【最終回】東京都カスハラ奨励金40万円|令和8年度第2回は10月23日開始・受付5,000件に拡大
東京都の「カスタマーハラスメント防止対策推進事業 企業向け奨励金」について、令和8年(2026年)9月8日、令和8年度第2回申請受付の概要が公表されました。事前エントリー期間は令和8年(2026年)10月23日(金)10時から11月6日(金)17時まで、受付件数は5,000件です。
この発表で最も重要なのは、受付日程でも件数でもありません。公式に「今回の募集をもって、当初予定していた募集規模に達することが見込まれるため、本事業の募集は今回で終了する」と明記された点です。つまり、令和8年度第2回が、この奨励金の最後の受付回となります。
受付件数は第1回の2,500件から5,000件へと倍増し、規模を拡大して実施されることに伴い、支給申請の受付は抽選により複数回に分けて行われます。また、第1回で事前エントリーを行い抽選に落選した事業者には、別途申請の案内が個別に連絡される予定です。都内中小企業にとって、40万円の定額支給を受けられる機会はこれが最後になります。
本記事では、9月8日に公表された第2回の内容を起点に、過去5回にわたる受付の経緯、支給要件、頻出する不備、そして10月23日のエントリー開始までに何を終わらせておくべきかを、実務の順序に沿って整理します。
令和8年度第2回の概要と「募集終了」の明記
令和8年(2026年)9月8日に特設サイトで公表された第2回の概要は、次のとおりです。募集要項および事前エントリー手順書は後日掲載される予定であり、現時点で確定しているのは日程と受付件数、そして受付方法の枠組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事前エントリー期間 | 令和8年(2026年)10月23日(金)10時から11月6日(金)17時まで |
| 受付件数 | 5,000件(第1回の2,500件から倍増) |
| 受付方法 | 後日掲載される募集要項および事前エントリー手順書を確認のうえ、事前エントリーフォームからエントリー。通過者には別途、支給申請方法等が案内される |
| 先着順の有無 | 先着順ではない。受付期間中はいつでもエントリー可能 |
| 支給申請の受付方式 | 規模を拡大して実施するため、抽選により複数回に分けて実施。詳細は後日案内 |
| 第1回落選者の扱い | 第1回で事前エントリーし抽選に落選した事業者には、別途申請の案内。第1回エントリー時に登録したメールアドレス宛に個別連絡される |
| 今後の募集 | 当初予定していた募集規模に達することが見込まれるため、本事業の募集は今回で終了 |
注意
「本事業の募集は今回で終了」と公式に明記されています。次年度以降の追加募集を前提に計画を先送りすることはできません。令和8年(2026年)11月6日17時のエントリー締切が、この奨励金を受け取る最後の期限となります。
この奨励金は、公益財団法人東京しごと財団が事務局となり、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例で規定する事業者の措置等を企業に速やかに浸透させることを目的として実施されてきました。カスタマーハラスメント対策に関するマニュアルの整備に加え、カスハラを防止するための実践的な取組を実施した都内中小企業等に対し、定額40万円が支給されます。
補助金ではなく奨励金であるという点は、制度の性格を理解するうえで重要です。事業計画の優劣を審査して採択・不採択を決める制度ではなく、定められた要件を満たしているかを書類で確認し、満たしていれば定額を支給する設計になっています。したがって勝負どころは、要件どおりに取組を完了させ、それを証憑で示せる状態にしておくことに集約されます。
📊 このセクションの要点
令和8年(2026年)9月8日に第2回の概要が公表され、事前エントリー期間は10月23日10時から11月6日17時まで、受付件数は5,000件とされました。あわせて、当初予定の募集規模に達する見込みであるため本事業の募集は今回で終了することが明記されており、第2回が最後の受付回となります。
第1回から何が変わったのか
第2回は、第1回で導入された事前エントリー制と抽選方式を引き継ぎつつ、規模と運用の面で拡大されています。第1回との違いを正確に押さえておくことが、実務上の準備の出発点になります。
| 項目 | 令和8年度第1回 | 令和8年度第2回 |
|---|---|---|
| 事前エントリー期間 | 令和8年(2026年)6月25日10時〜7月9日17時 | 令和8年(2026年)10月23日10時〜11月6日17時 |
| 受付件数 | 2,500件 | 5,000件 |
| 支給申請の受付 | 通過者へ一括で案内。Jグランツでの申請期間は令和8年(2026年)8月上旬〜中旬頃 | 抽選により複数回に分けて実施。詳細は後日案内 |
| 前回落選者の扱い | 該当なし | 第1回の落選事業者へ別途、個別にメールで申請案内 |
| 位置づけ | 令和8年度2回のうちの1回目 | 本事業の最終回 |
受付件数が倍増したことは、単純に当選確率が上がることを意味します。ただし、最終回であることが公表された以上、これまで様子を見ていた事業者が一斉に動く可能性が高く、エントリー件数そのものも第1回を大きく上回ることが想定されます。枠が広がったことをもって「今回は余裕がある」と判断するのは危険です。
また、支給申請の受付が抽選により複数回に分けて行われる点は、実務上の影響が大きい変更です。エントリーを通過しても、Jグランツでの支給申請の案内が届く時期が事業者ごとに異なる可能性があります。案内を受けてから短期間で書類を提出できるよう、添付書類を先に完成させておく必要性がこれまで以上に高まっています。
📊 このセクションの要点
第2回は受付件数が5,000件へ倍増し、支給申請の受付は抽選により複数回に分けて実施されます。第1回の落選事業者には別途個別に案内が届きます。枠は広がったものの最終回であることによる駆け込みが見込まれるため、当選を前提にした余裕のある構えは適切ではありません。
過去4回の受付で何が起きたのか
最終回の位置づけを理解するには、これまで4回の受付で何が起きたかを押さえておく必要があります。受付方式が回次ごとに変更されてきた経緯そのものが、この制度の実務的な性格を物語っています。
令和7年度第1回・第2回|先着順による短期決着
特設サイトは令和7年(2025年)6月27日に開設され、同6月30日に第1回の申請受付が開始されました。7月17日時点で「ご好評につき、多数の申請をいただいている」と案内され、令和7年(2025年)7月22日17時をもって受付が終了しています。
第2回はさらに短期でした。令和7年(2025年)9月24日に受付が開始され、翌9月25日9時をもって受付終了が告知されています。実質的に1日で枠が埋まったことになり、申請書類が完成していても受付開始時刻に張り付けなければ申請できないという状態が、この時点で定着しました。
令和7年度第3回|延期と事前エントリー制の導入
第3回は当初、令和7年(2025年)12月17日14時からの受付開始が告知され、実際に同日受付が開始されました。しかし同じ12月17日、Jグランツにログインできない等の通常と異なる挙動が発生していることが公表され、同日中に第3回申請受付の延期が決定されています。
その後、令和8年(2026年)1月26日に3月中の再開予定が案内され、3月6日に3月18日からの開始が確定、3月9日には事前エントリー制の導入と「よくある不備と不備解消のポイント」の公開が発表されました。そして令和8年(2026年)3月18日に第3回の事前エントリー受付が開始され、同日付で令和7年度の申請受付終了が告知されています。
この第3回は、事前エントリー制でありながら実質的に先着方式であったため、受付当日は開始前後からサイトにつながりにくい状況が発生し、待合室方式のなかで短時間に枠が埋まったとして、申請者から不満や疑問の声が広がりました。準備が整っていた企業ほど、通信環境という制度外の要因で落ちるという構造的な問題が、ここで明確に表面化したと整理されます。
令和8年度第1回|抽選方式への転換
令和8年度第1回では、受付方式が大きく変わりました。事前エントリー期間を約2週間とし、受付件数2,500件を超えるエントリーがあった場合は期間終了後に抽選を行う方式です。公式のFAQでも、先着順ではないこと、エントリーの早さは抽選結果に影響しないことが繰り返し明示されました。
実際には、令和8年(2026年)7月16日に事前エントリー件数が2,500件を超えたため抽選を行うことが公表され、7月27日に結果通知メールの配信開始、7月28日に配信完了が案内されています。通過企業のJグランツでの支給申請は、令和8年(2026年)8月上旬から8月中旬頃とされました。
| 受付回 | 受付方式 | 経緯と結果 |
|---|---|---|
| 令和7年度 第1回 |
Jグランツによる直接申請(先着) | 令和7年(2025年)6月30日受付開始。7月22日17時をもって受付終了 |
| 令和7年度 第2回 |
Jグランツによる直接申請(先着) | 令和7年(2025年)9月24日受付開始。翌9月25日9時に受付終了。実質1日で終了 |
| 令和7年度 第3回 |
事前エントリー制(実質先着) | 令和7年(2025年)12月17日に開始するもJグランツの不具合により同日延期。令和8年(2026年)3月18日に事前エントリー受付を開始し、同日令和7年度の受付を終了 |
| 令和8年度 第1回 |
事前エントリー制(2,500件・超過時は抽選) | 令和8年(2026年)6月25日10時〜7月9日17時。件数超過により抽選を実施し、7月27日〜28日に結果通知を配信 |
| 令和8年度 第2回 |
事前エントリー制(5,000件・抽選) | 令和8年(2026年)10月23日10時〜11月6日17時。支給申請は抽選により複数回に分けて実施。本募集をもって事業終了 |
📊 このセクションの要点
令和7年度は先着方式で短期に締め切られ、第3回はシステム不具合による延期と事前エントリー制の導入という混乱を経ました。令和8年度第1回で受付期間2週間・超過時抽選という方式に転換し、スピード競争は解消された一方、要件充足と書類の正確さが結果を左右する制度へと性格が変わっています。
第1回で落選した事業者への個別案内
第2回の発表で見落とされやすいのが、第1回の落選事業者に対する取扱いです。公式の案内では、第1回募集で事前エントリーを行い抽選の結果落選となった事業者には別途申請の案内を行うとされ、その詳細は後日、第1回の事前エントリー時に登録したメールアドレス宛に個別に連絡されるとされています。
この案内が「第2回の事前エントリーを不要とするもの」なのか、「第2回のエントリーとは別枠で申請機会を設けるもの」なのかは、現時点では明らかにされていません。第1回で落選した事業者は、個別連絡の内容を確認するまで自己判断で動かず、あわせて第2回のエントリーに必要な準備も並行して進めておくことが確実です。
注意
個別連絡は第1回エントリー時に登録したメールアドレス宛に届きます。担当者の異動や退職でそのアドレスが受信できない状態になっていないか、「@tokyo-cusharaboushi-entry.jp」「@tokyo-cusharaboushi.jp」からのメールが迷惑メールに振り分けられていないかを、いま確認しておく必要があります。
📊 このセクションの要点
第1回で落選した事業者には別途申請の案内が個別メールで届きます。案内の具体的な内容は未公表であるため、自己判断で待機せず、第2回のエントリー準備も並行して進めることが確実です。登録済みメールアドレスの受信可否は直ちに確認すべき事項です。
支給要件の全体像|対象事業者と2つの取組
第2回の募集要項は後日公開されますが、制度の骨格である支給要件は、これまでの回で一貫しています。対象事業者としての要件と、取組としての要件の双方を満たす必要があり、取組は「マニュアルの整備」と「実践的な取組」の2階建てです。片方だけでは要件を満たしません。
対象事業者の主な要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企業規模 | 常時雇用する従業員が300人以下の都内中小企業等(個人事業主を含む) |
| 支給額 | 定額40万円(1事業者につき1回限り) |
| 納税実績 | 事前エントリー時点で12か月分の納税が確認できること。確認できない場合は対象外 |
| 申請手段 | GビズIDプライムアカウントを取得のうえ、電子申請システム「Jグランツ」から申請。来所・郵送による申請は受け付けられない |
| 受給歴 | 本奨励金を既に受給していないこと(受給予定を含む) |
| 除外法人 | 東京都政策連携団体、事業協力団体、東京都が設立した法人でないこと |
個人事業主で代表者の居住地と事業所地が異なる場合には、それぞれの区市町村役所で発行した2枚の住民税納税証明書を提出することが求められます。開業から間もない事業者は、12か月分の納税証明書が提出できる段階になるまで申請できない点にも注意が必要です。
取組要件|マニュアル整備+実践的な取組1つ
| 区分 | 求められる内容 |
|---|---|
| マニュアルの作成・周知 (必須) |
令和7年(2025年)4月1日以降、事前エントリーまでにカスハラ対策マニュアルを作成または改定すること。作成・改定年月日と企業名が確認できること。募集要項に記載の必須項目をすべて含み、章番号や見出し等で確認できること。東京都カスタマー・ハラスメント防止条例への言及があること。章立てだけのマニュアルは不可 |
| 基本方針の周知 (必須) |
カスハラ防止に関する基本方針を、社内および社外へ周知すること |
| 実践的な取組① | 録音・録画環境の整備(通話録音装置、店舗の録画機器等の新規導入) |
| 実践的な取組② | AIを活用したシステム等の導入 |
| 実践的な取組③ | 外部人材の活用。中小企業診断士等の専門家と相談対応等について継続的な契約を締結し、契約期間が6か月以上であること |
実践的な取組は①から③のいずれか1つを実施すれば要件を満たします。ただし、いずれも新規に導入または新規に契約したものであることが前提であり、以前から使用している機器の継続利用や、従前から契約している外部人材との継続契約は対象外と整理されています。既存の顧問契約をそのまま流用しようとして要件を外す事例は、過去回でも繰り返し発生しています。
POINT
すべての取組は「事前エントリーまでに完了していること」が要件です。第2回の事前エントリー締切は令和8年(2026年)11月6日17時であり、マニュアルの作成・周知、基本方針の公表、実践的な取組の実施は、いずれもそれまでに完了している必要があります。エントリー後に着手しても認められません。
📊 このセクションの要点
対象は常時雇用従業員300人以下の都内中小企業等で、支給額は定額40万円です。取組はマニュアルの作成・周知および基本方針の周知に加え、録音録画環境の整備・AI活用システムの導入・外部人材の活用のいずれか1つを新規に実施することが求められ、いずれも事前エントリーまでに完了している必要があります。
10月23日から逆算した準備スケジュール
事前エントリー開始まで、残された時間は限られています。募集要項と事前エントリー手順書は後日公開されるため、それを待ってから準備を始めるという順序では間に合いません。要件が過去回から大きく変わらないことを前提に、いま着手できるものから順に片付けていく判断が求められます。
| 時期 | やるべきこと |
|---|---|
| いますぐ | GビズIDプライムアカウントの取得。既に保有している場合はログイン可否と事業形態(法人・個人)の登録内容を確認 |
| 9月中 | 実践的な取組の方針決定。録音・録画環境の整備、AIを活用したシステムの導入、外部人材の活用のいずれを選ぶかを確定し、発注または契約に着手 |
| 10月上旬 | カスハラ対策マニュアルの作成または改定を完了。基本方針を確定し、社内周知と社外公表を実施したうえで、日付の分かる証憑を保存 |
| 10月中旬 | 公開される募集要項と事前エントリー手順書を確認し、自社の取組内容との突合。納税証明書・登記事項証明書等の添付書類を取得しPDF化 |
| 10月23日〜11月6日 | 事前エントリーを実施。先着順ではないため、アクセスが集中する開始直後と締切直前を避けて安定した通信環境で登録 |
| エントリー後 | 抽選結果と支給申請案内のメールを待つ。支給申請は抽選により複数回に分けて実施されるため、案内到着時期は事業者ごとに異なる可能性がある |
GビズIDプライムアカウントの取得が最優先
GビズIDプライムアカウントは発行までに時間を要します。未取得であれば、他のどの準備よりも先に着手することが賢明です。既に取得している場合も、令和7年(2025年)12月に二要素認証の変更が案内されている点を踏まえ、実際にログインできる状態かを事前に確認しておく必要があります。
マニュアルは「条例対応版」として作り直す
既存のクレーム対応マニュアルがある企業ほど、それを流用しようとして要件を外します。東京都カスタマー・ハラスメント防止条例および同条例に基づく指針の内容に即した構成へ改定し、募集要項の必須項目を章立てとして明示したうえで、改定日と企業名を明記することが求められます。改定後は、社内周知と社外への基本方針の公表までを一連の作業として完了させることが重要です。
実践的な取組はリードタイムを見て選ぶ
録音・録画環境の整備やAIを活用したシステムの導入を選ぶ場合、発注から納品・設置・運用開始までのリードタイムを見込む必要があります。11月6日のエントリー締切までに導入が完了していなければ要件を満たしません。外部人材の活用を選択する場合は、契約期間が6か月以上であることが要件であり、契約締結自体はエントリーまでに完了している必要があります。残り期間で確実に完了できる選択肢はどれかという観点から、逆算して決めることが実務的です。
📊 このセクションの要点
エントリー開始まで約6週間、締切まで約2か月です。GビズIDの取得、実践的な取組の選択と着手、マニュアルの改定と周知、添付書類の取得という順序で進める必要があります。募集要項の公開を待ってから動き始めると、取組の完了が締切に間に合いません。
過去回で頻発した不備と、最終回で落とさないための実務ポイント
令和8年(2026年)3月9日には、事務局から「よくある不備と不備解消のポイント」が公開されました。過去回でどこがミスになりやすいかを事務局側が実務的に示した資料であり、最終回に向けた自己点検の出発点になります。
マニュアルの記載要件を満たしていない
最も多い論点がマニュアルの中身です。募集要項が定める必須項目をすべて含み、章番号や見出しでその充足が確認できる状態でなければなりません。目次だけを整えた形式的なマニュアルは対象外と明記されています。加えて、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例への言及が必要であり、一般的なクレーム対応マニュアルを流用しただけでは要件を満たしません。作成日または改定日と企業名が文書内で確認できることも必須です。
周知の証憑が残っていない
マニュアルと基本方針は作っただけでは足りず、社内および社外へ周知したことを証憑で示す必要があります。社内であれば掲示・回覧・社内システムへの掲載、社外であれば自社ウェブサイトへの掲載といった形跡を、日付が分かる形で保存しておくことが求められます。周知の事実は、後から作り直すことができない証憑です。取組を実施した時点で記録に残す運用が不可欠です。
日付の不整合と書類の有効期限
様式に記載する日付、マニュアルの作成・改定日、契約書の締結日、周知記録の日付が相互に矛盾していると、要件充足を証明できません。外部人材の活用を選ぶ場合、契約締結日が令和7年(2025年)4月1日以降であり、かつ契約期間が6か月以上であることが日付で確認できなければなりません。納税証明書や登記事項証明書には有効期限があるため、取得のタイミングも申請日程から逆算して設計する必要があります。
GビズIDと登録情報の不一致
事前エントリーフォームに入力するメールアドレスは、GビズIDに登録されているものを使用することが求められます。法人番号または事業者識別番号、代表者生年月日といった基本情報の整合も事前に確認しておく必要があります。過去回では、同一の代表者や同一企業による複数回のエントリー、別法人格であっても同一代表者からのエントリーは重複とみなされ無効とされてきました。この別法人格には個人事業主も含まれます。
注意
令和7年度第1回・第2回・第3回において既に申請している企業のエントリーは、過去回では無効とされてきました(支給申請の撤回が完了している場合を除く)。第2回における過去申請者の取扱いは、公開される募集要項で必ず確認してください。
📊 このセクションの要点
不備の中心はマニュアルの記載要件、周知の証憑、日付の整合、GビズID関連の情報一致の4点です。いずれも申請直前には修復できない性質のものであり、取組を実施する段階から証憑の形で残す運用が結果を左右します。
申請から入金までのフローと期間の実態
この奨励金は、事前エントリーから入金までにかなりの時間を要します。第2回では支給申請の受付が抽選により複数回に分けて行われるため、案内が届く時期にも幅が生じる可能性があります。資金繰りの計画に組み込む際は、支給決定までの期間を余裕をもって見積もっておく必要があります。
| ステップ | 内容と目安期間 |
|---|---|
| 取組の実施 | 令和7年(2025年)4月1日以降、事前エントリーまでにカスハラ防止対策を完了させる |
| 事前エントリー | 令和8年(2026年)10月23日10時〜11月6日17時。GビズIDプライムアカウントが必要 |
| 支給申請の案内 | 通過企業にJグランツの支給申請用URLをメールで案内。第2回は抽選により複数回に分けて実施されるため、案内時期は事業者により異なる可能性がある |
| 支給申請 | 案内された期間内にJグランツから書類を提出。第1回では約2週間程度の申請期間が設定された |
| 審査 | 必要書類の提出確認後に開始。審査開始から支給決定まで6か月以上を要する見込み |
| 決定通知・請求 | 支給または不支給が通知され、支給決定の場合はJグランツの請求フォームから請求兼口座振替依頼を提出 |
| 入金 | 請求手続きから1か月程度 |
事前エントリーから入金までを通算すると、8か月から1年程度を要する制度であると理解しておく必要があります。設備導入費用の立替が発生するため、当座の資金繰りは自社で手当てすることが前提となります。
なお、本事業により交付決定を受けた中小企業は、東京都中小企業制度融資「社会課題解決融資(働き方改革支援)」の対象となり、信用保証料の2分の1補助を受けられます。40万円の奨励金に加えて、資金調達コストの低減という効果が付随する点は、経営者の視点では見逃せない要素です。
📊 このセクションの要点
審査に6か月以上を要し、事前エントリーから入金までは通算8か月から1年程度を見込む必要があります。取組費用の立替が前提となる一方、交付決定を受けると東京都中小企業制度融資の信用保証料2分の1補助の対象にもなります。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 第2回が最終回 | 当初予定の募集規模に達する見込みのため、本事業の募集は今回で終了すると公式に明記された |
| 日程と件数 | 事前エントリーは令和8年(2026年)10月23日10時から11月6日17時まで。受付件数は5,000件で先着順ではない |
| 支給申請は分割実施 | 規模拡大に伴い、支給申請の受付は抽選により複数回に分けて行われる。第1回落選者には別途個別に案内 |
| 要件は締切までに完了 | マニュアルの整備・周知と実践的な取組1つを、令和7年(2025年)4月1日以降かつ事前エントリーまでに完了させることが必須 |
| 勝負は書類の正確さ | マニュアルの記載要件・周知証憑・日付整合・GビズID情報の一致が結果を左右する。抽選通過は入口にすぎない |
よくある質問
Q1.第2回の事前エントリーはいつからいつまでですか。
A1.令和8年(2026年)10月23日(金)10時から11月6日(金)17時までです。令和8年(2026年)9月8日に特設サイトで公表されました。受付件数は5,000件で、先着順ではなく、受付期間中はいつでもエントリーできるとされています。ただし、募集要項および事前エントリー手順書は後日掲載される予定であり、エントリーはそれらを確認したうえで行う必要があります。第1回では受付開始直後と締切直前にアクセスが集中し、待合室が表示される事象が発生しました。同様の混雑が想定されるため、期間の中盤に安定した通信環境で登録することが現実的です。エントリーの早さが抽選結果に影響しないことは、第1回で明確に案内されています。
Q2.本当にこれが最後の募集なのですか。
A2.公式に「本事業の募集は今回で終了する」と明記されています。令和8年(2026年)9月8日の案内では、今回の募集をもって当初予定していた募集規模に達することが見込まれるため、本事業の募集は今回で終了するとされました。受付件数を第1回の2倍にあたる5,000件に拡大したうえで、支給申請の受付を抽選により複数回に分けて実施するという設計も、残る枠を一度に消化する意図と整合します。したがって、次回に持ち越す前提で計画を立てることはできません。カスハラ対策の体制整備を検討していながら着手を先送りしてきた事業者にとって、令和8年(2026年)11月6日17時が最後の期限となります。
Q3.受付件数が5,000件に増えたので、当選しやすくなりますか。
枠が倍増したことは有利に働きますが、エントリー件数も増える可能性が高く、当選を前提にした計画は適切ではありません。第1回は受付件数2,500件に対してエントリーが超過し、抽選が実施されました。今回は最終回であることが公表されているため、これまで様子を見ていた事業者が一斉に動くことが想定されます。件数や倍率、抽選結果といった情報は公表されない扱いであるため、事前に競争率を把握することもできません。制御できるのは運の要素ではなく、要件充足と書類の完成度です。抽選に当選しても、その後の書類審査で不備があれば不支給となるため、当選後に慌てて整えるという発想では間に合いません。
Q4.第1回の抽選で落選しました。どうすればよいですか。
第1回で事前エントリーを行い落選した事業者には、別途申請の案内が個別に連絡される予定です。公式の案内では、詳細は後日、第1回の事前エントリー時に登録したメールアドレス宛に個別に連絡するとされています。この案内が第2回のエントリーを不要とするものか、別枠の申請機会を設けるものかは現時点で明らかにされていません。したがって、案内が届くまで何もしないという判断は避け、第2回のエントリーに必要な準備を並行して進めておくことが確実です。あわせて、登録したメールアドレスが現在も受信できる状態か、事務局からのメールが迷惑メールに振り分けられていないかを直ちに確認してください。
Q5.「支給申請の受付を複数回に分けて行う」とはどういう意味ですか。
事前エントリーを通過した事業者のJグランツでの支給申請時期を、抽選によって複数の期間に振り分ける運用と示されています。公式の案内では、今回の募集は規模を拡大して行うため支給申請の受付を抽選により複数回に分けて行うとされ、詳細は後日サイトで案内されるとされています。第1回では通過者に対して一斉に支給申請用URLが案内され、令和8年(2026年)8月上旬から中旬という共通の申請期間が設定されました。第2回では、事業者によって申請の案内が届く時期が異なる可能性があります。いつ案内が届いても短期間で提出できるよう、マニュアル、周知証憑、契約書、納税証明書等をPDF化して1つのフォルダにまとめておく準備が有効です。
Q6.いまから取組を始めて、10月23日に間に合いますか。
要件はエントリーまでに完了していればよいため、締切である11月6日17時までに取組を終えられるかが判断基準になります。マニュアルの作成・改定と社内外への周知は、体制が整っていれば数週間で完了できます。外部人材の活用については、契約期間が6か月以上であることが要件であり、6か月が経過している必要はないため、締切までに契約を締結し社内周知を行えば要件を満たす形になります。他方、録音・録画環境の整備やAIを活用したシステムの導入は、発注から納品・設置・運用開始までのリードタイムが読みにくく、機種や事業者によっては間に合わない可能性があります。残り期間で確実に完了できる選択肢はどれかという観点から、早期に方針を決めることが重要です。
Q7.既存の顧問契約を「外部人材の活用」として使えますか。
奨励事業実施期間の前から契約している外部人材との継続契約は、対象外と整理されています。外部人材の活用として認められるのは、令和7年(2025年)4月1日以降に新たに締結した契約であり、かつ契約期間が6か月以上であることが要件です。既存の顧問契約をそのまま流用しようとして要件を外す事例は、過去回でも繰り返し確認されています。契約内容についても、カスハラ対策に関する相談対応や助言、研修、体制整備支援といった役務が明示されている必要があります。既存の顧問と新たにカスハラ対策に関する契約を締結する形を取る場合は、契約書の内容と締結日、契約期間が要件を満たすかを、公開される募集要項に照らして精査することが重要です。
Q8.既存のクレーム対応マニュアルを提出しても問題ありませんか。
募集要項の必須項目を満たしていない既存マニュアルでは、要件を満たしません。要件として、令和7年(2025年)4月1日以降かつ事前エントリーまでに作成または改定したものであること、作成・改定年月日と企業名が確認できること、募集要項に記載の必須項目をすべて含み章番号や見出しで確認できること、そして東京都カスタマー・ハラスメント防止条例への言及があることが求められてきました。章立てだけを整えたマニュアルは不可と明記されており、各項目に実質的な記載が必要です。既存マニュアルを土台にする場合でも、条例および条例に基づく指針の内容に即した改定を行い、改定日を明示したうえで、あらためて社内周知まで実施することが必要になります。
Q9.過去の回で申請済みですが、第2回にエントリーできますか。
第1回では、令和7年度第1回から第3回において既に申請している企業のエントリーは無効とされていました。支給申請の撤回が完了している場合は除外されるという取扱いです。あわせて、同一の代表者や同一企業による複数回のエントリーも無効とされ、別法人格であっても同一代表者からのエントリーは重複とみなされます。この別法人格には個人事業主も含まれます。第2回における過去申請者の取扱いは、後日公開される募集要項で確認する必要があります。自社の申請状況が無効事由に該当するかどうかの判断に迷う場合は、事務局へ確認することが確実です。事務局の問い合わせ窓口は平日9時から17時まで開設されています。
Q10.奨励金を受給すると、ほかに得られるメリットはありますか。
交付決定を受けた中小企業は、東京都中小企業制度融資「社会課題解決融資(働き方改革支援)」の対象となり、信用保証料の2分の1補助を受けられます。資金調達を予定している企業にとっては、40万円の奨励金に加えて調達コストの低減という効果が加わります。制度融資の詳細な要件や手続きは東京都産業労働局の融資要項で確認する必要がありますが、奨励金の申請を単独の施策として捉えるのではなく、資金計画と組み合わせて設計する視点は有効です。さらに、カスハラ対策の体制整備そのものが従業員の定着率向上や採用時の訴求材料となります。奨励金の募集が終了しても、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例に基づく事業者の措置は求められ続けるため、体制整備自体は奨励金の有無と切り離して進める価値があります。
最後の受付回に向けて、体制整備と申請準備を伴走支援します
エントリー開始は10月23日。準備に使える時間は限られています
壱市コンサルティングでは、中小企業診断士・認定経営革新等支援機関として、カスハラ対策の体制整備から奨励金の申請準備までを一体で支援しています。要件を満たすマニュアルの整備、社内外への周知、証憑の設計といった、申請直前には修復できない領域を先行して固めることが、この制度における唯一の実務的な対策です。
🛡️ カスハラ対策体制の現状診断
自社の現状が要件をどこまで満たしているかを整理し、締切までに埋めるべき不足箇所を明確にします
📋 マニュアル・基本方針の整備支援
東京都カスタマー・ハラスメント防止条例に即した構成へ改定し、必須項目の充足と周知の証憑設計まで支援します
🔄 外部人材の活用による体制整備
中小企業診断士による相談対応の継続的な契約を通じ、実践的な取組の要件充足と社内体制の強化を同時に進めます
💼 事前エントリー・支給申請の実務支援
GビズIDの準備から添付書類の整備、Jグランツでの提出までを不備なく進められるよう伴走します
この奨励金の募集は今回で終了します。着手が遅れるほど、選べる取組の幅が狭まります。
こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください
- ✅ 過去の受付回では申請できず、今回が最後の機会になる
- ✅ 第1回の抽選で落選し、次にどう動くべきか判断がつかない
- ✅ 既存のクレーム対応マニュアルが要件を満たすのか分からない
- ✅ 実践的な取組として何を選べば締切に間に合うか決めきれない
- ✅ GビズIDの取得やJグランツの操作に不安がある
