【令和8年9月最新】持続化補助金 災害支援枠(熊本地震)1次公募|上限200万円・締切10月16日・対象経費を解説
令和8年(2026年)7月28日16時27分頃に発生した令和8年熊本地震は、熊本県内で最大震度7を観測しました。事業所や設備、店舗を失った小規模事業者に向けて、小規模事業者持続化補助金<一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震)>の第1回公募(公募要領上の表記は「1次公募」)が始まっています。公募要領は令和8年(2026年)9月9日に公開され、申請受付は9月16日から、締切は10月16日です。
この制度は、壊れたものを元に戻すための費用を補填する制度ではなく、事業を再び立ち上げるための計画に基づく取組を支援する制度です。補助上限は直接被害で200万円、間接被害で100万円、補助率は原則3分の2以内。今回は特例として、被災した令和8年7月28日以降に発生した経費を遡って対象とする扱いも設けられています。
一方で、地域の商工会・商工会議所が発行する「支援機関確認書(様式3)」の受付締切は令和8年10月9日と、申請締切より1週間早く設定されています。復旧作業と並行して書類をそろえる負担を考えると、日程の押さえ方が結果を左右します。
本記事では、公募要領第1版(令和8年9月9日公表)をもとに、対象となる事業者、補助上限と補助率、対象経費、申請の段取り、審査の観点までを順に整理します。
- 令和8年熊本地震と災害支援枠の位置づけ
- 補助対象となる事業者|直接被害と間接被害の分かれ方
- 補助率・補助上限額と「定額」となる要件
- 補助対象となる経費と、対象外になる経費
- スケジュールと申請手続きの流れ
- 申請に必要な書類
- 審査の観点と、計画書で問われること
- 申請前に知っておきたい注意点
- まとめ
- よくあるご質問
- Q1.罹災証明書がまだ手元に届いていません。申請できますか。
- Q2.在庫が水濡れで使えなくなりました。これは直接被害になりますか。
- Q3.地震直後に自費で店舗を修繕しました。後から補助対象にできますか。
- Q4.被災した配達用の車が廃車になりました。買い替え費用は対象になりますか。
- Q5.修繕費と委託・外注費は、どう使い分ければよいですか。
- Q6.ホームページの作り直しだけで申請できますか。
- Q7.商工会と商工会議所、どちらに相談すればよいか分かりません。
- Q8.過去に持続化補助金を受けたことがあります。今回も申請できますか。
- Q9.補助金はいつ受け取れますか。先に資金を用意する必要がありますか。
- Q10.申請書類の作成を業者に依頼した場合、何か申告が必要ですか。
- ご相談について
令和8年熊本地震と災害支援枠の位置づけ
令和8年熊本地震は、気象庁の発表によれば令和8年(2026年)7月28日16時27分頃、熊本県熊本地方を震源として発生し、最大震度7を記録しました。政府は「令和8年熊本地震による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」(令和8年政令第260号)により、本災害を特定非常災害に指定しています。
災害支援枠は、通常の持続化補助金とは別に設けられた枠です。公募要領は、被災地域において生産設備や販売拠点の流出・損壊、顧客や販路の喪失という状況に直面している小規模事業者の事業再建を支援するものと位置づけています。同じ持続化補助金の名前を持ちながら、通常枠が「販路開拓」を軸にしているのに対し、災害支援枠は「事業再建」を軸にしている点が根本的な違いです。
「復旧費の補填」ではないという制度の性格
公募要領は、事業再建とは関係のない復旧・買換え費用に対する補助ではないと明記しています。ただし、損壊等の被害を受けた事業用資産の取替え・買換えは対象となります。つまり、被災した設備を入れ替えること自体は認められるものの、その入れ替えが「これから事業をどう立て直すか」という計画のなかに位置づけられている必要があります。
あわせて、本事業の完了後おおむね1年以内に売上げにつながることが見込まれる取組であることも要件とされています。試作品開発のみで販売の見込みにつながらない事業は対象外と例示されており、再建の道筋を売上げまで描けているかどうかが問われます。
補足
被害の規模や罹災証明書の発行状況は、自治体ごとに進捗が異なります。手元に証明書がまだ届いていない段階でも、地域の商工会・商工会議所に状況を伝えておくことで、発行時期を見据えた段取りが立てられます。
📊 このセクションの要点
災害支援枠は、特定非常災害に指定された令和8年熊本地震の被災事業者を対象とする専用の枠です。壊れた資産の取替え・買換えは対象になりますが、単なる復旧費の補填ではなく、事業再建の計画に基づく取組であることが前提となります。
補助対象となる事業者|直接被害と間接被害の分かれ方
補助対象となるのは、熊本県に所在し、令和8年熊本地震により被害を受けた小規模事業者等です。被害の証明については、公的証明の添付(コピー可)が必要とされています。被害の受け方は次の2区分に分かれ、この区分がそのまま補助上限額の違いになります。
| 区分 | 内容と必要な証明 |
|---|---|
| 直接被害 | 自社の事業用資産に損壊等の直接的な被害を受けた場合。市町村が発行する事業所等が罹災したことが分かる公的書類(罹災証明書など)が必要。在庫や棚卸資産の損害は「事業用資産の損壊等」に含まれない |
| 間接被害 | 地震に起因して売上減少の被害を受けた場合。令和8年7月から9月の任意の1か月の売上高が前年同期と比較して20%以上減少していることが要件。地方自治体が独自に発行した証明書(セーフティネット保証4号の認定書等)が必要 |
「所在する」の考え方
「所在する」とは、補助を受けて取り組もうとする事業再建を行う事業所(店舗・工場・事務所等)が被災地域内にあることを意味します。登記簿上の本店所在地が県外でも、実際の事業所が県内にあれば対象となり得ます。逆に、登記簿上の本店が地域内にあっても地域内に事業所を有さない場合は対象になりません。なお、やむを得ない理由により現地での復旧が困難な場合には、被災地域外での補助事業も支援の対象になると示されています。
小規模事業者の従業員数基準
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
この災害支援枠では、業種の判定に独自の配慮があります。被災にともない事業内容が大きく変化していることも予想されるため、現に行っている事業の業態と、再建後に予定している業態によって業種を判定するとされています。公募要領は、客席部分が損壊した食堂が、損壊を免れた厨房で弁当を製造してスーパー等で販売している場合、「製造業その他」となる例を挙げています。
対象にならない事業者
医師・歯科医師・助産師、系統出荷による収入のみである個人農業者、一般社団法人・公益社団法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人、宗教法人、農事組合法人、任意団体などは対象外です。また、令和8年熊本地震の発生時点において事業を行っていない創業予定者も対象外とされています。開業届を提出済みであっても、開業日が申請日より後の場合は該当しません。
特定非営利活動法人は、法人税法上の収益事業を行っていること、認定特定非営利活動法人でないことの2要件を満たす場合に限り対象となり得ます。この場合の従業員基準は「製造業その他」(20人以下)が適用されます。
注意
過去に持続化補助金(一般型・コロナ特別対応型・低感染リスク型ビジネス枠・創業型)で採択を受け、様式第14「事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」が未提出のままの事業者は、補助対象外となります。提出期限がまだ到来していない場合は該当しません。過去に採択歴がある場合は、報告状況を先に確認しておくことが重要です。
📊 このセクションの要点
対象は熊本県内に事業所を有し、公的証明で被害が確認できる小規模事業者です。直接被害は罹災証明書等、間接被害は令和8年7月から9月の任意の1か月で前年同期比20%以上の売上減少を示す自治体発行の証明書が必要になります。
補助率・補助上限額と「定額」となる要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額(直接被害) | 200万円 |
| 補助上限額(間接被害) | 100万円 |
| 補助率(原則) | 補助対象経費の3分の2以内 |
| 補助率(特例) | 直接被害の申請者のうち、5つの要件をすべて満たす場合は定額 |
補助率が定額となるのは、直接被害を受けた事業者のうち、次の5つの要件をすべて満たす場合に限られます。過去の災害からの復興途上で今回さらに被災した事業者を、重点的に支える設計になっています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 要件1 | 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者であること |
| 要件2 | 過去十か年度以内に発生した激甚指定災害で被災し、事業用資産への被災が証明でき、かつ当時の国等の支援策を活用したこと |
| 要件3 | 過去十か年度以内の災害発生日以降、売上高が20%以上減少している復興途上の事業者であること。または、地震発生時に厳しい債務状況にあり、交付申請時に経営再建等に取り組み、認定経営革新等支援機関の確認を受けていること |
| 要件4 | 交付申請時において、過去十か年度以内の災害からの復旧・復興に向けた事業活動に要した債務を抱えていること |
| 要件5 | 令和8年熊本地震により施設または設備が被災し、その復旧・復興を行おうとする事業者であること |
要件1に新型コロナウイルス感染症の影響が置かれているのは、この定額区分が「コロナ禍と過去の災害を経て、なお復興途上にあるところに今回の地震が重なった事業者」を想定しているためです。ただし、休業していたこと等によりコロナの影響を受けていないことが明らかな場合は、要件1を適用しないとされています。あわせて、この場合は要件3①のかっこ書き(災害の発生日が令和2年1月28日以降のものは同日を起算日とする読替え)も適用しないこととされています。
要件3の「厳しい債務状況」については、株式会社整理回収機構への債権譲渡先との取引関係、過剰債務の状況、中小企業活性化協議会等の関与のもとでの再生、条件変更の実施など、別表で7つの類型が示されています。過剰債務の判定基準としては、債務超過、繰越欠損の計上、有利子負債の償還年数15年以上といった具体的な計算式も定められています。要件1から要件5はすべてを満たすことが条件であり、ひとつでも欠ける場合の補助率は原則どおり3分の2以内となります。
なぜ要件にコロナが入っているのか
地震の補助金にコロナの要件が出てくることに違和感を持たれるかもしれません。この5要件は熊本のために新しく作られたものではなく、先行する災害支援枠(令和6年能登半島地震等)から引き継がれた条文です。能登の公募要領および中小企業庁の令和6年度補正予算資料にも、直接被害を受けた事業者のうち以下の要件をすべて満たす場合は定額として、1に新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者、2に過去の災害で事業用資産が被災し当時の国等の支援策を活用した事業者、という同じ並びが置かれています。売上20%減の起算日を令和2年1月28日とする読替えも共通です。熊本版は「過去数年以内」という表現を「過去十か年度以内」と明確化し、災害名と日付を差し替えた構造になっています。
要件の並びを時系列で読むと、設計の意図が見えてきます。コロナ禍で経営が傷み、その後の災害で被災し、復旧のための借入を抱えたまま、今回さらに被災した。この積み重なった状態にある事業者を対象に、例外的に自己負担なしの定額とする、という組み立てです。令和2年1月28日という日付は、コロナが指定感染症に指定された政令の日であり、時間軸の基準点として使われています。要件3①のかっこ書きは、コロナ以降に発生した災害については売上20%減の判定をこの日から見る読替えであり、コロナで既に落ち込んでいた売上を基準にしない配慮と整理されます。
実務上押さえておきたいのは、要件1は絞り込みの実質ではないという点です。令和2年時点で事業を営んでいれば何らかの影響を受けているのが通常であり、公募要領も、影響を受けていないことが明らかな場合には要件1を適用しないと定めています。定額適用の実質的な壁は、要件2と要件4、すなわち過去十か年度以内の激甚指定災害で事業用資産が被災し、当時の国等の支援策を実際に活用し、その復旧債務が現在も残っていることのほうです。
熊本県においては、この条件が想定外の話ではありません。令和2年7月豪雨で被災し、当時の補助金や融資を活用して再建を進め、その借入が残っている事業者が現に存在します。そこに令和8年熊本地震が重なった層を救うための条文だと理解すると、要件の並びに筋が通ります。
補足
平成28年(2016年)熊本地震が「過去十か年度以内」に含まれるかどうかは、年度の数え方によって境界にかかります。平成28年熊本地震での被災を根拠に定額を検討する場合は、事前に補助金事務局へ確認しておくことが確実です。
POINT
定額の適用を受けるには、コロナの影響を証明する書類、過去災害の罹災証明と国等の支援策を活用したことを示す交付決定通知の写し、売上減少がわかる財務諸表、復旧債務の契約書・残高資料といった追加書類が必要になります。このうちコロナの影響と売上20%以上減少については、交付決定通知や財務諸表を提出できない場合に任意様式による自己申告(様式6・様式7)が用意されています。ただし過去災害の支援策活用を示す交付決定通知の写し等は必須とされています。
📊 このセクションの要点
補助上限は直接被害200万円、間接被害100万円、補助率は原則3分の2以内です。定額となるのは直接被害の事業者が5要件をすべて満たす場合に限られ、過去の災害から復興途上にある事業者を想定した設計になっています。
補助対象となる経費と、対象外になる経費
災害支援枠の対象経費は11区分です。通常の持続化補助金にはない修繕費と車両購入費が含まれている点が、この枠の実務上の大きな特徴です。
| 経費区分 | 内容と留意点 |
|---|---|
| 機械装置等費 | 被害を受けた事業用資産の取替え・買換えも計画上必要最低限であれば対象。単価50万円(税抜)以上は処分制限財産。1件50万円(税込)超は2者以上の見積が必要 |
| 広報費 | 交付申請額の上限30万円。単独での申請は不可。単なる会社PRや求人広告は対象外 |
| ウェブサイト関連費 | 交付申請額の上限30万円。単独での申請は不可。50万円(税抜)以上の制作は処分制限財産 |
| 展示会等出展費 | オンラインの展示会・商談会を含む。運搬費・通訳料・翻訳料も対象。飲食費を含む商談会参加費は対象外 |
| 旅費 | 国の支給基準に基づく実費。日当・ガソリン代・タクシー代・レンタカー代は対象外。熊本県内の宿泊費基準額は1泊14,000円 |
| 新商品開発費 | 試作品・包装パッケージの試作開発。テストマーケティングまたは市場調査を伴うことが要件。使い切らなかった材料分は対象外 |
| 借料 | 機器・設備のリース料・レンタル料。事務所家賃は原則対象外だが、既存事務所が被災し新たに賃借する場合は対象となる場合がある |
| 設備処分費 | 死蔵の設備機器等の廃棄・処分等。単独での申請は不可。補助対象経費総額の2分の1が上限。事後の追加計上・増額変更は不可 |
| 修繕費 | 被災した店舗・宿泊施設・機械装置等の修理修繕。被災直前の状態に戻す目的の経費はここに計上。改良・改装は委託・外注費 |
| 委託・外注費 | 店舗改装、バリアフリー化工事、ガス・水道・排気工事など。建物の増築・増床など不動産の取得に該当するものは対象外 |
| 車両購入費 | 事業に供する車両が被災した場合に限る。様式5の理由書、被災を示す公的書類、廃車証明書、被災車両の写真が必要。車両運行日誌の作成義務あり |
修繕費と委託・外注費の切り分け
実務で判断に迷いやすいのが、修繕費と委託・外注費の区分です。公募要領は、被災直前の状態に戻すことを目的とした経費は修繕費、改良・改装を目的とした経費は委託・外注費と整理しています。被災した看板の建て替えは修繕費、店舗改装工事は委託・外注費です。同じ工事業者への発注であっても、目的によって計上先が変わる点に注意が必要です。
また、建物の増築・増床や小規模な建物の設置は、外気分断性・土地への定着性・用途性の3要件をすべて満たす場合、「不動産の取得」に該当するものとして対象外になります。逆に、支柱と屋根材のみのテラス席やカーポートのように周壁のないものは、この3要件を満たさないため不動産の取得には該当しません。
交付決定前の経費を遡って認める特例
補助金は、原則として交付決定日以降に発注・契約・支払を行った経費のみが対象です。しかし今回の公募では特例として、令和8年7月28日の被災日以降、交付決定前に行われた事業により発生した経費についても、適正と認められる場合には遡って補助対象経費として認めるとされています。
ただし、写真や書類等による確認が可能であって適正と認められるものに限られ、実施時に取得した見積書等(相見積を含む)の提出も必要です。被災直後にやむを得ず発注した修繕についても、見積書・請求書・領収書・施工前後の写真が残っていなければ立証が難しくなります。
注意
被災直後の混乱のなかでは、見積書を取らずに工事を進めたり、現金でまとめて支払ったりする場面が生じます。1取引10万円(税抜)を超える現金支払は原則認められないルールがあるため、被災日以降の支払で該当するものがある場合は、申請前に補助金事務局へ相談することが公募要領で案内されています。
📊 このセクションの要点
対象経費は11区分あり、通常枠にない修繕費と車両購入費が含まれます。広報費とウェブサイト関連費は各30万円が上限で単独申請はできません。被災日以降の経費を遡って認める特例がありますが、見積書や写真による立証が前提となります。
スケジュールと申請手続きの流れ
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 令和8年(2026年)9月9日(水) |
| 申請受付開始 | 令和8年(2026年)9月16日(水) |
| 支援機関確認書(様式3)発行の受付締切 | 令和8年(2026年)10月9日(金) |
| 申請受付締切 | 令和8年(2026年)10月16日(金)郵送は当日消印有効、電子申請は17時 |
| 採択発表 | 令和8年(2026年)11月頃予定 |
| 見積書等の提出期限 | 令和9年(2027年)9月30日(木) |
| 補助事業実施期限 | 令和9年(2027年)10月31日(日) |
| 実績報告書の提出期限 | 事業完了後30日を経過する日、または令和9年(2027年)11月10日(水)のいずれか早い日 |
第2回公募については、第1回公募の受付締切後に持続化補助金ホームページ上で案内される予定と示されています。今回の第1回公募に間に合わない場合でも、次の機会が想定されている点は押さえておくとよいでしょう。
補足
先行する災害支援枠(令和6年能登半島地震等)は10次公募をもって公募を終了することが公表されており、その支援機関確認書の発行受付締切が令和8年10月9日、申請受付締切が令和8年10月16日と、令和8年熊本地震の第1回公募と同一の日程になっています。能登の枠が締めくくられ、熊本の枠が立ち上がる形で接続していると整理されます。
手続きの順序は「商工会・商工会議所が先」
申請の流れは、補助金事務局に申請する前に、経営計画書(様式2)の写しを地域の商工会・商工会議所の窓口に提出し、支援機関確認書(様式3)の作成・発行を依頼するところから始まります。様式3の発行受付締切は10月9日で、これ以降の発行依頼はいかなる理由があってもできないと明記されています。
また、様式3の発行にあたっては、申請者本人に事業計画の内容や提出書類の過不足について確認が行われます。公募要領は、社外の代理人のみで商工会・商工会議所へ相談や様式3の発行依頼等を行うことはできないと定めています。この制度は、事業者自身が窓口に足を運ぶことを前提に組み立てられています。
商工会地区と商工会議所地区で窓口が異なる
持続化補助金は、事業所の所在地によって商工会地区と商工会議所地区に分かれ、事務局も申請先も異なります。商工会地区は株式会社ニューズベース、商工会議所地区は株式会社日本経営データ・センターが事務局を担当しています。申請書類一式の提出先を誤ると受理されないため、まず自社がどちらの地区に該当するかを確認することが出発点になります。
電子申請にはGビズIDプライムが必要
電子申請システム(Jグランツ)を利用するには、GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーのアカウントが必要です。アカウントの取得には数週間程度を要するため、未取得の場合は早めの登録が求められます。暫定GビズIDプライムアカウントは使用できません。郵送での申請も受け付けられていますが、その場合はCD-ROMやUSBメモリ等の電子媒体に保存した電子データの同封が必要で、電子媒体の送付がないと採択審査ができないとされています。
📊 このセクションの要点
申請締切は10月16日ですが、実質的な期限は支援機関確認書の発行受付締切である10月9日です。商工会・商工会議所への相談は事業者本人が行う必要があり、電子申請にはGビズIDプライムの取得が前提となります。
申請に必要な書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 応募対象者確認シート | 全事業者が必須 |
| 申請書(様式1)・経営計画書(様式2)・補助金交付申請書(様式4) | 全事業者が必須。様式4は採択となった者の申請書のみ正式受領 |
| 支援機関確認書(様式3) | 地域の商工会・商工会議所が発行。10月9日までに依頼 |
| 被害状況または売上減による被害状況がわかる資料 | 罹災証明書等の自治体発行書類、またはセーフティネット保証4号の認定書等。原則、証明書の名義は事業者名であること |
| 財務書類 | 法人は貸借対照表・損益計算書(直近1期分)、個人事業主は直近の確定申告書。マイナンバーは黒塗りが必要 |
| 車両購入の理由書(様式5)等 | 車両購入費を計上する場合のみ。見積書またはカタログ、被災を確認できる公的書類、廃車証明書、被災車両の写真、事業用途を示す資料が必要 |
| 定額申請の場合の追加書類(様式6・様式7等) | コロナの影響、過去災害の罹災と支援策活用、売上20%以上減少、復旧債務の存在を示す書類 |
申告・納付等の期限延長により一度も確定申告を行っていない個人事業主については、発災時点で開業していることがわかる開業届の写しと、開業以降の売上発生を証する台帳等での代替が認められています。被災により帳簿類そのものを失っている場合は、地域の商工会・商工会議所を通じて事務局に確認するのが現実的な進め方です。
📊 このセクションの要点
必須提出書類の欠落は失格につながります。特に被害を示す公的証明と支援機関確認書は入手に日数を要するため、書類収集の起点をどこに置くかが日程管理の要になります。
審査の観点と、計画書で問われること
採択審査は、有識者等により構成される審査委員会が非公開で行います。提案内容に関するヒアリングは実施されないため、提出書類だけで判断されます。審査は基礎審査と計画審査の2段階です。
| 区分 | 観点 |
|---|---|
| 基礎審査 | 必要な情報がすべて確認できること/補助対象者・補助対象事業の要件に合致すること/補助事業を遂行するために必要な能力を有すること/申請者自身が主体的に活動する取組であること。満たさない場合は失格となり計画審査は行われない |
| 計画審査 | 事業再建に向けた取組として適切な取組であるか/令和8年熊本地震による被害の程度/その他、自社分析の妥当性や計画の有効性、積算の透明・適切性 |
注目すべきは、計画審査の観点に「令和8年熊本地震による被害の程度」が明示的に含まれていることです。通常枠の持続化補助金にはない観点であり、被害の実態をどれだけ具体的に伝えられるかが評価に直結します。罹災証明書の区分だけでなく、どの設備がどう使えなくなり、その結果どの業務が止まり、売上にどう影響したかを、事実として整理して記載することが求められます。
基礎審査の「申請者自身が主体的に活動する取組であること」も重い要件です。公募要領は注意事項として、事業者自らが検討しているような記載が見られない場合や、自らが検討していなかったことが発覚した場合、評価に関わらず不採択・交付決定取消となると明記しています。
POINT
経営計画書に書くべきことは、被災前の事業の姿、地震で失われたもの、再建後にどの顧客へ何を提供するか、そのために必要な設備・工事は何か、という一本の線です。設備の型番や工事の内訳よりも先に、この線がつながっているかを確認することが重要です。
📊 このセクションの要点
審査はヒアリングなしの書面審査で、基礎審査を通過しなければ計画審査に進みません。計画審査には被害の程度という災害支援枠特有の観点が含まれ、被害の実態と再建計画のつながりを事実で示すことが評価の中心になります。
申請前に知っておきたい注意点
第三者からの支援は金額まで申告する義務がある
公募要領は、事業計画の検討に際して第三者の支援を受ける場合、提供するサービスの内容と乖離した高額なアドバイス料金を請求する業者に注意するよう呼びかけています。そのうえで、支援料金の支払いの有無にかかわらず、商工会・商工会議所を除く第三者からのアドバイスを受けている場合は、相手方および着手金・成功報酬その他名目を問わない金額を様式2に記載する義務があると定めています。記載がない場合は虚偽の報告として不採択・交付決定取消となります。
さらに、不当な支援料の請求を防止する観点から、第三者支援者に対してヒアリングや現地調査が行われる場合があるとも示されています。支援を受けるかどうかは事業者の判断ですが、報酬体系が明示されているか、金額が業務内容に見合っているかは、契約前に確認しておくべき点です。
GビズIDのアカウント情報を第三者に渡さない
第三者の支援者等にGビズIDプライムまたはGビズIDメンバーのアカウントおよびパスワードを開示することは、GビズIDの利用規約第11条に反する行為とされています。代理入力を持ちかけられた場合でも、アカウント情報そのものを渡すことは避けるべきです。
補助金は後払いで、自己負担が生じる
補助金は事業実施後の精算払いです。設備の購入や工事の代金は、いったん事業者が全額を支払う必要があります。補助率が3分の2であれば、残りの3分の1は自己負担です。被災直後の資金繰りを考えると、この立替期間をどう乗り切るかが実務上の最大の論点になります。日本政策金融公庫の災害復旧貸付やセーフティネット保証といった融資制度との組み合わせを、あわせて検討することが現実的です。
採択後にも守るべき義務が続く
単価50万円(税抜)以上の機械装置等や車両、外注による自社ウェブサイトの作成、店舗改装による不動産の効用増加は処分制限財産に該当し、補助事業終了後も一定期間は処分が制限されます。補助事業関係書類は事業終了日の属する年度の終了後5年間の保存義務があります。また、補助金は補助金の額の確定を受けた事業年度における収益として計上するものであり、法人税・所得税の課税対象となります。固定資産の取得等に充てた場合には圧縮記帳の適用が可能とされています。
📊 このセクションの要点
第三者支援を受ける場合は相手方と金額の申告義務があり、記載漏れは虚偽報告として扱われます。補助金は後払いのため立替資金の手当てが必要で、採択後も処分制限や書類保存、課税の取扱いといった義務が続きます。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 対象と上限 | 熊本県内の被災小規模事業者が対象。直接被害200万円、間接被害100万円、補助率3分の2以内 |
| 実質の締切 | 申請締切は10月16日だが、支援機関確認書の発行受付締切である10月9日が実質的な期限 |
| 経費の特徴 | 通常枠にない修繕費・車両購入費が対象。広報費とウェブサイト関連費は各30万円が上限で単独申請不可 |
| 遡り特例 | 令和8年7月28日以降の経費も適正と認められれば対象。見積書・写真等による立証が前提 |
| 審査の中心 | 被害の程度と、事業再建に向けた取組の適切性。事業者自身が主体的に検討していることが前提 |
よくあるご質問
Q1.罹災証明書がまだ手元に届いていません。申請できますか。
A1.申請時には被害を証する公的書類の添付が必須であるため、証明書の入手が前提となります。直接被害で申請する場合は、市町村が発行する事業所等が罹災したことが分かる公的書類が必要です。発行までに時間がかかっている場合は、申請先の市町村に発行見込み時期を確認したうえで、地域の商工会・商工会議所にも状況を伝えておくことが現実的です。申請締切は10月16日、支援機関確認書の発行依頼は10月9日までであるため、証明書の到着が間に合わない見通しであれば、第1回公募の受付締切後に案内される第2回公募を視野に入れる判断もあり得ます。なお、間接被害で申請する場合は、地方自治体が独自に発行した証明書やセーフティネット保証4号の認定書が必要となり、こちらも取得までの日数を織り込んでおく必要があります。
Q2.在庫が水濡れで使えなくなりました。これは直接被害になりますか。
A2.公募要領は、在庫や棚卸資産の損害は「事業用資産の損壊等」ではないと明記しています。したがって、在庫の損害のみをもって直接被害の区分で申請することはできません。ただし、同じ被災によって店舗や設備そのものにも損壊が生じている場合は、その部分について罹災証明書等で直接被害を証明できます。在庫のみの損害にとどまる場合でも、令和8年7月から9月の任意の1か月の売上高が前年同期比で20%以上減少していれば、間接被害として上限100万円での申請を検討する余地があります。どちらの区分に該当するかで上限額と必要書類が変わるため、被害の内訳を整理したうえで、地域の商工会・商工会議所に相談するのが確実です。
Q3.地震直後に自費で店舗を修繕しました。後から補助対象にできますか。
A3.今回の公募では特例として、令和8年7月28日以降に交付決定前に行われた事業の経費も、適正と認められる場合には遡って対象となります。ただし条件があります。写真や書類等による確認が可能であることに加え、実施時に取得した見積書等(相見積を含む)の提出が必要です。見積書を取らずに発注していた場合や、施工前の状態を示す写真が残っていない場合は、立証が難しくなります。また、1取引10万円(税抜)を超える現金支払は原則として認められないルールがあり、公募開始日までの期間にそうした支払を行っている場合は、別途、補助金事務局に相談するよう案内されています。手元にある請求書・領収書・工事写真をまず時系列で整理することから始めるとよいでしょう。
Q4.被災した配達用の車が廃車になりました。買い替え費用は対象になりますか。
A4.事業に供する車両が被災した場合に限り、車両購入費として対象になり得ます。申請時には車両購入の理由書(様式5)に加え、購入予定車両の見積書またはカタログ、被災したことが確認できる公的書類、廃車証明書、被災車両の写真の添付が必要です。さらに、被災車両が事業用以外に使用されていないことを示す資料として、固定資産台帳の写しや、使用目的を業務使用としている自動車保険の加入証明書の写しなどが求められます。被災車両の名義が補助事業者名でない場合は対象外です。採択後は、補助事業で取り組む特定の業務にのみ使用したことが分かる車両運行日誌を作成し、実績報告時に添付する義務があります。カーナビやリアカメラなどのオプション、自賠責保険、自動車税、登録手数料は対象外です。
Q5.修繕費と委託・外注費は、どう使い分ければよいですか。
A5.被災直前の状態に戻すことを目的とした経費は修繕費、改良・改装を目的とした経費は委託・外注費に計上します。たとえば、倒れた看板を元どおりに建て替えるのは修繕費、この機会に店舗のレイアウトを変えて改装するのは委託・外注費です。同一の工事業者に発注する場合でも、見積書の内訳を目的別に分けて記載してもらうと整理しやすくなります。なお、いずれの場合も建物の増築・増床など「不動産の取得」に該当するものは対象外です。また、住宅宿泊事業者が修繕を行う場合は修繕費、改装を行う場合は委託・外注費に計上し、いずれも住宅のうち事業の用に供する部分の面積で按分した金額が対象となります。按分の根拠となる平面図等は、採択後、交付決定までの間に提出が必要です。
Q6.ホームページの作り直しだけで申請できますか。
A6.ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ずほかの経費と一緒に申請する必要があり、さらにウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は30万円と定められています。同様に、広報費と設備処分費も単独での申請はできません。したがって、機械装置等費や修繕費、委託・外注費など事業再建の中核となる取組を組み立てたうえで、その取組を知らせる手段としてウェブサイトや広報を位置づける構成になります。なお、50万円(税抜)以上の費用でウェブサイトやシステムを作成・更新した場合、それらは処分制限財産に該当し、通常は取得日から5年間、処分が制限される点にも留意が必要です。補助事業期間内に運用に至らなかったホームページやランディングページは対象外とされています。
Q7.商工会と商工会議所、どちらに相談すればよいか分かりません。
事業を営んでいる場所によって、どちらの地区に該当するかが決まります。持続化補助金は商工会地区と商工会議所地区で事務局が分かれており、商工会地区は株式会社ニューズベース、商工会議所地区は株式会社日本経営データ・センターが担当しています。公募要領のホームページも別々に用意されており、申請書類の提出先を誤ると受理されません。判別には、全国商工会連合会の商工会検索サイト、または日本商工会議所の商工会議所検索サイトで事業所が属する地域を確認する方法が案内されています。市町村単位で分かれているケースが多いため、事業所の住所で検索すれば確認できます。どちらか分からないまま準備を進めると提出先を誤るおそれがあるため、最初に確認しておくべき事項です。
Q8.過去に持続化補助金を受けたことがあります。今回も申請できますか。
申請は可能ですが、過去の補助事業の報告義務を果たしていることが前提です。一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠、創業型のいずれかで採択を受け、様式第14「事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」が未提出のままの事業者は補助対象外となります。ただし、補助事業は終了しているものの様式第14の提出期限がまだ到来していない場合は該当しません。また、過去に実施した補助事業と同じ事業であると見受けられる場合は不採択となり、採択後に判明した場合は遡って採択が取り消されます。今回の災害支援枠で申請する事業内容・対象経費が過去の補助事業と重複していると、補助金額が減額される可能性もあります。代表者が変わっている場合も「過去の補助事業者である」に該当する扱いです。
Q9.補助金はいつ受け取れますか。先に資金を用意する必要がありますか。
補助金は後払いであり、事業実施の段階では事業者が全額を立て替える必要があります。流れとしては、採択発表がおおむね令和8年11月頃、その後に見積書を提出し、審査を経て交付決定となります。交付決定は採択発表から概ね1か月程度かかる場合があるとされています。補助事業を実施し、支払を完了させたうえで実績報告書を提出し、補助金額の確定を経て請求・交付となります。補助率が3分の2の場合、残る3分の1は自己負担です。被災直後の資金繰りを踏まえると、日本政策金融公庫の災害復旧貸付やセーフティネット保証といった融資制度と組み合わせて資金計画を立てる進め方が現実的です。取引金融機関にも早い段階で相談しておくと、立替期間の見通しが立てやすくなります。
Q10.申請書類の作成を業者に依頼した場合、何か申告が必要ですか。
商工会・商工会議所を除く第三者から支援を受けた場合は、相手方と支援に係る金額の申告が必要です。公募要領は、支援料金の支払いの有無にかかわらず、確認事項入力(様式2)の「商工会・商工会議所を除く第三者からのアドバイスの有無」の項目に、相手方および着手金・成功報酬その他名目を問わない金額を記載することを求めています。記載がない場合は虚偽の報告として不採択・交付決定取消となります。また、不当な支援料の請求を防止する観点から、第三者支援者に対してヒアリングや現地調査が行われる場合があるとされています。あわせて、支援機関確認書(様式3)の発行依頼を社外の代理人のみで行うことはできず、事業者本人が商工会・商工会議所の窓口で確認を受ける必要があります。なお、補助金応募書類の作成・送付・手続きに係る費用は、補助対象経費には含まれません。
ご相談について
制度の確認だけでも構いません
災害支援枠の申請は、まず地域の商工会・商工会議所への相談から始まります。窓口は事業者ご本人が訪ねる必要があり、これは制度上の前提です。壱市コンサルティングでは、その前段として、自社が対象になるのか、どの経費区分で組み立てられるのか、日程が間に合うのかといった論点整理のご相談を承っています。
📋 対象可否と経費区分の整理
直接被害と間接被害のどちらで申請できるか、修繕費・委託・外注費・車両購入費のどこに何を計上するかを、公募要領の記載に沿って確認します。
🏦 立替資金と融資制度の組み合わせ
補助金は後払いです。災害復旧貸付やセーフティネット保証との組み合わせを含めて、資金計画の考え方を整理します。
🔄 定額要件と認定支援機関の確認
定額の適用要件には認定経営革新等支援機関による確認が含まれます。壱市コンサルティングは認定経営革新等支援機関(ID:109313013612)として対応が可能です。
たとえば、次のような場面でご相談いただいています
- ✅ 罹災証明書の発行待ちで、第1回公募に間に合うか判断がつかない
- ✅ 被災直後に発注した工事を遡って計上できるか整理したい
- ✅ 直接被害と間接被害のどちらで申請すべきか判断したい
- ✅ 立替資金の手当てを含めて再建の道筋を考えたい
