【令和8年最新】第20回小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>|賃上げ・広報費・対象外経費の変更点を徹底解説
小規模事業者持続化補助金の第20回公募の公募要領が、令和8年(2026年)5月27日に公開されました。申請受付は令和8年(2026年)11月5日から12月15日17時までで、補助事業の実施期限は令和10年(2028年)3月31日に設定されています。物価高騰や賃上げ、インボイス制度といった環境変化に直面する小規模事業者の販路開拓を支える、おなじみの制度の最新回です。
ただし今回は「いつもの持続化補助金」と同じ感覚で臨むと足元をすくわれます。第19回から制度設計が大きく変わり、賃上げ要件の判定方法、広報費・ウェブサイト関連費の上限、相見積りの基準、そして審査の観点そのものが厳格化されたからです。とりわけ賃上げの評価が「最低賃金の引上げ額」から「1人あたり給与支給総額の増加率」へ転換した点は、申請戦略を根本から見直すべき変更です。
本記事では、第20回<一般型 通常枠>の制度内容を、第19回からの変更点を軸に網羅的に整理します。これから初めて申請する経営者の方はもちろん、過去に採択を受けたことがあり再申請を検討している方、申請支援を行う士業・コンサルタントの方にも参考になります。
第19回から第20回へ|まず押さえるべき変更点の全体像
第20回の最大の特徴は、制度の細部にわたって「売上・利益増へのコミット」と「客観的データに基づく計画」が求められるようになった点です。これまで以上に厳密な事業計画と資金管理が前提となります。最初に、第19回から第20回への主要な変更点を一覧で俯瞰しておきます。
| 変更項目 | 第19回 | 第20回 |
|---|---|---|
| 賃金引上げ特例の基準 | 事業場内最低賃金を申請時より+50円以上 | 1人あたり給与支給総額が年平均3.0%以上増加 |
| 賃金引上げ加点の基準 | 事業場内最低賃金を申請時より+30円以上 | 1人あたり給与支給総額が年平均2.0%以上増加 |
| 相見積りの基準額 | 発注総額(1件あたり)100万円超で2者以上 | 発注総額(1件あたり)50万円超で2者以上 |
| 広報費の上限 | 明確な上限なし | 30万円(税込)・単独申請不可 |
| ウェブサイト関連費の上限 | 交付申請額の1/4(最大50万円) | 30万円(税込)・単独申請不可 |
| ネット広告・SNS広告の区分 | ウェブサイト関連費 | 広報費へ移動 |
| 補助対象事業の要件 | — | 売上高・売上総利益の増加見込みが必須に |
| 新設の加点 | — | 健康経営優良法人加点/地域別最低賃金引上げ加点 |
| 過去採択者の再申請 | 状況報告書の提出完了で申請可 | 提出完了後さらに1年経過が必要 |
これらはいずれも単なる文言修正ではなく、申請の通し方そのものに影響する実務的な変更です。以下、項目ごとに掘り下げます。
制度の基本|補助上限・補助率・スケジュール
まずは第20回<一般型 通常枠>の基本スペックを確認します。補助上限は通常50万円ですが、インボイス特例と賃金引上げ特例という2つの上乗せ要件を満たすことで、最大250万円まで引き上がります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限(通常) | 50万円 |
| インボイス特例 | +50万円上乗せ(最大100万円) |
| 賃金引上げ特例 | +150万円上乗せ(最大200万円) |
| 両特例を満たす場合 | +200万円上乗せ(最大250万円) |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 |
申請スケジュール
第20回のスケジュールは、申請期間が秋から冬にかけて、補助事業の実施が翌々年春までと、比較的長い実施期間が確保されています。事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は申請締切より前の令和8年(2026年)12月4日に設定されているため、ここから逆算した準備が欠かせません。
| 手続 | 期日 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 令和8年(2026年)5月27日 |
| 申請受付開始 | 令和8年(2026年)11月5日 |
| 事業支援計画書(様式4)発行受付締切 | 令和8年(2026年)12月4日 |
| 申請受付締切 | 令和8年(2026年)12月15日 17:00 |
| 採択発表(予定) | 令和9年(2027年)3月頃 |
| 補助事業実施期限 | 令和10年(2028年)3月31日 |
| 見積書等の提出期限 | 令和10年(2028年)2月29日 |
事業支援計画書(様式4)は、受付締切以降の発行依頼はいかなる理由があっても受け付けられません。また、補助対象者の要件を満たしていないと判断される場合も発行されません。地域の商工会・商工会議所の窓口は混み合うため、早めの相談が賢明です。
最大の変更点|賃上げの判定が「給与支給総額の増加率」へ
第20回で最も重い変更が、賃金引上げ特例・賃金引上げ加点の評価基準の転換です。第19回までは「事業場内最低賃金をいくら引き上げたか」という金額ベースでの判定でしたが、第20回からは「1人あたり給与支給総額を何%引き上げたか」という増加率ベースでの判定に変わりました。
賃金引上げ特例(150万円上乗せ)の新要件
賃金引上げ特例の適用を受けるには、令和9年(2027年)4月1日から補助事業実施期限日である令和10年(2028年)3月31日までの連続する12か月と、その前年同月の12か月を比較し、従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加させることが必要です。申請者自身で目標値を設定し、採択後交付決定までに全従業員または従業員代表者・役員に対して表明したうえで、実績報告時点で目標を達成しなければなりません。
さらに、賃金引上げ特例に申請する事業者のうち直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロ以下の赤字事業者は、補助率が2/3から3/4へ引き上がり、赤字賃上げ加点による優先採択の対象となります。赤字でも前向きに賃上げに取り組む小規模事業者を後押しする設計です。
賃金引上げ加点の新要件
特例ではなく加点のみを狙う場合の基準は、1人あたり給与支給総額が年平均2.0%以上増加することです。こちらも目標値の設定と表明、実績報告時の達成が条件になります。
給与支給総額とは、従業員に支払った給与等(給料・賃金・残業代・賞与等を含み、福利厚生費・法定福利費・退職金は除く)を指します。1人あたり給与支給総額は、これを従業員数で除したものです。ここでいう「従業員」は非常勤を含み、代表者・役員・専従者は含めません。申請要件である「常時使用する従業員」とは定義が異なる点に注意が必要です。
この変更が実務に与える影響は小さくありません。最低賃金ベースであれば「一番低い時給の従業員を数十円上げる」だけで要件を満たせましたが、給与支給総額ベースでは事業所全体の人件費を計画的に増やす必要があり、賞与や残業時間の増減まで含めた年単位の見通しが問われます。中途採用や退職で全月分の給与支給がない従業員は算出対象から除外されるなど、計算ルールも細かく定められています。賃上げ特例を狙う場合は、申請段階で12か月の人件費シミュレーションを固めておくことが重要です。
補助対象者・補助対象事業の要件
補助対象者の従業員基準
補助対象となるのは、日本国内に所在する小規模事業者です。業種ごとに「常時使用する従業員の数」で判定されます。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
第20回では、この「常時使用する従業員」について会社役員や同居の親族従業員は含まれないことが明記されました。会社および会社に準ずる営利法人、個人事業主(商工業者)、一定要件を満たす特定非営利活動法人が対象となり得ます。一方で、医療法人・社会福祉法人・一般社団法人・任意団体、申請時点で開業していない創業予定者などは対象外です。
新設された「売上・利益増」の必須要件
第20回で新たに加わったのが、補助対象事業の要件としての「事業効果および賃金引上げ等状況報告書提出時の売上高・売上総利益が、補助事業終了時と比較して増加することが見込める事業であること」です。
これは申請時に、客観的なデータを用いた市場・顧客ニーズの分析、営業方針、新規取引や値上げの見込みといった根拠とともに、定量的な成果(売上高・売上総利益の増加)を補助事業計画(様式2)に記載することを求めるものです。従来の「販路開拓に取り組む」という定性的な計画では不十分で、「いつ・どれだけ売上と粗利が増えるのか」を数字と根拠で示す計画が前提になったと理解する必要があります。
補助対象経費の変更点|広報費・ウェブサイト関連費の上限新設
経費面でも実務に直結する変更が複数あります。とりわけ広報費とウェブサイト関連費に上限が設けられた点、両者の区分が見直された点は、経費配分の設計に影響します。
広報費|上限30万円・単独申請不可
第20回では、広報費の補助金交付申請額の上限が30万円(税込)と設定されました。さらに、広報費のみによる申請はできず、必ず機械装置等費など他の経費と一緒に申請する必要があります。
広報費として認められるのは、補助事業計画に基づく商品・サービスの広報を目的としたものに限られます。会社案内パンフレットや求人広告など、商品・サービス名や宣伝文句・事業者名が付記されていない「単なる会社のPR・営業活動」は対象外です。名刺、金券・商品券、宣伝広告のない販促品なども補助対象外となります。
ウェブサイト関連費|上限30万円・区分の移動に注意
ウェブサイト関連費も、第19回の「交付申請額の1/4(最大50万円)」から、第20回では一律で上限30万円(税込)に引き下げられました。広報費と同様に単独申請は不可です。
特に注意したいのが区分の移動です。第19回まではウェブサイト関連費で計上していたインターネット広告・バナー広告・SNS広告・運用代行費が、第20回では「広報費」に区分が移りました。一方で、自社ホームページやECサイト内で使用する動画・写真の制作費用は引き続きウェブサイト関連費で計上します。この切り分けを誤ると、経費区分の不備で減額・対象外となるおそれがあります。
| 経費の種類 | 第20回での区分 |
|---|---|
| インターネット広告・バナー広告・SNS広告・運用代行費 | ②広報費 |
| チラシ・カタログの外注、新聞・雑誌広告、看板 | ②広報費 |
| 自社ウェブサイト・ECサイトの作成・更新・改修 | ③ウェブサイト関連費 |
| ECサイトに掲載する宣材写真・動画の制作費 | ③ウェブサイト関連費 |
| 顧客管理システム・アプリケーション開発 | ③ウェブサイト関連費 |
相見積りの基準が50万円超に引き下げ
発注先選定における相見積り(2者以上からの見積り)の基準も厳格化されました。第19回までは発注総額(1件あたり)が100万円超の場合に必要でしたが、第20回では50万円超(税込)に引き下げられています。これまで相見積り不要だった50万〜100万円の発注についても、価格の妥当性を示す2者以上の見積りが必要になります。なお中古品の購入は、金額にかかわらずすべて2者以上の見積りが必須です。
新商品開発費|テストマーケティングが要件に
新商品開発費についても要件が追加されました。第20回では、テストマーケティングや市場調査を行った結果を踏まえたもの、またはそれらを伴うものが補助対象となります。実施したテストマーケティングまたは市場調査の内容とその結果を、補助事業計画(様式2)または実績報告書(様式第8)に記載しなければならず、記載が確認できない場合は対象外となります。
機械装置等費の処分制限と汎用品の扱い
機械装置等費では、単価50万円(税抜き)以上の購入は「処分制限財産」に該当し、補助事業終了後も一定期間は無断での処分が制限されます。また、パソコン・タブレット・事務用プリンター・複合機・スマートフォン周辺機器・自動車など、汎用性が高く目的外使用になり得るものは一貫して補助対象外です。単なる取替え更新で新たな販路開拓につながらない機械装置も対象外となります。
見落としやすい補助対象外経費
採択後の減額・取消を避けるうえで、補助対象外経費の理解は欠かせません。計上された経費の大半が補助対象外である場合、補助事業の円滑な実施が困難であるとして不採択・採択取消となるため、申請段階での精査が重要です。代表的な対象外経費を整理します。
| 分類 | 対象外となる経費の例 |
|---|---|
| 通常の事業活動 | 販売商品の仕入、老朽化した既存機械の取替え、応接室ソファ・事務机の購入 |
| 汎用品・消耗品 | パソコン・タブレット・電話機、名刺・文房具・インク・USBメモリ等の消耗品 |
| 車両 | 自動車・フォークリフト・キッチンカー・除雪車・キッチントレーラー |
| 不動産・固定費 | 不動産の取得費、修理費、駐車場代、敷金・保証金・仲介手数料、光熱水費、通信費 |
| 専門家報酬等 | 税務申告・決算書作成のための税理士等への費用、訴訟のための弁護士費用、(インボイス対応を除く)コンサルティング・アドバイス費用 |
| 人件費等 | 役員報酬、直接人件費、アルバイト代・派遣料等の雑役務費、謝金 |
| 金融・決済関連 | 振込手数料、支払利息・遅延損害金、1取引10万円(税抜き)超の現金支払、小切手・手形・相殺による支払い |
| その他 | 免許・特許等の取得登録費、セミナー受講費・図書購入費、飲食・接待費、電子書籍の出版費用 |
消費税・地方消費税は、免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者を除き補助対象外です。また、交付決定日より前に発注・契約・購入・支払いを行ったものは一切対象外です。採択通知書ではなく「交付決定通知書」に記載された交付決定日からしか経費は使えない点を、必ず徹底してください。
加点項目|新設加点と選択ルール
第20回の加点審査は、【重点政策加点】と【政策加点】からそれぞれ1種類、合計2種類まで選択できます。3種類以上を選ぶと加点審査の対象外となるため、選択ミスは禁物です。第20回では重点政策加点に「健康経営優良法人加点」、政策加点に「地域別最低賃金引上げ加点」が新設されました。
| 区分 | 加点項目 |
|---|---|
| 重点政策加点 (1つ選択) |
赤字賃上げ加点/事業環境変化加点/東日本大震災加点/くるみん・えるぼし加点/健康経営優良法人加点(新設) |
| 政策加点 (1つ選択) |
賃金引上げ加点/地方創生型加点/経営力向上計画加点/事業承継加点/過疎地域加点/一般事業主行動計画策定加点/後継者支援加点/小規模事業者卒業加点/事業継続力強化計画策定加点/令和6年能登半島地震等に伴う加点/地域別最低賃金引上げ加点(新設) |
健康経営優良法人加点はGビズIDに登録された情報と認定情報をもとに自動判定されるため、GビズIDの登録内容を申請前に確認しておく必要があります。地域別最低賃金引上げ加点は、直近の最低賃金改定額以下で連続3か月以上雇用していた従業員がいる事業者が対象です。なお、令和6年能登半島地震等に伴う加点の間接被害の対象期間は、第19回の令和8年3月までから令和8年(2026年)11月までに延長されました。
審査の観点|「客観的事実」と「売上増」が問われる
第20回では審査の観点にも「売上高・売上総利益の増加」「客観的事実」という言葉が繰り返し盛り込まれました。計画審査では、次のような観点が重視されます。
・経営方針や補助事業計画が、売上高・売上総利益の増加を目指すものとなっているか
・補助事業計画の効果が客観的事実に基づいて目標設定されているか
・補助事業で取得した資産を、事業終了後も継続して使用し事業展開に役立てることが明確か
・デジタル技術を有効的に活用する取組が見られるか
つまり、「やりたいこと」を並べるだけの計画ではなく、市場データや顧客ニーズという客観的事実を起点に、売上・粗利の増加へ論理的につながる計画が求められます。デジタル技術の活用が明示的に評価対象に挙げられている点も、計画づくりで意識したいポイントです。
申請フローと必要書類
申請は電子申請システムのみで受け付けられ、郵送は一切認められません。GビズIDプライムのアカウント取得には数週間を要するため、未取得の方は最優先で利用登録を進めてください。基本的な流れは次のとおりです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 準備 | GビズIDプライム取得、必要書類の用意 |
| ② 計画策定 | 経営計画・補助事業計画(様式2・3)を電子申請システムに入力 |
| ③ 様式4発行依頼 | 地域の商工会・商工会議所へ事業支援計画書(様式4)の発行を依頼(締切:令和8年12月4日) |
| ④ 申請 | 必要書類を揃えて電子申請(締切:令和8年12月15日 17:00) |
| ⑤ 採択・見積提出 | 採択後、全経費の見積書等を提出し審査を経て交付決定 |
必須の提出書類は、申請システムに直接入力する各様式(様式1・2・3・5・6)に加え、事業支援計画書(様式4)、直近1期分の貸借対照表・損益計算書(法人)、または確定申告書一式(個人)などです。特例・加点を希望する場合は、インボイス特例の宣誓・同意書(様式9)、賃金引上げ特例の誓約・同意書(様式7)、各種認定書などが追加で必要になります。
第20回で採択を勝ち取るための実践戦略
制度変更を踏まえると、第20回で意識すべき申請戦略は明確です。
売上・粗利の増加を数字で描く
新設の必須要件と審査観点を踏まえれば、計画の中核は「補助事業によって、いつ・どれだけ売上高と売上総利益が増えるか」を客観的根拠とともに定量で示すことです。市場規模・競合・顧客ニーズの分析、新規取引や値上げの見込みを、できる限り数値とデータで裏づけてください。
賃上げは年単位の人件費計画で固める
賃金引上げ特例・加点を狙う場合は、給与支給総額ベースの増加率を達成できるかを、賞与・残業・採用退職の影響まで織り込んだ12か月シミュレーションで検証しておくことが重要です。達成できない目標を掲げると、要件未達で補助金が交付されないだけでなく、中小企業庁所管の他補助金への申請時に減点されるリスクもあります。
経費区分の精度を高める
広報費とウェブサイト関連費の30万円上限・単独申請不可、SNS広告の区分移動、相見積り50万円超基準を正確に反映し、対象外経費を混ぜ込まないことが、減額・取消の回避に直結します。
まとめ|第20回で押さえるべき5つのポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ① 賃上げ判定が増加率ベースに転換 | 特例は1人あたり給与支給総額が年平均3.0%以上、加点は2.0%以上の増加が必要。最低賃金ベースから大きく変わり、年単位の人件費計画が前提になった。 |
| ② 売上・利益増の見込みが必須要件に | 補助対象事業の要件として、客観的データに基づく売上高・売上総利益の増加見込みを様式2に記載することが求められる。 |
| ③ 広報費・ウェブ費に30万円上限と単独申請不可 | 両経費とも上限30万円(税込)、単独申請不可。ネット広告・SNS広告は広報費へ区分移動した点に要注意。 |
| ④ 相見積りは50万円超で必須に | 相見積りの基準が100万円超から50万円超(税込)へ引き下げ。中古品は金額にかかわらず2者以上の見積りが必須。 |
| ⑤ 加点の新設と再申請要件の厳格化 | 健康経営優良法人加点・地域別最低賃金引上げ加点が新設。過去採択者は報告書提出完了後さらに1年経過しないと再申請できない。 |
よくある質問(Q&A)
Q1.第20回はいつまでに申請すればよいですか?
A1.申請受付締切は令和8年(2026年)12月15日17:00です。ただし、申請には地域の商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)が必須で、その発行受付締切は12月4日と申請締切より前に設定されています。発行には面談や日数を要するため、11月中には商工会・商工会議所へ相談を始めるのが現実的です。GビズIDプライムの取得にも数週間かかるため、まだ取得していない場合は最優先で手続きを進めてください。
Q2.賃上げ特例の3.0%はどう計算するのですか?
A2.令和9年(2027年)4月1日から補助事業実施期限日の令和10年(2028年)3月31日までの連続12か月の1人あたり給与支給総額と、その前年同月の12か月を比較し、年平均で3.0%以上増加させる必要があります。給与支給総額には給料・賃金・残業代・賞与等を含み、福利厚生費・法定福利費・退職金は除きます。非常勤を含む一方、代表者・役員・専従者は除外します。中途採用や退職で全月分の給与支給がない従業員は、その期間の算出対象から外します。
Q3.赤字でも申請するメリットはありますか?
A3.あります。賃金引上げ特例に申請する事業者のうち、直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロ以下の赤字事業者は、補助率が2/3から3/4へ引き上がり、赤字賃上げ加点による優先採択の対象となります。前向きに賃上げに取り組む赤字の小規模事業者を後押しする設計です。法人は法人税申告書別表一・別表四の写し、個人は確定申告書第一表の写しといった追加書類の提出が必要になります。
Q4.広報費だけで申請することはできますか?
A4.できません。第20回では広報費の単独申請が禁止され、必ず機械装置等費など他の経費と一緒に申請する必要があります。さらに広報費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)に設定されました。チラシやネット広告中心の計画を考えている場合は、機械装置やウェブサイト改修など他の経費と組み合わせ、全体として販路開拓につながる構成にすることが必要です。なお会社案内や求人広告など、商品・サービスの宣伝を目的としない広報費は対象外です。
Q5.SNS広告はどの経費で計上しますか?
A5.第20回では「②広報費」で計上します。第19回まではウェブサイト関連費に区分されていましたが、インターネット広告・バナー広告・SNS広告・運用代行費は広報費へ移動しました。一方、自社ホームページやECサイト内で使う動画・写真の制作費は引き続き③ウェブサイト関連費です。区分を誤ると経費の不備として減額・対象外になり得るため、申請前に切り分けを確認してください。
Q6.インボイス特例と賃金引上げ特例は併用できますか?
A6.併用できます。両方の要件と手続きを満たせば、補助上限に200万円が上乗せされ、通常50万円と合わせて最大250万円となります。ただし、特例を希望した場合に、通常枠・インボイス特例・賃金引上げ特例のいずれか1つでも要件を満たさないと、上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付対象外となる点に注意が必要です。要件を確実に満たせる見込みがある場合に選択してください。
Q7.過去に持続化補助金で採択されたことがありますが、また申請できますか?
A7.条件付きで可能です。過去に一般型・コロナ特別対応型・低感染リスク型・創業型で採択され補助事業を実施した事業者は、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、様式第14「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」の提出を完了し、第20回ではさらにその完了から1年が経過してから再申請が可能になります。第19回より要件が厳しくなっているため、過去の報告状況を必ず確認してください。なお過去と同じ事業内容での申請は不採択となります。
Q8.加点はいくつまで選べますか?
A8.重点政策加点から1種類、政策加点から1種類の、合計2種類までです。それぞれの区分から2種類以上を選ぶと加点審査の対象外となります。第20回では重点政策加点に健康経営優良法人加点、政策加点に地域別最低賃金引上げ加点が新設されました。自社が確実に要件を満たし、かつ書類を準備できる加点を、効果の大きいものから選ぶことが重要です。健康経営優良法人加点はGビズIDの登録情報で自動判定されるため、事前に登録内容を確認してください。
Q9.計画に何を書けば採択されやすいですか?
A9.第20回の審査観点を踏まえれば、客観的事実に基づいて売上高・売上総利益の増加を定量的に示すことが鍵です。市場規模・競合・顧客ニーズの分析を起点に、補助事業によって新規取引や値上げがどれだけ見込めるかを数値で描いてください。加えて、取得した資産を事業終了後も継続して使う見通しや、デジタル技術の活用も評価対象です。「やりたいこと」の羅列ではなく、数字とデータで裏づけた論理的な計画が採択への近道です。
Q10.創業型と一般型はどちらを申請すべきですか?
A10.両者は同時申請できず、重複申請するとすべて不採択になります。創業後1年以内で、産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業」の支援を受けている事業者なら、補助上限200万円の創業型が有力です。一方、創業から1年を超えている、または特定創業支援等事業の支援を受けていない場合は一般型 通常枠が選択肢になります。賃上げ特例を活用して上限を引き上げたい場合は一般型、創業直後で大きな投資を計画している場合は創業型と、自社の状況に合わせて冷静に判断してください。
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第20回は、売上・利益増へのコミットと客観的データに基づく計画が、これまで以上に問われる回となりました。壱市コンサルティングでは、認定経営革新等支援機関・中小企業診断士として、制度変更を踏まえた事業計画の設計から採択後のフォローまで一貫して支援しています。
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交付決定後の実績報告や事業効果報告、賃上げ要件の達成管理まで、長期的にサポートします。
補助金の申請は、採択がゴールではなく、事業を伸ばすためのスタートです。
こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください
- ✅ 第19回との違いがわからず、何から手をつければよいか迷っている
- ✅ 賃上げ特例の3.0%を達成できるか自社で判断できない
- ✅ 広報費・ウェブサイト関連費の区分や上限の扱いに不安がある
- ✅ 売上・利益増を客観的データで示す計画の書き方がわからない
- ✅ 採択後の実績報告や賃上げ要件の管理まで任せたい
