省力化投資補助金(一般型)第5回と第6回の違いを解説|変更点・加点制度・医療介護申請まで
省力化投資補助金(一般型)第5回と第6回の違いを専門家が徹底解説
省力化投資補助金(一般型)は、中小企業の人手不足解消と生産性向上を目的とした設備投資支援制度です。近年、深刻化する人手不足への対策として、設備投資による業務効率化や自動化を支援する制度として注目されています。
この補助金は公募回ごとに公募要領が更新されており、制度の基本構造は維持しつつも、審査基準や対象事業、申請手続きのルールなどが段階的に調整されています。
今回比較するのは、
第5回公募(2025年12月版)と
第6回公募(2026年3月版)です。
結論から言えば、第6回では制度そのものが大きく変わったわけではありません。しかし次の点で制度運用が強化されています。
- 投資回収期間の算出方法の変更
- 補助対象外事業の明確化
- 加点制度の拡張
- 減点制度の追加
- IT・システム投資の審査強化
- 申請実務の明確化
- 医療・介護分野の申請対象の整理
つまり第6回は制度改定というよりも、審査制度の精緻化と補助金の適正配分を目的とした改訂と位置付けられます。
本記事では、公募要領の内容をもとに、第5回と第6回の違いを専門家の視点から整理します。
制度の基本構造は第5回から第6回で大きく変更されていない
まず理解しておくべき重要なポイントは、制度の骨格自体は第5回から第6回で大きく変わっていないという点です。
例えば次の項目は基本的に変更されていません。
- 補助対象者の基本範囲
- 補助率
- 従業員規模ごとの補助上限額
- 賃上げ要件
- 労働生産性向上要件
- 事業実施期間(交付決定から最大18か月)
- 補助対象経費の基本区分
- 審査の基本構造(適格性・技術面・計画面)
したがって、第6回公募は制度を大きく作り替えたものではなく、審査制度の透明性や制度運用の明確化を目的とした改訂と理解するのが適切です。
投資回収期間の算出式が変更
第6回公募で最も重要な変更点は、投資回収期間の算出方法です。
第5回では、投資回収期間は次の式で算出されていました。
投資額 ÷(削減工数 × 人件費単価 + 増加した付加価値額)
しかし第6回では、次のように変更されています。
投資額 ÷(削減工数 × 年間稼働日数 × 人件費単価 + 増加した付加価値額)
つまり、第6回では年間稼働日数が追加されたのです。
この変更の目的は、設備投資の効果をより実態に近い形で評価することにあります。削減工数だけでは設備の稼働実態が反映されないため、年間稼働日数を掛け合わせることで、より現実的な投資回収期間を算出する仕組みに変更されました。
そのため申請時には
- 削減工数の算出根拠
- 年間稼働日数
- 人件費単価
などを明確に説明する必要があります。
補助対象外事業が明確化
第6回では補助対象外となる事業についても整理が進められています。
まず明確化されたのが、利用者向けサービス開発型の事業です。
例えば
- 顧客向けアプリ開発
- サービス提供用システム開発
- 商品として販売するソフトウェア開発
などは、自社の省力化投資ではなく商品開発やサービス開発と判断されるため補助対象外となります。
また第6回では次の設備についても対象外であることが明記されました。
- 汎用設備
- パッケージソフト
- オーダーメイド性のない設備
ただし、複数設備を組み合わせることで高い省力化効果が見込まれる場合は対象になる可能性があります。
観光庁補助金との重複制限が緩和
第5回では、観光庁の
観光地・観光産業における人材不足対策事業
の交付決定を受けている事業者は、無条件で本補助金の対象外とされていました。
第6回ではこの条件が変更され、
交付決定から10か月以内の事業者のみ対象外
となりました。
つまり一定期間が経過すれば、再度補助金の申請が可能になります。
補助対象経費の取り扱い変更
第6回では、補助対象経費の取り扱いについてもいくつか明確化されています。
特に重要なのがクラウドサービス費用の扱いです。ソフトウェアの月額利用料や年額利用料は、リースやレンタルの「借用」には該当しないとされました。そのため、これらの費用はクラウドサービス利用費として計上する必要があります。
また既存システムの改修費用についても例外が追加されました。従来は既存システムの改修は原則対象外でしたが、第6回では新規導入システムと連携するための改修であれば対象になる可能性があることが明確化されています。
申請手続きのルールが整理
交付申請期限は
採択後2か月以内
とされています。
このルール自体は第6回から新しく追加されたものではなく、第5回から存在しています。ただし第6回では、期限までに申請が行われない場合の採択取消や、期限に間に合わない場合の理由書提出など、手続きの扱いがより明確になりました。
また交付申請時には
全従業員分の賃金台帳
の提出が明示され、賃上げ要件の確認がより厳格化されています。
加点制度が拡張
第6回では審査における加点制度が拡張されました。
第5回では加点項目は7項目でしたが、第6回では9項目に増えています。
新たに追加されたのは次の2つです。
- 省力化ナビ加点
- 健康経営優良法人加点
また既存の加点項目である事業継続力強化計画の評価内容も拡張されています。
第5回では、事業継続力強化計画については有効期間内の認定取得が主な加点条件でした。しかし第6回では、認定の取得だけでなく
- 実施状況の振り返り報告
- 複数回の認定取得
など、継続的な取り組みも評価される仕組みになりました。
減点制度が追加
第6回では減点制度も強化されています。
新たに追加されたのが
過剰投資減点
です。
同一テーマの設備投資が短期間に集中した場合、流行的な投資と判断されると減点される可能性があります。
口頭審査の対象案件が明確化
第5回では口頭審査は
一定基準で選定
とされていました。
第6回では
ソフトウェア投資やシステム開発案件
が対象となりやすいことが明示されています。
トピックス:医療・介護分野でも申請できる
省力化投資補助金(一般型)は製造業だけでなく、医療・介護分野でも活用できる制度です。
対象となる法人には
- 医療法人
- 社会福祉法人
- NPO法人
- 一般社団法人
- 一般財団法人
などがあります。
医療・介護分野では次のような設備投資が想定されています。
医療分野
- 自動受付機
- 自動精算機
- 電子カルテ連携システム
介護分野
- 見守りセンサー
- 介護ロボット
- 介護記録システム
医療・介護分野は人手不足が深刻な業界であるため、業務効率化につながる設備投資であれば補助対象となる可能性が高いとされています。
まとめ
第5回公募と第6回公募を比較すると、制度の基本構造は維持されているものの、審査制度と制度運用がより明確化されています。
特に重要なポイントは次の通りです。
- 投資回収期間の計算式に年間稼働日数が追加
- 補助対象外事業の明確化
- 加点制度が7項目から9項目に拡張
- 過剰投資減点の追加
- IT投資案件の審査強化
- 医療・介護分野でも活用可能
これらの変更から読み取れるのは、補助金を単なる設備購入支援ではなく、実際に省力化効果が高い投資に集中させる政策設計です。
そのため第6回公募では、単に設備導入を計画するだけではなく、
- どれだけ工数削減できるか
- どれだけ人手不足解消につながるか
- 投資回収が合理的に説明できるか
といった点を明確に示す事業計画が採択の鍵になるといえるでしょう。
Q&A(よくある質問)
Q1 第6回公募で制度は大きく変わりましたか
制度の基本構造は変わっていません。審査制度が強化されています。
Q2 投資回収期間の変更は重要ですか
重要です。年間稼働日数が追加されたことで評価が厳密になりました。
Q3 汎用設備は対象外ですか
単体導入は対象外ですが、複数設備を組み合わせた省力化投資なら対象になる可能性があります。
Q4 ITシステム投資は対象ですか
対象ですが口頭審査になる可能性があります。
Q5 クラウド費用は補助対象ですか
クラウドサービス利用費として計上すれば対象になります。
Q6 医療法人は申請できますか
中小規模であれば申請可能です。
Q7 介護施設でも申請できますか
可能です。省力化につながる設備投資が対象になります。
Q8 省力化ナビとは何ですか
中小機構が提供する生産性向上支援ツールです。
Q9 過剰投資減点とは何ですか
特定設備への投資が集中した場合に減点される制度です。
Q10 第6回は採択が難しくなりますか
制度は同じですが、省力化効果の説明がより重要になっています。
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