2020年以降の中小企業支援施策における主要補助金の採択実積と政策的変遷に関する網羅的調査報告(2026年2月更新)

2020年初頭のパンデミック発生から現在に至るまで、日本国内の中小企業支援策は「企業の存続維持」から「事業構造の抜本的転換」、そして「大規模投資による成長加速」へとその役割を明確にシフトさせてきた。本報告書では、2020年以降に実施された主要な補助金、すなわち「ものづくり補助金」、「事業再構築補助金」、「中小企業新事業進出補助金」、「中小企業省力化投資補助金」、「小規模事業者持続化補助金」に加え、中堅企業への飛躍を促す「成長加速化補助金」や「大規模成長投資補助金」、円滑な事業承継を支える「事業承継・引継ぎ補助金」、およびデジタル化の基盤となる「IT導入補助金」の計9施策に焦点を当てる。2026年1月時点の最新の採択結果を含むデータを俯瞰し、各施策の政策的意図と難易度の変遷を分析する。

Contents
  1. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の長期的採択動向
  2. 事業再構築補助金の劇的な変遷と政策的断絶の分析
  3. 小規模事業者持続化補助金の地域経済への浸透と競争激化
  4. 中小企業省力化投資補助金(一般型)の新たな潮流
  5. 中小企業新事業進出補助金の創設と事業再構築の継承
  6. 大規模成長投資補助金と成長加速化補助金:中堅・中小企業の「100億宣言」
  7. 事業承継・引継ぎ補助金における円滑な事業継続とPMIの重要性
  8. IT導入補助金の普及とインボイス制度対応の加速
  9. 総括:中小企業支援策のパラダイムシフトと今後の補助金活用
  10. 各種補助金・融資など資金調達のサポート|壱市コンサルティング

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の長期的採択動向

ものづくり補助金は、中小企業等が取り組む革新的サービス開発、試作品製作、生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する制度であり、2020年の第1次公募以降、急速に変容するビジネス環境に合わせて多様な類型を新設してきた。2020年から2025年にかけて実施された第1次から第20次の公募実積を分析すると、当初の緊急避難的な支援から、高度な革新性を求める厳選された投資支援へと移行していることが明白である。

第1次から第20次公募における全体的な実積推移

ものづくり補助金の採択結果は、社会情勢や予算規模、さらには審査基準のマイナーチェンジに伴い、数パーセントから数十パーセントの幅で変動を繰り返してきた。第1次公募から第20次公募までの主要な統計データを以下の通り整理する。

締切回採択発表日申請総数採択総数採択率
第1次令和2年4月28日2,2871,429約62.5%
第2次令和2年6月30日5,7213,267約57.1%
第3次令和2年9月25日6,9232,637約38.1%
第4次令和3年2月18日10,3123,178約30.8%
第5次令和3年3月31日5,2992,337約44.1%
第6次令和3年6月29日4,9802,362約47.4%
第7次令和3年9月27日5,5072,768約50.3%
第8次令和4年1月12日4,6532,780約59.7%
第9次令和4年3月25日3,6132,247約62.2%
第10次令和4年7月15日4,2942,612約60.8%
第11次令和4年10月20日4,7442,817約59.4%
第12次令和4年12月16日3,2561,907約58.6%
第13次令和5年2月20日3,3221,927約58.0%
第14次令和5年6月23日4,8652,470約50.8%
第15次令和5年9月29日5,6942,861約50.2%
第16次令和6年1月19日5,6082,738約48.8%
第17次令和6年5月20日629185約29.4%
第18次令和6年6月25日5,7772,070約35.8%
第19次令和7年7月28日5,3361,698約31.8%
第20次令和7年10月27日2,453825約33.6%
第21次令和8年1月23日1,872638約34.1%

(出典:ものづくり補助金HP)  

上記データが示す通り、第1次公募から第2次公募にかけては50%を超える高い採択率を維持していたが、申請数が1万人を超えた第4次公募で30.8%まで急落した 。これは、同一予算枠内での相対評価において、申請内容の質の平準化と応募過多が重なった結果、ボーダーラインが大幅に上昇したことを示唆している 。その後、第9次公募前後では62.2%まで回復したものの、直近の第17次から第20次公募にかけては30%台前半の低水準で推移しており、審査がより厳格なフェーズに入ったことが確認できる 。特に第17次公募における採択率29.4%は、公募内容が省力化(オーダーメイド枠)に特化された特殊な回であったことが背景にある 。  

  • 第22次公募採択発表:2026年4月下旬頃
  • 第23次公募期間:2026年2月6日〜5月8日    
  • 採択発表日:2026年8月上旬頃

類型別の採択傾向とグローバル展開型の特性

ものづくり補助金は「一般型」と、海外展開を目的とした「グローバル展開型」に大別されてきた。グローバル展開型は海外直接投資や海外市場開拓を伴うため、申請要件や審査項目がより高度であり、採択率も一般型とは異なる推移を見せている。

公募回類型申請数採択数採択率
第4次グローバル展開型27146約17.0%
第6次グローバル展開型10536約34.3%
第9次グローバル展開型6124約39.3%
第11次グローバル展開型7631約40.8%
第13次グローバル展開型6124約39.3%
第18次グローバル枠(後継)16339約23.9%
第20次グローバル枠17741約23.2%

(出典:ものづくり補助金HP)   

グローバル展開型の実積を見ると、第4次公募の17%という極めて低い採択率から始まり、その後は30%から40%程度で推移した 。しかし、第18次以降の新枠組みへの移行に伴い、採択率は再び20%台前半まで低下しており、グローバル市場での競争力強化という極めて難易度の高い要求に対して、事業計画の具体性と妥当性がより厳格に問われるようになっている 。直近の第20次公募においても、製品・サービス高付加価値化枠の採択率34.4%に対し、グローバル枠は23.1%と10ポイント以上の開きがあり、国際展開を志向する事業者にとってのハードルは依然として高い状態にある 。   

事業再構築補助金の劇的な変遷と政策的断絶の分析

事業再構築補助金は、2021年(令和3年)に創設された日本の中小企業支援史上最大級の予算規模を誇る制度である。新分野展開や業態転換、事業再編といった「思い切った事業再構築」を支援することを目的としており、その採択動向は、単なる経済的支援の枠を超えて、日本産業の構造転換を促す政策的意思を強く反映してきた。

第1回から第13回公募における採択統計の全容

事業再構築補助金は、当初の「コロナ対策」としての側面から、徐々に「成長分野への進出」や「GX(グリーントランスフォーメーション)への対応」へとその軸足を移していった。第1回から第13回に至るまでの申請および採択の実積は、そのフェーズごとの審査方針の変化を如実に物語っている。

公募回採択発表日申請総数採択総数採択率
第1回2021年6月18日22,2318,016約36.1%
第2回2021年9月2日20,8009,336約44.9%
第3回2021年11月30日20,3079,021約44.4%
第4回2022年3月3日19,6738,810約44.8%
第5回2022年6月9日21,0359,707約46.1%
第6回2022年9月15日15,3407,669約50.0%
第7回2022年12月15日15,1327,745約51.2%
第8回2023年4月6日12,5916,456約51.3%
第9回2023年6月15日9,3694,259約45.5%
第10回2023年9月22日10,8215,205約48.1%
第11回2024年2月13日9,2072,437約26.5%
第12回2024年11月8日7,6642,031約26.5%
第13回2025年7月1日3,1001,101約35.5%

(出典:事業再構築補助金HP)   

データから読み取れる最大の特徴は、第10回公募まで40%から50%台を維持していた採択率が、第11回公募で突如として26.5%まで急落したことである 。この背景には、令和5年度秋の年次公開検証(いわゆる「秋のレビュー」)における厳しい指摘が存在する 。レビューでは、事業再構築補助金が本来の目的である「抜本的な事業構造の変革」を達成できているか、既存事業の単なる延長線上にある投資を支援していないかといった点が疑問視された 。これを受け、第11回公募からは審査基準が抜本的に見直され、より厳格な事業性の検証が行われるようになった結果、採択率が半減する事態となった 。   

応募枠別の難易度格差と業種別構成比

事業再構築補助金には、売上減少要件を満たす必要のある「通常枠」のほか、特定の政策目的を持つ「グリーン成長枠」「最低賃金枠」「回復・再生応援枠」などが設けられていた。これらの枠ごとに採択率は大きく異なり、特に「最低賃金枠」などはかつて80%を超える非常に高い採択率を誇っていた時期もあったが、直近ではその優位性も薄れている 。   

公募回(枠別)類型名申請数採択数採択率
第6回通常枠11,6535,29745.4%
第6回最低賃金枠25221685.7%
第11回成長枠2,50869827.8%
第11回最低賃金枠1894825.4%
第12回成長分野進出枠(通常)4,6841,03822.2%
第12回コロナ回復加速化(通常)1,18931726.7%

(出典:事業再構築補助金HP)   

業種別の傾向としては、製造業の優位性が顕著である。第12回公募における主たる業種別の採択件数割合では、製造業が43.6%と突出し、次いで卸売・小売業13.3%、建設業12.8%となっている 。製造業は応募件数の割合(19.7%)に対して採択件数の割合(30.3%〜30.9%)が非常に高く、設備投資を通じた生産性向上の計画が補助金の趣旨と合致しやすいことが要因として考えられる 。一方で、宿泊・飲食サービス業は応募割合11.5%に対して採択割合8.4%と苦戦しており、サービス業における「事業構造の再構築」を客観的に証明することの難しさが浮き彫りとなっている 。   

小規模事業者持続化補助金の地域経済への浸透と競争激化

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が作成した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら実施する販路開拓等の取り組みを支援する制度である。補助上限額は他の補助金に比べて低いものの、最も身近な支援策として、全国の多様な業種による申請が絶えない。

第1回から第17回公募における採択結果の時系列的分析

2020年以降、本補助金は公募のペースを維持しつつ、コロナ禍での特別枠(低感染リスク型ビジネス枠等)の設置などを経て、現在の「通常枠」「賃金引上げ特例」等の形式へと進化した。

公募回採択発表日申請総数採択総数採択率
第1回2020年5月22日8,0447,308約90.9%
第2回2020年8月7日19,15412,478約65.1%
第3回2021年1月22日13,6427,040約51.6%
第4回2021年4月28日16,1267,128約44.2%
第5回2021年8月31日12,7386,869約53.9%
第6回2021年12月22日9,9146,846約69.1%
第7回2022年4月27日9,3396,517約69.8%
第8回2022年8月31日11,2797,098約62.9%
第9回2022年11月25日11,4677,344約64.0%
第10回2023年2月6日9,8446,248約63.5%
第11回2023年4月27日11,0306,498約58.9%
第12回2023年8月23日13,3737,438約55.6%
第13回2023年11月27日15,3088,729約57.0%
第14回2024年3月4日13,5978,497約62.5%
第15回2024年6月5日13,3365,580約41.8%
第16回2024年8月8日7,3712,741約37.2%
第17回2025年9月26日23,36511,928約51.1%

(出典:小規模事業者持続化補助金HP等)   

小規模事業者持続化補助金において特筆すべきは、第1回公募の驚異的な採択率(90.9%)である 。これは、コロナ禍の極めて初期段階において、可能な限り多くの事業者に支援を届けるという緊急的・人道的配慮が強く反映された結果と言える。その後、申請数は1万件から1万5千件程度で安定し、採択率も60%前後で推移してきたが、直近の第16回公募で37.2%まで落ち込むという局面を迎えた 。2025年に発表された第17回公募では、約1年ぶりの実施ということもあり、応募者数が過去最高の23,365件に達した 。採択率は51.1%と持ち直したものの、申請数の爆発的な増加により、審査のハードルは相対的に高止まりしている実態がある 。   

また、同時に発表された「第1回創業型」の採択結果は37.9%と非常に厳しいものになっており、新規事業者の立ち上げ支援においても、持続可能なビジネスモデルとしての堅牢性がより厳しく問われるようになっていることが伺える 。   

  • 第18回公募採択発表:2026年3月頃
  • 第19回公募受付締切:2026年4月30日
  • 第19回公募事業支援計画書(様式4)発行の受付締切:2026年4月16日
  • 採択発表日:2026年7月頃

中小企業省力化投資補助金(一般型)の新たな潮流

2024年から本格的に開始された「中小企業省力化投資補助金(一般型)」は、人手不足の解消を主眼とし、IT導入補助金と同様に「製品カタログ」から機器を選択して導入する、極めて簡便かつ即効性の高い仕組みを採用している。これにより、従来の補助金でハードルとなっていた複雑な事業計画の策定負荷が軽減され、より広範な中小企業への浸透が期待されている。

第1回から第3回公募の実積と今後の展望

本補助金は、公募開始から短期間で複数の公募回を重ねており、その採択率は概ね60%台の安定した水準を維持している。

公募回公募締切日採択発表日申請数採択数採択率
第1回2025年3月31日2025年6月16日1,8091,240約68.5%
第2回2025年5月30日2025年8月8日1,160707約60.9%
第3回2025年8月29日2025年11月28日2,7751,854約66.8%

(出典:中小企業省力化投資補助金(一般型)HP)   

今後のスケジュールについては、第4回公募が2025年11月27日に締め切られ、2026年3月中旬頃の採択発表が予定されている 。また、第5回公募も2025年12月中旬から開始予定となっており、継続的な省力化投資の促進が図られている 。   

第3回公募の採択結果概要によると、申請数は第1回、第2回に比べて大幅に増加しており、カタログ型補助金としての認知が急速に広まっていることが分かる 。採択された案件のキーワード分析では、「ロボット」や「自動化」といった直接的な物理的省力化だけでなく、「AI」や「DX」、「ICT」を活用した業務プロセス全体の効率化を志向する計画が占める割合が増加傾向にある 。例えば、第1回ではロボット関連のキーワード占有率が6.8%であったのに対し、第3回では3.6%に低下する一方、ICTは2.25%から3.88%へと上昇しており、省力化の手段がソフトウェア的なアプローチへと多様化している傾向が読み取れる 。   

  • 第4回公募採択発表:2026年3月上旬(予定)
  • 第5回公募受付締切:2026年2月27日
  • 採択発表日:未定
  • 第6回公募:確定次第 ※公募回は年3~4回を予定。

中小企業新事業進出補助金の創設と事業再構築の継承

「中小企業新事業進出補助金」は、事業再構築補助金の理念をよりブラッシュアップし、特定の政策テーマ、特に「海外展開」や「成長産業への進出」に特化した支援を行うために2025年(令和7年)に新たに設置された制度である。事業再構築補助金が広範囲な転換を支援したのに対し、本補助金はより付加価値の高い「新市場への進出」を強く促す。

第1回募集の分析と審査の重点項目

2025年10月に発表された第1回募集の採択結果は、これまでの支援策の蓄積を反映した、極めて洗練された審査の在り方を示している。

公募回採択発表日申請数採択数採択率
第1次募集2025年10月1日3,0061,118約37.2%

(出典:中小企業新事業進出補助金HP)   

採択率37.2%という数字は、事業再構築補助金の末期(第11回〜12回)の26.5%に比べれば改善しているものの、依然として3社に1社しか採択されない難関の補助金であることに変わりはない 。第1次募集における大きな特徴は、採択者1,118件のうち、590件(約52.8%)が「関税加点」の対象となっている点である 。これは、本補助金が輸出を伴う事業やグローバルサプライチェーンへの参入を極めて重視していることの強力な証左であり、内需主導の事業計画では採択を勝ち取ることが困難であることを示唆している 。   

業種別の傾向では、製造業が応募件数617件、採択件数283件〜320件(採択率45.8%〜51.9%)と、最も多くの恩恵を受けている 。また、宿泊業・飲食サービス業においても、インバウンド対応や地域資源を活用した高付加価値事業が評価され、応募316件に対し158件(50.0%)が採択されるなど、特定の政策テーマに沿った案件は高い採択率を維持している 。   

今後の公募スケジュールと申請額の分布

新事業進出補助金は、補助下限額が750万円、投資額1,500万円以上の申請が必要な中大型の支援策であり、申請金額の分布でも「2,000万〜2,500万円」のレンジが最も多い 。今後の第2回公募については、既に以下のスケジュールが公表されている。   

  • 第2回公募採択発表:2026年3月下旬頃
  • 第3回公募期間:2025年12月23日〜2026年3月26日    
  • 採択発表日:2026年7月上旬頃
  • 第4回公募開始は、2026年3月末を予定

本補助金の要件には「付加価値額の年平均成長率+4.0%以上」といった高い成長性要件が盛り込まれており、今後の公募でも、緻密な事業計画と定量的な成果予測を伴う案件が選別されることになるだろう 。   

大規模成長投資補助金と成長加速化補助金:中堅・中小企業の「100億宣言」

近年、政府は「売上高100億円超を目指す」意欲的な中小企業・中堅企業をターゲットとした大規模な支援策を拡充している。これらは従来の補助金よりも投資額・補助額ともに桁違いに大きく、地域経済への波及効果や高い賃上げが要件となっている。

中堅・中小企業大規模成長投資補助金の実積

本補助金は、投資額10億円以上の大規模な拠点新設等を支援し、補助上限額は50億円に達する 。審査には書面審査のほか、プレゼンテーション(面接)審査が含まれる二段構えとなっており、採択率は非常に低い。

公募回採択発表日有効申請数採択数採択率備考
第1次2024年6月21日736109約14.8%
第2次2024年10月15日60585約14.0%一般枠55件+特別枠30件の合計
第3次2025年6月30日229116約50.7%平均投資額 約62億円
第4次2025年10月10日210102約48.6%

・第5次公募:2026年春

中小企業成長加速化補助金の実積

「100億宣言」を行う中小企業を対象とした補助金で、補助上限額は5億円 。第1次公募では非常に多くの申請が集まり、厳選された案件のみが採択された。

公募回採択発表日有効申請数採択数採択率備考
第1次2025年9月19日1,270207約16.3%書面通過後に面接を実施
  • 第2回公募期間:2025年12月26日〜2026年3月26日    
  • 1次審査結果の公表:2026年5月上旬
  • プレゼン審査:2026年6月22日~7月10日
  • 採択結果の公表:2026年7月下旬以降

事業承継・引継ぎ補助金における円滑な事業継続とPMIの重要性

事業承継・引継ぎ補助金は、経営者の交代やM&Aを契機とした新たな取り組み、および専門家活用費用を支援する制度である。公募回を重ねるごとに「PMI(経営統合)」への支援が強化されており、採択率は概ね60%前後で安定している。

第1次から第12次公募における採択実積

公募回採択発表日申請総数採択総数採択率
第1次2022年7月20日1,033531約51.4%
第2次2022年10月6日631348約55.2%
第3次2022年12月26日626354約56.6%
第4次2023年3月14日810446約55.1%
第5次2023年6月16日799478約59.8%
第6次2023年9月15日862523約60.7%
第7次2023年12月25日839499約59.5%
第8次2024年4月1日730442約60.5%
第11次2025年7月11日590*359約60.8%
第12次2025年10月27日742453約61.1%

(出典:事業承継・M&A補助金HP等)

*第11次は専門家活用枠のみの数値を含む。

第12次公募の内訳をみると、「専門家活用枠」が約61.0%、「事業承継促進枠」が60.8%、「PMI推進枠」が61.8%と、いずれの枠でも高い採択率を維持している。これは事業承継という社会的な緊急性の高い課題に対し、要件を満たせば手厚く支援するという政策的意図が反映された結果といえる。

  • 第13次公募期間:2026年2月27日〜2026年4月3日    
  • 採択日:2026年5月中旬(予定)

IT導入補助金の普及とインボイス制度対応の加速

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する経費を支援する。特に2023年から2024年にかけてはインボイス制度への対応を目的とした「インボイス対応類型」が設置され、申請数が爆発的に増加した。

年度別の全体的な採択傾向

IT導入補助金は、コロナ禍以降、予算規模の拡大とともに採択率も高い水準で推移してきた。

年度予算想定(一部)採択件数採択率備考
2021年2,300億円の一部30,825約59.2%
2022年2,001億円の一部51,889約73.8%
2023年2,000億円の一部70,742約75.9%
2024年2,000億円の一部約50,175約69.9%インボイス対応が主流

2025年(IT導入補助金2025)の最新実積

2025年度に入ると、審査基準が厳格化された影響か、特に「通常枠」での採択率が低下している。

類型申請総数採択総数採択率備考
通常枠21,1498,031約38.0%
インボイス対応類型49,18622,824約46.4%
セキュリティ対策推進枠643314約48.8%

2024年までの「インボイス対応類型」は90%を超える採択率を誇る回もあったが、2025年には40%台まで低下しており、単なるツールの導入だけでなく、導入による具体的な生産性向上の根拠がより厳しく問われるようになっている。

  • 2026年デジタル化・AI導入補助金 交付申請受付開始:2026年3月下旬頃

総括:中小企業支援策のパラダイムシフトと今後の補助金活用

2020年から現在に至るまでの補助金の変遷を俯瞰すると、そこには日本政府の中小企業政策における明確なパラダイムシフトが見て取れる。パンデミック初期の「小規模事業者持続化補助金」や「IT導入補助金」に見られた高い採択率は、社会経済の崩壊を防ぐための緊急救済的な措置としての側面が強かった。しかし、2023年(令和5年)の「秋のレビュー」を分水嶺として、補助金の役割は「救済」から「構造改革の促進」へと完全に移行した。

事業再構築補助金やIT導入補助金の採択率が激減した事実は、補助金がもたらすべき「真の生産性向上」に対する国民的・行政的な監視の目が厳しくなったことを象徴している。一方で、新事業進出補助金における「輸出促進」への傾倒や、成長加速化補助金・大規模成長投資補助金といった「中堅企業化」への重点支援は、支援の質を「より戦略的」かつ「より効率的」にするための高度な工夫の結果であると言える。

中小企業が今後の補助金を活用する上で重要なのは、単に予算を獲得することではなく、自社の事業計画がいかに国の目指す「賃上げ」「労働生産性向上」「輸出促進」「GX・DXの推進」といったマクロな課題解決と整合しているかを客観的に証明することである。公募回を重ねるごとに高度化する審査基準は、裏を返せば、質の高い挑戦を行う事業者にとっては、より強力かつ重点的な支援を受けられるチャンスでもある。

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事業計画策定から申請書類作成、金融機関・行政対応まで、
補助金と融資を組み合わせた最適な資金調達戦略をご提案します。


専門家チームによる資金調達サポート体制

当社には、各業界に精通した専門分野をもつ
中小企業診断士・行政書士が在籍しており、
2〜3名体制で責任をもって担当いたします。

  • 補助金・融資制度の制度理解と最新動向の把握
  • 採択・融資審査を見据えた事業計画・資金計画の設計
  • 書類品質と整合性を高める多面的チェック体制

単なる書類作成にとどまらず、
**「通る計画」「実行できる計画」**を重視しています。


2026年公募予定の補助金・資金調達にも対応

2026年に公募が見込まれる補助金についても、
各補助金ごとに先着5社様限定で申請サポートを承っております。

補助金・融資による資金調達は、
早期準備が採択・実行の成否を左右する重要な要素です。

一方で、
公募・申請の1か月前からのご相談についても、
これまで多数の支援実績があり、
事前面談のうえで対応可否を判断しております。


補助金・融資に関する事前相談を実施しています

資金調達をご検討中の企業様に向けて、
以下のような観点から事前相談を実施しています。

  • 補助金・融資が活用可能な事業内容かどうか
  • 補助金と融資のどちら、または併用が適切か
  • どの申請枠・制度を選ぶと有利か
  • 採択・融資審査における評価ポイント・注意点
  • 事業計画・資金計画で重視すべき要素

「情報収集段階」「検討中」の方でも問題ありません。


このような方におすすめです

  • 中小企業庁管轄の補助金を活用したい中小企業・小規模事業者
  • 補助金だけでなく融資を含めた資金調達を検討している方
  • 採択率・融資実行率を高めるため専門家の支援を受けたい方
  • 2026年以降の補助金・資金調達を見据えて準備したい方

お問い合わせ

中小企業庁管轄の補助金申請、
および 融資を含む資金調達をご検討中の方は、
壱市コンサルティングまでお気軽にお問い合わせください。

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