【2026年度最新】福岡県の中小企業補助金まとめ|経営革新・賃上げ緊急支援補助金など県・市の主要制度を徹底解説
令和8年度(2026年度)、福岡県の中小企業支援策は「賃上げ」を明確な軸に据えて展開されています。県の旗艦制度である福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金は、第5回申請受付が令和8年(2026年)6月22日から始まり、経営革新計画の承認と事業場内最低賃金の引上げをセットにした、全国的にも特徴的な設計となっています。
福岡県の制度設計の本質は、「単発の経費補助ではなく、経営革新計画と賃上げを起点とした経営力強化の仕組み」である点です。国の小規模事業者持続化補助金への上乗せ補助、地域課題解決型の起業支援金、さらに福岡市・北九州市の独自制度まで、重層的な支援体系が整備されています。
本記事では、令和8年度(2026年度)に福岡県内の中小企業・小規模事業者が活用できる県・市の主要補助金について、補助上限額・補助率・公募時期・要件を網羅的に解説しています。福岡県内で設備投資や販路開拓、創業を検討している経営者の方はもちろん、国の補助金との使い分けを整理したい方にも参考になります。
福岡県の補助金政策の全体像|「賃上げ連動型」が最大の特徴
令和8年度(2026年度)の福岡県の中小企業向け補助金を理解するためには、まず県の政策スタンスを俯瞰する必要があります。福岡県は深刻な人手不足と物価高が続く中、「中小企業の経営向上を通じた持続的な賃上げ」を政策目標の中心に置き、国の重点支援地方交付金を活用した独自補助金を相次いで投入しています。
福岡県の最低賃金は令和7年(2025年)11月16日の改正により時間額1,057円となっており、九州では最も高い水準です。この賃金水準の上昇圧力に対応するため、県の補助金は「賃上げを実行する事業者ほど手厚く支援する」設計になっている点を、まず認識する必要があります。
令和8年度(2026年度)に活用を検討すべき主な制度は次の通りです。
| 制度名 | 実施主体・概要 |
| 中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金 | 福岡県。経営革新計画+賃上げで上限135万円 |
| 小規模事業者の賃上げに向けた稼ぐ力強化支援補助金 | 福岡県。国の持続化補助金への上乗せ補助 |
| 福岡よかとこ起業支援金 | 福岡県。地域課題解決型の起業・第二創業に上限200万円 |
| 福岡市新規創業促進補助金 | 福岡市。登録免許税の実質全額軽減を実現する創業支援 |
| 北九州市職場環境整備助成金・3E-Action応援事業 | 北九州市。職場環境整備・創エネ/省エネ/蓄エネ投資を支援 |
以下、各制度を順に解説します。
福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金|県の旗艦制度
令和8年度(2026年度)の福岡県でまず検討すべき制度が、福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金です。「賃上げ緊急支援」の名称が示す通り、深刻な人手不足・物価高の中で、経営革新計画に基づく「新事業活動」と事業場内最低賃金の引上げを一体で実行する中小企業を支援する制度です。国の重点支援地方交付金を活用しており、執行は公益財団法人福岡県中小企業振興センターが担っています。
この制度の本質は、単なる経費補助ではなく、「経営革新計画の承認」という経営計画の磨き上げプロセスを入口に据えている点にあります。言い換えれば、補助金の獲得そのものより先に、県知事承認レベルの事業計画を作り込むことが求められる設計です。
補助上限額・補助率|賃上げ幅で2段階
補助上限額と補助率は、事業場内最低賃金の引上げ額によって2段階に分かれます。引上げ幅が大きいほど条件が優遇される仕組みです。
| 事業場内最低賃金の引上げ額 | 30円以上60円未満 | 60円以上 |
| 補助限度額 | 120万円 | 135万円 |
| 補助率 | 対象経費の3分の2以内 | 対象経費の4分の3以内 |
補助対象経費は、設備機器導入費、システム構築費、工事費、外注費、広告宣伝費、その他経営革新計画上必要と認められる経費です。ただし、交付対象となるのは経営革新計画(計画別表1、2、4、6)に記載のある経費に限られる点に注意が必要です。計画に記載のない経費を申請したい場合は、先に経営革新計画の変更承認を県から受ける必要があります。
申請期間|第5回受付は令和8年6月22日から
| 申請回 | 申請期間(郵送必着) | 補助事業の実施完了期限日 |
| 第1回〜第4回 | 受付終了 | ― |
| 第5回 | 令和8年(2026年)6月22日(月)〜7月15日(水) | 令和8年(2026年)12月1日(火) |
注意
予算上限に達した時点で受付は終了します。また、補助対象期間の開始日は「交付決定日」であるため、交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外です。各申請回の受付締切から交付決定まで概ね1か月程度を要するため、補助事業のスケジュールは逆算して設計することが重要です。
補助対象者の要件|経営革新計画の承認が大前提
補助対象者となるためには、次の要件をすべて満たす必要があります。
| 要件区分 | 内容 |
| 所在地 | 福岡県内に本店を置く中小企業者、または福岡県内に住民登録している個人事業主 |
| 経営革新計画 | 令和7年(2025年)7月1日以降に福岡県から経営革新計画の承認(変更承認を含む)を受けており、計画に記載した新事業活動に取り組むこと |
| 賃上げ | 補助対象期間最終月の12か月前から補助事業終了時までに、事業場内最低賃金を時間給換算で30円以上引き上げること(賃金計算時点で福岡県最低賃金1,057円以上であること) |
| その他 | 暴力団対策法に規定する暴力団等に該当しないこと |
POINT
経営革新計画は最寄りの商工会議所・商工会で策定支援を受けたうえで県の承認を取得する流れです。承認から補助金申請、交付決定、事業実施、実績報告まで一連のプロセスを要するため、補助金の申請期間から逆算して2〜3か月以上前に経営革新計画の準備に着手することが賢明です。壱市コンサルティングでは、経営革新計画の策定段階からの一貫支援を行っています。
小規模事業者の賃上げに向けた稼ぐ力強化支援補助金|国の持続化補助金に県が上乗せ
福岡県の制度の中で見落とされがちですが、実務上きわめて使い勝手が良いのが「小規模事業者の賃上げに向けた稼ぐ力強化支援補助金」です。国の小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)の第18回・第19回公募に採択され、額の確定を受けた小規模事業者に対し、国補助金の補助対象経費の12分の1を県が上乗せ補助する制度です。
国の持続化補助金の補助率は原則3分の2(8分の1×12分の8)ですが、この県上乗せにより事業者負担が実質的に軽減されます。採択を受けた枠ごとの県補助上限額は次の通りです。
| 採択を受けた枠 | 県補助上限額 | (参考)国補助上限額 |
| 通常枠 | 62,500円 | 50万円 |
| インボイス特例適用 | 125,000円 | 100万円 |
| 賃金引上げ特例適用 | 250,000円 | 200万円 |
| 両特例適用 | 312,500円 | 250万円 |
受付期間は令和9年(2027年)1月31日までで、国補助金の額の確定後に申請する流れです。事業を営む地域が商工会議所地区か商工会地区かによって申請窓口(福岡県商工会議所連合会・福岡県商工会連合会)が異なります。
補足
この上乗せ補助の存在は、福岡県内の小規模事業者にとって「国の持続化補助金に挑戦する追加的な理由」になります。賃金引上げ特例を活用すれば、国200万円+県25万円の合計225万円の補助を受けられる計算です。持続化補助金の申請を検討する段階から、この県上乗せまで含めた資金計画を組むことが重要です。
福岡よかとこ起業支援金|地域課題解決型の起業・第二創業に上限200万円
創業期の事業者向けには、福岡よかとこ起業支援金が令和8年度(2026年度)も実施されています。地域課題の解決を目的として、福岡県内で新たに起業する方、事業承継または第二創業する方に対し、事業の立ち上げに必要な経費の一部を補助する制度です。
| 項目 | 内容 |
| 補助上限額 | 200万円 |
| 補助率 | 対象経費の2分の1以内 |
| 対象経費 | 人件費、店舗等借料、設備費、原材料費、知的財産権等関連経費、謝金、旅費、委託・外注費、マーケティング調査費、広報費等 |
| 主な対象者要件 | 令和8年(2026年)4月1日以降、補助事業期間の完了日までに開業届出または法人設立を行い代表者となる者。県内に居住(予定含む)。「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」2次審査参加者、令和3年度以降の県内市町村ビジネスプランコンテスト参加者等であること |
この制度の特徴は、補助金交付に加えて起業支援コーディネーターによる伴走支援がセットになっている点です。さらに、三大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏)から福岡県に移住して起業する場合、この起業支援金の交付決定を受けていることを要件に「福岡県移住支援事業」の移住支援金も併用できる設計となっており、UIJターン起業との相性がきわめて良い制度です。執行は福岡県中小企業振興センターが担い、令和8年(2026年)7月にかけて個別相談枠も設定されています。
注意
ビジネスプランコンテストへの参加(ブラッシュアップを受けたこと)が要件に組み込まれている点が、一般的な創業補助金との大きな違いです。応募を検討する場合は、対象となるコンテストの開催スケジュールから逆算した準備が必要です。詳細な要件は必ず応募要領で確認してください。
福岡市・北九州市の主な補助金|政令市独自の支援策
福岡県内では、福岡市・北九州市の両政令市がそれぞれ独自の補助金・助成金を運営しています。県の制度と重複しない領域をカバーしているため、所在地に応じて組み合わせて検討することが重要です。
福岡市新規創業促進補助金|登録免許税を実質全額軽減
福岡市では令和8年度(2026年度)も福岡市新規創業促進補助金を実施しています。国の特定創業支援等事業(経営・財務・販路拡大・人材育成の4つの知識が身につく個別面談やセミナー)を受講して登録免許税の半額軽減を受けた創業者に対し、残りの半額相当額を市が補助する制度です。株式会社設立の場合、登録免許税の最低額15万円が実質的に全額軽減される計算になります。
主な要件は、福岡市の特定創業支援等事業の受講証明を受けていること、新設会社の本社が福岡市内であること、他に経営に携わる会社がないこと、市税の滞納がないことなどです。予算に限りがあり、令和7年度(2025年度)は12月時点で予算額到達により受付停止となった実績があります。創業スケジュールが固まったら早期に申請することが鉄則です。
北九州市の補助金|職場環境整備と脱炭素投資が二本柱
北九州市では、令和8年度(2026年度)に次の制度が動いています。
| 制度名 | 概要・受付期間 |
| 職場環境整備助成金 | 市内中小企業者の職場環境整備を支援。令和8年(2026年)4月6日から随時受付(予算終了または令和9年(2027年)2月26日まで)。原則、市内事業者への発注・調達が要件 |
| 中小企業の3E-Action(創エネ・省エネ・蓄エネ)応援事業 | 令和8年度(2026年度)募集開始。市内中小企業の創エネ・省エネ・蓄エネ設備投資を支援。窓口は北九州商工会議所専門相談センター |
| 生産性向上・賃金引上げ応援補助金 | 国(福岡労働局)の業務改善助成金に対し、補助対象経費の最大10分の2を上乗せ補助。令和7年度(2025年度)は令和8年(2026年)3月6日で受付終了。令和8年度(2026年度)の実施は市の公表情報を確認のこと |
補足
北九州市の補助金は「随時受付・予算到達で終了」型が多く、年度後半には締め切られる傾向があります。また、職場環境整備助成金は国・県の他の助成金との重複受給ができないため、どの制度で申請するかの制度選択の判断が実務上のポイントになります。
国の補助金との使い分け|福岡県内事業者の戦略マップ
福岡県・市の補助金は上限額が数十万円〜200万円規模であるのに対し、国の補助金は数百万円〜数千万円規模の投資に対応します。投資規模と目的に応じた使い分けの目安は次の通りです。
| 投資の目的 | 第一候補(国) | 福岡県・市の関連制度 |
| 販路開拓・新商品開発(小規模) | 小規模事業者持続化補助金 | 県の稼ぐ力強化支援補助金(12分の1上乗せ) |
| 人手不足対応の省力化投資 | 中小企業省力化投資補助金(カタログ型・一般型) | 経営革新・賃上げ緊急支援補助金(小規模投資の場合) |
| ITツール・AI導入 | デジタル化・AI導入補助金 | 経営革新・賃上げ緊急支援補助金(システム構築費が対象) |
| 革新的な設備投資・試作開発 | ものづくり補助金 | 北九州市3E-Action応援事業(脱炭素設備の場合) |
| 新市場・新事業への進出 | 中小企業新事業進出補助金 | 経営革新計画(承認自体が国補助金の加点要素) |
| 創業 | 小規模事業者持続化補助金(創業型) | 福岡よかとこ起業支援金、福岡市新規創業促進補助金 |
ここで重要なのは、同一経費への国・県・市の補助金の重複受給は原則できないという点です。一方で、「経費を切り分けて別制度を併用する」「国の採択を前提に県の上乗せを受ける」「経営革新計画の承認を国補助金の加点に活かす」といった戦略的な組み合わせは可能です。福岡県の制度体系は、経営革新計画を中核に据えると最も効率的に活用できる構造になっていると整理されます。
申請を成功させる実践ポイント
賃上げ要件は「実行できる賃金設計」から逆算する
福岡県の経営革新・賃上げ緊急支援補助金は、実績報告時に賃上げ対象従業員の賃金台帳で賃上げの実行を証明する必要があります。30円コースか60円コースかの選択は、補助上限額の差(120万円か135万円か)だけでなく、人件費増加が継続的に経営を圧迫しないかという収支シミュレーションを踏まえて判断することが重要です。賃上げは補助事業終了後も続く固定費の増加であるという点を、冷静にご判断ください。
「予算到達で終了」型は初動の速さが採否を分ける
福岡県・福岡市・北九州市の制度の多くは、審査による競争選抜よりも「要件充足+予算枠」で決まる設計です。福岡市新規創業促進補助金が令和7年度(2025年度)に12月で受付停止となったように、年度後半は予算切れのリスクが高まります。活用を決めたら、公募開始直後の申請を原則とすべきです。
経営革新計画は補助金獲得後も活きる「経営インフラ」
経営革新計画の承認は、福岡県の補助金の入口であると同時に、国のものづくり補助金等における加点、日本政策金融公庫の低利融資、信用保証の別枠化など、複数の支援策の鍵となります。補助金を取って終わりという状態に留まらず、承認された計画を金融機関対応・採用・取引先開拓に活用し続けることが、この制度の「真の使い方」です。
まとめ|福岡県の補助金活用 5つのポイント
| ポイント | 内容 |
| ① 県の旗艦制度は賃上げ連動型 | 経営革新・賃上げ緊急支援補助金は上限120万円〜135万円、補助率3分の2〜4分の3。賃上げ幅30円・60円の2段階設計で、第5回受付は令和8年(2026年)6月22日〜7月15日。 |
| ② 経営革新計画の承認が入口 | 令和7年(2025年)7月1日以降の県承認が要件。計画記載経費のみが補助対象のため、計画策定段階から補助金活用を見据えた設計が必要。 |
| ③ 国の持続化補助金には県の上乗せあり | 第18回・第19回公募の採択者は、国補助対象経費の12分の1(上限31万2,500円)の県上乗せを受けられる。受付は令和9年(2027年)1月31日まで。 |
| ④ 創業は県・市の二段構え | 福岡よかとこ起業支援金(上限200万円・伴走支援付き)と福岡市新規創業促進補助金(登録免許税の実質全額軽減)。移住起業なら移住支援金との併用も可能。 |
| ⑤ 予算到達で終了する制度は初動勝負 | 県・市の制度は予算上限到達で受付終了となるものが多い。年度後半は予算切れリスクが高く、公募開始直後の申請が原則。 |
福岡県の補助金に関するQ&A
Q1.経営革新・賃上げ緊急支援補助金は、これから経営革新計画を作っても間に合いますか?
A1.第5回申請(令和8年(2026年)7月15日締切)に間に合わせるのは日程的にきわめてタイトです。経営革新計画は商工会議所・商工会での策定指導を経て県の承認を受けるプロセスがあり、通常1〜2か月程度を要します。すでに令和7年(2025年)7月1日以降の承認を受けている事業者は第5回に申請可能ですが、これから計画を作る場合は、第5回以降の追加受付の有無を事務局の公表で確認しつつ、まず経営革新計画の承認取得を最優先で進めることが現実的です。仮に本補助金に間に合わなくても、承認された経営革新計画は国の補助金の加点や低利融資など多方面で活用できるため、計画策定自体が無駄になることはありません。
Q2.賃上げ要件の「事業場内最低賃金30円以上引上げ」とは、全従業員の賃上げが必要ですか?
A2.全従業員一律の賃上げが直接求められるわけではなく、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を時間給換算で30円以上引き上げることが要件です。交付申請時に賃上げ対象従業員と賃上げ区分を指定し、補助対象期間中に実際に引き上げたうえで、実績報告時に賃金台帳で証明する流れになります。なお、事業場内最低賃金は賃金計算時点で福岡県最低賃金(令和7年(2025年)11月16日改正:時間額1,057円)以上である必要があります。実務上は、最低賃金近傍の従業員が複数いる場合、1人の賃上げが賃金バランス全体に波及することが多いため、人件費総額への影響を事前に試算しておくことが重要です。
Q3.補助対象経費はいつから発注できますか?
A3.補助対象期間の開始日は「交付決定日」です。交付決定前に発注・契約・支払を行った経費は補助対象外となります。各申請回の受付締切から交付決定まで概ね1か月程度を要するため、第5回(締切:令和8年(2026年)7月15日)の場合、実際に発注できるのは8月中下旬以降になる見込みです。補助事業は実施完了期限日(第5回は令和8年(2026年)12月1日)までに発注・納品・支払をすべて完了させる必要があるため、納期の長い設備を導入する場合は特にスケジュール管理に注意が必要です。なお、支払方法は補助事業者名義の銀行口座からの直接振込等に限られ、代引きや立替払いは認められません。
Q4.県の稼ぐ力強化支援補助金(持続化補助金上乗せ)は、どのタイミングで申請しますか?
A4.国の小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)第18回または第19回公募に採択され、補助事業を完了して「額の確定」を受けた後に申請します。受付期限は令和9年(2027年)1月31日です。注意すべきは、国補助金の実績報告から額の確定までに数か月を要するケースがあるため、国の補助事業を早めに完了させないと県の申請期限に間に合わないリスクがある点です。また、申請窓口は事業所が商工会議所地区か商工会地区かで異なります(福岡県商工会議所連合会または福岡県商工会連合会)。国の補助金に申請する段階から、この上乗せ分まで含めた資金計画を立てておくことが有利です。
Q5.福岡よかとこ起業支援金は、すでに開業済みでも申請できますか?
A5.令和8年度(2026年度)の募集では、令和8年(2026年)4月1日以降、補助事業期間の完了日までに開業届出または法人設立を行い代表者となることが要件です。つまり、それ以前にすでに開業している事業の継続では対象になりません。ただし、事業承継や第二創業も対象に含まれているため、既存事業者が新たな業態へ展開するケースでは活用余地があります。加えて、「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」2次審査参加者、または令和3年度(2021年度)以降の県内市町村ビジネスプランコンテスト参加者(ブラッシュアップを受けた者)等であることが必要なため、コンテストへの参加実績の有無を最初に確認してください。詳細要件は応募要領で必ず確認することが重要です。
Q6.福岡市新規創業促進補助金は、いくら受け取れますか?
A6.国の特定創業支援等事業を活用して登録免許税の半額軽減を受けた方に対し、残りの半額相当額が補助されます。株式会社の場合、登録免許税は最低15万円(資本金の0.7%)ですが、特定創業支援の証明により7万5,000円に軽減され、さらに市の補助金で残り7万5,000円相当が支援されるため、実質的な負担が大きく圧縮されます。金額としては小粒に見えますが、特定創業支援等事業の受講は創業融資の自己資金要件緩和などの副次的メリットも大きいため、福岡市内で会社設立を予定している方は、設立前にセミナー・個別面談の受講から逆算したスケジュールを組むことを推奨します。なお予算到達による受付停止の実績があるため、早期申請が原則です。
Q7.県・市の補助金と国の補助金は併用できますか?
A7.同一の経費に対して国・県・市の補助金を重複して受けることは原則できません。たとえば北九州市の職場環境整備助成金は、国や県の他の助成金との併用不可が明記されています。一方で、合法的な組み合わせ方は複数あります。第一に「経費の切り分け」で、設備Aは国の補助金、広告宣伝費Bは県の補助金といった形で対象経費を分ける方法です。第二に「上乗せ型の活用」で、県の稼ぐ力強化支援補助金や北九州市の生産性向上・賃金引上げ応援補助金のように、国の補助金への上乗せを制度設計として認めているものを使う方法です。第三に「計画認定の横展開」で、経営革新計画の承認を国補助金の加点要素として活用する方法です。制度ごとの併用可否は公募要領で必ず確認してください。
Q8.補助金は申請すれば必ず受け取れますか?
A8.受け取れるとは限りません。福岡県の経営革新・賃上げ緊急支援補助金は、経営革新計画が承認された場合でも、補助金の審査の結果、交付に至らない場合があることが明記されています。また、予算上限到達による受付終了のリスクも常にあります。さらに、交付決定を受けても、実績報告で賃上げの実行が証明できない場合や、対象外経費の支出、交付決定前の発注などの手続き不備があると、補助金が減額・不交付となるリスクがあります。最悪の場合、交付後の取消・返還を求められるケースもあるため、「採択されること」ではなく「要件を満たして完了させること」までを見据えた管理が必要です。
Q9.第5回受付に間に合わなかった場合、次の選択肢はありますか?
A9.選択肢は複数あります。第一に、経営革新・賃上げ緊急支援補助金の追加受付(第6回以降)が設定される可能性があるため、福岡県中小企業振興センターの公表を継続的に確認することです。予算残額次第では追加の受付回が設けられることがあります。第二に、国の補助金への切り替えです。設備投資ならものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金、ITツール導入ならデジタル化・AI導入補助金、販路開拓なら小規模事業者持続化補助金が、それぞれ年間複数回の公募を行っています。第三に、すでに取得した経営革新計画の承認を国補助金の加点に活用する戦略です。県補助金に間に合わなくても、計画承認の価値は失われません。投資の緊急度と規模に応じて、最適なルートを再設計することが重要です。
Q10.福岡県内の事業者が補助金活用で最も意識すべきことは何ですか?
A10.「賃上げと経営計画を制度活用の中核に据えること」です。令和8年度(2026年度)の福岡県の支援体系は、県の旗艦補助金が経営革新計画+賃上げを要件とし、国の持続化補助金の上乗せも賃上げ促進を目的とし、北九州市の上乗せ補助も業務改善助成金(賃上げ前提)に連動するという形で、一貫して「賃上げする事業者を優遇する」構造になっています。つまり、賃上げを単なるコスト増ではなく、補助金・税制・融資の優遇を引き出す経営戦略として位置づけられるかどうかが、制度活用の成否を分けます。そのためには、場当たり的な補助金申請ではなく、3〜5年の経営計画の中に賃金戦略と投資計画を組み込み、その実行手段として各制度を配置する発想が求められます。
福岡県の補助金活用なら壱市コンサルティング
経営革新計画の策定から実績報告まで、一気通貫の伴走支援
壱市コンサルティングは、認定経営革新等支援機関として、補助金採択100件超・累計採択額15億円超の支援実績を有する中小企業診断士のコンサルティングファームです。福岡県の補助金は「経営革新計画の承認」「賃上げの実行」「期限内の事業完了」という複数のプロセス管理が採否と受給を左右するため、計画段階からの専門家伴走が成果に直結します。
📋 経営革新計画・事業計画の策定支援
県承認レベルの経営革新計画を、補助金活用と国補助金の加点まで見据えて設計します。「通る計画」ではなく「実行できる計画」を重視しています。
🏦 補助金と融資を組み合わせた資金調達設計
補助金は後払いが原則です。つなぎ資金を含めた融資戦略まで一体で設計し、金融機関対応もサポートします。
🔄 採択後の実績報告・賃上げ要件管理まで伴走
交付決定後の発注管理、賃金台帳の整備、実績報告書の作成まで、受給完了まで継続的に支援します。
📊 国・県・市の制度横断の最適化提案
福岡県の制度と国の補助金(ものづくり補助金、省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金等)の使い分け・併用設計を、投資計画全体から逆算してご提案します。
福岡県の補助金活用は、経営革新計画の準備が早いほど選択肢が広がります。まずは現状をお聞かせください。
こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください
- ✅ 福岡県の経営革新・賃上げ緊急支援補助金に申請したいが、経営革新計画をどう作ればよいかわからない
- ✅ 賃上げ要件を満たした場合の人件費インパクトを試算したうえで申請可否を判断したい
- ✅ 国の補助金と県・市の制度のどれを使うべきか、併用できるのかを整理したい
- ✅ 福岡県内で創業・第二創業を予定しており、使える支援策を漏れなく押さえたい
- ✅ 過去に自力申請で不採択・手続き不備を経験し、専門家の伴走支援を受けたい
