【2027年最新版】健康経営優良法人2027の認定準備ガイド|2026年認定結果・制度変更点・補助金加点まで徹底解説
健康経営優良法人認定制度は、従業員の健康管理を経営課題として戦略的に実践している法人を「見える化」し、社会的に評価する制度です。日本健康会議が認定し、経済産業省が制度を推進しています。令和8年(2026年)3月9日には第10回となる「健康経営優良法人2026」の認定法人が発表され、大規模法人部門・中小規模法人部門のいずれも認定数が大幅に増加しました。
注目すべきは、認定要件が年々高度化している点です。令和8年(2026年)認定では、大規模法人部門の選択要件が引き上げられ、評価の重心が「取り組みの有無」から「結果・成果」へと明確に移行しました。さらに、令和10年(2028年)4月からは従業員50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されることが決定しており、中小企業にとって健康経営はもはや「任意の取り組み」ではなくなりつつあります。
本記事では、健康経営優良法人2026の認定結果、令和9年(2027年)認定に向けた申請スケジュール、最新の制度変更点、補助金加点を含む取得メリット、そして月別の準備チェックリストまでを網羅しています。これから初めて認定を目指す経営者の方はもちろん、継続認定を狙う既認定企業の担当者の方にも参考になります。
健康経営優良法人認定制度とは何か
健康経営優良法人認定制度は、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度です。企業が従業員の健康を単なる「コスト」ではなく重要な経営資源と捉え、健康づくりへの投資を経営戦略として位置づける取り組み、それが「健康経営」です。その実践度合いを国が認定することで、従業員・求職者・取引先・金融機関といったステークホルダーからの信頼につなげる仕組みになっています。
この制度には企業規模に応じて「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つが設けられています。それぞれに上位顕彰の冠が用意されており、大規模法人部門の上位には「ホワイト500」、中小規模法人部門の上位500法人には「ブライト500」、501位から1,500位の法人には「ネクストブライト1000」が付与されます。
なぜいま健康経営が経営課題なのか
人手不足が深刻化するなか、従業員が心身ともに健康に働ける環境を整えることは、採用力と定着率の向上に直結します。経済産業省の調査では、認定企業の離職率は全国平均を大きく下回る水準にあると報告されており、優秀な人材の定着が組織の安定と持続的成長を支える要素になっていることがうかがえます。中小企業ほど一人ひとりの役割が大きいため、健康経営の効果は規模が小さい企業でこそ顕著に表れる、と理解するのが実態に近い見方です。
POINT
健康経営優良法人の認定は、採用・融資・入札・企業ブランドといった複数の経営場面で効果を発揮します。単なる「ホワイト企業の証明」にとどまらず、人的資本経営の基盤として位置づけることが、制度活用の本質です。
健康経営優良法人2026の認定結果(令和8年3月発表)
令和8年(2026年)3月9日、経済産業省と日本健康会議事務局は「健康経営優良法人2026」の認定法人を発表しました。第10回の節目となる今回は、両部門ともに過去最多を更新する認定数となり、健康経営が企業規模を問わず標準的な取り組みへと定着しつつあることを裏づける結果となりました。なお今回は、国の機関として初めて経済産業省自身も認定されています。
| 部門 | 2026認定数 | 2025認定数 | 上位顕彰 |
|---|---|---|---|
| 大規模法人部門 | 3,765法人 | 3,400法人 | ホワイト500 |
| 中小規模法人部門 | 23,085法人 | 19,796法人 | ブライト500/ネクストブライト1000 |
| 合計 | 26,850法人 | 23,196法人 | — |
あわせて、経済産業省は東京証券取引所と共同で「健康経営銘柄2026」を選定し、28業種から44社を選びました。健康経営銘柄は、大規模法人部門の申請企業のうち上位500社に入る上場企業を対象に、原則1業種1社を基本として選定されます。自己資本利益率(ROE)など企業価値に関する指標や、投資家との対話状況も評価項目に含まれており、長期的な企業価値向上を重視する投資家への情報提供という性格を帯びています。
なお、健康経営優良法人2026の認定期間は令和8年(2026年)3月9日から令和9年(2027年)3月31日までです。認定は1年ごとの更新制であり、毎年の申請が必要になる点に注意が必要です。
注意
認定は1年限りの有効期間です。前年に認定を受けた企業であっても、翌年の申請を行わなければ認定は失効します。継続的に認定マークを使用するためには、毎年度の申請とデータ更新が前提になります。
健康経営優良法人2027に向けた申請スケジュール
令和9年(2027年)認定(健康経営優良法人2027)の申請は、例年どおりであれば令和8年(2026年)の夏から秋にかけて行われます。直近の健康経営優良法人2026の実際のスケジュールをふまえると、令和9年(2027年)認定の標準的な流れは次のように見込まれます。最終的な日程は経済産業省・認定事務局からの発表が基準となるため、公式情報を必ず確認してください。
| 時期(見込み) | 主なアクション |
|---|---|
| 令和8年(2026年)春〜初夏 | 健診結果・施策実績などの社内データ整備、健康宣言事業への参加準備 |
| 令和8年(2026年)8月中旬 | 申請受付開始(大規模法人部門・中小規模法人部門) |
| 令和8年(2026年)10月上旬〜中旬 | 申請締切(大規模は10月上旬、中小規模は10月中旬が目安) |
| 令和8年(2026年)11月〜12月 | 認定審査、申請料の請求・振込 |
| 令和9年(2027年)2月〜3月 | 認定内定、認定法人の正式発表 |
特に重要なのは、調査票・申請書には前年度の健診結果や施策の実績値が必要になるという点です。8月の受付開始から準備を始めたのでは間に合わないことが多く、春から初夏にかけてのデータ整備が成否を分けます。早い段階で前年度実績を整理しておくことが賢明です。
中小規模法人部門で必須となる「健康宣言事業」への参加
中小規模法人部門で申請するには、自社が加入している保険者(協会けんぽや健康保険組合連合会の各都道府県支部など)が実施する「健康宣言事業」への参加が前提となります。加入している保険者が当該事業を実施していない場合には、自治体が実施する健康宣言事業への参加、または自社独自の健康宣言を行う必要があります。初めて申請する法人は新規IDの発行が必要になるため、この手続きにも余裕を見ておくことが重要です。
認定申請料は部門によって異なる
健康経営優良法人の認定申請料は、令和5年(2023年)度から有料化されており、部門によって金額が異なります。申請後に認定事務局から請求書が届き、所定の期限までに振り込むことで審査・認定の対象となります。直近の申請料は次のとおりです(いずれも税込)。
| 部門 | 認定申請料(1件あたり・税込) |
|---|---|
| 大規模法人部門 | 88,000円 |
| 中小規模法人部門 | 16,500円 |
この申請料は認定事務局へ支払う費用です。認定は1年ごとの更新制のため、継続認定を狙う場合は毎年度この申請料が発生します。あわせて、健診やストレスチェックの実施費用、外部の専門家にサポートを依頼する場合の費用は別途かかる点に注意が必要です。金額は年度によって改定される可能性があるため、申請前に最新の公募要領で確認してください。
申請対象となる法人の規模区分
どちらの部門で申請するかは、業種ごとに定められた従業員数または資本金・出資金の規模によって決まります。中小規模法人部門の対象範囲は次のとおりです。これに当てはまらない規模の法人は、大規模法人部門での申請となります。
| 業種 | 中小規模法人部門の範囲(いずれか) |
|---|---|
| 製造業 その他 | 資本金1億円以下 または 従業員300人以下 |
| 卸売業 | 資本金1億円以下 または 従業員100人以下 |
| 小売業 | 資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下 |
| サービス業 | 資本金5,000万円以下 または 従業員100人以下 |
補足
規模区分は申請年度ごとに公表される要領で確認するのが確実です。境界に近い規模の法人は、どちらの部門が自社にとって有利か(要件の充足しやすさ・顕彰の取りやすさ)も含めて事前に検討することが重要です。
健康経営優良法人2026における主な制度変更点
健康経営優良法人2026では、令和7年(2025年)3月に改訂された健康経営ガイドブックを反映し、設問内容や認定運営の見直しが行われました。これらの変更は令和9年(2027年)認定にも引き継がれる可能性が高く、内容を正しく理解しておくことが対策の出発点になります。主な変更点は次のとおりです。
| 変更項目 | 変更の内容 |
|---|---|
| 選択要件の引き上げ(大規模) | 大規模法人部門では、必須項目に加えて選択項目の充足要件が「16項目中13項目以上」から「17項目中14項目以上」へ。不適合が許されるのは3項目のみとなり、難易度が上昇 |
| 経営層の関与の明確化 | 健康経営の推進方針を取締役会や経営会議で議論・決定しているかを問う設問へ修正。経営トップの関与がより厳しく確認される |
| 性差・年齢への配慮 | 「性差・年齢に配慮した職場づくり」が小項目として整理され、女性の健康課題や高年齢従業員への対策が評価対象に |
| 両立支援の強化 | 改正育児・介護休業法をふまえ介護との両立支援の選択肢を修正。治療と仕事の両立支援についてもガイドライン改訂を反映 |
| 評価軸の転換 | 「取り組みの有無」から「実際の結果・成果」への評価にシフト。データを活用した定量的な開示が重視される |
中小規模法人部門についても、必須項目と選択項目の充足構成が定められています。小規模事業者向けの特例を適用する場合は、必須項目に加えて選択項目(18項目)のうち6項目以上を満たす必要があります。一方、ブライト500・ネクストブライト1000を狙う場合は、選択項目(17項目)のうち16項目以上という、ほぼ全項目に近い高い充足水準が求められます。ここ数年は、取り組み内容そのものよりも、健康経営によってどの経営課題をどう解決したかというストーリーとPDCAの整理が問われる方向に進んでいます。
2028年ストレスチェック義務化と健康経営の関係
令和9年(2027年)認定の準備を考えるうえで、避けて通れないのがストレスチェックの全面義務化です。令和7年(2025年)5月に改正労働安全衛生法が公布され、これまで努力義務にとどまっていた従業員50人未満の事業場についても、ストレスチェックの実施が義務化されることが正式に決定しました。
施行スケジュールについては、令和8年(2026年)5月18日の労働政策審議会・安全衛生分科会で具体的な日程が示されています。整理すると次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法改正の公布 | 令和7年(2025年)5月 |
| 改正法の施行日 | 令和10年(2028年)4月1日 |
| 最初の実施完了期限 | 令和11年(2029年)3月31日 |
| 対象 | 従業員50人未満を含むすべての事業場 |
50人未満の事業場向けには新たなストレスチェックマニュアルも公開されており、産業医を選任していない小規模事業場でも対応しやすい環境が整いつつあります。産業医がいない場合でも、「地域産業保健センター(地さんぽ)」を無料で活用でき、高ストレス者への医師の面接指導やメンタルヘルス相談を依頼できます(回数制限あり)。
この義務化は、健康経営優良法人の認定要件とも密接に関係します。ストレスチェックに関する項目は認定の評価対象に含まれており、義務化への対応を進めることが、そのまま認定要件の充足にもつながる構造になっています。義務化を「負担」と捉えるのではなく、健康経営優良法人の認定取得と一体で進める「投資」と整理するのが合理的です。
認定取得のメリットと補助金加点
健康経営優良法人の認定は、認定マークの取得という象徴的な効果にとどまらず、実利的なメリットを伴います。代表的なものを整理します。
| メリット | 具体的な効果 |
|---|---|
| 採用力の強化 | 求職者・就活生に対する「働きやすい企業」のアピール。離職率の低減にも寄与 |
| 金融・取引面の優遇 | 金融機関による融資金利の優遇、自治体の公共調達における加点対象となる場合がある |
| 補助金の加点 | ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金などで加点要素として評価される |
| 生産性の向上 | 従業員の体調不良による効率低下(プレゼンティーズム)の改善、組織の活性化 |
補助金加点は、特に中小企業にとって見逃せないメリットです。ものづくり補助金では、電子申請システムの加点項目に「健康経営優良法人認定」が設けられており、認定を受けた事業者がチェックを入れることで加点を得られます。さらに、小規模事業者持続化補助金では、令和8年(2026年)5月27日に公開された第20回公募の公募要領で、「健康経営優良法人加点」が新たに新設されました。健康経営への取り組みが、補助金採択の場面でも直接的に評価される時代に入っているといえます。
POINT
補助金加点を狙う場合は、申請締切日時点で認定が有効であることが前提です。認定取得のタイミングと補助金の公募スケジュールを逆算して計画することが重要です。なお、設備投資やデジタル化を伴う取り組みは、デジタル化・AI導入補助金など他の制度との組み合わせも検討の余地があります。
健康経営優良法人2027に向けた月別準備チェックリスト
認定取得の成否は、申請直前の準備量ではなく、年間を通じた取り組みの蓄積によって決まります。令和8年(2026年)4月から着実に準備を始めることが成功の鍵です。中小規模法人部門を想定した、令和9年(2027年)認定に向けた標準的な月別スケジュールを示します。
| 時期 | 準備すべきこと |
|---|---|
| 令和8年(2026年)4〜5月 | 健康宣言事業への参加状況の確認・申込、推進体制の整備、経営層の関与方針の決定 |
| 令和8年(2026年)6〜7月 | 健診受診率・ストレスチェック実施状況の把握、未充足要件の洗い出しと施策の追加実施 |
| 令和8年(2026年)8月 | 申請受付開始。新規申請企業はID発行手続き。調査票・申請書の記入着手 |
| 令和8年(2026年)9〜10月 | 申請書の最終確認と提出(締切は10月中旬目安)。要件充足のエビデンス確認 |
| 令和8年(2026年)11〜12月 | 申請料の請求対応・振込(振込期限までに完了) |
| 令和9年(2027年)2〜3月 | 認定内定・正式発表。認定マークの活用準備、翌年度の継続申請計画の策定 |
注意
調査票・申請書には前年度の実績データが必要です。健診結果や施策の実施記録を年度途中で整理しておかないと、申請段階で「該当する実績がない」という事態に陥ります。データ整備は4月から着手するのが安全です。
この記事のまとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 認定数は過去最多を更新 | 健康経営優良法人2026は大規模3,765法人・中小規模23,085法人の計26,850法人。健康経営は規模を問わず標準的な経営課題へと定着した |
| 要件は年々高度化 | 大規模法人部門の選択要件が17項目中14項目以上へ引き上げ。評価軸は「取り組み」から「結果・成果」へ移行している |
| 準備は春から始める | 申請に必要な実績データの整備は令和8年(2026年)4月から。8月の受付開始からでは間に合わない |
| 2028年義務化と一体で | ストレスチェックは令和10年(2028年)4月施行で全事業場に義務化。認定要件の充足とあわせて対応するのが合理的 |
| 補助金加点という実利 | ものづくり補助金に加え、小規模事業者持続化補助金でも健康経営優良法人加点が新設。採択の場面で直接評価される |
よくある質問(Q&A)
Q1.健康経営優良法人2027の申請はいつから始まりますか?
A1.例年どおりであれば、令和8年(2026年)8月中旬に申請受付が開始される見込みです。直近の健康経営優良法人2026では8月18日に受付が始まりました。大規模法人部門の締切が10月上旬、中小規模法人部門が10月中旬というのが標準的な日程です。ただし正確な日程は経済産業省・認定事務局からの発表が基準となるため、夏前には公式情報を確認することをおすすめします。準備自体は受付開始を待たず、春から進めておくことが重要です。
Q2.認定を受けるには費用がかかりますか?
A2.申請には所定の申請料が必要です。直近の金額は、大規模法人部門が1件あたり88,000円(税込)、中小規模法人部門が16,500円(税込)です。令和5年(2023年)度から有料化されており、部門によって金額が異なります。申請後に請求書が届き、振込期限までに支払うことで審査・認定の対象となります。なお、中小規模法人部門では保険者の健康宣言事業への参加が前提となるため、その手続きにも事前の準備時間を見込んでおく必要があります。これらは認定事務局への費用であり、健診・ストレスチェックの実施費用や外部サポート費用は別途かかります。費用面と手続き面の両方を逆算して計画することが、スムーズな申請につながります。
Q3.一度認定されれば、その後は申請不要ですか?
A3.認定は1年ごとの更新制です。健康経営優良法人2026の認定期間は令和8年(2026年)3月から令和9年(2027年)3月までであり、翌年も認定を維持するには改めて申請する必要があります。継続認定を狙う場合は、毎年度のデータ更新と申請を前提に社内のスケジュールを組むことが重要です。認定マークの使用も有効期間内に限られるため、失効しないよう翌年度の申請計画を早めに立てておくことが賢明です。
Q4.中小企業でも大規模法人部門の難易度の高い要件に対応する必要がありますか?
A4.いいえ。要件は部門ごとに異なります。選択要件が17項目中14項目以上へ引き上げられたのは大規模法人部門の話です。中小規模法人部門には別途、必須項目と選択項目の充足構成が定められています。ただし、ブライト500やネクストブライト1000といった上位顕彰を狙う場合は、中小規模法人部門でも高い充足水準が求められます。自社が目指す認定レベルに応じて、必要な要件を見極めることが出発点になります。
Q5.ストレスチェックは認定にどう関係しますか?
A5.ストレスチェックに関する項目は認定の評価対象に含まれています。さらに令和10年(2028年)4月からは従業員50人未満の事業場にも実施が義務化されるため、義務化対応がそのまま認定要件の充足に直結する構造になっています。産業医がいない小規模事業場でも、地域産業保健センター(地さんぽ)を無料で活用できるため、コストを抑えた対応が可能です。義務化を見据えて早めに体制を整えることが、認定取得と法令遵守の両面で有効です。
Q6.認定を受けると補助金で本当に有利になりますか?
A6.有利になる場面があります。ものづくり補助金では電子申請システムの加点項目に「健康経営優良法人認定」が設けられており、認定企業はチェックを入れることで加点を得られます。加えて、小規模事業者持続化補助金でも令和8年(2026年)5月公開の第20回公募要領で健康経営優良法人加点が新設されました。ただし加点は申請締切日時点で認定が有効であることが前提です。補助金の公募スケジュールと認定取得のタイミングを逆算して計画することが重要です。
Q7.健康経営度調査の内容が「成果重視」に変わったとは具体的にどういうことですか?
A7.従来は「制度や施策が存在するか」という取り組みの有無が中心でしたが、近年は「どれだけ従業員が参加し、どのような行動変容や成果が生まれたか」という結果に評価の重心が移っています。たとえば健診受診率や施策の実施率、改善率といった定量データの開示が重視されます。経営課題と健康施策を結びつけ、PDCAを回したストーリーとして整理できているかが問われるようになっています。数値で語れる体制づくりが、これからの認定対策の中心になると理解する必要があります。
Q8.健康経営銘柄と健康経営優良法人は何が違いますか?
A8.健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する上場企業向けの顕彰です。健康経営優良法人2026では28業種から44社が選ばれました。大規模法人部門の申請企業のうち上位500社に入る上場企業を対象に、原則1業種1社を基本として選定され、ROEなど企業価値指標や投資家との対話状況も評価されます。一方、健康経営優良法人は上場・非上場を問わず幅広い法人が対象です。中小企業が現実的に目指すのは、健康経営優良法人の認定です。
Q9.申請の準備を自社だけで進めるのは難しいですか?
A9.自社のみでの対応も可能ですが、要件の高度化により負担は増しています。健康宣言事業への参加、健診・ストレスチェックの実施状況の把握、未充足要件の洗い出し、申請書のエビデンス整理など、対応すべき項目は多岐にわたります。特に経営層の関与方針の整理や、成果を数値で示すための体制づくりは、第三者の視点を入れたほうが効率的に進むことが多いといえます。専門家と連携しながら、年間スケジュールに沿って計画的に進めることが、確実な認定取得につながります。
Q10.健康経営に取り組む際、経営者として最も意識すべきことは何ですか?
A10.健康経営を「福利厚生の一環」ではなく「経営戦略の一部」として位置づけることです。認定要件が経営層の関与を厳しく問う方向に進んでいるのは、健康経営が人的資本経営の基盤であるという考え方が浸透しているからです。担当者任せにするのではなく、経営トップ自らが方針を示し、取締役会や経営会議で議論・決定する体制を整えることが求められます。認定はあくまで結果であり、本質は従業員の健康を通じて生産性と企業価値を高めることにある、と理解しておくことが重要です。
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