第10回事業再構築補助金の採択結果と過去公募回との比較

今回は「第10事業再構築補助金の採択結果と過去公募回との比較」についてになります。
2023年9月22日に、第10回の事業再構築補助金の採択発表がありました。
第10回から制度大きく変わっており、今後申請する場合には、第10回の採択内容を把握しておくと良いと思います。

〇令和4年度の事業再構築補助金の採択結果についての記事は下記です。
令和4年度の事業再構築補助金採択結果まとめ

〇第11回事業再構築補助金の説明記事は下記です。
第11回事業再構築補助金の公募開始と変更点
第11回事業再構築補助金の概要の説明動画~変更点とポイント解説!
成長枠の対象となる業種・業態が増えて、事業再構築補助金が使いやすくなりました!
第11回事業再構築補助金の電子申請の入力方法~成長枠

【第10回事業再構築補助金の採択結果】
事業再構築補助金のホームページ採択結果
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/result.php
第10回の事業再構築補助金の採択結果についてみていきます。

第10回 2023年6月30日〆切、2023年9月22日発表
応募件数10,821件、採択件数5,205件、採択率48%

〇過去の応募件数・採択数との比較
令和3年度の全5回は、第1回:応募件数19,239件、採択件数8,016件、第2回:応募件数18,333件、採択件数9,336件、第3回:応募件数18,519件、採択件数9,021件、第4回:応募件数19,673件、採択件数8,810件、第5回:応募件数21,035件、採択件数9,707件
令和4年度の全4回は、第6回:応募件数15,340件、採択件数7,669件、第7回:応募件数15,132件、採択件数7,745件、第8回:応募件数12,591件、採択件数6,456件、第9回:応募件数10,821件、採択件数5,205件
令和5年度、第10回:応募件数10,821件、採択件数5,205件、採択率48%
第10回の応募件数は10,821件と、第9回の9,369件からは、115%上昇しましたが、令和4年度の第6・7回の約15,000件と比較すると2/3の水準となっております。
応募件数の推移に合わせて採択数も変動しており、第10回は採択数5,205件、第9回の4,259件からは122%上昇、第6・7回の平均値約7,700件と比較すると67%まで減少しております。



〇過去の採択率との比較
令和3年度の全5回の合計採択率は、第1回:採択率42%、第2回:採択率51%、第3回:採択率49%、第4回:採択率45%、第5回:採択率46%
令和4年度の全4回の合計採択率は、第6回:採択率50%、第7回:採択率51%、第8回:採択率51%、第9回:採択率45%
令和5年度、第10回:採択率48%
第10回は第9回の45%から48%と採択率が上昇しましたが、令和4年度の第6~8回の約50%と比較すると低い水準となっております。



【申請類型別採択件数と採択率】
申請類型別に第10回と過去回を比較してみていきます。

通常枠→成長枠
第10回:応募件数2,734件、採択件数1,242件、採択率45%
第10回より、通常枠がなくなり、指定された業種・業態もしくは、成長分野への大胆な事業再構築に取り組む申請類型の成長枠に変わりました。

〇過去の通常枠の応募件数・採択件数・採択率
令和3年度の全5回の応募件数・採択件数・採択率は、第1回中小企業等:応募件数14,783件※不備無し、採択件数5,092件、採択率34%、第2回中小企業等:応募件数13,174件、採択件数5,367件、採択率41%、第3回:応募件数14,103※不備無し、採択件数5,713件、採択率41%、第4回:応募件数15,036件、採択5,700件、採択率38%、第5回:応募件数16,185件、採択件数6,441件、採択率40%
令和4年度の全4回は、第6回:応募件数11,653件、採択件数5,297件、採択率45%、第7回:応募件数9,292件、採択件数4,402件、採択率47%、第8回:応募件数7,261件、採択件数3,562件、採択率49%、第9回:応募件数5,178件、採択件数2,130件、採択率41%
第9回までの水準からすると大幅に応募件数が少なくなりました。
通常枠は、応募件数は全体の50%以上、採択件数は約半数の水準でしたが、成長枠は業種が限定されていることから申請件数が全体の25%、採択数では22%と減少しました。
残り25%が他の申請枠に移動したと考えられます。
全体平均より採択率は常に低いです。第9回の通常枠の採択率は41%と低い水準でしたが、成長枠は45%と今までの通常枠のトータルの平均値以上となっています。




グリーン成長枠
第6回より登場した、グリーン分野での事業再構築を通じた高い成長を目指す申請類型です。
第6回:応募件数493件、採択件数197件、採択率40%
第7回:応募件数543件、採択件数217件、採択率40%
第8回:応募件数434件、採択件数173件、採択率40%
第9回:応募件数372件、採択件数148件、採択率40%
第10回:応募件数631件、採択件数262件、採択率42%
要件を緩和した類型エントリーの登場の影響と通常枠がなくなったこと、一度事業再構築補助金の採択された事業者が2回目の申請もできるといったもろもろの要素から、応募件数が増加し、採択率も増加しました。





産業構造転換枠
国内市場の縮小等の産業構造の変化等により、事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者に対して、補助率の引き上げ等により支援する申請類型です。
第10回:応募件数275件、採択件数102件、採択率37%
第10回から登場した申請枠ですが、こちらも2回目の申請ができる申請類型です。採択率は40%以下と全体平均よりぐっと低くなりました。

最低賃金枠
第3回より登場した申請類型が最低賃金枠です。
第3回:応募件数428件※不備無し、採択件数375件、採択率88%
第4回:応募件数391件、採択件数290件、採択率74%
第5回:応募件数306件、採択件数243件、採択率79%
第6回:応募件数252件、採択件数216件、採択率86%
第7回:応募件数162件、採択件数131件、採択率81%
第8回:応募件数165件、採択件数117件、採択率71%
第9回:応募件数106件、採択件数68件、採択率64%
第10回:応募件数249件、採択件数133件、採択率53%
加点措置を行い、物価高騰対策・回復再生応援枠に比べて採択率において優遇される申請類型です。
過去との比較をすると、採択率がどんどん低くなっています。





物価高騰対策・回復再生応援枠
第10回より登場した申請類型が、物価高騰対策・回復再生応援枠です。
第10回:応募件数6,775件、採択件数3,387件、採択率50%

過去の類似申請類型との比較では、
第1回~第2回までは特別枠、第3回~第5回までは、緊急事態宣言枠でした。

第1回:応募件数4,315件※不備無し、採択件数2,859件、採択率66%
第2回:応募件数5,071件※不備無し、採択件数3,919件、採択率77%
第3回:応募件数3,933件※不備無し、採択件数2,901件、採択率74%
第4回:応募件数4,217件、採択件数2,806件、採択率67%
第5回:応募件数4,509件、採択件数3,006件、採択率67%

第6回より登場した申請類型が、回復・再生応援枠です。
第6回:応募件数2,933件、採択件数1,954件、採択率67%
第7回:応募件数2,144件、採択件数1,338件、採択率62%
第8回:応募件数1,522件、採択件数879件、採択率58%
第9回:応募件数1,146件、採択件数590件、採択率51%

第7回より登場した申請類型が、緊急対策枠です。
第7回:応募件数2,980件、採択件数1,652件、採択率55%
第8回:応募件数3,201件、採択件数1,721件、採択率54%
第9回:応募件数2,561件、採択件数1,320件、採択率52%

第6~9回の回復・再生応援枠と緊急対策枠の合計
第6回:応募件数2,933件、採択件数1,954件、採択率67%
第7回:応募件数5,124件、採択件数2,990件、採択率58%
第8回:応募件数4,723件、採択件数2,600件、採択率55%
第9回:応募件数3,707件、採択件数1,910件、採択率52%
物価高騰対策・回復再生応援枠
第10回:応募件数6,775件、採択件数3,387件、採択率50%

コロナや物価高騰等により業況が厳しい事業者を支援する申請類型では、毎回採択率が低くなっている状況になります。
第10回は通常枠がなくなったこともあり、類似類型からの申請者が第9回までは、応募件数は全体の約40%弱、採択件数は約4割強の水準でしたが、通常枠がなくなったことから申請件数全体の62%、採択数では65%過半数以上の割合に増加しました。
第10回からは、物価高騰対策・回復再生応援枠からの申請者が大半になりました。




サプライチェーン強靭化枠

海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に取り組む事業者を対象として、補助上限額を最大5億円まで引き上げて支援する申請類型。
第10回:応募件数157件、採択件数79件、採択率50%
応募件数は少ないですが、採択率は50%と低くはないです。
第11回は実施されなくなりました。

卒業促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対し、補助金額を上乗せして支援する申請類型。
第10回:応募件数2件、採択件数0件、採択率0%

大規模賃金引上促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対し、補助金額を上乗せして支援する申請類型。
第10回:応募件数202件、採択件数55件、採択率27%

第10回から制度が大きく変化した事業再構築補助金、結果としては、令和3年度と比較すると応募者・採択者は半減し、令和4年度と比較すると2/3に減少しました。
応募件数・採択件数・採択率が最も高い申請類型は、物価高騰対策・回復再生応援枠となっており、売上減少要件を満たす必要はありますが、事前着手届出制度などがあり、使い勝手のよい補助金となっています。
中小企業庁によるとが日本の中小企業数は、3,578,176社となっていますが、累計で68,208社が採択されており、この採択者の比率は全中小企業の1.91%となりほとんどの中小企業はこの事業再構築補助金をまだ活用できておらず、事業再構築補助金を活用されていない多くの中小企業はこの大型補助金を活用して。事業を拡大するチャンスがあると言えるでしょう。
令和5年度中に3回程度予定されている事業再構築補助金の活用を検討してみていかがでしょうか。

事業再構築補助金の申請サポート

壱市コンサルティングでは、中小企業診断士のチームで事業再構築補助金の申請サポートを実施しております。
専門分野をもった、中小企業診断士のメンバーが揃っており、各業界に適した人材が2~3名体制で責任をもって担当します。
第11回・第12回事業再構築補助金の申請サポートについても引き続き、先着15社様限定で承っております。
なかなか採択されない事業者の方の駆け込み寺的な立場になりたいという思いから、
再申請の方限定で、着手金の割引コースを設けています。
本来十分な準備期間の中で申請まで進めらることが望ましいですが、
直前1カ月前、3週間前ぐらいから始められる方も面談の上、お受けしております。
実際に補助金が活用できる事業の取り組みなのか、どの申請枠で進めれば有利なのか、採択されるポイントはどこなのかなど、初回は無料相談を実施しています。
事業再構築補助金の申請をご検討の方は、是非お問い合わせいただければと思います。

山口 晋

山口 晋

山口晋(壱市コンサルティング)認定経営革新等支援機関ID:107613000510
経済産業大臣登録 中小企業診断士(登録番号420415)
長野県上田市出身 中小企業診断士チームである、壱市コンサルティングチームの代表 不動産業界にて約18年間に渡り、不動産売買仲介、ビル管理運営などの業務に従事し、経営コンサルタントとして独立開業。得意な業界は、不動産業、建設業、飲食業、サービス業全般。「中小企業診断士の認知度とブランド力向上のため、人生をかけています。」補助金採択率90%以上。事業再構築補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など約100件以上採択
壱市コンサル塾 中小企業診断士2次試験対策講座の講師 実務従事サービス 独立・副業支援 毎年、中小企業診断士試験合格者を連続輩出

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