【2026年最新】人材開発支援助成金とは?コース・助成率と令和8年度の改正・時限措置を徹底解説

人材開発支援助成金は、従業員に職務に関連した研修・職業訓練を実施した事業主に対し、訓練にかかった経費と訓練期間中の賃金の一部を助成する厚生労働省の制度です。DX人材の育成やリスキリングを進めたい企業にとって、人材育成のコストを大きく下げられる有力な支援策です。

特に注意すべきは、手厚い助成で知られる「事業展開等リスキリング支援コース」「人への投資促進コース」が、令和8年(2026年)度末で終了する時限措置である点です。最大75%という高い経費助成率を活用できるのは、実質的に令和8年度内に計画届を提出し、訓練を実施できる企業に限られます。

本記事では、令和8年(2026年)度の人材開発支援助成金について、コースの全体像・助成内容・令和8年度の改正点・申請の流れ・注意点を網羅的に解説します。人材育成への投資を検討している経営者の方に向けて、活用のポイントを整理します。

人材開発支援助成金の全体像とコース構成

人材開発支援助成金は、訓練の目的や方法に応じて複数のコースで構成されています。令和8年(2026年)度はおおむね7つのコースが運用されており、一般の企業が人材育成で活用するのは、次の4コースが中心です。

コース 内容
人材育成支援コース 職務に関連した知識・技能の訓練、OJT付き訓練、非正規雇用労働者の正社員化を目指す訓練を支援
教育訓練休暇等付与コース 有給の教育訓練休暇制度を導入し、従業員の自発的な学びを支援
人への投資促進コース デジタル人材育成や高度な訓練などを支援(時限措置)
事業展開等リスキリング支援コース 新事業展開やDX・GXに伴うリスキリング訓練を支援(時限措置)

このほか、建設労働者を対象とした認定訓練コース・技能実習コースなどが設けられています。なお、人材開発支援助成金を申請するのは事業主であり、従業員本人が直接申請する制度ではありません。従業員個人が活用できる制度としては、ハローワークの教育訓練給付金が別に用意されています。

助成内容|最大75%の経費助成と賃金助成

人材開発支援助成金は、大きく「訓練にかかった経費の助成」と「訓練期間中の賃金の助成」の2本立てです。助成率や助成額はコースと企業規模によって異なり、なかでも事業展開等リスキリング支援コースは、経費助成率が中小企業で最大75%と高水準に設定されています。

POINT
研修費用の多くを助成でまかないながら、訓練を受けている時間の賃金にも助成が出るため、「学ばせている間の人件費」と「研修費」の両方の負担を軽減できるのがこの制度の強みです。外部研修・eラーニング・OJTなど、訓練の形態に応じて活用できます。

助成率・賃金助成の単価は、訓練の種類や企業規模、対象労働者の属性によって細かく定められています。自社のケースで受け取れる額は、厚生労働省が公表する各コースのパンフレットで確認する必要があります。

令和8年(2026年)度の主な改正点

令和8年(2026年)度は、令和8年3月以降に複数の制度改正が施行され、活用しやすい方向への見直しと、新たな加算・訓練類型の新設が行われました。主な改正点を整理します。

改正項目 内容
中高年齢者実習型訓練の新設 人材育成支援コースに、中高年齢者向けの実践的な訓練類型を新設(令和8年4月8日)
設備投資加算の新設 事業展開等リスキリング支援コースに設備投資加算を新設(令和8年4月8日)
対象訓練の拡充・分割支給申請 令和8年3月2日施行。支給対象訓練の拡充と分割支給申請の導入で活用しやすく
疎明書の提出 令和8年5月14日以降、一部コースで受講料等の価格設定に関する疎明書の提出が必要に
注意
電子申請は雇用関係助成金ポータルで可能ですが、令和8年3月2日以降の改正内容(対象訓練の拡充・分割支給申請など)については電子申請画面が準備中のため、当面は紙での申請が必要となる場合があります。申請方法は、申請時点での厚生労働省の最新案内を必ず確認してください。

リスキリング支援は令和8年度末で終了|今が活用のラストチャンス

事業展開等リスキリング支援コースと人への投資促進コースは、政府の「人への投資」集中投資の一環として設けられた令和4年度から令和8年(2026年)度末(2027年3月末)までの時限措置です。令和9年度以降の継続は現時点で未定であり、最大75%という高い経費助成を活用するには、令和8年度内に計画届の提出と訓練の実施を完了させる必要があります。

スケジュールの逆算が重要
計画届は、訓練開始日の1か月前から6か月前までに提出する必要があります。訓練の実施期間や支給申請(訓練終了後2か月以内)まで含めて逆算すると、令和8年度内での活用には早めの着手が欠かせません。「来年度でいい」と考えていると、時限措置の恩恵を受けられなくなるおそれがあります。

申請の流れと、申請代行の取り扱い

ステップ 内容
① 訓練計画の作成・提出 訓練開始の1〜6か月前までに、訓練計画届を都道府県労働局へ提出する
② 訓練の実施 計画に沿って研修・職業訓練を実施する
③ 支給申請 訓練終了後2か月以内に労働局へ支給申請を行う
④ 助成金の受給 審査を経て助成金が支給される

人材開発支援助成金も雇用保険を財源とする雇用関係助成金であり、申請書類の作成・提出代行は社会保険労務士の独占業務です。社会保険労務士の資格を持たない業者が業として代行することはできません。研修会社が「助成金を使えます」と案内する場合でも、実際の申請手続きは社会保険労務士が担う体制かを確認することが重要です。

補助金との組み合わせ|AI・DX人材育成を一体で進める

人材開発支援助成金は「人への投資」を支える制度であり、設備やツールへの投資を支える補助金と組み合わせることで、DX・AI活用を人と設備の両面から進められます。たとえば、デジタル化・AI導入補助金でツールを導入し、その活用を担う人材の育成を人材開発支援助成金で進める、という設計です。

投資の対象 活用する制度 主な相談先
人材の育成・リスキリング 人材開発支援助成金 社会保険労務士
ITツール・AIの導入 デジタル化・AI導入補助金 行政書士・認定支援機関
新事業の設備投資 ものづくり補助金・新事業進出補助金 行政書士・認定支援機関

まとめ|人材開発支援助成金で押さえるべき5つのポイント

ポイント 内容
① 経費+賃金を助成 研修費用と訓練中の賃金の両方が助成対象となり、人材育成の負担を軽減できます。
② 最大75%の経費助成 リスキリング支援コースは中小企業で経費助成率が最大75%と高水準です。
③ 令和8年度末で時限終了 リスキリング・人への投資の両コースは2027年3月末までの時限措置です。
④ 計画届は事前提出 訓練開始の1〜6か月前までの計画届提出が必須。逆算したスケジュール管理が要です。
⑤ 補助金との併用 AI・DXは人材育成(助成金)と設備導入(補助金)を一体で進めると効果的です。

人材開発支援助成金に関するよくある質問(Q&A)

Q1.人材開発支援助成金は従業員個人でも申請できますか?
A1.申請できるのは事業主(法人または個人事業主)であり、従業員個人が直接申請することはできません。従業員が研修・訓練を受けた場合に、その費用や賃金の一部を事業主が国から受け取る仕組みです。パート・アルバイト・有期雇用の労働者を対象とした訓練でも、申請者は雇用する事業主側です。従業員個人が自ら活用できる制度としては、雇用保険の被保険者が対象となるハローワークの教育訓練給付金があります。
Q2.最大でどのくらい助成されますか?
A2.コースと企業規模によって異なりますが、事業展開等リスキリング支援コースでは、中小企業で経費助成率が最大75%と高水準に設定されています。これに加えて訓練期間中の賃金にも助成があります。ただし、1人1訓練あたりの賃金助成の上限時間など、細かな上限が定められています。自社のケースで受け取れる具体的な額は、厚生労働省が公表する各コースのパンフレットで確認してください。
Q3.リスキリング支援コースはいつまで使えますか?
A3.事業展開等リスキリング支援コースと人への投資促進コースは、令和4年度から令和8年(2026年)度末(2027年3月末)までの時限措置です。令和9年度以降の継続は現時点で未定です。手厚い助成を活用するには、令和8年度内に計画届を提出し、訓練を実施する必要があります。計画届は訓練開始の1〜6か月前までの提出が必要なため、活用を検討している場合は早めに着手することが重要です。
Q4.eラーニングや外部研修も対象になりますか?
A4.対象になり得ます。人材開発支援助成金は、外部講師による研修、外部機関が提供する訓練、eラーニング、OJTなど、複数の訓練形態に対応しています。ただし、訓練の内容が職務に関連していることや、所定の訓練時間を満たすことなどの要件があります。研修を提供する事業者が助成金の対象になると案内していても、自社の訓練計画が要件を満たすかは個別に確認することが重要です。
Q5.令和8年度はどこが変わりましたか?
A5.令和8年(2026年)度は、人材育成支援コースに中高年齢者実習型訓練が新設され、事業展開等リスキリング支援コースには設備投資加算が新設されました。あわせて、令和8年3月の改正で支給対象訓練の拡充や分割支給申請の導入が行われ、活用しやすくなっています。一方で、令和8年5月以降は一部コースで受講料等の価格設定に関する疎明書の提出が必要になるなど、手続き面の追加もあります。
Q6.電子申請はできますか?
A6.主要なコースは雇用関係助成金ポータルで電子申請が可能です。ただし、令和8年3月2日以降の改正内容(対象訓練の拡充・分割支給申請など)については、電子申請画面が準備中のため、当面は紙での申請が必要となる場合があります。申請方法はその時点での対応状況によって変わるため、申請前に厚生労働省の最新案内を確認してください。
Q7.計画届を出す前に研修を始めてもよいですか?
A7.いいえ。訓練計画届は、訓練開始日の1か月前から6か月前までに提出する必要があります。計画届を提出する前に始めた訓練は助成の対象になりません。「とりあえず研修を始めてから申請する」という進め方では受給できないため、訓練の実施を決めたら、まず計画届の提出スケジュールから逆算して準備を進めてください。
Q8.申請を専門家に頼めますか?
A8.人材開発支援助成金は雇用関係助成金であり、申請書類の作成・提出代行は社会保険労務士の独占業務です。社会保険労務士の資格を持たない業者が業として代行することはできません。研修会社や無資格のコンサル業者が申請まで請け負うと案内する場合は注意が必要です。依頼の際は、申請手続きを担うのが社会保険労務士であるかを確認してください。
Q9.補助金と併用できますか?
A9.人材開発支援助成金は人材育成、補助金は設備投資や新事業と目的が異なるため、それぞれの要件を満たせば併用を検討できます。たとえば、デジタル化・AI導入補助金でツールを導入し、その活用人材を人材開発支援助成金で育成する、という組み合わせです。同一の経費に重複して受け取ることはできませんが、対象を分けて設計すれば、人と設備の投資を同時に進められます。
Q10.まず何から始めればよいですか?
A10.最初に、育成したい人材像と必要な訓練内容を整理し、どのコースが適しているかを見極めます。そのうえで、訓練開始日から逆算して計画届の提出時期を決めます。とくにリスキリング関連のコースは令和8年度末で終了する時限措置のため、早めの計画が肝心です。人材育成を経営戦略の一部として設計し、補助金との組み合わせも含めて相談しておくと、投資全体を有利に進められます。

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※本記事は令和8年(2026年)時点で公表されている情報をもとに作成しています。人材開発支援助成金のコース・助成率・対象訓練・時限措置の期間は改正により変更される場合があります。申請にあたっては、厚生労働省「人材開発支援助成金」のウェブサイトおよび各コースのパンフレットで最新内容を必ずご確認ください。

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