【令和8年最新】第4回小規模事業者持続化補助金<創業型>|上限200万円・申請要件・一般型との違いを徹底解説

小規模事業者持続化補助金には、一般的に知られる<一般型 通常枠>のほかに、創業直後の事業者を重点的に支える<創業型>という枠があります。その第4回公募の公募要領が、令和8年(2026年)5月27日に公開されました。申請受付は令和8年(2026年)11月5日から12月15日17時まで、補助事業の実施期限は令和10年(2028年)3月31日です。

創業型の最大の魅力は、補助上限が当初から200万円に設定されている点です。一般型の通常50万円と比べて格段に大きく、創業初期の設備投資や販路開拓に厚く活用できます。ただし、誰でも申請できるわけではなく、「特定創業支援等事業」の支援を受けていることと、創業から概ね1年以内であることという、創業型特有の申請要件を満たす必要があります。

本記事では、第4回<創業型>の制度内容を、申請要件・補助対象経費・加点項目から、一般型との違い・選び方まで網羅的に整理します。創業を予定している方、創業して間もない経営者の方はもちろん、創業者の支援を行う士業・支援機関の方にも参考になります。

創業型とは|制度の位置づけと支援対象

小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後1年以内の小規模事業者等を重点的に支援するために設けられた枠です。産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けた小規模事業者が、販路開拓等の取組に要する経費の一部について補助を受けられます。

制度の根底にある考え方は一般型と共通で、自ら策定した経営計画に基づく販路開拓と、それに併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するものです。違いは、創業初期という最も資金が必要な時期に、より手厚い上限を用意している点にあります。第4回<創業型>の基本スペックは次のとおりです。

項目 内容
補助上限 200万円
インボイス特例 +50万円上乗せ(最大250万円)
補助率 2/3
対象経費 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費
申請方法 電子申請システムのみ(郵送不可)
ポイント

創業型には、一般型にある「賃金引上げ特例(150万円上乗せ)」や「赤字事業者の補助率3/4」といった賃上げ系の特例・加点はありません。その代わり、賃上げ要件を満たさなくても最初から上限200万円が用意されているのが特徴です。

申請要件|「特定創業支援等事業」と創業1年以内が鍵

創業型を申請するうえで最も重要なのが、創業型特有の申請要件です。一般型の補助対象者要件に加えて、次の要件を満たす必要があります。

創業型の申請要件

産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けた日、および開業日(法人は設立年月日)が、いずれも公募締切時から起算して過去1か年の間であること。

この要件にはいくつかの注意点があります。法人の場合は代表者本人が特定創業支援等事業の支援を受けていることが必要で、代表者以外の役員や従業員が支援を受けても対象になりません。個人事業主も同様に、本人が支援を受けている必要があります。また、法人は現在事項全部証明書等の「会社成立の年月日」、個人事業主は開業届の「開業・廃業等日」が過去1か年の間であることが要件で、書類の発行日や提出日ではない点に注意が必要です。

個人事業を法人化した場合は、個人事業の開業日から1年を経過していると申請できません。さらに、過去にすでに<創業型>で採択され事業を実施した事業者は、個人・法人を問わず申請対象外です。

重要

創業型は、申請時点でまだ事業活動を開始していない事業者(店舗オープン準備中、ECモール出店準備中など)でも申請できますが、補助事業終了までに商品・サービスの提供を開始し、事業活動を始めることが必須です。この要件を満たさない場合、補助金は交付されず、交付後に判明した場合は交付決定が取り消されます。

補助対象者の従業員基準

従業員基準は一般型と共通です。業種ごとに「常時使用する従業員の数」で判定され、会社役員や同居の親族従業員は含まれません。

業種 常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

補助上限200万円とインボイス特例

創業型の補助上限は200万円、補助率は2/3です。これにインボイス特例を組み合わせると、上限が250万円まで引き上がります。

創業型のインボイス特例

創業型のインボイス特例の要件は、一般型とは少し異なります。創業型では、2023年10月1日以降に創業した事業者で、補助事業の終了時点において「適格請求書発行事業者」の登録を受けていることが要件です。これを満たすと補助上限に一律50万円が上乗せされます。

注意

インボイス特例を希望した場合、創業型本体とインボイス特例の要件を1つでも満たさないと、上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付対象外となります。補助事業終了時点で適格請求書発行事業者の登録を確実に受けられる見込みがある場合に選択してください。

売上・売上総利益の増加見込みが必須要件に

第4回の創業型でも、補助対象事業の要件として「事業効果等状況報告書提出時の売上高・売上総利益が、補助事業終了時と比較して増加することが見込める事業であること」が求められます。申請時には、客観的なデータを用いた市場・顧客ニーズの分析、営業方針、新規取引や値上げの見込みといった根拠とともに、定量的な成果(売上高・売上総利益の増加)を補助事業計画(様式2)に記載する必要があります。創業初期であっても、感覚的な見通しではなく、データに基づいた成長計画が問われます。

補助対象経費|今回の経費ルールの要点

創業型の補助対象経費は一般型と同じ8区分で、経費に関するルールも共通です。第4回では、広報費・ウェブサイト関連費の上限、相見積りの基準、新商品開発費の要件などが、近年の制度見直しを反映した内容になっています。創業者が見落としやすいポイントを整理します。

広報費・ウェブサイト関連費は上限30万円・単独申請不可

広報費とウェブサイト関連費は、いずれも補助金交付申請額の上限が30万円(税込)で、単独での申請はできず、必ず他の経費と一緒に申請する必要があります。チラシやネット広告だけで申請を組むことはできないため、機械装置やウェブサイト改修などと組み合わせる設計が前提です。

また、インターネット広告・バナー広告・SNS広告・運用代行費は「②広報費」で計上し、自社ホームページやECサイト内で使う動画・写真の制作費は「③ウェブサイト関連費」で計上します。会社案内パンフレットや求人広告など、商品・サービスの宣伝を目的としないものは対象外です。

相見積りは50万円超で必須

発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)の発注をする場合は、価格の妥当性を確認するため2者以上からの見積りが必要です。中古品の購入は、金額にかかわらずすべて2者以上の見積りが必須となります。

新商品開発費はテストマーケティングが前提

新商品開発費は、テストマーケティングや市場調査を行った結果を踏まえたもの、またはそれらを伴うものが補助対象です。実施した調査の内容と結果を補助事業計画(様式2)または実績報告書(様式8)に記載しなければならず、記載が確認できない場合は対象外となります。

主な補助対象外経費

創業時は「あれもこれも補助金で揃えたい」となりがちですが、対象外経費は明確に定められています。代表例を押さえておきましょう。

分類 対象外となる経費の例
汎用品 パソコン・タブレット・事務用プリンター・複合機・電話機・PC周辺機器
車両 自動車・フォークリフト・キッチンカー・除雪車・キッチントレーラー
通常の事業活動 商品の仕入、事務机・応接ソファの購入、既存機械の取替え
不動産・固定費 不動産取得費、敷金・保証金・仲介手数料、駐車場代、光熱水費、通信費
消耗品 名刺・文房具・インク・用紙・段ボール・梱包材など
人件費・専門家報酬 役員報酬、直接人件費、謝金、税理士・弁護士費用、(インボイス対応を除く)コンサル費用
その他 免許・特許の取得登録費、セミナー受講費、飲食・接待費、電子書籍の出版費用
特に注意

交付決定日より前に発注・契約・購入・支払いを行ったものは一切対象外です。創業準備で先に発注したくなる気持ちはわかりますが、必ず「交付決定通知書」に記載された交付決定日以降に経費を使ってください。

加点項目|創業型で選べる加点

創業型の加点審査も、【重点政策加点】と【政策加点】からそれぞれ1種類、合計2種類まで選択できます。3種類以上を選ぶと加点審査の対象外となります。創業型には一般型にある賃金引上げ加点・地域別最低賃金引上げ加点・能登半島地震加点はありません。

区分 加点項目
重点政策加点
(1つ選択)
事業環境変化加点/東日本大震災加点/くるみん・えるぼし加点/地方創生型加点/健康経営優良法人加点
政策加点
(1つ選択)
経営力向上計画加点/事業承継加点/過疎地域加点/一般事業主行動計画策定加点/後継者支援加点/小規模事業者卒業加点/事業継続力強化計画策定加点

自社が確実に要件を満たし、書類を準備できる加点を、効果の大きいものから選ぶことが重要です。健康経営優良法人加点はGビズIDの登録情報をもとに自動判定されるため、申請前に登録内容を確認しておきましょう。

創業型の審査の観点

創業型の計画審査では、自社分析の妥当性、経営方針・目標とプランの適切性、補助事業計画の有効性、積算の透明・適切性が評価されます。特に有効性の観点では、特定創業支援等事業で策定した創業計画書等の内容を踏まえた補助事業計画になっているか、客観的事実に基づいて売上高・売上総利益の増加を目指すものとなっているか、デジタル技術を有効的に活用する取組が見られるか、取得資産を事業終了後も継続使用する見通しが明確か、といった点が重視されます。

補足

特定創業支援等事業で創業計画書等を策定している場合は、その内容と整合した補助事業計画にすると評価につながります。なお、創業計画書等を策定していないこと自体を理由とした不採択や減点はありません。

申請フローと必要書類

申請は電子申請システムのみで、GビズIDプライムのアカウントが必須です。取得に数週間かかるため、早めの準備が欠かせません。基本的な流れは次のとおりです。

ステップ 内容
① 準備 GビズIDプライム取得、特定創業支援等事業の証明書など必要書類の用意
② 計画策定 経営計画書・補助事業計画書(様式2・3)を作成
③ 様式4発行依頼 地域の商工会・商工会議所へ事業支援計画書(様式4)の発行を依頼(締切:令和8年12月4日)
④ 申請 必要書類を揃えて電子申請(締切:令和8年12月15日 17:00)
⑤ 採択・見積提出 採択後、全経費の見積書等を提出し審査を経て交付決定

創業型で特に重要な提出書類が、「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」(認定市区町村が発行)の写しです。この証明書は実施元である認定市区町村が発行するため、締切までに余裕をもって市区役所・町村役場へ相談する必要があります。そのほか、法人は現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(原本)、個人事業主は開業届の写し、直近1期分の決算書類または売上台帳などが必要です。

第4回 創業型のスケジュール 期日
公募要領公開 令和8年(2026年)5月27日
申請受付開始 令和8年(2026年)11月5日
事業支援計画書(様式4)発行受付締切 令和8年(2026年)12月4日
申請受付締切 令和8年(2026年)12月15日 17:00
採択発表(予定) 令和9年(2027年)3月頃
補助事業実施期限 令和10年(2028年)3月31日

一般型と創業型|どちらを申請すべきか

創業型と一般型 通常枠は同時に申請できず、重複申請するとすべて不採択になります。どちらが自社に適しているかを正しく見極めることが重要です。両者の主な違いを整理します。

項目 一般型 通常枠(第20回) 創業型(第4回)
補助上限 50万円(特例で最大250万円) 200万円(インボイス特例で最大250万円)
補助率 2/3(赤字賃上げは3/4) 2/3
特有の申請要件 特定創業支援等事業の支援+創業1年以内
賃金引上げ特例 あり(給与支給総額3.0%増) なし
賃上げ系加点 あり なし
向いているケース 創業1年超、または賃上げで上限を引き上げたい 創業直後で大きな初期投資を計画している

判断の軸はシンプルです。創業から概ね1年以内で、特定創業支援等事業の支援を受けているなら、上限200万円の創業型が有力です。一方、創業から1年を超えている、特定創業支援等事業の支援を受けていない、あるいは賃上げ特例を活用して上限を引き上げたい場合は一般型を選ぶことになります。自社の創業時期・支援の有無・投資規模・賃上げ余力を踏まえ、冷静にご判断ください。

まとめ|第4回 創業型で押さえるべき5つのポイント

ポイント 内容
① 上限200万円・補助率2/3 創業初期に手厚い上限200万円。インボイス特例を満たせば最大250万円。賃上げ特例はない代わりに当初から大きな上限が用意されている。
② 特定創業支援等事業の支援が必須 認定市区町村等の「特定創業支援等事業」の支援を受け、その支援日と開業日が公募締切時から過去1か年の間であることが必要。証明書の取得を早めに進める。
③ 売上・利益増の見込みが必須要件 客観的データに基づく売上高・売上総利益の増加見込みを様式2に記載する必要がある。創業初期でも数字とデータで成長計画を描く。
④ 広報費・ウェブ費は30万円上限・単独申請不可 両経費とも上限30万円(税込)、単独申請不可。相見積りは50万円超で必須、新商品開発費はテストマーケティングが前提。
⑤ 一般型との同時申請は不可 創業型と一般型 通常枠は重複申請できず、判明するとすべて不採択。自社の状況に合わせてどちらか一方を選ぶ。

よくある質問(Q&A)

Q1.創業型は誰でも申請できますか?

A1.いいえ。創業型には特有の申請要件があります。産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または連携する「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」の支援を受けていること、そして支援を受けた日と開業日(法人は設立年月日)が公募締切時から起算して過去1か年の間であることが必要です。創業から1年を超えている場合や、特定創業支援等事業の支援を受けていない場合は、創業型ではなく一般型 通常枠の申請を検討することになります。

Q2.特定創業支援等事業とは何ですか?

A2.産業競争力強化法に基づき、認定市区町村または認定市区町村と連携した認定連携創業支援等事業者が実施する、創業者向けの支援事業です。経営・財務・人材育成・販路開拓といった知識を継続的に学べるセミナーや個別相談などが該当します。創業型の申請には、この支援を受けたことを証明する「証明書」(認定市区町村が発行)の写しが必須となります。証明書は実施元の市区町村が発行するため、お住まいの市区役所・町村役場に早めにご相談ください。

Q3.まだ開業していなくても申請できますか?

A3.申請時点で事業活動を開始していない事業者(店舗オープン準備中、ECモール出店準備中、営業活動開始前など)でも申請できます。ただし、補助事業終了までに商品またはサービスの提供を開始し、事業活動を始めることが必須です。この要件を満たさない場合は補助金が交付されず、交付後に事業活動が行われていなかったと判明した場合は交付決定が取り消されます。なお、開業日が公募締切時から過去1か年の間であることが要件のため、開業時期の確認も必要です。

Q4.補助上限はいくらですか?

A4.創業型の補助上限は200万円、補助率は2/3です。インボイス特例の要件(2023年10月1日以降の創業で、補助事業終了時点に適格請求書発行事業者の登録を受けていること)を満たせば、上限に50万円が上乗せされ最大250万円となります。一般型 通常枠の通常上限が50万円であることと比べると、創業型は創業初期の投資に厚く活用できる点が大きな魅力です。

Q5.創業型に賃上げ特例はありますか?

A5.ありません。一般型 通常枠にある「賃金引上げ特例(150万円上乗せ)」や「赤字事業者の補助率3/4」「賃金引上げ加点」「地域別最低賃金引上げ加点」といった賃上げ系の特例・加点は、創業型には設けられていません。その代わり、賃上げ要件を満たさなくても当初から上限200万円が用意されています。創業直後で従業員の賃金計画を固めにくい段階でも、大きな上限で申請できる設計になっています。

Q6.広報費だけで申請できますか?

A6.できません。広報費は単独申請が禁止されており、必ず機械装置等費など他の経費と一緒に申請する必要があります。広報費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。ウェブサイト関連費も同様に上限30万円・単独申請不可です。創業時はチラシやネット広告を中心に考えがちですが、機械装置・ウェブサイト改修・展示会出展などと組み合わせ、全体として販路開拓につながる計画にすることが必要です。

Q7.対象になる経費・ならない経費の見分け方は?

A7.補助対象は、策定した経営計画に基づき販路開拓等のために使う経費に限られます。一方、パソコン・タブレット・自動車などの汎用品、商品の仕入、事務机、敷金・保証金、光熱水費、通信費、人件費、税理士・弁護士費用などは対象外です。特に、交付決定日より前に発注・契約・購入・支払いを行ったものは一切対象外となります。創業準備で先に発注したくなりますが、必ず交付決定通知書に記載された交付決定日以降に経費を使ってください。

Q8.いつまでに何を準備すればよいですか?

A8.申請受付締切は令和8年(2026年)12月15日17:00です。事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は12月4日と先に来るため、商工会・商工会議所への相談は11月中に始めるのが安全です。さらに創業型では特定創業支援等事業の証明書を認定市区町村から取得する必要があり、発行に時間を要する場合があります。GビズIDプライムの取得にも数週間かかります。これらは並行して、できるだけ早く着手することをおすすめします。

Q9.創業計画書がないと不採択になりますか?

A9.いいえ。創業計画書等を策定していないこと自体を理由とした不採択や減点措置はありません。ただし、特定創業支援等事業で創業計画書等を策定している場合は、その内容を踏まえた補助事業計画になっているかが審査の有効性の観点で評価されます。すでに創業計画書を作成しているなら、その内容と整合した補助事業計画にすることで、評価につながります。策定済みの計画があれば、提出書類として添付しておくとよいでしょう。

Q10.一度創業型で採択されたら、また申請できますか?

A10.できません。過去にすでに<創業型>で採択され事業を実施した事業者は、個人・法人を問わず、本補助金の申請対象外です。代表が複数いる法人が創業型で採択され事業を実施していた場合は、代表者を変えたとしても申請できません。また、創業型と一般型 通常枠は同時申請できず、いずれかで申請中・採択済みの場合はもう一方を申請できません。一度きりのチャンスを最大限活かすためにも、計画の質を高めて臨むことが重要です。

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