【令和7年度】中小企業新事業進出促進補助金(第2回)募集開始!

【令和7年度】中小企業新事業進出促進補助金(第2回)募集開始!

~新市場・高付加価値事業へ挑戦する企業を後押し~


はじめに

中小企業が既存事業の枠を超え、新しい市場や高付加価値の事業に挑戦する際、資金調達の壁は非常に高いものです。自社の技術やサービスに将来性があっても、初期投資に必要な資金を確保できず、構想段階で足踏みしてしまうケースは少なくありません。
こうした企業を支援するために設けられているのが**「中小企業新事業進出促進補助金」(以下「新事業進出補助金」)です。令和7年度は第2回公募**が正式に始まり、成長を目指す中小企業にとって大きな飛躍のチャンスが到来しました。

本記事では、公募要領に基づき第2回公募の詳細を整理するとともに、第1回公募との相違点や改善点を丁寧に比較。これから申請を検討する企業が押さえるべきポイントを、実務的な視点から解説していきます。
さらに、弊社壱市コンサルティングがどのように補助金申請をサポートできるかも最後にご紹介します。


1.制度の概要と目的

「新事業進出補助金」は、既存事業とは異なる新たな市場に進出し、高付加価値の事業を創出する中小企業を支援するための国の補助金制度です。
ここでいう「高付加価値」とは、単に売上を伸ばすだけではなく、営業利益・人件費・減価償却費を合算した付加価値額を持続的に成長させる取り組みを指します。

近年、中小企業には「生産性向上」や「賃上げ」といった社会的要請が一層強まっています。補助金の仕組み自体が、単なる投資支援ではなく賃上げや地域経済の底上げにつながる事業を選別して後押しする方向へと進化している点が特徴です。


2.第2回公募の募集概要

第2回公募では、以下の募集条件が公式に示されています。数字や要件は今後の審査で厳格に適用されるため、早い段階から計画に落とし込むことが重要です。

2-1. 募集期間と事業実施期間

  • 公募期間:令和7年9月12日(金)~12月19日(金)18:00まで

  • 事業実施期間:交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)

準備から採択後の実施までおよそ1年半のスケジュールを想定する必要があります。申請の前倒し準備が不可欠です。

2-2. 補助率・補助金額

  • 補助率:1/2

  • 補助上限額/下限額:従業員数に応じて以下の通り

    • 20人以下:750万円~2,500万円(賃上げ特例で最大3,000万円)

    • 21~50人:750万円~4,000万円(賃上げ特例で最大5,000万円)

    • 51~100人:750万円~5,500万円(賃上げ特例で最大7,000万円)

    • 101人以上:750万円~7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円)

「賃上げ特例」とは、後述する賃上げ要件をより高い水準で達成する場合に上限額を引き上げる仕組みです。人材投資と経営戦略を両立できる企業にとっては、大幅な資金調達が可能になります。

2-3. 補助対象経費

対象となる経費は幅広く、新規事業に必要な投資をほぼ網羅しています。

  • 機械装置・システム構築費

  • 建物費(改修・新設を含む)

  • 技術導入費・知的財産権関連経費

  • 外注費・専門家費用

  • クラウドサービス利用費

  • 広告宣伝・販売促進費 など

いずれも新市場に挑戦する事業計画と密接に関わる費用であることを、申請時に明確に説明することが求められます。


3.補助対象となる事業者

申請できるのは、日本国内に本社と補助事業実施場所を持つ中小企業者や特定事業者、対象リース会社などです。
ただし、業種別の資本金・従業員数要件を満たす必要があり、以下のようなケースは対象外とされています。

  • みなし大企業

  • 創業間もない事業者(基準により除外)

制度趣旨に照らし、一定の経営基盤を有し、かつ新事業に取り組む意思と体制がある企業が対象となります。


4.申請に必要な主な要件

申請者は3~5年の事業計画を策定し、次の要件を満たす必要があります。

  1. 新事業進出要件
    製品や市場に明確な新規性があること。最終年度に新事業売上高が総売上の10%以上となる計画が必要です。

  2. 付加価値額要件
    営業利益+人件費+減価償却費で算定する付加価値額を、事業計画期間中に年平均成長率4%以上増加させること。

  3. 賃上げ要件
    一人当たり給与支給総額または給与支給総額を一定基準以上引き上げる。未達成の場合、補助金の一部返還義務があります。

  4. 事業場内最低賃金要件
    地域別最低賃金より30円以上高い水準を維持する。未達の場合も補助金返還義務があります。

  5. ワークライフバランス要件
    次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・公表

「賃上げ特例」を活用する場合は、さらに高い賃上げ率や最低賃金上昇を達成する必要があり、未達成時には上乗せ分の補助金返還が求められます。


5.第1回公募を振り返る

令和6年度に実施された第1回公募は、新制度として注目を集めました。実際に申請した企業や支援機関からは、以下のような特徴や課題が指摘されています。

  • 補助率1/2、下限額750万円という基本枠組みは第2回と変わらず、従業員数に応じた上限額や賃上げ特例も同様。

  • 広告宣伝費について「事業期間の売上想定の5%が上限」という制限があり、販促戦略の裏付けが必要とされました。

  • 「パートナーシップ構築宣言」や「成長加速化マッチングサービス」の活用が加点対象となり、戦略的に取り入れた企業は採択可能性を高めました。

  • 電子申請システムが稼働してから締切までの期間が短く、準備不足やアクセス集中によるシステム不安定が報告されました。

  • 事業計画書の質が採択を左右し、新市場性や収益計画の説得力が決定要因となりました。


6.第2回で押さえるべき第1回との違い・改善点

第2回公募では、第1回の課題や利用者の声を踏まえ、次のような改善・注意点が確認されています。

  1. スケジュールの余裕
    早期に公募開始日が公表され、準備期間を確保しやすくなっています。早めに事業計画や見積取得を進めることが可能です。

  2. システム面の改善
    初回特有のシステムエラーやログイン不具合への対策が期待されます。操作環境が改善される見通しです。

  3. 加点項目の明確化
    加点項目が整理され、活用しやすくなることが期待されます。

  4. 対象経費の取り扱い確認
    広告宣伝費や建物費の上限設定などは第1回同様ですが、細部のルール変更がある可能性があるため、公募要領を早期に確認し、見積や費用根拠をしっかり準備する必要があります。

  5. 要件達成の実効性重視
    新事業売上比率や付加価値成長率、賃上げ・最低賃金要件などは第1回と同じく必須ですが、達成可能性を裏付ける具体的な数値計画がより重視されるでしょう。


7.申請に向けた実務的アドバイス

  • 早期対応が鍵:GビズIDの取得、行動計画の公表などは数週間を要します。早めに着手し、申請書作成に集中できる時間を確保しましょう。

  • 事業計画書の質を高める:審査観点を的確に捉え、売上・付加価値・賃上げ計画を数値で裏付けることが採択の決め手です。

  • 見積取得とコスト精査:建物改修・設備投資・広告宣伝など、対象経費の根拠を示す見積を早期に集めておくことが必要です。

  • 加点要素の戦略的活用:パートナーシップ構築宣言や地域連携など、プラス評価を得られる項目を計画に盛り込みましょう。

  • 社内体制の整備:許可や認可が必要な事業の場合は、関連する外注先や専門家との調整を早期に始めます。


8.壱市コンサルティングとして申請をサポートする際のポイント

弊社壱市コンサルティングでは、第1回公募での豊富な経験を踏まえ、次のような支援を重視しています。

  • 早期対応:公募要領が公表されたらすぐに、御社の既存事業と新規事業の整理、新規性・市場性・加点要素の洗い出しなどを行います。

  • 事業計画書の質を高める:審査項目を正確に理解し、それぞれに対応する記載を漏れなく。売上・付加価値・賃上げなどの根拠を明確に示すことで、審査側に納得感のある計画を仕上げます。

  • 見積取得とコスト精査:建物改修・設備・広告宣伝など各経費について信頼できる見積を取り、費用対効果を示します。広告宣伝費には上限が設けられている場合があるため、注意を払いながら提案します。

  • 社内調整と体制整備:許可証・認可が必要な事業、新サービスの導入に関係する外注先・専門家などの調整を早めに行い、提出書類と添付資料を揃える準備をサポートします。

  • 加点要素の戦略的組み込み:パートナーとの連携、地域性・雇用創出・賃上げ特例など「+α」の要素を計画に落とし込みます。


9.壱市コンサルティングの申請サポートを利用するメリット

壱市コンサルティングでは、これまでの補助金申請支援の中で

  • 第1回公募の実際の申請書作成サポート経験

  • 補助対象となる経費・加点項目の把握と実践的アドバイス

  • 提出書類のチェックリストやテンプレート提供

などを通じて、多くのお客様に採択に近づく提案をしてきました。
第2回公募に向けて準備を進めたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。


10.最後に:申請までにやっておきたいこと

第2回公募に備えて、今のうちにできることをまとめます。

  • 公募要領を入手し、「基本要件」「加点要素」「対象経費」「補助上限/特例要件」を隅々まで読み込む

  • 自社の既存事業と新規事業の整理を行い、「どこが新しいか」「どのくらいの売上・付加価値が見込めるか」をシミュレーションする

  • 見積取得や必要な専門家(特許、デザイン、広告等)の調整を始める

  • 社内で最低賃金や賃上げ等の要件を確認し、実行可能な計画を立てる

  • 申請システムやマニュアル、テンプレートの更新情報を定期的にチェックし、早めに慣れる


結び

第2回公募は、第1回の経験を活かす絶好のチャンスです。
補助金額・対象経費・要件ともに規模感の大きい制度ですから、戦略的に準備を進めることで大きな成果につながる可能性があります。

壱市コンサルティングも、皆さまの新事業への挑戦を全力でサポートいたします。
まずは情報整理と早めの準備を――それが採択への最短ルートです。

 

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山口 晋

山口 晋

山口晋(壱市コンサルティング)認定経営革新等支援機関ID:107613000510
経済産業大臣登録 中小企業診断士(登録番号420415)
長野県上田市出身 中小企業診断士チームである、壱市コンサルティングチームの代表 不動産業界にて約18年間に渡り、不動産売買仲介、ビル管理運営などの業務に従事し、経営コンサルタントとして独立開業。得意な業界は、IT業、不動産業、建設業、飲食業、サービス業全般。「中小企業診断士の認知度とブランド力向上のため、人生をかけています。」事業再構築補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など約100件以上採択、補助金採択総額は15億円。
壱市コンサル塾 中小企業診断士2次試験対策講座の講師 実務従事サービス 独立・副業支援 毎年、中小企業診断士試験合格者を連続輩出

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