【令和8年(2026年)最新】石川県の補助金とは?能登復興から省エネ・賃上げまで主要制度を徹底解説
石川県の補助金は、令和8年(2026年)度において大きく二つの文脈で動いています。一つは令和6年(2024年)能登半島地震および奥能登豪雨からの復旧・復興、もう一つは北陸新幹線延伸後の成長投資・生産性向上です。県は被災事業者向けの手厚い補助制度を令和8年度も継続する一方で、省エネ・賃上げ・創業といった前向きな投資を支える制度も並行して用意しています。
なかでも「石川県なりわい再建支援補助金」は1件あたり上限15億円・補助率3/4という全国でも例のない規模で、被災した施設・設備の復旧を支えています。あわせて、国の補助金に県が独自の上乗せを行う制度や、ISICO(いしかわ産業創出支援機構)を窓口とする成長支援メニューも整備されており、国・県・市町の制度を組み合わせる視点が資金調達の鍵となります。
本記事では、石川県内で事業を営む経営者の方はもちろん、これから県内で創業・再建を検討される方にも参考になるよう、令和8年(2026年)度に活用できる主要な補助金制度を体系的に整理して解説します。
石川県の補助金を取り巻く令和8年(2026年)の状況
石川県の補助金を理解するためには、令和6年(2024年)能登半島地震という未曾有の災害と、その後の復興フェーズの推移を俯瞰する必要があります。震災直後から投入された復旧支援は、令和8年(2026年)度に入ってもなお継続しており、県の商工労働部経営支援課は「なりわい補助金」「チャレンジ支援補助金」「起業促進補助金」「営業再開支援補助金」「小規模事業者事業継続支援補助金」を令和8年度も募集継続と公表しています。
一方で、復旧から復興・成長へとフェーズが移るなかで、省エネ設備の導入支援や賃上げに取り組む事業者への支援、創業・第二創業を後押しする制度など、前を向いた投資を支える補助金の比重も高まっています。災害支援の特例措置には公募回数や事前着手制度の期限が設けられているものもあり、「いつまでに何を申請できるか」を早い段階で見極めることが、石川県で補助金を活用するうえでの実務上の出発点となります。
能登半島地震からの復旧・復興を支える補助金
石川県なりわい再建支援補助金
石川県の復興支援の中核をなすのが「なりわい再建支援補助金」(国の中小企業特定施設等災害復旧費補助金)です。令和6年(2024年)能登半島地震および令和6年奥能登豪雨により被害を受けた、石川県内に事業所を有する中小企業・小規模事業者等が対象で、工場・店舗などの施設や生産機械などの設備の復旧費用を支援します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助金額 | 1件あたり上限15億円 |
| 補助率 | 3/4(中堅企業等は1/2) |
| 対象経費 | 施設・設備の復旧整備に要する経費(原状回復が原則) |
| 受付 | 随時受付(複数年・継続。令和8年度も募集継続) |
| 窓口 | 金沢事業者支援センター・能登事業者支援センター 等 |
石川県の交付決定状況を見ると、令和8年(2026年)3月24日時点で累計1,271件・総額283億円超の交付決定が行われており、復興の現場で実際に大きな役割を果たしている制度であることがわかります。
⚠️ 注意:事前着手制度の期限
能登3市3町以外の地域では、令和8年(2026年)3月31日をもって事前着手制度の適用が終了しています。同年4月1日以降は、県からの交付決定を受けてから復旧工事に着手する必要があります。能登3市3町については当面の間、事前着手制度の適用が継続されています。
小規模事業者事業継続支援補助金(国の持続化補助金への上乗せ)
国の「小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)」に対し、石川県が最大100万円を上乗せ補助する制度です。令和8年(2026年)4月1日に受付を開始し、令和8年度も募集を継続しています。県上乗せ分を令和8年度内に受け取りたい場合は、令和9年(2027年)2月26日までに申請書を提出する必要があります。
対象となるのは、国の持続化補助金「災害支援枠」のうち直接被害(補助上限200万円)で申請し、補助対象経費(総事業費)が300万円超で、復旧に関する経費(建物の修繕費、機械の修理・入替等)を含む事業者です。広報費や展示会出展費など、復旧に直接関係のないソフト事業のみで交付を受けた場合は、県上乗せ補助の対象外となる点に注意が必要です。なお、国の小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)自体は8次公募(令和8年4月締切)をもって公募を終了しています。
チャレンジ支援補助金・営業再開支援補助金
被災事業者の事業継続と再建を支えるため、県は「チャレンジ支援補助金」と「営業再開支援補助金」を令和8年(2026年)度も継続しています。営業再開支援補助金は被災によって営業を中断した事業者の再開を後押しする制度であり、チャレンジ支援補助金は再建にあたって新たな取組に挑戦する事業者を支える制度です。いずれも申請可能な期間や対象経費が定められているため、自社の状況に照らして対象となるかを確認することが重要です。
起業促進補助金
令和6年(2024年)能登半島地震以降、能登地域への新規参入・第二創業・第三者承継により新たに事業を始める方を支援する制度です。令和8年(2026年)度も募集を継続しており、被災地域の担い手不足という構造的な課題に対し、外部からの参入や事業承継を促す役割を担っています。被災地での創業や承継を検討される方にとって、活用を視野に入れるべき制度です。
伝統的工芸品産業支援補助金(令和8年度災害復興事業)
輪島塗や加賀友禅、九谷焼など、石川県を代表する伝統的工芸品の製造事業者等を対象とした国の補助金です。令和6年(2024年)能登半島地震および令和6年の大雨災害で被災した産地の復興を支援するもので、補助上限は1,000万円とされています。石川県の地域産業の根幹を支える伝統工芸の事業者にとって、復旧・再建の重要な原資となります。
成長・生産性向上を支える補助金
石川県省エネ設備等導入支援事業
県内の中堅・中小企業が省エネ設備や再エネ設備を導入する際の費用を補助する、石川県独自の制度です。エネルギーコストの削減と収益力の強化を同時に狙える点が特徴で、近年の電気・ガス料金の高止まりを踏まえると、固定費の構造的な見直しにつながる制度といえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2 |
| 補助額 | 上限600万円(下限50万円) |
| 加算 | 空調とセットで遮熱・断熱工事を実施した場合は別途200万円 |
| 対象 | 県内の中堅・中小企業による省エネ・再エネ設備投資 |
賃上げに取り組む事業者への支援
石川県は、賃上げを実施する企業が持続的な賃上げと成長を実現できるよう、企業の「稼ぐ力」の強化(生産性向上・収益力強化)に取り組む事業者を支援しています。この事業は国の重点支援地方交付金を活用して実施されており、令和8年(2026年)2月には県内に「賃上げ事業者支援センター」が開設されました。最低賃金の引上げ局面が続くなか、賃上げを単なるコスト増に終わらせず、生産性向上とセットで進める事業者にとって有効な支援です。
ISICO(いしかわ産業創出支援機構)の支援メニュー
石川県の中小企業支援の中核を担うのが、公益財団法人いしかわ産業創出支援機構(ISICO)です。単なる補助金の受付窓口にとどまらず、新製品・新技術の開発から事業化までを複数年で支える成長戦略ファンド、機器をISICOが購入し割賦販売する設備貸与制度、デジタル・IT分野の継続的な専門家派遣など、経営課題に応じた幅広いメニューを提供しています。補助金の申請を検討する前段階として、まずISICOの経営相談で自社の課題を整理することが、計画の精度と採択可能性を高める近道になります。
国の主要補助金との組み合わせという視点
石川県で資金調達を考えるうえで重要なのは、県独自の補助金だけでなく、国の主要補助金と組み合わせる発想です。被災事業者は国の災害支援制度に県・市町が上乗せする構造を活用でき、成長を狙う事業者はものづくり補助金などの全国制度を県の制度と併用できる場合があります。以下に、代表的な制度の性格を整理します。
| 制度 | 主な目的 | 位置づけ |
|---|---|---|
| なりわい再建支援補助金(県) | 施設・設備の復旧 | 被災事業者向けの最重要制度。市町の上乗せと併用できる場合がある |
| 小規模事業者事業継続支援補助金(県) | 国補助金への上乗せ | 国の持続化補助金(災害支援枠)の交付決定が前提 |
| 省エネ設備等導入支援事業(県) | 省エネ・再エネ投資 | 固定費削減と脱炭素を両立する成長型の県独自制度 |
| ものづくり補助金(国) | 設備投資・革新 | 全国共通制度。ISICO等の支援を受けながら申請するのが定石 |
| デジタル化・AI導入補助金(国) | IT・AI導入 | 業務効率化・生産性向上に向けたITツール導入を支援する全国制度 |
県の制度には市町が独自に上乗せを行っているものもあり、輪島市・七尾市・かほく市など各市町のホームページで併用の可否を確認することが、補助額の最大化につながります。
石川県の補助金を活用する際の実践ポイント
石川県の補助金を有効に活用するためには、いくつかの実務上の勘所があります。第一に、災害支援系の制度は公募回数や事前着手制度に期限があるため、自社が対象となる制度の締切と着手のタイミングを早い段階で押さえることが重要です。第二に、国・県・市町の制度を立体的に組み合わせる視点を持つことです。国の補助金に県が上乗せし、さらに市町が上乗せするという三層構造が成立する場合があり、これを把握するかどうかで最終的な自己負担額が大きく変わります。
第三に、ISICOや商工会・商工会議所といった公的な相談窓口を起点とすることです。申請前に自社の経営課題と事業計画を整理しておくことで、補助金ありきではなく、事業の方向性に沿った投資として制度を位置づけることができます。これは採択の可能性を高めるだけでなく、補助事業終了後の事業継続にも直結します。
📌 POINT:悪質な支援業者への注意
石川県は、なりわい再建支援補助金などの申請に際し、提供するサービス内容と大幅にかけ離れた高額な成功報酬を請求したり、経費の水増しを提案したりする悪質な業者への注意を公式に呼びかけています。外部の支援を受ける場合は、まず県の相談窓口や商工会・商工会議所といった公的機関に相談することが推奨されています。
申請時に押さえておきたい注意事項
補助金は原則として後払い(精算払い)であり、交付決定前に着手した経費は対象外となるのが基本です。なりわい再建支援補助金の事前着手制度のように特例が設けられている場合もありますが、期限や対象地域が限定されているため、安易に工事や発注を先行させることは避けるべきです。また、補助金で取得した財産には処分制限がかかり、目的外使用や不正があった場合には交付決定の取消しや返還を求められる点も理解しておく必要があります。制度ごとに要綱・公募要領が定められているため、申請前には必ず最新の一次情報を確認することが欠かせません。
まとめ:石川県の補助金で押さえるべき5つのポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ① 復興と成長の二本柱 | 令和8年(2026年)度は、能登復興支援と省エネ・賃上げ等の成長投資が並行して動いている。 |
| ② なりわい補助金が中核 | 被災事業者には上限15億円・補助率3/4のなりわい再建支援補助金が最重要制度となる。 |
| ③ 国・県・市町の三層構造 | 国の補助金に県・市町が上乗せする構造を把握すると、自己負担を大きく圧縮できる。 |
| ④ 期限と事前着手に注意 | 災害支援系は公募回数や事前着手制度に期限があり、早期の見極めが不可欠。 |
| ⑤ 相談窓口を起点に | ISICOや商工会・商工会議所を起点に、事業計画を整理してから申請するのが定石。 |
よくある質問(Q&A)
Q1.石川県の補助金は、被災していない事業者でも使えますか?
A1.使える制度があります。なりわい再建支援補助金や小規模事業者事業継続支援補助金など災害支援系の制度は被災事業者が対象ですが、省エネ設備等導入支援事業や賃上げ事業者への支援、ISICOの成長戦略ファンドなどは、被災の有無にかかわらず県内の中小企業が活用を検討できます。さらに、ものづくり補助金やデジタル化・AI導入補助金といった国の制度は全国の事業者が対象です。自社の状況に応じて、復興支援系と成長支援系のどちらが適しているかを整理することが出発点になります。
Q2.なりわい再建支援補助金の上限15億円は、どの事業者でも受けられますか?
A2.上限額であり、全事業者が受け取れる金額ではありません。なりわい再建支援補助金は被災した施設・設備の復旧費用に対して交付されるもので、実際の補助額は被害の規模と復旧に要する経費に応じて決まります。補助率は中小企業・小規模事業者で3/4、中堅企業等で1/2です。原状回復が原則であり、被災前を超える機能向上分は対象外となる場合があるため、復旧計画の立て方が補助額を左右します。
Q3.国の持続化補助金と県の上乗せ補助は両方申請できますか?
A3.両方が前提の制度です。県の「小規模事業者事業継続支援補助金」は、国の小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)の交付決定を受けて補助金の受取が完了した事業者を対象に、最大100万円を上乗せする仕組みです。つまり、まず国の補助金を受け取ってから県の上乗せに申請する流れになります。さらに市町が独自に上乗せを行っている場合もあり、県の上乗せと併用できるケースがあります。
Q4.申請の窓口はどこになりますか?
A4.制度ごとに異なります。なりわい再建支援補助金は金沢事業者支援センターや能登事業者支援センターが相談・受付の窓口となります。小規模事業者持続化補助金の申請は商工会・商工会議所が受付窓口です。成長支援系や研究開発系の制度はISICO(いしかわ産業創出支援機構)が窓口を担うものが多くあります。能登の被災事業者専用としては能登事業者支援センター(0120-262-380)も設置されています。どの制度を使うべきか迷う場合は、まず公的な相談窓口で全体像を整理することが有効です。
Q5.省エネ設備等導入支援事業は、どのような設備が対象ですか?
A5.省エネ設備および再エネ設備が対象です。県内の中堅・中小企業が省エネ・再エネに資する設備を導入する際の費用を、補助率1/2・上限600万円(下限50万円)で補助します。さらに空調設備とセットで遮熱・断熱工事を実施した場合は、別途200万円が加算されます。エネルギーコストの削減と収益力強化を同時に狙える制度であり、電気・ガス料金の高止まりが続くなかで固定費構造を見直したい事業者に適しています。具体的な対象設備や要件は、公募時点の要領で確認することが必要です。
Q6.補助金は申請すれば必ず受け取れますか?
A6.制度の性格によって異なります。なりわい再建支援補助金のように被害の復旧を支える制度は、要件を満たし計画が認められれば交付されますが、成長支援系の制度には審査があり、申請したすべての事業者が採択されるわけではありません。いずれの制度も、要綱に定められた要件を満たし、必要書類を整え、事業計画の妥当性を示すことが前提となります。補助金ありきではなく、事業の方向性に沿った投資として位置づけることが、結果的に採択の可能性を高めます。
Q7.交付決定の前に工事を始めても大丈夫ですか?
A7.原則として交付決定前の着手は対象外です。補助金は交付決定を受けてから着手するのが基本であり、事前に発注・着工した経費は補助対象とならないのが通常です。なりわい再建支援補助金には事前着手制度という特例がありますが、能登3市3町以外の地域では令和8年(2026年)3月31日で適用が終了しており、同年4月1日以降は交付決定後に着手する必要があります。能登3市3町については当面継続されていますが、適用の前提が崩れると補助対象外となるため、着手前に必ず窓口へ確認することが重要です。
Q8.伝統工芸の事業者向けの補助金はありますか?
A8.あります。国の「伝統的工芸品産業支援補助金(令和8年度災害復興事業)」では、令和6年(2024年)能登半島地震等で被災した輪島塗・加賀友禅・九谷焼などの製造事業者等を対象に、補助上限1,000万円の支援が用意されています。石川県内の伝統工芸品産地を対象とした特別な復興枠であり、被災した工房や設備の再建に活用できます。県の各種制度や市町の上乗せと組み合わせられる可能性もあるため、産地の支援団体や県の窓口を通じて全体像を確認することが望まれます。
Q9.複数の補助金を組み合わせるとき、注意すべきことは何ですか?
A9.同一経費への重複受給は認められないのが原則です。国・県・市町の制度を組み合わせる際は、同じ経費に複数の補助金を充てる「重複」と、国の補助金に県・市町が「上乗せ」する仕組みを区別する必要があります。上乗せは制度設計として認められている一方、同一経費に対する重複受給は原則禁止です。どの経費にどの制度を充てるかを設計する段階で、各制度の併用ルールを正確に把握しておくことが、後の返還リスクを避けるうえで欠かせません。判断に迷う場合は、申請前に窓口や認定支援機関に確認することが安全です。
Q10.経営者として、補助金活用で最も意識すべきことは何ですか?
A10.補助金を「目的」ではなく「手段」として位置づけることです。補助金は事業の方向性を実現するための資金調達手段の一つにすぎません。補助金を取ること自体が目的化すると、本来必要のない投資を行ってしまったり、補助事業終了後に継続できない事業を抱え込んだりするリスクがあります。自社が中長期でどこへ向かうのかという経営計画を先に描き、その実現を補助金で後押しするという順序を守ることが、復興期・成長期のいずれにおいても最も重要です。早い段階で事業計画を整理し、信頼できる相談先とともに制度を選ぶことが賢明です。
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