要?
明確に区分する必要があります。
Q9 達成目標は必要?
期別・数値目標が必要です。
Q10 面接はありますか?
あります。
専門家としての総括
本制度は「補助金を取る制度」ではなく、「企業の技術基盤を再設計する制度」です。
受注型企業で
・設備高度化
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・品質向上
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