【令和8年(2026年)9月】熊本地震の復旧・復興支援 続報|なりわい再建・九州ふっこう応援割・補助金の被災配慮

令和8年(2026年)7月28日に発生した令和8年熊本地震から、約1か月半が経過しました。発災直後の局面は資金繰り支援が中心でしたが、8月下旬に入って支援の枠組みが大きく動いています。8月25日には激甚災害指定に伴う中小企業信用保険の特例措置が閣議決定され、8月27日には非常災害対策本部が「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」を決定しました。

このパッケージにより、被災事業者にとって最大の関心事であった施設・設備の復旧費用に対する補助の方向性が示されました。あわせて8月28日には、九州7県を対象とする旅行・宿泊料金の割引支援「九州ふっこう応援割」の実施概要が公表され、10月1日宿泊分からの開始が決まっています。

重要なのは、支援の性格が「資金繰りを止めないための融資・保証」から「事業を建て直すための補助と需要喚起」へ移りつつあるという点です。この局面では、制度の存在を知っているかどうかよりも、交付決定前に工事へ着手していないか、証拠となる記録が残っているかといった段取りが結果を分けます。

本記事では、令和8年(2026年)9月4日時点で公表されている情報をもとに、復旧・復興フェーズに入った支援策の続報を整理します。前回記事で「今後措置される可能性がある制度」として挙げた項目が、その後どこまで確定したのかという観点から追跡します。

Contents
  1. 発災から約1か月で支援の枠組みが確定した
  2. なりわい再建の中核は自治体連携型補助金に置かれた
  3. 激甚災害指定で金融支援が二段階に厚くなった
  4. 全国の補助金でも被災事業者への配慮が始まっている
  5. 九州ふっこう応援割は10月1日宿泊分から始まる
  6. 雇用の維持は雇用調整助成金の特例で支える
  7. 9月時点で未確定の事項と追跡すべき情報源
  8. この記事のまとめ
  9. よくある質問
  10. 壱市コンサルティングの支援について

発災から約1か月で支援の枠組みが確定した

令和8年(2026年)8月27日、令和8年熊本地震非常災害対策本部は「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」を決定しました。構成は生活の再建、なりわいの再建、災害復旧等の三本柱です。財政措置については、復旧・復興の段階に合わせて令和8年度予算の一般予備費などを活用し、機動的・弾力的に手当てするとされています。

パッケージの基本方針では、被災地が平成28年(2016年)熊本地震、令和2年(2020年)7月豪雨、令和7年(2025年)の大雨に続く今般の災害によって、いわば「四重苦」に見舞われたと記されています。この重複被災という認識が、後述する補助制度の設計に直接反映されている点が、今回のパッケージの特徴です。

8月時点の確認事項がどこまで埋まったか

壱市コンサルティングが令和8年(2026年)8月1日に公開した記事では、当時未確定であった事項を確認事項として一覧化していました。その後の進捗を整理すると、次のとおりです。

8月1日時点の確認事項 9月4日時点の状況
激甚災害の指定 8月7日に公共土木施設・農地等に係る激甚災害として指定。8月25日には中小企業関係の局地激甚指定を追加する政令改正が閣議決定され、8月28日公布・施行の予定と公表
復旧費用を補助する制度 8月27日のパッケージで、自治体連携型補助金等を通じて「なりわい再建支援補助金並みの高い補助率」で支援する方針が明記。具体の公募内容は未公表
被災者生活再建支援法の適用 熊本県内全市町村に適用。申請期限は基礎支援金が令和9年(2027年)8月27日、加算支援金が令和11年(2029年)8月27日
観光需要の喚起策 8月28日に「九州ふっこう応援割」の実施概要を公表。10月1日宿泊分から開始
復興基金 平成28年熊本地震で熊本県が設置した復興基金への地方財政措置を踏まえた検討を行うと明記。設置の可否は未確定

📊 このセクションの要点

8月27日のパッケージ決定により、支援の方向性は生活再建・なりわい再建・災害復旧の三本柱として確定しました。8月1日時点で未確定だった激甚災害指定、復旧補助の方針、観光需要喚起策はいずれも前進しています。一方で、補助金の具体的な公募内容と復興基金の設置は、いまだ確定していません。

なりわい再建の中核は自治体連携型補助金に置かれた

パッケージのなりわい再建の項では、被災した中小・小規模事業者等による工場・店舗や生産機械などの施設・設備の復旧について、繰り返す大規模災害による重複被災が生じたことを踏まえた特例として、自治体連携型補助金等における補助対象事業者の範囲や多重被災された方々への支援の在り方を柔軟化すると記されています。そのうえで、自治体連携型補助金等を通じて、なりわい再建支援補助金並みの高い補助率での支援を行うとされました。

なりわい再建支援補助金は、令和2年(2020年)7月豪雨などの大規模災害で措置されてきた復旧補助の枠組みであり、平成28年(2016年)熊本地震におけるグループ補助金の系譜に位置づけられる制度です。今回はこの水準の補助率を、自治体連携型補助金という器を用いて実現するという設計になっています。地方公共団体等の負担を軽減するため、窓口の一元化を図るとも明記されました。

小規模事業者向けには持続化補助金の災害支援枠が示された

パッケージでは、小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)を通じて、商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を策定して実施する機械装置等の復旧や販路再開に向けた取組に要する経費の一部を補助するとされています。

注意

現在公募中の小規模事業者持続化補助金<一般型・災害支援枠>(10次公募、申請受付期間は令和8年7月27日から10月16日まで)は、令和6年能登半島地震・令和6年能登豪雨の被災事業者を対象とするものであり、令和8年熊本地震の被災事業者を対象とする公募ではありません。熊本県の被災事業者を対象とする災害支援枠の枠組みは、令和8年(2026年)9月4日時点で公表されていません。名称が同じであるため、公募要領の対象災害を必ず確認してください。

仮設施設・商店街・専門家派遣という周辺の支援

補助金以外にも、早期の事業再開を支える仕組みが用意されています。中小企業庁の特設ページでは、令和8年(2026年)8月31日に支援策リーフレットが追加され、9月1日には中小企業者等向け支援策ガイドブックの第2版が公開されました。掲載されている主な支援は次のとおりです。

支援策 内容
仮設施設整備支援 中小・小規模事業者の早期事業再開のため、地方公共団体が整備する仮設施設に必要な費用を助成し、計画・設計等に協力する
被災商店街等再建支援事業 アーケード・街路灯等の復旧や、集客イベントの開催など賑わい創出の取組を支援する
復興支援アドバイザー派遣 中小企業基盤整備機構が、専門家による経営・事業運営に係る助言やアドバイザー派遣を行う
多重債務問題への対応 既往債務が負担となり新規資金調達が困難となる事業者について、地域経済活性化支援機構や中小企業基盤整備機構等を活用したファンドを含む金融ツールを検討する
事業再生支援 中小企業活性化協議会において、債務調整支援などを通じた事業再生等の支援を実施する

POINT

復旧費用を補助する制度は、交付決定前に着手した費用が対象外となる場合があります。緊急を要する応急措置と、計画的に進める本格復旧を切り分け、被害状況の写真、見積書、契約日、支払日を日付が分かる形で残しておくことが、後の申請可否を左右します。

📊 このセクションの要点

施設・設備の復旧補助は、自治体連携型補助金等を通じてなりわい再建支援補助金並みの補助率で措置される方針が示されました。小規模事業者には持続化補助金の災害支援枠が想定されていますが、熊本県向けの公募は9月4日時点で未公表です。制度が動き出す前の段階でこそ、本格復旧の発注時期を慎重に判断する必要があります。

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激甚災害指定で金融支援が二段階に厚くなった

令和8年(2026年)8月25日、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づき、令和8年熊本地震による災害により被害を受けた熊本県八代市、宇城市、御船町、嘉島町および氷川町の中小企業者等に対し、中小企業信用保険の特例措置を講ずる政令等が閣議決定されました。政令は8月28日に公布・施行される予定と公表されています。

災害関係保証は一般保証ともセーフティネット保証とも別枠

災害関係保証は、市町村長等から事業所または主要な事業用資産に係る罹災証明を受けた中小企業者が、事業の再建に必要な資金を借り入れる際に利用できる制度です。一般保証およびセーフティネット保証とは別枠で、借入債務の額の100%が保証されます。

保険の区分 一般保証限度額 災害関係保証限度額
普通保険 2億円 +2億円
無担保保険 8,000万円 +8,000万円
うち特別小口保険 2,000万円 +2,000万円

災害復旧貸付の金利が0.9%引き下げられた

日本政策金融公庫が実施している災害復旧貸付についても、特段の措置として金利引下げが行われます。市町村長等から事業所または主要な事業用資産に係る被害を受けた旨の証明を受けた中小企業者等を対象に、貸付額のうち1,000万円を上限として、貸付後3年間、貸付金利から0.9%が引き下げられます。基準利率は貸付期間5年以内の場合で中小企業事業2.75%、国民生活事業2.70%(いずれも令和8年8月3日現在)です。

貸付限度額は、中小企業事業が別枠で1億5,000万円、国民生活事業が各貸付制度の限度額に上乗せで3,000万円です。この金利引下げは中小企業に係る局地激甚指定を受けた市町の事業者を対象とする措置であり、罹災証明または被害証明が前提となります。証明の取得が制度利用の入口になる点は、災害関係保証と共通しています。

📊 このセクションの要点

金融支援は、災害救助法適用21市町村を対象とするセーフティネット保証4号に加えて、局地激甚指定を受けた5市町を対象とする災害関係保証が上乗せされる二段階の構造になりました。災害関係保証は最大で2億8,000万円の別枠となり、災害復旧貸付には0.9%の金利引下げが措置されています。いずれも罹災証明・被害証明が起点です。

全国の補助金でも被災事業者への配慮が始まっている

災害専用の制度とは別に、通常の補助金の側でも被災事業者への取扱いが動いています。中小企業庁は令和8年(2026年)8月18日に中小企業省力化投資補助事業(一般型)の第8回公募要領を公開した際、令和8年熊本地震の被害を受けた熊本県内の事業者は審査において配慮すると明記しました。事務局サイトでも同趣旨の案内が掲載されています。

第8回公募のスケジュールは、9月中旬に申請受付開始、10月中旬に申請締切、採択発表は2027年2月上旬の予定です。被災による財務影響を抱えたまま設備投資を検討する事業者にとって、この配慮は実務上の意味を持ちます。パッケージにおいても、既定の補助金において震災による財務影響への配慮を行うと記されています。

補助金 スケジュールと被災事業者の取扱い
中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回 9月中旬受付開始・10月中旬締切。熊本県内の被災事業者は審査において配慮される旨を公表
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 申請受付期間は9月30日から10月30日まで。被災事業者への配慮の有無は公募要領で確認が必要
小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第20回 申請受付期間は11月5日から12月15日まで。復旧ではなく販路開拓を目的とする枠であり、災害支援枠とは別制度
商店街災害復旧事業 申請受付期間は令和9年(2027年)1月15日まで。被災した商店街の施設復旧を対象とする

補足

復旧補助と投資補助は目的が異なります。壊れたものを元に戻す費用は復旧補助の対象であり、生産性を高めるための新規投資は省力化投資補助金などの対象です。同一の設備について両方を充てることは想定されていないため、どちらの枠組みで進めるかを早い段階で切り分ける必要があります。

📊 このセクションの要点

省力化投資補助金の第8回公募では、熊本県内の被災事業者への審査上の配慮が明記されました。秋以降は複数の補助金が並行して公募される時期にあたるため、復旧補助と投資補助のどちらで進めるかの切り分けが実務の出発点になります。

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九州ふっこう応援割は10月1日宿泊分から始まる

パッケージでは、九州地方における観光復興をいち早く遂げるため、旅行・宿泊料金の割引支援策を実施して観光需要を喚起するとされていました。これを受けて、国土交通省および観光庁は令和8年(2026年)8月28日に「九州ふっこう応援割」の実施概要を公表しています。対象は九州7県での宿泊を伴う旅行で、10月1日宿泊分からの適用です。

項目 内容
対象地域 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の九州7県
割引率 熊本県・鹿児島県は60%、その他5県は50%
割引上限額 1人1泊あたり2万円。交通付きで2泊以上の場合は3万円、2県以上にまたがる周遊型は3万5,000円
開始時期 令和8年(2026年)10月1日宿泊分から。予約開始日・対象期間は各県が設定
実施の仕組み 国の補助を活用し、各自治体が旅行会社・予約サイト・宿泊施設を通じて割引価格で提供する

宿泊・観光事業者が9月中に整理しておくべきこと

令和8年(2026年)9月4日時点では、多くの県で予約開始日と割引対象期間が公表されていません。10月1日宿泊分から対象となる以上、9月中の予約受付開始が見込まれる状況にあります。宿泊事業者にとっては、県からの発表を待つ時間が実質的な準備期間にあたります。

実務上の論点は三つあります。第一に、10月1日以降の既存予約が対象となるかは県の設定次第であり、既予約分の取扱い方針を早期に決めておく必要があります。第二に、割引率が県ごとに異なるため、複数県で施設を運営する事業者は販売価格の設計を分ける必要があります。第三に、予算がなくなり次第終了する形式であることを前提に、需要が集中する期間の人員体制と仕入計画を組み立てる必要があります。

被災地の外にいる事業者にとっての意味

九州ふっこう応援割は、被害の直接的な大小にかかわらず九州7県全域を対象としています。これは、災害の影響が被災地の外側に風評という形で広がることを前提とした設計です。パッケージでも、風評対策として宿泊施設・観光施設等の運営・営業状況に関する正確な情報発信を行うことが明記されています。

九州以外の地域の事業者にとっても、取引先が九州にある場合には無関係ではありません。10月以降に九州向けの人流が回復する局面では、宿泊・飲食・小売・運送の各分野で一時的に需要が集中します。供給側が対応できずに機会を逃す事態を避けるため、取引先への納品計画を早めに調整しておくことが有効です。

📊 このセクションの要点

九州ふっこう応援割は10月1日宿泊分から始まり、熊本県・鹿児島県は60%、他の5県は50%の割引率です。予約開始日と対象期間は各県が設定するため、9月中の発表を追う必要があります。対象が九州7県全域であることは、風評被害への対応という制度趣旨を示しています。

雇用の維持は雇用調整助成金の特例で支える

厚生労働省は、令和8年熊本地震に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対して、雇用調整助成金の特例措置を実施しています。対象は、休業、教育訓練または出向の初日が令和8年(2026年)7月28日から令和9年(2027年)1月27日までの場合です。助成対象日数は1年間で100日が上限となります。

特例の内容 通常の取扱いとの違い
生産指標の確認期間の短縮 通常は最近3か月の月平均が前年同期比10%以上減少であるところ、比較期間を最近1か月とする
雇用量増加時の取扱い 最近3か月の雇用量が前年比で増加している場合に対象外とする要件を撤廃する
設置後1年未満の事業主 令和8年7月28日時点で雇用保険適用事業所の設置後1年未満の事業主も助成対象とする
計画届の提出時期 通常は事前提出が必要であるところ、事後の提出も可能とする

この特例で注目すべきは、対象が熊本県内の事業所に限定されていない点です。地震に伴う経済上の理由、すなわち取引先の被災による受注減少や交通の途絶による物流・通勤への支障などがあれば、所在地を問わず検討の余地があります。被災地に取引先を持つ事業者は、自社の生産指標の推移を確認しておくことが賢明です。

📊 このセクションの要点

雇用調整助成金の特例は、生産指標の確認期間を1か月に短縮し、計画届の事後提出を認めるなど、要件が大きく緩和されています。休業等の初日が令和9年1月27日までであることが対象の条件であり、被災地外の事業者も経済上の理由があれば検討対象となります。

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9月時点で未確定の事項と追跡すべき情報源

支援策の方向性は固まりましたが、事業者が実際に申請できる段階に至っていない制度が残っています。令和8年(2026年)9月4日時点で確認できていない事項を整理します。

未確定の事項 確認先
自治体連携型補助金の公募時期・補助率・上限額・対象範囲 中小企業庁、熊本県商工振興金融課
熊本県の被災事業者を対象とする持続化補助金災害支援枠の有無 中小企業庁、商工会・商工会議所
九州ふっこう応援割の各県の予約開始日・対象期間・終了時期 観光庁、九州各県の観光担当部局
九州ふっこう応援割の予算規模と各県への配分 観光庁、各県
復興基金の設置と地方財政措置 総務省、熊本県
仮設施設整備支援の対象地域と申込方法 中小企業基盤整備機構、各市町村

中小企業庁は令和8年熊本地震に伴う災害関連情報の特設ページを開設しており、令和8年(2026年)9月1日には中小企業者等向け支援策ガイドブックの第2版が公開されています。支援策は追加・更新が続いているため、月単位ではなく週単位で確認する姿勢が必要です。

📊 このセクションの要点

復旧補助の具体的な公募内容、九州ふっこう応援割の各県の運用、復興基金の設置は、いずれも9月4日時点で未確定です。方針が示された段階と申請できる段階は異なるため、公表を待つ間に罹災証明の取得と被害記録の整理を進めておくことが、制度開始後の速度を決めます。

この記事のまとめ

ポイント 内容
支援の局面が移った 8月27日のパッケージ決定により、支援は資金繰り中心から復旧補助と需要喚起へ移行しました。生活の再建、なりわいの再建、災害復旧等の三本柱で構成されています。
復旧補助は自治体連携型補助金で措置 重複被災を踏まえた特例として対象範囲を柔軟化し、なりわい再建支援補助金並みの高い補助率で支援する方針が示されました。具体的な公募内容は未公表です。
金融支援は二段階構造になった 災害救助法適用21市町村のセーフティネット保証4号に加え、局地激甚指定の5市町では最大2億8,000万円の災害関係保証が別枠で利用できます。災害復旧貸付には0.9%の金利引下げが措置されました。
通常の補助金でも配慮が始まった 省力化投資補助金(一般型)第8回公募では、熊本県内の被災事業者を審査において配慮すると公表されています。復旧補助と投資補助の切り分けが実務の出発点です。
観光は10月1日から本格的な需要喚起へ 九州ふっこう応援割は10月1日宿泊分から、熊本県・鹿児島県60%、他5県50%の割引率で実施されます。予約開始日と対象期間は各県が設定するため、9月中の発表確認が必要です。

よくある質問

Q1.店舗や工場の復旧費用を補助する制度は、結局使えるようになったのですか

A1.方針は示されましたが、令和8年(2026年)9月4日時点で申請可能な状態には至っていません。8月27日のパッケージでは、自治体連携型補助金等を通じてなりわい再建支援補助金並みの高い補助率で支援を行うことが明記されました。あわせて、重複被災を踏まえた特例として補助対象事業者の範囲や多重被災された方々への支援の在り方を柔軟化すること、地方公共団体等の負担軽減のため窓口の一元化を図ることも記されています。ただし、補助率、補助上限額、対象経費、公募時期といった具体的な内容は公表されていません。制度が始まってから慌てて動くことのないよう、罹災証明の取得、被害箇所の写真、被害を受けた設備の一覧、復旧見積の取得を先行して進めておくことが実務上の準備となります。

Q2.復旧工事はいつ発注すればよいですか

A2.応急措置と本格復旧を切り分け、本格復旧は制度の内容が判明してから判断することが賢明です。復旧費用を補助する制度では、交付決定前に着手した費用が対象外となる場合があります。過去の同種制度でも、遡及適用が認められる期間と認められない期間が制度ごとに異なる運用がとられてきました。一方で、安全確保や事業継続のために直ちに必要な応急措置まで止める必要はありません。重要なのは、どの支出がいつ、どのような目的で発生したかを説明できる状態にしておくことです。見積書、契約書、請求書、支払記録を日付順に整理し、応急措置と本格復旧を分けて管理してください。判断に迷う支出については、着手前に熊本県または特別相談窓口に確認することを推奨します。

Q3.災害関係保証はセーフティネット保証4号と何が違うのですか

A3.対象地域、要件、枠の位置づけがいずれも異なります。セーフティネット保証4号は、災害救助法が適用された10市10町1村において売上高等が減少している中小企業・小規模事業者を対象とし、市区町村長の認定を前提に一般保証とは別枠で100%保証を行う制度です。これに対し災害関係保証は、局地激甚指定を受けた八代市、宇城市、御船町、嘉島町、氷川町において、事業所または主要な事業用資産に係る罹災証明を受けた中小企業者が対象となり、一般保証およびセーフティネット保証とはさらに別枠で100%保証を受けられます。前者は売上減少を、後者は物的被害を要件としている点が本質的な違いです。両方の要件を満たす場合、枠は積み上がる構造となります。

Q4.災害復旧貸付の金利引下げは全ての被災事業者が受けられますか

A4.中小企業に係る局地激甚指定を受けた市町の事業者を対象とする措置として公表されています。経済産業省の公表では、市町村長等から事業所または主要な事業用資産に係る被害を受けた旨の証明を受けた中小企業者等を対象に、貸付額のうち1,000万円を上限として貸付後3年間、貸付金利から0.9%を引き下げるとされています。基準利率は貸付期間5年以内で中小企業事業2.75%、国民生活事業2.70%(令和8年8月3日現在)です。災害復旧貸付そのものは、今般の地震により被害を受けた中小企業・小規模事業者を広く対象としており、金利引下げの適用可否とは範囲が異なります。自社が引下げの対象となるかは、日本政策金融公庫の窓口で被害証明の要否とあわせて確認してください。

Q5.現在公募中の持続化補助金の災害支援枠に申請できますか

A5.現在公募中の10次公募は令和6年能登半島地震・令和6年能登豪雨の被災事業者が対象であり、令和8年熊本地震の被災事業者は対象外です。10次公募の申請受付期間は令和8年(2026年)7月27日から10月16日までですが、対象地域は石川県能登地域に限定されています。一方で、8月27日のパッケージには、小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)を通じて被災した小規模事業者等の事業再建を支援することが明記されています。熊本県の被災事業者を対象とする枠組みが今後措置される可能性はありますが、9月4日時点で公募は公表されていません。名称が同じであっても対象災害が異なるため、公募要領の冒頭で対象となる災害の指定を必ず確認してください。

Q6.省力化投資補助金の審査における配慮とは具体的に何を指しますか

A6.中小企業庁は「令和8年熊本地震の被害を受けた熊本県内の事業者は審査において配慮する」と公表していますが、配慮の具体的な方法は明示されていません。第8回公募は令和8年(2026年)8月18日に公募要領が公開され、9月中旬に申請受付開始、10月中旬に締切、採択発表は2027年2月上旬の予定です。パッケージには、既定の補助金において震災による財務影響への配慮を行うと記されており、被災に伴う財務指標の悪化が不利に働かないよう扱う趣旨と読み取れます。事業計画の作成にあたっては、被災の事実と復旧の見通しを客観的な資料とともに記載しておくことが重要です。個別の取扱いについては、省力化投資補助事業のコールセンターへ相談することが案内されています。

Q7.九州ふっこう応援割はいつから予約できますか

A7.令和8年(2026年)9月4日時点で、予約開始日は各県から順次発表される段階にあります。制度としては10月1日宿泊分から対象となることが公表されていますが、予約開始日と割引対象期間は各県が設定する仕組みです。準備が整った旅行会社、予約サイト、宿泊施設から順次販売される見込みであり、実際に予約できる日時は県ごと、事業者ごとに異なります。すでに予約済みの10月1日以降の宿泊が対象となるかについても、県の設定により取扱いが分かれる可能性があります。宿泊事業者としては、既予約分の取扱い方針と、割引適用時の販売価格の設計を、県の発表前に社内で整理しておくことが実務的です。

Q8.熊本県外の事業者が使える支援はありますか

A8.雇用調整助成金の特例措置と九州ふっこう応援割は、熊本県内に限定されていません。雇用調整助成金の特例は、令和8年熊本地震に伴う経済上の理由により事業活動を縮小し、休業、教育訓練または出向を行う事業主が対象であり、取引先の被災による受注減少や交通の途絶による影響も経済上の理由に含まれます。九州ふっこう応援割は九州7県全域が対象で、福岡県や大分県などの宿泊事業者も対象となります。また、日本政策金融公庫等の災害復旧貸付は、今般の地震により被害を受けた中小企業・小規模事業者を対象としており、地域を21市町村に限定した記載にはなっていません。自社の状況が該当するかは、特別相談窓口またはハローワークで確認してください。

Q9.復旧補助と省力化投資補助金を同じ設備に使えますか

A9.同一の経費に複数の国庫補助を重複して受けることは、一般に認められていません。補助金は原則として、同一の事業・同一の経費について国から二重に補助を受けることを禁じています。したがって、被災した設備を元に戻すための費用は復旧補助の枠組みで、生産性向上のための新たな設備投資は省力化投資補助金などの枠組みで、というように切り分けて計画することになります。実務上は、被災した設備を復旧するのではなく、より高性能な設備へ入れ替える判断をする場面が生じます。この場合にどちらの制度で申請するかは、補助率、上限額、スケジュール、要件の全体を比較して決める必要があります。具体的な取扱いは、それぞれの制度の公募要領と事務局への確認が前提となります。

Q10.今後の情報はどこで確認すればよいですか

A10.中小企業庁の令和8年熊本地震に伴う災害関連情報のページと、熊本県の公式ページが基本の確認先です。中小企業庁の特設ページには、中小企業者等向け支援策ガイドブックと支援策リーフレットが掲載されており、令和8年(2026年)9月1日にガイドブックの第2版が公開されています。経済産業省も令和8年熊本地震に関連する被害・対応状況の特設ページを開設しており、非常災害対策本部の資料が随時掲載されています。観光関連は観光庁および各県の観光担当部局、雇用関係は厚生労働省と熊本労働局が確認先です。支援策は追加・更新が続いているため、月に一度ではなく週単位で確認する運用が現実的です。

壱市コンサルティングの支援について

制度が動き出す前の段階でこそ、準備の差が結果を分けます

壱市コンサルティングは、中小企業診断士事務所として、また認定経営革新等支援機関として、中小企業・小規模事業者の資金繰りと事業計画の支援を行っています。公的な相談窓口が正式な受付先である点に変わりはありません。そのうえで、どの制度をどの順序で使うべきかの判断や、金融機関・信用保証協会に提出する資料の整え方について、相談先をお探しの場合はご連絡ください。

📋 復旧計画と申請準備の整理

被害記録の整理、応急措置と本格復旧の切り分け、公募開始に備えた事業計画の骨子づくりを支援します。

🏦 資金繰りと金融機関対応

災害関係保証、セーフティネット保証4号、災害復旧貸付、条件変更の使い分けを資金繰り表から逆算して整理します。

📊 補助金の選択と申請支援

復旧補助と投資補助の切り分け、省力化投資補助金をはじめとする各制度の申請可否の判断を支援します。

被災された事業者からのご相談については、まず状況の整理までを無償で対応します

こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください

  • ✅ 復旧工事をいつ発注してよいか判断がつかない
  • ✅ どの融資・保証制度を組み合わせるべきか整理できていない
  • ✅ 被災した設備を復旧するか、入れ替えるかで迷っている
  • ✅ 取引先の被災による影響で自社の資金繰りが悪化している
  • ✅ 補助金の公募開始に備えて何を準備すべきか分からない

お問い合わせはこちら

本記事は令和8年(2026年)9月4日時点で公表されている情報をもとに整理したものです。支援制度の適用範囲・金額・期限は今後の発表により変更される可能性があります。申請にあたっては、内閣府、経済産業省・中小企業庁、観光庁、厚生労働省、熊本県および各市町村の最新情報を必ずご確認ください。

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