【令和8年度(2026年度)】長崎県の補助金徹底解説|中小企業が今すぐ使える主要制度と造船・水産・観光業向け活用戦略

令和8年(2026年)4月、長崎県の令和8年度当初予算が成立し、各補助金事業の公募が順次始まっています。さらに同年6月には698億円規模の補正予算案が発表され、造船業の中堅企業向け設備投資に最大3,000万円の上乗せ補助も新設されました。長崎県の中小企業にとっては、令和8年度の補助金パッケージを正確に押さえることが、設備投資・賃上げ・事業承継・DX推進を一気に進める重要な手掛かりとなります。

本記事で扱う補助金の核心は、「県独自の補助金は順序とタイミングが極めて重要」という点にあります。長崎県のデジタル力向上支援とAI活用力向上支援は、後者の申請が前者の活用実績を前提とする「段階設計」になっています。また、創業支援・事業承継・賃上げ支援は、それぞれが国の補助金と組み合わせることで実質負担を大きく圧縮できる構造です。

本記事では、長崎県内の中小企業・小規模事業者・士業の方を対象に、令和8年度の県独自補助金と長崎市の補助金、さらに国の主要補助金との組み合わせ方を網羅的に整理します。造船業・水産加工業・観光業など長崎県の主力産業ごとの活用シナリオも提示しますので、自社の経営課題と照らし合わせながらご一読ください。

長崎県の経済構造と補助金活用の前提

長崎県の産業構造は、造船業・水産業・観光業・食品加工業という多彩な基盤を持つ点に特徴があります。三菱重工長崎造船所や大島造船所を中心とした造船業、全国でも有数の水揚高を誇る水産業、ハウステンボスや潜伏キリシタン関連遺産を抱える観光業、そしてカステラに代表される食品加工業。これらの産業はいずれも、設備投資・人材育成・DX推進・販路開拓のいずれかに重い経営課題を抱えており、補助金活用の必要性が高い分野です。

令和8年(2026年)3月に就任した平田研知事のもとで編成された令和8年度6月補正予算案(一般会計698億円)では、造船業強化に1億6,200万円が計上され、中堅企業の設備投資に最大3,000万円を補助する仕組みが盛り込まれています。長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の世界遺産登録10年(2028年)に向けた受け入れ環境整備にも8,300万円が充てられており、観光業関連事業者にとっても追い風となっています。

この経済政策の流れを踏まえると、長崎県の補助金は単独で活用するよりも、「県独自制度+市町補助金+国の補助金」の三層構造で組み合わせることで、実質負担を最小化できる設計になっていることが分かります。以下では、まず令和8年度の長崎県補助金パッケージの全体像を俯瞰し、その後で個別制度を詳細に解説していきます。

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令和8年度 長崎県の補助金パッケージ全体像

長崎県の令和8年度(2026年度)の主要補助金は、目的別に大きく「DX・AI推進」「創業・事業承継」「賃上げ・職場環境改善」「物価高騰対策」の4カテゴリに整理できます。それぞれの制度を一覧で把握することで、自社の経営課題に最も近い制度から優先順位を付けることができます。

以下の一覧表は、令和8年(2026年)6月時点で公募中または公募予定の主要な県独自補助金をまとめたものです。補助率・上限額・申請期間は変更される可能性があるため、申請時には必ず長崎県ホームページの公募要領で最新情報を確認してください。

補助金名 補助上限額 補助率 主な対象
デジタル力向上支援事業費補助金 100万円 2/3以内 DX未着手の県内中小企業
AI活用力向上支援事業費補助金 100万円 2/3以内 デジタル力向上補助金の活用実績がある事業者
創業支援事業補助金 200万円(過去実績) 1/2以内 県内で社会的事業を創業する者
事業承継促進・後継者事業展開支援補助金 経費別50万円 1/2(小規模2/3) 5年以内に事業承継を行う者
中小・小規模事業者賃上げ緊急支援金 公募要領参照 公募要領参照 賃上げ実施事業者
魅力ある職場づくり推進補助金 公募予定 公募予定 職場環境改善に取り組む事業者
外国人材スキルアップ支援補助金 公募要領参照 公募要領参照 外国人材を雇用する事業者
事業者向けLPガス価格高騰緊急対策支援事業費補助金 公募要領参照 公募要領参照 工業用LPガス利用事業者

POINT

長崎県の補助金は「DX入門→AI活用→賃上げ→事業承継」という段階設計になっており、自社の経営フェーズに応じて使う順序を組み立てることが重要です。特にデジタル力向上支援とAI活用力向上支援は、後者の申請に前者の活用実績が要件として課されているため、申請順序を間違えると活用機会を失います。

県独自の主要補助金 個別解説

令和8年度 デジタル力向上支援事業費補助金

長崎県デジタル力向上支援事業費補助金は、県内中小企業のデジタル人材育成とIT機器・デジタルツール導入を支援する制度です。生産性向上や業務効率化に取り組む事業者にとって、最も基礎的かつ使い勝手の良い県独自補助金として位置づけられています。

令和8年度の制度設計は、補助率3分の2以内・補助額10万円〜100万円・1事業者につき1回限りという内容です。対象は、県内に主たる事業所を置き創業後1年以上事業を営む中小企業・小規模事業者で、みなし大企業は除外されます。令和5年度から令和7年度にデジタル力向上支援事業費補助金や類似の補助金(宿泊施設DX人材育成等、水産業デジタル力向上支援、介護ロボット・ICT等活用人材育成事業など)の交付を受けていないことが条件になります。

令和8年(2026年)5月29日には募集期限が延長されており、申請受付は継続しています。補助金活用にあたっては、業務効率化等を通じた賃上げ等の職場環境改善に取り組む意思表示として、国推奨の「パートナーシップ構築宣言」または県の「Nぴか」認証取得(申請中を含む)のいずれかが求められます。

長崎県AI活用力向上支援事業費補助金

長崎県AI活用力向上支援事業費補助金は、令和8年度に新たに展開が本格化した制度で、デジタル力向上支援事業費補助金等を活用した事業者を対象に、企業内でAIを活用できる人材育成やAIを組み込んだツール導入を支援する仕組みです。生成AIの業務活用が急速に広がる現在、長崎県内事業者にとって極めて時宜を得た制度といえます。

制度設計は、補助率3分の2以内・補助額20万円〜100万円(人材育成費が5万円未満の場合は上限50万円)となっており、1事業者につき1回限りの申請が可能です。補助対象経費には、AIツールやIT機器等の導入経費(AIの機能を含むソフトウェアやクラウドサービス等)、人材育成経費が含まれます。事業の実施期限は令和8年(2026年)12月31日までに受講・導入・支払いが完了している必要があります。

申請の前提条件として「長崎県デジタル力向上支援事業費補助金や別に定める類似の補助金を活用した実績があること」が要件となっている点に注意が必要です。AI活用力向上支援に直接申し込めるのは、これまでに県のデジタル人材育成補助金を活用した事業者に限られます。デジタル化未着手の事業者は、まず令和8年度のデジタル力向上支援事業費補助金から始めることになります。

令和8年度 長崎県創業支援事業補助金(地域産業雇用創出チャレンジ支援事業)

長崎県創業支援事業補助金は、長崎県内で社会的事業を創業する者を対象に、創業に必要な経費の一部を補助する制度です。令和8年度は2026年(令和8年)4月10日から公募が始まり、地域課題の解決に資する事業や、県外からの移住創業、デジタル技術を活用した事業の創業を主な対象としています。

補助率は1/2以内で、補助対象経費は人件費・設備費・店舗等借入費・広告宣伝費など、創業に要する幅広い経費が含まれます。申請には、創業地域の商工会・商工会議所その他認定経営革新等支援機関の助言等を受けて事業計画を作成することが必要です。長崎県内に居住しているか、事業期間完了日までに県内に居住する見込みがあることも要件となります。

対象事業は次の4つの社会性要件を満たす必要があります。① サービス供給の不足等の地域課題の解決に資すること、② サービスの対価による自立的な事業継続が可能であること、③ 生産性向上・機会損失解消・顧客利便性向上につながるデジタル技術を活用していること、④ 地域活性化・まちづくり・地域交通・社会教育・子育て支援・環境・社会福祉・Society5.0関連のいずれかに沿うものであること。東京23区内から長崎県内に移住して創業支援事業の採択を受けた方は、別途「移住支援金」(世帯100万円、単身60万円)を受給できる可能性もあります。

令和8年度 事業承継促進・後継者事業展開支援補助金

事業承継促進・後継者事業展開支援補助金は、物価高騰等での先行き不安による廃業を抑制し、地域の雇用維持や技術・技能の伝承に繋げることを目的とした制度です。親族内承継・親族外承継・第三者譲渡(M&A)のいずれも対象となり、承継にかかる支出だけでなく承継後の新商品開発や設備投資といった展開資金も補助対象に含まれる、実践的な支援制度です。

令和8年度の制度設計は、補助率1/2(小規模企業者は2/3)・補助上限額は経費区分別に50万円・下限額10万円となっています。申請期間は令和8年(2026年)3月30日から令和8年(2026年)9月30日までで、予算上限到達時点で受付終了となります。「課題整理」と「事業展開」の2区分があり、両方に該当する場合は合計額(最大100万円)を申請できます。

申請の重要要件として、「長崎県事業承継・引継ぎ支援センターの支援を受けており、今後5年以内の事業承継に取り組む者であること」が義務付けられています。同センターの確認書(様式第5-1号または第5-2号)の取得が必須となるため、申請を検討する段階で同センターへの相談を早めに開始することが賢明です。事業承継・引継ぎ支援センターは公的機関であり、相談料は無料です。

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中小・小規模事業者賃上げ緊急支援金/魅力ある職場づくり推進補助金

令和8年度の長崎県では、賃上げや職場環境改善に取り組む事業者を直接支援する複数の制度が運用されています。「中小・小規模事業者賃上げ緊急支援金」は、最低賃金引上げ等を踏まえた賃上げを実施する事業者向けの緊急支援として位置づけられています。「魅力ある職場づくり推進補助金」は、働きやすい職場づくりを通じた人材確保・定着を支援する制度です。

これらの制度は、令和8年度6月補正予算で示された「日本一共働き・共育てしやすい長崎県づくり」の方針とも整合しています。最新の公募要領は長崎県ホームページや長崎商工会議所のサイトで順次公開されているため、賃上げや働き方改革を検討している事業者は、定期的に公募情報をチェックすることが推奨されます。

長崎市の主要補助金

長崎県内最大の経済圏である長崎市では、県補助金と並行して市独自の補助制度が多数運用されています。長崎市内に主たる事業所を置く事業者は、県補助金と市補助金の重複申請可能な範囲を見極めることで、自己負担を大幅に圧縮できます。

長崎市チャレンジ企業応援事業費補助金(令和8年物価高騰対策関連)

長崎市チャレンジ企業応援事業費補助金は、市内製造業・建設業・運輸業・機械設計業等を対象に、設備投資や人材育成、専門家招聘などを支援する制度です。令和8年度では「成長分野枠」「地域経済牽引枠」が設けられ、造船・航空機・洋上風力等の長崎市の成長分野に該当する事業者には別枠での支援が予定されています。申請期間は令和8年(2026年)9月30日まで(予算がなくなり次第終了)で、予算枠を意識した早期申請が望まれます。

長崎市省エネ設備等更新支援補助金/職場環境改善事業費補助金

令和8年物価高騰対策関連として、長崎市省エネ設備等更新支援補助金は、エネルギーコスト上昇に対応するための省エネ設備更新を支援します。長崎市職場環境改善事業費補助金は、市内事業者の職場環境改善(休憩室整備、衛生環境改善など)を支援する制度です。両制度とも、物価高騰の影響を受けている事業者への直接的な支援として機能しています。

長崎市伴走型DX化支援費補助金/長崎市Gx推進事業費補助金

長崎市伴走型DX化支援費補助金は、DX推進のための人材育成経費(研修・コンサルティング等)が対象で、システム・機器の購入費は対象外と明記されている点に注意が必要です。システム導入は長崎県デジタル力向上支援事業費補助金で、人材育成や伴走支援は長崎市の本補助金で、というように制度を切り分けて活用することが効率的です。

Gx推進事業費補助金は、グリーン・トランスフォーメーション(GX)推進のための取組を支援する制度で、脱炭素経営や省エネ投資を検討している事業者にとって有力な選択肢となります。

国の主要補助金との組み合わせ戦略

長崎県内事業者が令和8年度に活用できる国の主要補助金は、デジタル化・AI導入補助金、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、省力化投資補助金、新事業進出補助金、大規模成長投資補助金などです。これらは長崎県の補助金より補助上限額が大きく、設備投資や事業転換の本格的な実行段階で活用することが基本となります。

国の補助金 補助上限 長崎県事業者の主な活用シーン
デジタル化・AI導入補助金 450万円程度(枠による) 業務システム・生成AIの導入
小規模事業者持続化補助金 50万円〜250万円 販路開拓・観光客向け広報
ものづくり補助金 750万円〜数千万円 造船関連設備、水産加工機械
省力化投資補助金(一般型) 最大1億円 人手不足対応の自動化設備
新事業進出補助金 最大9,000万円 新市場への進出・事業転換

補足

国の補助金と県・市の補助金は、同一の対象経費に対する重複申請はできないのが原則です。ただし、対象経費が異なれば組み合わせて活用することが可能です。例えば、ものづくり補助金で生産設備を導入し、県のデジタル力向上支援補助金で従業員のITスキル研修を実施するといった棲み分けは認められます。

長崎県の主要産業別 補助金活用シナリオ

造船・関連製造業

長崎の基幹産業である造船業では、令和8年度6月補正予算で中堅企業の設備投資に最大3,000万円の補助が新設される動きがあり、令和7年度補正のものづくり補助金や大規模成長投資補助金とも組み合わせやすい環境です。CADソフトのAI化、溶接ロボットの導入、品質検査のAI化など、設備投資と人材育成の両面で補助金を活用できます。長崎市チャレンジ企業応援事業費補助金の「成長分野枠」も造船・航空機・洋上風力等を対象としており、市レベルでの上乗せ支援も視野に入ります。

水産業・水産加工業

長崎県は水揚高において全国でも有数の漁業県であり、水産加工業の高付加価値化と省力化が経営課題となっています。省力化投資補助金(一般型)で自動加工ラインや包装機械を導入し、デジタル化・AI導入補助金で受発注システムを構築するといった組み合わせが有効です。水産業向けには、過去に「水産業デジタル力向上支援費補助金」も運用されており、業界特化型の制度動向にも注視が必要です。

観光業・宿泊業・飲食業

潜伏キリシタン関連遺産の世界遺産登録10年(2028年)を控え、観光受け入れ環境整備が県全体の重点課題となっています。宿泊施設はデジタル化・AI導入補助金で予約管理・チェックインの自動化を、小規模事業者持続化補助金で多言語対応の販促物制作を進めることが定石です。飲食業ではキャッシュレス決済導入、メニューの多言語化、SNS発信強化などが補助金活用の典型例となります。

食品加工業(カステラ・水産加工等)

長崎を象徴するカステラ業界をはじめとした食品加工業では、ものづくり補助金で生産設備を更新し、AI活用力向上支援事業費補助金で需要予測AIや在庫管理AIを導入する戦略が考えられます。県のデジタル力向上支援事業費補助金を入り口に、段階的にAI活用へ進む流れを設計することで、人手不足と高付加価値化の両課題に同時に対応できます。

離島事業者(対馬・壱岐・五島)

特定有人国境離島地域である対馬・壱岐・五島では、「雇用機会拡充事業」による創業・事業拡大支援が独自に展開されています。離島という地理的制約を逆手に取り、観光と一次産業の融合型ビジネスや、リモートワーク受け入れ型のシェアオフィス事業など、地域課題解決型事業との親和性が高い創業支援補助金との組み合わせが効果的です。

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申請の流れと注意点

長崎県の補助金申請は、いずれの制度も「公募要領の確認→事業計画の策定→申請書類の準備→提出→交付決定→事業実施→実績報告→補助金交付」という流れを踏みます。提出方法は郵送(特定記録郵便・レターパック等の追跡可能な方法)が原則で、電子申請対応の制度は限定的です。

注意

補助事業の着手(契約・発注等)は、必ず「交付決定通知書」を受け取った後に開始する必要があります。交付決定前に契約・発注した経費は補助対象外となるため、設備購入や外部委託のタイミングは厳格に管理する必要があります。交付決定に要する期間は、書類不備がなければ概ね1〜2カ月程度が目安です。

令和8年度から重要となるのが、「Nぴか」認証または「パートナーシップ構築宣言」の取得状況です。デジタル力向上支援事業費補助金・AI活用力向上支援事業費補助金とも、補助金活用を通じた職場環境改善の意思表示として、これらのいずれかを満たすことが求められます。「Nぴか」は長崎県独自の認証制度で、申請中の状態でも要件を満たすと扱われるため、補助金申請と並行して進めることが現実的です。

また、申請書類の添付資料として「市税・県税の未納がない証明」が必要になる制度がほとんどです。証明書の発行には数日を要するため、申請期限に余裕を持って準備を進めることが重要です。提出書類の不備や追加提出が発生すると交付決定が遅れ、事業実施期間が短くなって計画通りに執行できないというリスクも生じます。

まとめ

長崎県の令和8年度(2026年度)補助金パッケージは、DX推進・創業・事業承継・賃上げ・物価高騰対策を多層的にカバーする構成となっています。県独自制度・市町補助金・国の補助金を組み合わせて活用することで、設備投資や人材育成の自己負担を大きく圧縮できる仕組みです。

ポイント 内容
① 段階設計の理解 デジタル力向上支援補助金からAI活用力向上支援補助金へという順序が制度設計に組み込まれている。最初の申請から計画的に取り組むことが、後の補助金活用機会を広げる鍵となる。
② 県・市・国の三層活用 同一経費の重複は不可だが、対象経費が異なれば組み合わせ可能。県のデジタル力向上+市のDX伴走支援+国の省力化投資補助金といった多層活用が実質負担を最小化する。
③ 事業承継は早期相談が必須 事業承継促進・後継者事業展開支援補助金は、長崎県事業承継・引継ぎ支援センターによる確認書が必須要件。申請を検討する段階で同センターへの相談を早めに開始することが賢明である。
④ 6月補正予算の動きを注視 令和8年度6月補正で造船業の中堅企業向け設備投資補助(最大3,000万円)など新たな支援策が予定されている。県の公募情報を定期的にチェックする体制が、補助金活用の差を生む。
⑤ 認定支援機関の活用 創業支援事業補助金は商工会・商工会議所等の認定経営革新等支援機関の助言が要件。複数補助金の組み合わせ戦略を立てる際も、認定支援機関のサポートを得ることが採択率向上の近道となる。

よくあるご質問

Q1.長崎県内に事業所がない場合でも、長崎県の補助金は申請できますか?

A1.原則として申請できません。長崎県の補助金は、ほぼ全ての制度で「県内に主たる事業所等を置く」ことが要件となっています。創業支援事業補助金については、事業期間完了日までに県内に居住し、創業または事業承継後も県内に定住することが条件となるため、移住者の創業も対象に含まれます。県外事業者が長崎県の補助金活用を検討する場合は、まず県内への事業所設置を検討する必要があります。なお、国の補助金(デジタル化・AI導入補助金、ものづくり補助金等)は全国の中小企業が対象となるため、こちらは事業所所在地に関わらず申請可能です。

Q2.デジタル力向上支援事業費補助金とAI活用力向上支援事業費補助金は、両方申請できますか?

A2.両方を同一年度に申請することはできませんが、異なる年度に段階的に活用することは可能です。長崎県の制度設計上、AI活用力向上支援事業費補助金の申請には「デジタル力向上支援事業費補助金または類似の補助金の活用実績があること」が要件となっています。つまり、令和8年度にデジタル力向上支援補助金で初歩的なDXを進め、その実績をもとに翌年度以降にAI活用力向上支援補助金を申請するという流れが想定されています。すでにデジタル力向上支援補助金の活用実績がある事業者は、令和8年度にAI活用力向上支援補助金を直接申請することが可能です。

Q3.事業承継促進・後継者事業展開支援補助金は、M&Aによる承継でも使えますか?

A3.使えます。本補助金は親族内承継・親族外承継・第三者譲渡(M&A)のいずれも対象としています。M&Aの場合は、仲介費・登記費用・株式取得関連費用などが補助対象となり、承継後の新商品開発や設備投資といった事業展開経費も補助されます。ただし、長崎県事業承継・引継ぎ支援センターによる確認書(様式第5-1号または第5-2号)の取得が必須要件となるため、M&Aを検討する初期段階で同センターへの相談を開始することが推奨されます。M&A仲介会社を利用する場合でも、同センターの相談・確認プロセスは別途必要となる点に注意が必要です。

Q4.「IT導入補助金」は令和8年度も使えますか?

A4.従来のIT導入補助金は、令和8年(2026年)1月23日に「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更されました。制度の骨格は基本的に同様で、補助対象となるソフトウェアに生成AIも含まれるようになった点が大きな変更です。長崎県内の事業者も引き続き活用できる制度であり、登録済みのIT導入支援事業者(ベンダー)を経由して申請する仕組みも変わりません。年6〜7回程度の公募が予定されているため、申請のチャンスは比較的多い制度です。

Q5.長崎市の補助金と県の補助金は同時に使えますか?

A5.同一の対象経費に対しては併用できませんが、対象経費が異なれば組み合わせ可能です。例えば、長崎県デジタル力向上支援事業費補助金で業務システムを導入し、長崎市伴走型DX化支援費補助金でその活用研修・コンサルティングを実施するといった棲み分けが認められます。長崎市伴走型DX化支援費補助金は「DX推進のための人材育成経費のみ」が対象でシステム・機器の購入費は対象外と明記されているため、制度ごとの対象経費の範囲を公募要領で正確に確認することが重要です。

Q6.補助金は申請すれば必ず受給できますか?

A6.補助金は申請したからといって必ず採択されるわけではありません。多くの補助金には審査があり、事業計画の妥当性・実現可能性・地域貢献度・効果測定の設計などが評価されます。特に国の補助金(ものづくり補助金、新事業進出補助金等)は採択率が30〜50%程度の制度が多く、申請書類の質が採択を大きく左右します。長崎県の補助金についても、予算枠を意識した先着順の側面と、事業計画の質を評価する側面の両方があるため、早期申請かつ計画の作り込みの両立が重要です。

Q7.Nぴか認証はどうやって取得すればよいですか?

A7.Nぴか認証は、長崎県の「誰もが働きやすい職場づくり実践企業認証制度」で、年齢・性別に関係なく誰もが働きやすい環境づくりに積極的に取り組む県内企業を県が優良企業として認証する制度です。マイページから申請でき、申請中の状態でも補助金要件を満たす扱いとなるため、まず申請を進めることが現実的です。認証取得には労働環境や育児・介護支援、ハラスメント対策などの取組状況が評価対象となります。詳細は長崎県の公式ポータルサイトで確認できます。

Q8.補助金の申請書類を税理士や社労士に作成してもらうことはできますか?

A8.補助金申請書類の作成代行については、令和8年(2026年)1月施行の改正行政書士法により、有償での書類作成代行は行政書士の独占業務となっています。中小企業診断士や認定経営革新等支援機関は、事業計画策定の助言・伴走支援・申請内容のレビュー等を行うことができますが、書類そのものの作成代行は行政書士の業務範囲です。長崎県内の事業者が補助金申請を検討する際は、計画策定の助言は中小企業診断士・認定支援機関に、書類作成代行は行政書士に依頼するという役割分担を理解しておくことが重要です。

Q9.補助金交付決定前に設備を発注してしまったらどうなりますか?

A9.原則として補助対象外となります。長崎県の補助金はほぼ全ての制度で「交付決定通知書を受け取った後」に補助事業を開始することが要件となっており、交付決定前に契約・発注した経費は補助金の対象として認められません。設備購入や外部委託のタイミングは厳格に管理する必要があります。やむを得ない事情で先行発注が必要な場合は、所管課に事前相談することが最低限のリスク管理となります。事後的に「知らなかった」では救済されないため、発注前の確認を徹底することが賢明です。

Q10.複数の補助金をどう組み合わせて使うのが最も効率的ですか?

A10.長崎県内中小企業にとっての標準的な活用順序は、「①県のデジタル力向上支援で土台を作る→②小規模事業者持続化補助金で販路開拓→③ものづくり補助金または省力化投資補助金で本格設備投資→④AI活用力向上支援でAI活用へ進化→⑤事業承継・新事業進出補助金で次のフェーズへ」という流れです。1年ごとに段階的に進めることで、各補助金の要件を満たしながら継続的に支援を受けられます。重要なのは、単発の補助金獲得ではなく、3〜5年スパンで複数補助金を組み合わせる「補助金ロードマップ」を描くことです。認定経営革新等支援機関と中長期計画を共有しながら進めることで、採択率も活用効率も高まります。

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壱市コンサルティングは、認定経営革新等支援機関として、長崎県を含む全国の中小企業の経営者に伴走しています。補助金の申請書類作成代行ではなく、事業計画の策定から実行・効果測定まで、経営者と一緒に考える「伴走型の補助金活用支援」を提供しています。

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3〜5年スパンで、県・市・国の補助金を組み合わせた中長期ロードマップを設計。単発の獲得ではなく継続的な活用を実現します。

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認定経営革新等支援機関として、事業計画の妥当性検証・採択率向上のための内容ブラッシュアップを担当。経営者の意思決定をサポートします。

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※本記事は令和8年(2026年)6月時点の公表情報をもとに作成しています。各補助金の最新の公募要領・申請要件・スケジュールは、長崎県ホームページ、長崎商工会議所、各市町の公式サイト等で必ずご確認ください。本記事の内容は一般的な情報提供であり、個別の申請可否や採択を保証するものではありません。

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