【令和8年9月】補助金NEWS|省力化第8回・新もの補助第1回・成長加速化3次と令和9年度概算要求
令和8年(2026年)9月は、中小企業向け補助金にとって一年で最も申請が集中する月のひとつです。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回申請受付が9月30日に始まり、省力化投資補助金(一般型)第8回の申請受付も9月中旬に開始されます。中小企業成長加速化補助金の3次公募も9月29日から受付が始まり、主要制度の受付開始日が同じ月に並びました。
同時に、令和8年(2026年)8月末には令和9年度(2027年度)概算要求が公表されました。中小企業庁の要求内容を読むと、これまで別々に運用されてきたデジタル化・AI導入補助金と省力化投資補助金が「省力化・デジタル化・AI投資補助金」として一体化される方向が明示されており、来年度の制度地図は今年度とは異なる形になります。
本記事では、令和8年(2026年)9月時点で確定している公募スケジュールと8月に公表された採択結果を整理したうえで、令和9年度概算要求から読み取れる来年度の制度再編と審査軸の変化までを、一次情報にもとづいて解説します。
- 令和8年9月に動く主要補助金のスケジュール
- 直近に公表された採択結果と採択率の水準
- 令和9年度概算要求が示す来年度の制度地図
- 賃金と税制から見た審査軸の変化
- 令和8年9月以降にとるべき実務対応
- まとめ
- よくある質問
- Q1.新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回締切はいつですか。
- Q2.新事業進出補助金の第4回に申請中ですが、新もの補助にも申請できますか。
- Q3.省力化投資補助金第8回の「基準年度の変更」は何に影響しますか。
- Q4.「足下の賃上げ」とは具体的に何を評価するものですか。
- Q5.デジタル化・AI導入補助金は令和9年度も継続しますか。
- Q6.「地域AXネットワーク事業」は補助金ですか。
- Q7.最低賃金の引上げは補助金の要件にどう影響しますか。
- Q8.持続化補助金は今から申請できますか。
- Q9.「売上高10億円を目指す宣言」は必ず必要になるのですか。
- Q10.来年度の制度改編を待ってから申請したほうがよいですか。
- 補助金の選定・申請でお困りの方へ
令和8年9月に動く主要補助金のスケジュール
まず、令和8年(2026年)9月に受付開始または締切を迎える主要制度を一覧で整理します。受付開始日と締切日が制度ごとに1か月程度ずれているため、複数制度を並行検討している事業者ほど日程管理が重要になります。
| 制度・回次 | 申請受付・締切 | 補助上限額の目安 |
|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 | 受付開始 令和8年9月30日(水)/締切 10月30日(金)18:00厳守 | 750万円〜9,000万円(枠・従業員数・賃上げ特例により変動) |
| 省力化投資補助金(一般型)第8回 | 受付開始 9月中旬/締切 10月中旬(採択発表は令和9年2月上旬予定) | 最大1億円(補助率最大2/3) |
| 中小企業成長加速化補助金 3次公募 | 受付開始 令和8年9月29日(火)/締切 10月29日(木)15:00 | 最大5億円(100億宣言の公表が要件) |
| 持続化補助金 共同・協業型 第3回 | 締切 令和8年9月30日(水) | 支援事業者を通じた申請(類型により異なる) |
| 持続化補助金 一般型・通常枠 第20回/創業型 第4回 | 受付 令和8年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00(様式4の発行締切 12月4日) | 通常枠は最大250万円(各特例適用時) |
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回は1か月後ろ倒し
新事業進出補助金とものづくり補助金を統合した後継制度である本補助金は、令和8年(2026年)6月29日に第1回公募要領が公表されました。その後、申請受付開始が8月31日から9月30日へ、応募締切が9月30日から10月30日18:00へと、それぞれ1か月後ろ倒しされています。事業計画の準備期間を確保するための変更であり、旧制度の情報をもとに8月末を締切と認識していた事業者は、日程を必ず修正する必要があります。
申請枠は「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3区分です。革新的新製品・サービス枠は補助上限750万円〜3,500万円・補助下限100万円、新事業進出枠とグローバル枠は補助上限2,500万円〜9,000万円・補助下限750万円と、枠によって規模感が大きく異なります。補助率は革新的新製品・サービス枠が中小企業者1/2(小規模企業・再生事業者は2/3)、新事業進出枠が1/2、グローバル枠が一律2/3です。
注意
本補助金は、旧「中小企業新事業進出補助金」および「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは公式には別制度として案内されています。ただし、これら旧制度および事業再構築補助金の直近の受給者を対象外とする建付けが置かれているため、過去に採択を受けた事業者は申請可否を先に確認することが重要です。
省力化投資補助金(一般型)第8回は基準年度の定義が変わった
省力化投資補助金(一般型)の第8回公募要領は、令和8年(2026年)8月18日に公開されました。補助上限額と補助率に変更はありませんが、実務上見落とせない変更が複数入っています。最大の変更は、労働生産性および1人当たり給与支給総額の成長率を測る基準年度が「応募申請時の直近決算期」から「補助事業が完了した日を含む事業年度の決算期」へ変更された点です。目標の起点が後ろにずれるため、事業計画の数値設計をこれまでと同じ考え方で作ると整合しなくなります。
あわせて、書面審査に「足下の賃上げ」の評価が新設され、補助事業の完了を待たずに実施する賃上げが審査項目として明記されました。補助事業実施期間も短縮され、事業場内最低賃金の引上げに係る加点の基準額も更新されています。カタログ注文型については、申請受付期間が令和9年(2027年)3月末頃まで延長されており、こちらは公募回ごとの締切がない点が一般型との大きな違いです。
成長加速化補助金3次公募は締切時刻が15時
中小企業成長加速化補助金の3次公募は、令和8年(2026年)8月20日に公募要領が公開され、申請受付は9月29日から10月29日15:00までです。締切時刻が17時ではなく15時である点は、他制度と混同しやすい部分です。また、公募の申請時までに「100億宣言」が100億宣言ポータルサイトに公表されていることが補助対象要件とされているため、宣言と申請を同時に進める運びは想定されていません。売上高100億円を目指す中小企業が対象であり、規模要件を満たさない場合は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金や省力化投資補助金(一般型)が検討対象になります。
📊 このセクションの要点
令和8年(2026年)9月は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金第1回、省力化投資補助金(一般型)第8回、成長加速化補助金3次公募の受付開始が集中します。いずれも締切は10月中〜下旬であり、9月時点で事業計画の骨格が固まっていない案件は間に合わない可能性が高くなります。特に新もの補助の第1回は日程が1か月後ろ倒しされているため、古い情報のまま準備を進めていないか確認が必要です。
直近に公表された採択結果と採択率の水準
令和8年(2026年)7月から9月初旬にかけて、主要制度の採択結果が相次いで公表されました。申請を検討する際の相場観として、直近の採択率を押さえておくことが有効です。
| 制度・回次 | 公表時期 | 採択状況 |
|---|---|---|
| 省力化投資補助金(一般型)第6回 | 令和8年8月 | 申請1,841件・採択1,176件・採択率63.9% |
| デジタル化・AI導入補助金2026(3次締切分) | 令和8年9月2日 | 申請5,913者・交付決定2,601者・採択率43.99% |
| 小規模事業者持続化補助金 一般型・通常枠 第19回 | 令和8年7月29日 | 採択者一覧を公表(採択率は集計範囲により公表値が分かれる) |
| 中小企業成長加速化補助金 2次公募 | 令和8年8月4日 | 有効申請872件・採択223件 |
| 中小企業新事業進出補助金 第4回 | 令和8年9月末頃(予定) | 未公表(第1回37.2%・第2回35.4%が参考水準) |
この表から読み取れるのは、制度によって採択率の水準が2倍近く開いているという事実です。省力化投資補助金(一般型)第6回が6割台であるのに対し、新事業進出補助金は3割台で推移してきました。設備導入による省力化効果を数値で示す計画と、新市場への進出という不確実性の高い計画とでは、審査上求められる立証水準が異なると理解するのが実態に近い見方です。
なお、新事業進出補助金の第4回は現行制度としての最終回にあたり、採択発表は令和8年(2026年)9月末頃が予定されています。第4回で不採択となった場合の受け皿は、10月30日締切の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金第1回です。第4回の結果公表から新もの補助の締切までの期間はきわめて短いため、結果を待ってから準備を始める進め方は現実的ではありません。並行して計画をブラッシュアップしておくことが賢明です。
📊 このセクションの要点
直近の採択率は、省力化投資補助金(一般型)第6回が63.9%、デジタル化・AI導入補助金2026の3次締切分が43.99%と、制度ごとに大きな開きがあります。新事業進出補助金は第1回37.2%・第2回35.4%と3割台で推移しており、第4回の結果公表は9月末頃の予定です。不採択時の受け皿となる新もの補助第1回の締切は10月30日であり、結果を待ってから動く余地はほとんどありません。
令和9年度概算要求が示す来年度の制度地図
令和8年(2026年)8月末、中小企業庁は「令和9年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等ポイント」を公表しました。中堅・中小企業関係の要求額は1兆3,841億円で、令和8年度当初と比べて大幅な拡大となっています。令和9年度(2027年度)の概算要求は、通常歳出とは別に要求上限を設けない「強く豊かな日本」投資枠が設けられた点が特徴であり、中小企業支援の主要事業もこの投資枠に位置づけられています。
| 事業名 | 令和9年度要求額 | 内容の要点 |
|---|---|---|
| 中小機構運営費交付金 | 6,980億円 | 成長加速化補助金、省力化・デジタル化・AI投資補助金、持続化補助金、M&A・事業承継補助金を内包 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業 | 2,200億円 | 売上高10億円を目指す宣言を原則として要件化する方針 |
| サプライチェーン形成支援補助金 | 2,376億円 | 地域の産業クラスター形成に向けた支援(うち1,376億円は後年度負担分) |
| 中小企業活性化・事業承継総合支援事業 | 280億円 | 収益力改善・事業再生、事業承継・引継ぎ支援 |
| 中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業 | 96億円 | よろず支援拠点・生産性向上支援センターに加え「地域AXネットワーク事業」を新設 |
| 中小企業信用補完制度関連補助事業 | 518億円 | 成長投資を後押しする信用保証、モニタリング機能の強化 |
省力化とデジタル化・AI導入が一本化される
令和9年度概算要求において、中小機構運営費交付金の内訳として明記されたのが「省力化・デジタル化・AI投資補助金」です。人手不足や生産性向上等の課題を抱える中小企業・小規模事業者等を対象に、業務効率化やAX・DXの推進に向け、AIを含むデジタル技術の活用や省力化設備の導入を一体的に支援するものと説明されています。
これは、令和8年度まで別々の制度として運用されてきたデジタル化・AI導入補助金と省力化投資補助金が、来年度は一つの枠組みに統合される方向を示すものです。ソフトウェア導入と設備導入を分けて申請していた事業者にとっては、計画の立て方そのものを見直す必要が生じる可能性があります。ただし、概算要求は年末の政府予算案編成を経て確定するものであり、統合後の補助率・補助上限額・申請枠・公募時期はいずれも現時点で公表されていません。
補足
中小企業向け補助金は、当初予算だけでなく前年末の補正予算や中小機構の既存基金を使って切れ目なく公募されることがあります。概算要求段階の事業名と、実際に公募される制度名が完全に一致しない年度も過去にありました。制度名の確定を待つより、自社の課題と投資効果を数値で整理しておくほうが実務上は確実です。
「地域AXネットワーク事業」の新設とAI導入の伴走支援
令和9年度概算要求で新設されたのが「地域AXネットワーク事業」です。生産性の不連続な革新に向け、中小企業とAIサービス提供者、支援者(商工会・商工会議所、税理士、金融機関、高専等)が出会う場を地域ごとに構築し、AI導入を伴走支援する内容とされています。あわせて、業種別にAI導入の進め方・手法を整理した「業種別ガイドライン」を作成・周知する方針も示されました。
補助金による設備・ツール導入の支援に加えて、導入前後の伴走支援を政策として制度化する方向が明確になったと整理されます。AI導入は、ツールを買えば成果が出る性質のものではなく、業務プロセスの棚卸しと定着支援がなければ投資が回収されません。国の政策設計がその点を前提に組み替えられつつあると理解しておくことが有効です。
「売上高10億円を目指す宣言」の要件化という論点
新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業の要求額は2,200億円です。ここで注目すべきは、成長志向型の中小企業をより多く創出していく観点から、売上高10億円を目指す宣言を原則として要件化する方針が明記された点です。持続化補助金についても、売上規模を拡大し「成長志向の経営計画(仮称)」を宣言する者を含む小規模事業者等を支援対象とする記載があります。
成長加速化補助金が「100億宣言」を要件としているのと同じ発想が、より小規模な事業者向けの制度にも広がりつつあると整理されます。補助金を「今の事業を維持するための資金」として活用する発想では、来年度以降は要件に届かない場面が増える可能性があります。
📊 このセクションの要点
令和9年度概算要求では、中堅・中小企業関係で1兆3,841億円が要求されました。デジタル化・AI導入補助金と省力化投資補助金は「省力化・デジタル化・AI投資補助金」として一体化される方向が示され、AI導入の伴走支援を担う「地域AXネットワーク事業」も新設されます。あわせて、売上高10億円を目指す宣言の要件化など、成長志向を制度の入口に据える設計が広がりつつあります。
賃金と税制から見た審査軸の変化
最低賃金は全国加重平均1,176円へ
令和8年(2026年)7月28日、中央最低賃金審議会は令和8年度地域別最低賃金額改定の目安を答申しました。引上げ額の目安はAランク54円・Bランク56円・Cランク56円で、目安どおりに改定された場合の全国加重平均は1,176円(前年度1,121円から55円・4.9%の引上げ)となります。8月以降、各都道府県の地方最低賃金審議会が順次答申を行っており、10月から11月にかけて発効する見込みです。
この改定は、補助金の実務に直接影響します。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、補助事業終了後3〜5年の事業計画において、事業場内最低賃金が事業実施場所の都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であることが求められます。省力化投資補助金(一般型)でも同様の考え方が置かれており、目標未達の場合は補助金の一部または全額の返還義務が生じる場合があります。地域別最低賃金が引き上げられれば、達成すべき賃金水準も自動的に切り上がります。
注意
令和8年(2026年)9月時点で、地域別最低賃金は答申段階の都道府県が残っています。答申額は各都道府県労働局長の決定・官報公示を経て確定するものであり、答申額がそのまま最終額になるとは限りません。申請書に賃金水準を記載する際は、必ず厚生労働省および各都道府県労働局の公表内容を確認してください。
「足下の賃上げ」を評価する方向への転換
省力化投資補助金(一般型)第8回で書面審査に「足下の賃上げ」の評価が新設されたことは、単なる一制度の運用変更にとどまりません。令和9年度概算要求の「賃上げの後押し」の項目にも、早期の賃上げに向けた補助金の見直しが記載されています。補助事業完了後の将来目標だけでなく、申請時点までに実際に実施した賃上げを評価する方向へ、審査の重心が移りつつあると理解するのが実態に近い見方です。
この変化は、計画書の書き方の巧拙よりも、直近の給与支給実績という動かしがたい事実が採否を左右する場面が増えることを意味します。補助金の申請を検討する段階で賃上げを検討し始めるのではなく、賃金政策と設備投資計画を同じ時間軸で設計することが求められます。
税制改正要望と事業承継税制の期限
令和9年度税制改正要望では、中小企業向け賃上げ促進税制について、今後5年間を重点期間と位置づけ、一人当たりの賃金の増加につながるよう「全雇用者の給与総額」や賃上げ水準の要件等を抜本的に見直し・強化する方針が示されました。あわせて、中小企業経営強化税制の拡充、中小企業投資促進税制の延長、中小企業軽減税率の延長、事業承継税制の抜本見直しなどが要望されています。
補助金と税制は本来セットで検討すべきものです。設備投資の意思決定にあたっては、補助金の採択可否だけでなく、経営力向上計画の認定を通じた税制優遇や固定資産税の特例まで含めて資金繰りを組み立てることが、投資判断の精度を高めます。
📊 このセクションの要点
令和8年度の最低賃金は全国加重平均1,176円への引上げが見込まれ、10月から11月にかけて順次発効します。補助金の事業場内最低賃金要件は地域別最低賃金に連動するため、達成すべき水準も自動的に切り上がります。省力化投資補助金第8回で新設された「足下の賃上げ」評価と概算要求の記載を合わせると、将来目標だけでなく申請時点までの賃上げ実績を評価する方向へ審査軸が移りつつあります。
令和8年9月以降にとるべき実務対応
ここまでの内容を、時期別の実務アクションとして整理します。
| 時期 | とるべき対応 |
|---|---|
| 令和8年9月 | GビズIDプライムの取得状況を確認し、申請予定制度の公募要領を最新版で読み直す。省力化・新もの補助・成長加速化のいずれで申請するかを確定させる |
| 令和8年10月 | 主要3制度の締切が集中。見積書・金融機関確認・加点書類を締切2週間前までに揃える。地域別最低賃金の発効額を賃金計画に反映する |
| 令和8年11〜12月 | 持続化補助金第20回(12月15日締切)に対応。様式4の発行締切が12月4日である点に留意する。年末の政府予算案で令和9年度制度の輪郭を確認する |
| 令和9年1〜3月 | 省力化投資補助金カタログ注文型の受付終了時期(令和9年3月末頃)に留意。統合後の新制度の公募要領公表に備え、投資計画と賃上げ計画を整えておく |
補助金は申請すれば必ず採択されるものではありません。採択を前提とした投資計画は避け、自社の資金で実行可能な範囲を確認したうえで、補助金は投資の後押しとして位置づけることが賢明です。特に交付決定から入金までには相応の期間を要するため、つなぎ資金の手当てを含めた資金繰り計画が不可欠です。
📊 このセクションの要点
令和8年(2026年)9月は準備の月、10月は主要3制度の締切が集中する月です。11月から12月にかけては持続化補助金第20回と年末の政府予算案が焦点となり、令和9年(2027年)以降は統合後の新制度への移行局面に入ります。補助金の採択を前提とせず、自社資金で実行可能な範囲を確認したうえで計画を立てることが基本です。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 受付開始が9月に集中 | 新もの補助第1回は9月30日受付開始・10月30日締切、省力化第8回は9月中旬受付開始・10月中旬締切、成長加速化3次は9月29日受付開始・10月29日15時締切 |
| 日程変更の見落としに注意 | 新もの補助第1回は申請受付・締切とも1か月後ろ倒しされている。公表初期の情報のまま準備すると日程認識を誤る |
| 採択率は制度で大きく異なる | 省力化第6回63.9%、デジタル化・AI導入補助金3次締切分43.99%、新事業進出補助金は3割台で推移 |
| 来年度は制度の一体化が進む | 令和9年度概算要求で「省力化・デジタル化・AI投資補助金」が明記され、地域AXネットワーク事業も新設。制度名より投資効果の数値整理が重要 |
| 賃上げ実績が採否を分ける | 省力化第8回で「足下の賃上げ」評価が新設。最低賃金は全国加重平均1,176円へ引上げ見込みで、事業場内最低賃金要件の水準も切り上がる |
よくある質問
Q1.新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回締切はいつですか。
A1.令和8年(2026年)10月30日(金)18:00厳守です。申請受付の開始は9月30日(水)で、公募開始は6月29日(月)でした。当初は申請受付8月31日・締切9月30日と公表されていましたが、事業計画の準備期間を確保するため、いずれも1か月後ろ倒しに変更されています。公表初期の解説記事やチラシには変更前の日程が残っている場合があるため、事務局の公募スケジュールページで必ず最新の日程を確認してください。なお、締切時刻は18:00厳守であり、締切直前は電子申請システムへのアクセスが集中する傾向があります。書類の不備確認と修正の余地を残すため、締切の数日前には申請を完了させておくことが賢明です。
Q2.新事業進出補助金の第4回に申請中ですが、新もの補助にも申請できますか。
A2.採択状況によって取扱いが異なるため、公募要領の対象外規定を個別に確認する必要があります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、ものづくり補助金・新事業進出補助金・事業再構築補助金の直近の受給者を対象外とする建付けが置かれています。新事業進出補助金第4回の採択発表は令和8年(2026年)9月末頃が予定されており、新もの補助第1回の締切である10月30日との間隔はきわめて短い状況です。第4回で不採択となった場合に新もの補助へ切り替える想定であれば、結果公表を待たずに計画のブラッシュアップを進めておく必要があります。判断に迷う場合は、事務局のコールセンターまたは認定経営革新等支援機関に事前に確認してください。
Q3.省力化投資補助金第8回の「基準年度の変更」は何に影響しますか。
A3.事業計画における労働生産性および給与支給総額の目標値の起点が変わります。第7回までは「応募申請時の直近決算期」を基準としていましたが、第8回では「補助事業が完了した日を含む事業年度の決算期」が基準年度となります。労働生産性の年平均成長率4.0%以上、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上という目標は、この新しい基準年度と比較して達成状況が確認されます。補助事業実施期間中に業績が伸びた場合、その伸びた水準が起点になるため、従来と同じ考え方で目標値を設定すると、実質的にハードルが上がる形になります。数値計画は必ず第8回公募要領の定義に沿って組み直してください。
Q4.「足下の賃上げ」とは具体的に何を評価するものですか。
A4.補助事業の完了を待たずに実施する賃上げを、書面審査で評価する項目です。省力化投資補助金(一般型)第8回で審査項目として明記されました。従来の補助金審査は、補助事業終了後3〜5年の将来目標としての賃上げ計画を評価する構造でしたが、これに加えて申請時点までに現に行っている賃上げが評価対象に含まれる形になります。令和9年度概算要求にも早期の賃上げに向けた補助金の見直しが記載されており、この方向性は今後の制度にも引き継がれる可能性が高いと考えられます。評価の具体的な配点や求められる証憑については公募要領の記載が基準となるため、申請前に該当箇所を精読してください。
Q5.デジタル化・AI導入補助金は令和9年度も継続しますか。
A5.令和9年度概算要求では「省力化・デジタル化・AI投資補助金」として省力化投資補助金と一体化する方向が示されています。中小機構運営費交付金6,980億円の内訳として、人手不足や生産性向上等の課題を抱える中小企業・小規模事業者等を対象に、AIを含むデジタル技術の活用や省力化設備の導入を一体的に支援する事業が明記されました。ただし、概算要求は年末の政府予算案編成を経て確定するものであり、統合後の補助率・補助上限額・申請枠・公募時期はいずれも公表されていません。令和8年度のデジタル化・AI導入補助金2026は現行の制度内容で公募が続いているため、今年度中に導入を予定しているITツールがあれば、現行制度での申請を優先的に検討することが現実的です。
Q6.「地域AXネットワーク事業」は補助金ですか。
A6.設備投資を支援する補助金ではなく、AI導入を伴走支援する仕組みづくりの事業です。令和9年度概算要求において、中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業(96億円)の内訳として新設されました。中小企業とAIサービス提供者、支援者(商工会・商工会議所、税理士、金融機関、高専等)が出会う場を地域ごとに構築し、AI導入を伴走支援する内容とされています。あわせて、業種別にAI導入の進め方・手法を整理した「業種別ガイドライン」を作成・周知する方針も示されました。事業者にとっては、補助金の申請先というより、AI導入の相談先・情報源が地域単位で整備されると理解するのが実態に近い見方です。
Q7.最低賃金の引上げは補助金の要件にどう影響しますか。
A7.事業場内最低賃金の達成すべき水準が自動的に切り上がります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、補助事業終了後3〜5年の事業計画において、事業場内最低賃金が事業実施場所の都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であることが求められます。令和8年度は全国加重平均で1,176円への引上げが見込まれており、10月から11月にかけて順次発効します。地域別最低賃金が上がれば、30円上乗せした水準も同時に上がるため、申請時に想定していた人件費が計画期間中に不足する事態が起こり得ます。要件未達の場合は補助金の一部または全額の返還義務が生じる場合があるため、賃金計画は引上げの継続を織り込んだうえで作成することが重要です。
Q8.持続化補助金は今から申請できますか。
A8.一般型・通常枠は第20回、創業型は第4回が次の受付回で、いずれも令和8年(2026年)11月5日受付開始・12月15日17:00締切です。第19回は4月30日で受付を終了し、採択者は7月29日に公表されました。第20回で見落とされやすいのが、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)の発行受付締切が12月4日である点です。申請締切の11日前に設定されているため、12月に入ってから商工会・商工会議所に相談を始めると間に合わない可能性があります。また、GビズIDプライムアカウントの取得にも時間を要するため、9月から10月のうちに商工会・商工会議所への相談とGビズIDの準備を済ませておくことが賢明です。
Q9.「売上高10億円を目指す宣言」は必ず必要になるのですか。
A9.令和9年度概算要求に「原則として要件化」と記載された段階であり、現時点で確定した要件ではありません。新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業(2,200億円)について、成長志向型の中小企業をより多く創出していく観点から、売上高10億円を目指す宣言を原則として要件化する方針が示されています。持続化補助金についても「成長志向の経営計画(仮称)」の宣言の仕組みを構築・運用する記載があります。すでに成長加速化補助金では100億宣言が要件とされており、宣言型の要件が段階的に広がる方向にあると整理されます。ただし、実際の要件は年末の政府予算案を経て公表される公募要領で確定します。現時点では、自社の成長シナリオを数値で説明できる状態を整えておくことが実務上の備えになります。
Q10.来年度の制度改編を待ってから申請したほうがよいですか。
A10.投資の実行時期が決まっているのであれば、現行制度での申請を優先的に検討することが現実的です。令和9年度の制度は概算要求段階であり、補助率・補助上限額・公募時期のいずれも未確定です。過去にも、概算要求段階の事業名と実際に公募される制度名が完全には一致しない年度がありました。加えて、新制度の初回公募は要領の解釈が定まらず、申請実務の難易度が上がる傾向があります。一方で、統合により補助上限額が引き上げられる可能性も否定できないため、投資の実行時期に余裕がある案件については、年末の政府予算案を確認したうえで判断する余地があります。いずれの場合も、人手不足の解消・業務効率化・賃上げ・付加価値向上という評価軸は制度をまたいで引き継がれる見込みであり、課題と効果を数値で整理する作業は無駄になりません。
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制度が動く局面こそ、どの補助金をいつ使うかの判断が成果を分けます
壱市コンサルティングは、中小企業診断士を中心とした認定経営革新等支援機関として、補助金の選定から事業計画の策定、採択後の実績報告・事業化状況報告までを一貫して支援しています。累計の採択実績は100件超・15億円超にのぼります。令和8年(2026年)9月から10月にかけて締切が集中する局面において、自社にとって最も採択可能性の高い制度を見極めるところからご相談いただけます。
📊 制度選定と採択可能性の事前診断
省力化投資補助金・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金・成長加速化補助金・持続化補助金のうち、貴社の投資内容と決算内容に照らして最も適した制度を提示します。過去の採択・不採択事例にもとづく評価を行います。
📋 事業計画書の策定支援
審査項目に沿った論理構成、省力化効果や付加価値額の算定根拠、賃上げ計画の整合性まで踏み込んで作成を支援します。基準年度の変更など公募回ごとの改定にも対応します。
🔄 採択後の実績報告・事業化状況報告
交付申請から実績報告、補助事業完了後5年間の事業化状況報告まで伴走します。賃上げ要件・最低賃金要件の判定と、返還リスクの管理を支援します。
締切直前のご相談よりも、制度選定の段階でのご相談が最も有効に機能します
こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください
- ✅ 省力化投資補助金と新もの補助のどちらで申請すべきか判断がつかない
- ✅ 新事業進出補助金で不採択となり、次の受け皿を探している
- ✅ 賃上げ要件や最低賃金要件を満たせるか不安がある
- ✅ 来年度の制度改編を見据えて、投資のタイミングを検討したい
- ✅ 採択後の報告義務や返還リスクを含めて相談できる先を探している
