第21次ものづくり補助金 採択結果を徹底分析!
2025年7月25日~10月24日の第21次公募では、全国で1,872者の申請に対し、638者が採択されました。うち「製品・サービス高付加価値化枠」が615者、「グローバル枠」が23者でした。前回(第20次)の採択825者から減少し、第19次(1,698者)と比べても大幅な減少傾向です。この減少は、募集要件強化や競争激化の影響と考えられ、採択率はおよそ34%まで低下しています(第20次は約33.6%)。選ばれた事業者の多くは製造業を中心としつつも、情報通信業や医療・福祉、飲食・サービス業など幅広い業種から採択がありました。ものづくり補助金は「製造業に限らず、商業・サービス業など幅広い業種が対象」であり、第21次公募でもこの特徴が反映されています。
地域別採択傾向
採択事業者は全国47都道府県に広がっていますが、依然として首都圏への集中が顕著です。特に東京都が最多(62件)で、次いで埼玉県(35件)、静岡県・大阪府(各29件)、愛知県(27件)、神奈川県(28件)、福岡県(24件)などが上位を占めました(主な県のみ抜粋)。これらの上位県には、製造業だけでなくICTや医療分野など多様な業種の企業が多く、採択総数全体の約半数以上を占めています。他方、人口規模の小さい県でも、地域特化型や観光・農林水産業関連の事業が評価され、熊本県(6件)、沖縄県(6件)、群馬県(9件)などでも採択が見られました。
- 図表1:都道府県別採択件数(上位10県)
東京都62、埼玉県35、静岡県29、大阪府29、愛知県27、神奈川県28、福岡県24、兵庫県24、茨城県18、岐阜県12(以下略)。
これらから、製造業の盛んな地域や大都市圏で採択数が多い一方、九州や中京地域にも一定数の採択があり、「全国的な採択分布」の傾向がうかがえます。地域別に見ると、関東・中部・近畿の各ブロックで特に採択件数が多く、東京発信のIT・サービス系から、愛知・静岡の製造業系、福岡の食品・IT系まで幅広い産業の新規事業が選ばれています。この地域分布は前年までと大きく変わっておらず、地方の中小企業も自社の強みを生かした提案を行えば採択のチャンスがあるといえます。
業種別採択傾向
採択事業の業種を見ると、ものづくり補助金の性格通り製造業が中心ですが、年々情報通信技術(AI・IoT・DX等)の活用事例や、医療・介護、福祉関連の事業も増加しています。第21次では、精密機械・電子部品や食品加工、建材・資材製造といった伝統的な製造業だけでなく、以下のような事業計画が目立ちました。
- 情報通信・IT関連:AIを活用した製品開発や、ソフトウェア開発による業務効率化、ECや遠隔サービスの展開計画など。ものづくり補助金では商業・サービス業も対象とされ、ICT技術を使った新規事業が評価されています。
- 医療・福祉関連:歯科・動物病院の高度医療機器導入による新サービス、介護・福祉施設の省力化設備導入計画など。高齢化社会で需要が高い医療サービスに関する提案が採択されています。
- 環境・エネルギー・農林水産業:廃材・再生資材の利用、新エネルギー関連の設備導入、農水産加工品の生産ライン改良など、持続可能性や地域資源を活用した事業。
- ものづくり製造業:加工機械(マシニングセンタ、5軸NC、レーザー加工機など)導入による生産性向上、新素材・新製法の開発、業務プロセス革新など。特に自動車部品、金属製品、建材、食品機械など製造業の多様な分野で高度化の取り組みが多く見られました。
以上から、第21次採択では「ものづくり・商業・サービス生産性向上補助金」が想定する広範な業種への支援方針に沿って、従来の製造業中心からデジタル技術活用や医療福祉へと幅広く展開していると言えます。ただし、あくまで多数派は製造業・加工業系であり、業種別では機械・金属加工、電子・電気機器、食品加工業などが採択件数の上位を占める傾向に変わりはありません。
過去公募との比較・変化
第21次の採択数638件は、直近の第20次(825件)や第19次(1,698件)と比べて大幅に減少しています。特に第20次からは187件の減少、第19次からは1,060件の減少で、採択数の減少率はそれぞれ22%、約62%に達しています。申請者数も第19次1,872者→第21次1,872者とほぼ横ばいなのに対し、採択者数は急減しており、採択率も低下しました。この背景には、第19次・20次の公募要領で要件が厳格化されたことや、予算配分の変動等が考えられます。
公募構成の変化では、グローバル枠の割合が減少傾向にあります。第21次ではグローバル枠の採択23件(応募105件)で採択率約22%にとどまり、前年までの30~40%台から低下しました。一方、高付加価値化枠は615件採択で、依然として大半を占めています。地域別では、関東・中部・近畿といった中心地帯の構成比は依然高いものの、第20次や第19次と比べると、地方(東北・中国・四国・九州)からの割合も維持されており、大都市圏への一極集中が緩和されつつあります。
採択傾向から見る今後の戦略ポイント
以上の傾向を踏まえ、今後のものづくり補助金応募におけるポイントを整理します。
- 事業計画の「高付加価値化・生産性向上」アピール:高付加価値化枠では、提案する設備やサービスが売上増加やコスト削減、人材育成(給与増加)などにどのように寄与するか明確に示す必要があります。経済産業省公募要領でも、付加価値額の増加率や雇用増加率など数値目標が要件とされており、これらを具体的に計画書に織り込むことが重要です。先端技術(AI/IoT/ロボット等)やDX・デジタル化による省人化・高品質化は評価されやすい方向性です。
- 海外展開(グローバル枠)の提案強化:前回までより競争が激しくなったグローバル枠では、国内外での市場開拓計画の具体性が求められます。輸出や新市場開拓の体制づくり・パートナー開拓、越境ECや海外拠点設置など、実現可能な海外戦略を打ち出すことが戦略的です。国内市場向けと海外展開とで事業を明確に分けて提案するのが効果的です。
- 地域資源・業界特性の活用:地方企業や業種特化企業は、地域や業界独自の強みを活かしたテーマで応募すると良いでしょう。例えば農業県では食農技術、工業県では地場部材・熟練技術、観光地ではインバウンド対応サービスなど、地域課題の解決や特色づくりにつながる計画は審査上アドバンテージになります。複数県共同申請や地域連携体制を組むといった「広域連携」の視点も採択のポイントです。
- 認定支援機関との連携強化:ものづくり補助金は経営革新や生産性向上に関する審査が厳しく、専門家の支援を受けた計画書が有利です。認定支援機関(金融機関・商工会議所・中小機構支援センター等)のアドバイスを受け、事業計画の練り込み・試算ロジックの検証・書類フォーマットのチェックなどを徹底するとともに、締切期限を守って早めに申請準備することが肝要です。
終わりに:中小企業が取るべきアクション
第21次採択結果からは、事業計画の具体性と革新性、および経営計画における定量目標の明示が重要であることが読み取れます。今後応募を検討する中小企業は、自社の強みを明確化し、数年後のビジョン・経営指標(付加価値・雇用など)を具体的に示す準備が必要です。また、採択地域・業種の傾向を踏まえ、自社の業態と照らし合わせてどのような「ものづくり強化」策が効果的かを検討しましょう。たとえば東日本では最先端機械加工、九州では食品加工や輸出志向、関西では素材・設備開発など、地域産業や市場動向とリンクした事業計画が望まれます。
最後に、ものづくり補助金はその名の通り「ものづくり」にとどまらず、商業・サービス業の生産性向上も支援対象です。最新の採択傾向では医療・福祉や情報通信分野の案件も増えていますので、自社事業の延長線上にあるサービス業的要素(ソフト開発、検査・分析サービスなど)も積極的に検討すると良いでしょう。支援機関や専門家と連携し、信頼性ある計画と説得力を持たせて挑むことで、次回以降の採択可能性を高めてください。
参考資料: 第21次ものづくり補助金採択結果、過去公募データ、公募要領等による制度概要。
ものづくり補助金の申請サポートについて(株式会社壱市コンサルティング)
株式会社壱市コンサルティングでは、ものづくり補助金をはじめとする大型補助金(数百万円~数千万円規模)の申請支援に特化したコンサルティングサービスを提供しています。
当社の補助金申請サポートは、単なる申請書作成代行ではありません。
事業戦略・設備投資計画・市場性・収益性を一体で整理し、「採択される事業計画」に落とし込むことを重視しています。
中小企業診断士・行政書士による複数名体制の申請支援
壱市コンサルティングでは、専門分野を持ち、各業界に精通した中小企業診断士・行政書士が2~3名体制で担当します。
1名体制では見落とされがちな論点(革新性・必要性・市場性・実行可能性)について、複数の専門家視点でクロスチェックを行いながら申請書を構築する点が特長です。
- 製造業・サービス業・建設業・IT・医療・卸売業など、業種特性を踏まえた対応
- 設備投資と売上・付加価値向上の因果関係整理
- 公募要領・審査観点を踏まえたストーリー設計
など、第19次以降の選別型公募に対応した実務レベルの支援を行っています。
ものづくり補助金をはじめとする大型補助金に継続対応
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壱市コンサルティングでは、第23次以降の公募も見据え、
- ものづくり補助金
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- 省力化投資補助金(一般型)
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など、中小企業の成長投資に直結する補助金申請を継続的にサポートしています。
現在、先着5社様限定で申請サポートを承っております。
ものづくり補助金で不採択となった事業者様向け特別対応
第20次・第21次ものづくり補助金では、第20次で1,628社、第21次で1,234社と合計2,862社の事業者様が不採択となりました。
「事業内容には自信があったが、なぜ通らなかったのか分からない」という声も少なくありません。
壱市コンサルティングでは、第20次・21次で不採択となった事業者様を対象に、補助金コンサル乗り換えキャンペーンを実施しています。
- 初回事前相談
- 申請内容・不採択要因の整理
- 着手金の割引対応
など、再チャレンジを前提とした実務的な支援を行います。
「前回の申請をどう改善すべきか」「次回公募で何を変えるべきか」を明確にしたうえで、次の申請につなげます。
今回の公募で何を変えるべきか」を明確にしたうえで、次の申請につなげます。
今後、ものづくり補助金の申請をご検討の方へ
ものづくり補助金は、今や経営計画そのものの完成度が問われる制度です。
申請を検討されている方、過去に不採択となった方、これから設備投資・新事業を本格化させたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
補助金ありきではなく、「経営戦略として使う補助金」という視点で、最適な申請支援をご提案いたします。
