【令和8年(2026年)6月最新】補助金ニュースまとめ|事業承継・M&A補助金15次公募・新事業進出補助金・デジタル化・AI導入補助金の動向
令和8年(2026年)6月は、中小企業の経営者にとって見逃せない補助金の動きが重なる月となりました。最大の注目は、事業承継・M&A補助金の15次公募が6月19日に申請受付を開始することです。あわせて、新事業進出補助金の第4回公募、デジタル化・AI導入補助金の各締切が同じ時期に集中しており、複数の制度のスケジュールが同時に進行しています。
今回の動きで特に押さえておきたいのは、事業承継・M&A補助金の専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」が新設された点です。これまで補助対象になりにくかった小規模なM&A案件まで支援の射程が広がり、後継者不在の小規模事業者・個人事業主にとって活用しやすい制度設計へと変わりました。
本記事では、壱市コンサルティングが令和8年(2026年)6月時点の一次情報をもとに、いま受付中・受付間近の主要補助金の最新動向を整理します。これから申請を検討している経営者の方はもちろん、顧問先への情報提供を行う士業・支援者の方にも参考になる内容です。
令和8年(2026年)6月の補助金トピックス一覧
まず、6月時点で受付中・受付間近の主要補助金のスケジュールを一覧で整理します。締切が6月中旬から下旬に集中しているため、申請を予定している制度がある場合は残り期間を逆算した準備が欠かせません。
| 補助金 | 直近のスケジュール | 6月時点の状況 |
|---|---|---|
| 事業承継・M&A補助金(15次) | 令和8年6月19日(金)〜7月24日(金)17:00 | 6月19日から受付開始(新類型あり) |
| 新事業進出補助金(第4回) | 令和8年5月19日〜6月19日(金) | 6月19日が締切(受付終盤) |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 第2次締切6/15、第3次7/21、第4次8/25 | 6月15日が直近締切 |
| ものづくり補助金(第23次) | 令和8年7月に第23次の採択結果発表予定 | 制度再編の検討が進行中 |
| 小規模事業者持続化補助金(第20回) | 令和8年11月5日受付開始〜12月15日締切(予定) | 秋以降の公募に向け予告段階 |
※ 上記は令和8年(2026年)6月時点で公表されている情報です。締切や枠は事務局の最新公表により変わる可能性があるため、申請前に必ず公式サイトで確認してください。
事業承継・M&A補助金 15次公募が6月19日に受付開始
令和8年(2026年)6月最大のトピックは、事業承継・M&A補助金の15次公募の申請受付が6月19日(金)に開始されることです。公募要領は2026年5月22日に公開され、申請受付期間は令和8年6月19日(金)から7月24日(金)17:00までとされています。申請は電子申請(Jグランツ)のみで受け付けられるため、GビズIDプライムアカウントの取得が前提となります。
この補助金は、事業承継・M&A・PMI(経営統合)・廃業を国がトータルで支援する制度です。経営者の高齢化と後継者不在が深刻化するなか、事業承継支援は国の最重要政策の一つとして位置づけられており、令和7年度補正予算でも継続して予算が確保されています。
15次公募を構成する4つの枠
15次公募は、14次公募と同様に4つの枠で構成されています。M&Aを実施する際のアドバイザリー契約に基づく報酬や、デュー・ディリジェンス(買収監査)費用も補助対象経費に含まれる点が、士業・コンサルタントの活用と相性のよい設計といえます。
| 枠 | 支援の対象 |
|---|---|
| 事業承継促進枠 | 5年以内に親族内承継・従業員承継を予定する者の設備投資等 |
| 専門家活用枠 | M&Aの仲介手数料・FA費用・DD費用などの専門家費用 |
| PMI推進枠 | M&A後の経営統合(PMI)に係る費用 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 廃業費用および再チャレンジに係る費用 |
最大の変更点|専門家活用枠「小規模売り手支援類型」の新設
14次公募からの最も重要な変更点は、専門家活用枠に小規模事業者向けの「小規模売り手支援類型」が新設されたことです。この新類型では、規模の小さい会社・個人事業主等の「売り手」がM&Aを行う際の専門家費用について、補助上限150万円での支援が受けられるようになりました。
押さえておきたいポイント
これまでの専門家活用枠は、ある程度の規模のM&A案件でなければ費用対効果が見合わないという課題がありました。小規模売り手支援類型の新設により、小ぶりなM&A案件でも制度を活用しやすくなり、後継者不在で「会社をたたむしかない」と考えていた小規模事業者にも、第三者への承継という選択肢が現実的になったと整理できます。
過去の採択実績を見ると、専門家活用枠の採択率はおおむね60%前後で安定して推移しています。加点項目を適切に押さえることで採択可能性を高められる制度設計が継続しているため、要件の理解と書類準備の精度が結果を大きく左右します。なお、申請受付期間は約5週間と短く、GビズIDプライムの取得やM&A支援機関登録制度に登録されたFA・仲介業者の選定にも時間を要します。検討中の事業者は早い段階で準備に着手することが賢明です。
新事業進出補助金 第4回公募は6月19日が締切
新事業進出補助金(中小企業新事業進出補助金)は、中小企業が既存事業とは異なる新たな事業分野に挑戦し、新市場へ進出する取り組みを支援する制度です。第4回公募の申請受付期間は令和8年(2026年)5月19日から6月19日(金)までとされており、6月時点では受付の終盤に差しかかっています。
本制度は、企業の成長促進や生産性向上に加えて賃上げの実現を重視した制度設計となっている点が特徴です。設備投資や建物費、販路開拓などに幅広く活用できる一方、既存事業と新規事業の対比、新市場への進出指針、差別化の論理を事業計画書のなかで明確に示すことが採択の鍵となります。第4回での申請を見送る場合も、次回公募に向けて事業計画の骨格を早めに固めておくことが有効です。
デジタル化・AI導入補助金|6月15日の締切に注意
令和7年度補正予算事業から、従来の「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」へと名称が変更されました。AIを含むITツール(ソフトウェア・サービス等)の導入を支援する制度で、中小企業・小規模事業者の労働生産性の向上を目的としています。
6月時点で押さえておくべきは締切のタイミングです。通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠は、第2次締切が6月15日、その後は第3次が7月21日、第4次が8月25日と設定されています。複数者連携デジタル化・AI導入枠は第1次締切が6月15日、第2次が8月25日です。予算上限に達した枠から早期終了する可能性があるため、導入するツールが決まり次第、早めにIT導入支援事業者と準備を進めることが重要です。
名称変更と申請の仕組み
名称変更は、単なる呼称の変更ではなく、AI・省力化への対応をより強く求める制度へと軸足が移ったことを示しています。小規模事業者に対する補助率は手厚く、補助額50万円以下の部分では補助率4/5(小規模事業者)が適用されるケースもあります。複数者連携枠を除き、申請には事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組むことが必要です。
ものづくり補助金と新事業進出補助金の統合・再編という大きな流れ
6月時点で中長期の視点として理解しておきたいのが、ものづくり補助金と新事業進出補助金が統合・再編される方向で検討が進んでいるという動きです。報道や解説では「新事業進出・ものづくり補助金(仮称)」へと再編される見通しが示されており、中小企業の省力化投資や新分野開拓を一体的に支援する枠組みへの移行が想定されています。
ものづくり補助金は10年以上継続している人気の制度で、第23次公募は令和8年(2026年)2月6日に開始され、7月には採択結果が発表される予定です。補助上限額は枠により最大4,000万円規模が維持されています。制度が再編されると、これまでの公募で不採択だった事業者が新要件の下では応募できなくなる可能性もあるため、制度の枠組みが変わる前後の動向を注視する必要があります。
今後の予定|小規模事業者持続化補助金 第20回
販路開拓を支援する小規模事業者持続化補助金も、令和8年(2026年)度の公募が予定されています。一般型・通常枠の第20回は、申請受付開始が令和8年11月5日(木)、締切が12月15日(火)17:00(予定)とされています。先に必要となる事業支援計画書(様式4)の発行受付締切が12月4日(金)であるため、商工会・商工会議所への相談は早めに行うのが賢明です。
通常枠の補助上限額は50万円で、特例の活用により最大250万円まで上乗せが可能です。第20回は賃金引上げ特例や広報費・ウェブサイト関連費の取扱いが第19回から変わっているため、過去の感覚で準備を進めず、必ず最新の公募要領を確認してください。
6月時点で経営者が押さえるべき対応
6月は複数の補助金の締切が重なる時期であり、申請を成功させるには優先順位の整理が欠かせません。特に、いずれの制度も電子申請(Jグランツ)が前提となるため、GビズIDプライムアカウントの取得を最優先で進めることが第一歩となります。取得には1〜3週間かかる場合があるため、申請の直前に着手すると締切に間に合わないおそれがあります。
また、事業承継・M&A補助金や新事業進出補助金は事業計画書の論理構成が採択を左右します。締切間際に着手するのではなく、対象事業の選定・要件確認・必要書類の収集を逆算して進めることが重要です。自社にどの制度が適しているか判断に迷う場合は、早い段階で認定経営革新等支援機関などの専門家に相談することをおすすめします。
令和8年(2026年)6月の補助金ニュースまとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ① 事業承継・M&A補助金が6月19日に受付開始 | 15次公募は令和8年6月19日〜7月24日。最大2,000万円規模の支援で、4つの枠で構成されます。 |
| ② 小規模売り手支援類型の新設 | 専門家活用枠に補助上限150万円の新類型が加わり、小規模なM&A案件でも活用しやすくなりました。 |
| ③ 6月15日・6月19日に締切が集中 | デジタル化・AI導入補助金は6月15日、新事業進出補助金は6月19日が直近の締切です。 |
| ④ ものづくり補助金の再編が進行中 | 新事業進出補助金との統合・再編が検討されており、制度の枠組みが変わる前後の動向に注意が必要です。 |
| ⑤ 持続化補助金は秋以降に公募予定 | 第20回は令和8年11月5日受付開始・12月15日締切(予定)。様式4の早めの相談が鍵です。 |
よくある質問(Q&A)
Q1. 事業承継・M&A補助金の15次公募はいつまでに申請すればよいですか?
A1.申請受付期間は令和8年(2026年)6月19日(金)から7月24日(金)17:00まで(予定)です。約5週間と期間が短いうえ、電子申請(Jグランツ)にはGビズIDプライムアカウントが必須で、取得に1〜3週間かかる場合があります。さらに、M&A支援機関登録制度に登録されたFA・仲介業者の選定や共同申請書類の準備にも時間を要するため、検討している場合は受付開始を待たずに準備を進めることが重要です。締切間際の着手は不採択リスクを高めます。
Q2. 小規模売り手支援類型は誰が対象になりますか?
A2.小規模売り手支援類型は、規模の小さい会社や個人事業主等の「売り手」が対象です。専門家活用枠に新設された類型で、M&Aを行う際の専門家費用について補助上限150万円の支援が受けられます。これまでの専門家活用枠は一定規模以上の案件でなければ費用対効果が見合いにくい設計でしたが、新類型により小ぶりなM&A案件でも活用しやすくなりました。後継者不在で廃業を検討していた小規模事業者にとって、第三者承継の現実的な選択肢が広がったといえます。具体的な要件は公募要領で確認してください。
Q3. デジタル化・AI導入補助金とIT導入補助金は別の制度ですか?
A3.別の制度ではなく、名称が変更されたものです。令和7年度補正予算事業から、従来の「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」へと名称変更されました。AIを含むITツールの導入支援という基本的な枠組みは引き継がれていますが、AI・省力化への対応をより強く求める方向へと制度の軸足が移っています。過去にIT導入補助金で交付決定済みの事業者は減点対象となる場合があるなど、評価基準にも変化があるため、最新の公募要領で確認することが必要です。
Q4. 複数の補助金を同時に申請してもよいですか?
A4.制度ごとに対象経費や目的が異なるため、同一の経費を複数の補助金で重複して受給することはできません。一方で、目的の異なる取り組みであれば、別々の補助金を活用すること自体は可能です。たとえば、設備投資はものづくり補助金、ITツール導入はデジタル化・AI導入補助金、というように使い分ける設計が考えられます。ただし、それぞれの公募要領で重複申請・併給の可否が定められているため、自己判断で進めず、要件を確認したうえで計画することが重要です。
Q5. 新事業進出補助金の採択で重視されるポイントは何ですか?
A5.新事業進出補助金は、既存事業と異なる新分野・新市場への進出を支援する制度のため、既存事業と新規事業の対比、新市場における差別化の論理が事業計画書のなかで明確に示されているかが重視されます。加えて、賃上げの実現を重視した制度設計となっているため、賃上げ計画と事業計画の整合性も評価の対象です。設備投資の規模だけでなく、なぜその新事業に挑戦するのか、どのように市場で優位性を確保するのかという因果の設計が、採択を左右します。
Q6. ものづくり補助金の制度再編はいつ実施されますか?
A6.令和8年(2026年)6月時点では、ものづくり補助金と新事業進出補助金を統合・再編する方向で検討が進んでいる段階で、正式な実施時期は確定していません。「新事業進出・ものづくり補助金(仮称)」へと再編される見通しが示されていますが、確定情報ではないため、最新の公表を注視する必要があります。制度が再編されると要件が変わり、これまで不採択だった事業者が新要件の下では応募できなくなる可能性もあるため、再編前の公募を活用するかどうかも含めて検討することが望まれます。
Q7. 持続化補助金の第20回はいつから準備すればよいですか?
A7.第20回は申請受付開始が令和8年(2026年)11月5日、締切が12月15日(予定)ですが、準備は秋を待たずに始めるのが賢明です。申請には事業支援計画書(様式4)が必要で、その発行受付締切が12月4日に設定される見込みです。様式4は商工会・商工会議所が発行するため、混雑する締切間際ではなく、早めに相談しておくことが重要です。第20回は賃金引上げ特例や広報費・ウェブサイト関連費の取扱いが変わっているため、経営計画の作成と並行して最新要件を確認してください。
Q8. GビズIDはどの補助金でも必要ですか?
A8.本記事で取り上げた主要な補助金は、いずれも電子申請(Jグランツ等)が前提となっており、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。GビズIDは複数の行政手続で共通して利用できるIDで、一度取得すれば各補助金で使い回すことができます。ただし、取得には書類審査を含めて1〜3週間程度かかる場合があるため、申請を予定している場合は最優先で取得を進めてください。アカウント未取得が原因で締切に間に合わないケースは少なくありません。
Q9. 補助金は申請すれば必ず受け取れますか?
A9.いいえ、補助金は審査を経て採択された事業者のみが交付を受けられます。事業承継・M&A補助金の専門家活用枠の採択率はおおむね60%前後で推移しており、申請すれば必ず採択されるわけではありません。また、採択後も補助金は原則として後払いであり、いったん自己資金で経費を支出したうえで実績報告を行い、確定後に交付される仕組みです。資金繰りの計画とあわせて、要件を満たす事業計画を準備することが採択への近道です。
Q10. どの補助金が自社に合うか分からない場合はどうすればよいですか?
A10.まずは「何を実現したいか」という事業の目的を整理することが出発点です。事業承継やM&Aなら事業承継・M&A補助金、新分野への進出なら新事業進出補助金、ITツール導入ならデジタル化・AI導入補助金、というように目的によって適した制度が異なります。複数の制度が候補になる場合や、組み合わせを検討したい場合は、認定経営革新等支援機関などの専門家に相談すると、要件の確認から事業計画の設計まで一貫した支援を受けられます。締切が集中する時期だからこそ、早めの相談が選択肢を広げます。
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