【令和8年度】課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成とは?第2回の要件・対象経費・審査の視点を徹底解説

公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する「課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成」、通称「課題解決販路」の第2回募集が、令和8年(2026年)11月10日から始まります。第1回募集はすでに終了しており、令和8年度に申請できる残りの機会はこの第2回のみです。

助成限度額は150万円、助成率は3分の2以内。展示会出展料やブース装飾費だけでなく、ECモールへの出店初期登録料、自社サイトの制作・改修費、チラシや動画の制作費まで幅広く対象となります。この助成金の本質は「良い製品を開発したのに売れていない」という、都内中小企業に最も多く見られる断絶を、販路開拓の資金面から埋めることにあります。

本記事では、令和8年度(2026年度)第2回募集の申請要件、助成対象となる4分野、経費区分ごとの限度額と落とし穴、審査の4つの視点、そして申請実務で見落とされやすい支払ルールまでを、募集要項の記載に沿って体系的に解説します。

Contents
  1. 課題解決販路が生まれた背景と東京都の政策的な位置づけ
  2. 制度の基本的な仕組みと第2回スケジュール
  3. 助成対象商品となる4つの分野と商品要件
  4. 申請できる事業者の要件
  5. 助成対象経費の全体像と経費区分ごとの限度額
  6. 申請フローと必要書類
  7. 審査の4つの視点と事業計画の組み立て方
  8. 交付決定後に事故が起きやすい支払・契約のルール
  9. まとめ
  10. よくある質問
  11. 課題解決販路の申請をお考えの経営者の方へ

課題解決販路が生まれた背景と東京都の政策的な位置づけ

この助成金を理解するためには、まず名称の正式表記を押さえる必要があります。正式名称は「課題解決型技術開発促進事業 課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成」であり、単独の制度ではなく、より大きな枠組みの一部として設計されています。

課題解決型技術開発促進事業は、試作品の開発・改良を支援する「課題解決型製品・サービス等の試作品開発・改良助成」と、その先の販路開拓を支援する本助成の二段構えになっています。開発を支援して終わりにするのではなく、市場に出るところまで伴走する。この設計思想が制度全体を貫いています。

「2050東京戦略」への寄与が審査の起点になる

募集要項において、助成対象商品は東京都が令和7年(2025年)3月に策定した『2050東京戦略』の実現に寄与する製品・サービスであることが求められています。しかも公社は、自社商品が2050東京戦略に該当するかどうかについて事務局側では回答できないと明言しています。適合性そのものが審査項目に含まれているためです。

つまり申請者は、東京都の長期戦略を自ら読み込み、自社商品がどの都市課題に応える製品なのかを、自分の言葉で申請書に落とし込む必要があります。この作業を省略した申請書は、審査の入口で評価を落とすことになります。

補足

課題解決販路には「一般枠」と「開発枠」があります。本記事で解説するのは一般枠です。開発枠は、課題解決型技術開発促進事業の試作品開発・改良助成を完了した事業者のみが利用でき、助成限度額は他の経費区分と合わせて350万円、経費区分に「先導的ユーザーへの導入費」が加わります。

📊 このセクションの要点

課題解決販路は、試作品開発助成と対になった「開発の次」を支える制度です。審査では東京都の『2050東京戦略』への寄与が問われ、その適合性を説明する責任は申請者側にあります。制度名の「課題解決型」という冠は、単なる販促支援ではなく都市課題への貢献を求めるという宣言と理解する必要があります。

制度の基本的な仕組みと第2回スケジュール

まず制度の骨格を数値で押さえます。令和8年度(2026年度)の第2回募集における基本条件は次のとおりです。

項目 内容
実施機関 公益財団法人東京都中小企業振興公社
助成限度額 150万円(一般枠)
助成率 助成対象と認められる経費の3分の2以内(千円未満切捨て)
申請期間(第2回) 令和8年(2026年)11月10日(火)10時 ~ 11月30日(月)17時締切
審査期間(第2回) 令和8年(2026年)12月 ~ 令和9年(2027年)1月
交付決定(第2回) 令和9年(2027年)1月末
助成対象期間(第2回) 令和9年(2027年)2月1日 ~ 令和10年(2028年)2月29日(最長1年1か月)
申請方法 電子申請システム「Jグランツ」のみ(持参・郵送・メール不可)
審査方法 申請書類に基づく資格審査および書類審査(経理審査を含む)

GビズIDプライムの取得は逆算して着手する

申請はJグランツに一本化されており、その利用にはGビズIDプライムアカウントが不可欠です。公社のFAQでは、国(デジタル庁)による審査に原則2週間以内の期間を要するとされています。11月30日の締切から逆算すると、遅くとも11月上旬にはアカウント発行手続きを終えている必要があります。

また、申請後の内容修正はできません。公社は、申請内容の修正は行えず、同一事業者による複数回の申請も認められないと明記しています。提出ボタンを押す前の確認が、そのまま結果を左右します。

注意

Jグランツにアップロードできる1ファイルあたりの容量は16MBです。商品説明資料に高解像度の写真を多用すると容量超過を起こしやすく、締切直前のトラブルにつながります。ファイル形式はPDFへの変換が推奨されています。

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📊 このセクションの要点

第2回の申請期間は令和8年(2026年)11月10日から11月30日17時までの3週間です。助成限度額150万円・助成率3分の2という条件は販路開拓系の助成金として厚く、事前準備の差がそのまま結果に表れます。GビズIDプライムの発行に原則2週間を要する点、申請後の修正が一切できない点の2つが、スケジュール設計上の制約になります。

助成対象商品となる4つの分野と商品要件

本助成では、自社商品を1種類だけ指定し、次の4分野のいずれかを選択して申請します。分野の幅は広く、製造業だけでなくソフトウェア・サービス業も十分に射程に入ります。

対象分野 含まれる主な領域
安全・安心 防災・減災(地震・津波・火山対策、避難・救助、備蓄品、災害対策ロボット・ドローン、フェーズフリー)、事業リスク対策、感染症対策、セキュリティ(監視カメラ、映像解析、入退室管理、情報セキュリティ)、子供の安全対策
高齢者・介護・障害者 アクティブシニアの活躍の場づくり・健康づくり、移動支援、住まい、介護サービス支援、次世代介護機器(移乗支援等)、福祉用具、共生社会の実現、合理的配慮のための機器、パラスポーツ関連
DX推進 業務効率化(経理・会計、人事・労務、電子契約、グループウェア)、営業・マーケティング強化(CRM/SFA/MA)、業務自動化・データ活用(RPA、AI-OCR、BIツール)、業界特化型(施工管理アプリ、図面データ活用、POSレジ等)
暑さ対策 設備・インフラ(スポットエアコン、大型ファン、ミストシステム、遮熱塗料・シート)、管理・モニタリング(暑さ指数計測・監視、バイタル見守り、気象予測・アラート)

助成対象商品が満たすべき4つの条件

分野に該当していても、次の条件を満たさなければ申請できません。実務上、ここで脱落する事業者が少なくありません。

条件 内容と実務上の意味
開発完了・事業化 第2回は令和8年(2026年)10月31日までに開発が完了し、販売できる状態にあること。開発中製品のニーズ調査を目的とした出展は対象外です
自社企画・自社製造 自らが企画・製造し、自社製品として単独で販売する権利を有すること。代理店等の販売事業者は申請できません
原則1種類 複数の有力製品を持つ事業者であっても、1種類を選んで申請します。展示会では助成対象商品が主たる展示であることが必要です
2050東京戦略への寄与 4分野に該当し、かつ東京都の長期戦略の実現に資すること。該当可否は事務局に照会できず、自社判断が求められます

POINT

「1種類に絞る」という制約は、実は申請書の質を左右する分岐点です。複数商品を横断的に説明しようとすると、市場性も優位性も焦点がぼやけます。最も市場が明確で、最も競合との差が説明しやすい1商品を選ぶ判断が、審査結果に直結します。

📊 このセクションの要点

対象は安全・安心、高齢者・介護・障害者、DX推進、暑さ対策の4分野で、ハードウェアに限らずSaaSや業務システムも十分に対象になります。ただし助成対象商品は自社が企画・製造し単独で販売できる商品に限られ、代理店販売品や開発途上の製品は申請できません。1事業者1商品という制約を踏まえた商品選定が最初の実務判断となります。

申請できる事業者の要件

申請できるのは、中小企業者(法人・個人事業者)、中小企業団体、特定非営利活動法人・一般財団法人・一般社団法人です。中小企業者の範囲は業種によって異なります。

業種 資本金 または 常時使用する従業員数
製造業、その他 3億円以下 または 300人以下
ゴム製品製造業(一部除く) 3億円以下 または 900人以下
卸売業 1億円以下 または 100人以下
小売業 5千万円以下 または 50人以下
サービス業 5千万円以下 または 100人以下
ソフトウェア業、情報処理サービス業 3億円以下 または 300人以下
旅館業(宿泊業) 5千万円以下 または 200人以下

都内での事業実態が形式・実質の両面で問われる

法人は登記簿謄本により都内に本店または支店の所在が確認できること、そして都税事務所発行の法人事業税・法人都民税の納税証明書を提出できることが要件です。公社のFAQでは、本店が他県にあり都内事業所を支店登記していない場合は申請できないと明示されています。

さらに募集要項では「都内で実質的に事業を行っていること」について、建物があるだけでは足りず、申請書類・ホームページ・看板や表札・電話連絡時の状況・事業実態や従業員の雇用状況等から総合的に判断すると記載されています。形式的な登記だけを整えた申請は通用しません。

見落とされやすい5つの申請要件

募集要項には15項目の要件が列挙されていますが、実務上とくに事故が起きやすいのは次の5点です。

要件 実務上の留意点
直近2期分の確定申告書 休眠・休業期間を含まないこと。創業2期未満は1期分で可ですが、未決算の法人・創業予定者は申請できません
同一年度1回限り 第1回に申請済みの事業者は第2回に申請できません。複数商品での重複申請も不可です
他制度との重複禁止 同一の展示会・経費について、公社の他事業・国・都道府県・区市町村の助成を受けないこと。併願申請も認められません
事業税等の滞納がないこと 分納期間中も申請できません。納税状況の確認は早い段階で済ませることが重要です
過去の公社助成の報告義務 過去に公社から助成を受けた事業者は、企業化状況報告書等をすべて提出済みであること。未提出があると一定期間申請できません

📊 このセクションの要点

対象は都内に本店または支店の登記がある中小企業者等で、直近2期分の確定申告書の提出が必須です。都内での事業実態は登記だけでなく実質面から総合的に判断されます。同一年度の申請は1事業者1回に限られ、他制度との重複や事業税の滞納は申請そのものを不可能にします。

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助成対象経費の全体像と経費区分ごとの限度額

助成対象経費は「販路開拓費」と「販売促進費」の2区分に分かれます。販路開拓費の申請は必須であり、販売促進費のみの申請はできません。この構造を理解しないまま経費を組み立てると、申請自体が成立しません。

経費区分 対象経費 限度額
販路開拓費
(申請必須)
展示会等参加費(出展小間料・資材費・輸送費) なし
販路開拓費 EC出店初期登録料 20万円
販路開拓費 サイト制作・改修費 20万円
販売促進費
(単独申請不可)
印刷物制作費 50万円
販売促進費 動画制作費 20万円
販売促進費 広告掲載費 20万円

展示会に出展しなくても申請できる

本助成でとくに注目すべき点は、公社が第2回募集の案内で明示しているとおり、サイト制作・改修費のみでの申請が可能であることです。サイト制作・改修費は販路開拓費に属するため、展示会出展を伴わなくても申請要件を満たします。

この場合の助成限度額は20万円であり、助成率3分の2を前提とすると、30万円の制作費に対して20万円が助成される計算になります。展示会に出展する体力はないが自社製品のPRサイトを整備したいという事業者にとって、現実的な選択肢です。

展示会出展を対象とするための11の条件

展示会等参加費を申請する場合、その展示会は募集要項のア~サの11条件をすべて満たす必要があります。要点は、商談を主たる目的とした展示会であること、出展要項が主催者により発行・公開されていること、自社が主催や運営に携わる展示会でないこと、そして申請事業者自らが小間内で商談を行うことです。

販売を目的とした出展や受注会、起業家・ファンド等からの資金調達を目的とした出展は対象外です。代理出展や、プロモーション支援の一環で行う出展代行、市場調査目的の出展も認められません。

注意

共同出展を行う場合は、申請時に共同出展である旨の申告が必須です。公社のFAQでは、申請時に単独出展としていた展示会を後から共同出展に変更した場合、助成対象とならないと明記されています。出展形態は申請段階で確定させる必要があります。

ECサイト出店とサイト制作の条件

EC出店初期登録料はモール型ECサイトへの出店に限られ、独自ドメインを持つ自社ECは対象外です。対象となるのは初回契約時に支払う初期登録料のみで、月額出店料や運用サービス費、構築・デザイン費は含まれません。すでに出店済みのモールは対象外ですが、別のモールへ新たに出店する場合はその初期登録料が対象となります。

サイト制作・改修費は、自社でドメインを取得し自社で運営・管理するWebサイトが対象です。外部の専門業者への委託が前提であり、自社制作は対象外です。加えて、販売管理システム(予約・決済システム、顧客・会員システム、ショッピングカート、自社EC等)の搭載を含むサイトは対象外となる点は、実務上とくに注意が必要です。

また、障害者差別解消法に基づくWebアクセシビリティのガイドライン対応に取り組んでいることも条件に含まれています。制作会社への発注時点で、この要件を仕様に織り込んでおくことが重要です。

📊 このセクションの要点

経費は販路開拓費と販売促進費の2区分で構成され、販路開拓費の申請が必須です。展示会出展を伴わずサイト制作・改修費のみで申請することも可能で、この場合の限度額は20万円となります。ECはモール型のみ、サイトは外部委託かつ販売管理システム非搭載という条件があり、発注前の仕様確認が助成可否を分けます。

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申請フローと必要書類

申請書は、Jグランツ上のフォーム入力と、公社指定様式である申請書別紙1~5(事業計画詳細)のアップロードの2つで構成されます。どちらか一方のみでは申請として成立しません。提出書類は次のとおりです。

書類 内容・留意点
申請書【必須】 Jグランツのフォーム入力+申請書別紙1~5(Excel様式をPDF変換のうえアップロード推奨)
商品説明資料【必須】 カタログ、機能説明書、図面等。A4サイズ10ページ以内、1ファイルにまとめる
助成事業プレゼン資料 任意提出。出展企画書や販促企画書等。A4サイズ10ページ以内
登記簿謄本等【必須】 法人は発行後3か月以内の履歴事項全部証明書(原本を保管)。個人は開業・廃業等届出書
納税証明書【必須】 法人は法人事業税および法人都民税の納税証明書。個人は個人事業税と住民税の納税証明書
確定申告書【必須】 直近2期分。法人は別表一・別表二、事業概況説明書、決算報告書、勘定科目内訳明細書
展示会等の出展案内 展示会経費を申請する場合に必要。主催者・会期・会場・開催目的・来場対象者・小間料の記載が必須

代理申請の取扱いと士業の関与範囲

本助成では、Jグランツ上の代理申請機能に限り、第三者が申請手続きを行うことができます。GビズID上で申請者が受任者に委任の依頼をすることで、受任した行政書士等がJグランツ上で申請を作成できる仕組みです。ただし申請の確認および提出は申請者自身が行う必要があり、申請受付以降の手続きも申請者自身が行います。

代理申請を請け負う者は、公社所定の「同意書(代理申請者用)」を申請フォームの指定箇所にアップロードします。なお、助成対象経費に関与する外注(委託)先の事業者およびその従業員は、代理申請を請け負うことができません。制作会社が申請代行まで一括で担うという形は認められないという点に注意が必要です。

📊 このセクションの要点

申請はJグランツのフォーム入力と申請書別紙のアップロードの両方で完成します。登記簿謄本は発行後3か月以内、納税証明書は都税事務所発行のものが必要で、これらの取得には日数を要します。代理申請はJグランツの機能に限定され、確認と提出は申請者本人が行い、外注先事業者は代理申請を担えません。

審査の4つの視点と事業計画の組み立て方

募集要項には、審査の視点が4つ明記されています。事業計画詳細は、この4つに正面から答える構成で書く必要があります。

審査の視点 問われている内容 書き方の要点
波及性 『2050東京戦略』に寄与し得る商品か。持続可能で安全な東京の実現、介護現場の負担軽減、DX推進等の都市課題解決に資するか 戦略のどの記述に対応するかを特定し、自社商品が解決する都市課題を具体的に記述する
事業適格性 継続的な販路拡大につながるか。事業計画は趣旨に沿っているか。実施体制は整っているか。訴求先と手法は適切か 単発の出展で終わらせず、出展後の商談フォロー体制と担当者の役割まで記述する
優秀性 他社製品と比較調査しているか。独自性や優位性はあるか。法令・環境・安全確保は厳格になされているか 競合製品を実名または類型で挙げ、性能・価格・使い勝手の比較を数値で示す
市場性 市場規模やエンドユーザーのニーズを把握できているか。市場での成長や新市場の掘り起こしが期待できるか 公的統計や業界団体の公表データを引用し、狙う市場のセグメントを絞って示す

「なぜその展示会なのか」を説明できるか

事業適格性の評価で差がつくのは、出展先の選定理由です。来場者層と自社の狙う顧客層が一致していることを、来場者データや過去の出展実績をもとに説明できるかどうかが問われます。単に「業界最大規模の展示会だから」という理由付けでは、訴求先と手法の適切性を示したことになりません。

同様に、サイト制作を申請する場合も、誰に向けたサイトで、どの導線で問い合わせにつなげるのかという設計思想が問われます。制作会社の見積書をそのまま転記しただけの計画は、継続的な販路拡大につながるという説明を欠くことになります。

POINT

審査は非公開で行われ、審査に関する個別の問い合わせには回答されません。不採択の理由が示されない以上、次回に活かすためには、申請時点で4つの視点それぞれに対する自社の回答を明文化しておくことが不可欠です。

📊 このセクションの要点

審査は波及性・事業適格性・優秀性・市場性の4視点で行われます。都市課題との接続、出展後のフォロー体制、競合比較の具体性、市場データの裏付けという4点を、事業計画詳細のなかで独立して説明することが求められます。審査は非公開であり、個別の問い合わせには応じられません。

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交付決定後に事故が起きやすい支払・契約のルール

採択されても、実績報告の段階で経費が認められず助成金が減額される事例は少なくありません。本助成では支払方法と契約形態に厳格な条件が課されています。

論点 ルールと注意点
支払名義 助成事業者名義の金融機関口座からの振込払いが原則。役員や従業員の個人名義・個人口座からの振込は対象外
クレジットカード払い 利用日と口座からの引き落としの両方が助成対象期間内であること。リボ払い・分割払いは不可。代表者や社員のカードによる立替も不可
現金払い やむを得ない理由があり、税込10万円未満の支払いで、支払先発行の領収書が提出できる場合に限る
手形・電子記録債権 一切対象外。電子マネーによる支払いも対象外
関連会社との取引 親会社・子会社・グループ企業、役員や社員を兼任する会社、代表者の三親等以内の親族が経営する会社等との取引は対象外
再委託 委託先からさらに別業者へ主要な業務または業務全部を委託している場合は対象外
ポイント 支払いに際して取得または使用したポイント相当分は対象外。実績報告時に控除する必要がある
計画変更 出展予定の展示会を変更する場合、事前にJグランツで変更申請を行い承認を得ること。正当な理由がない限り変更は認められない

助成対象期間の「契約・実施・支払」の三点セット

助成対象経費は、原則として助成対象期間内に契約・実施・支払いのすべてが完了するものに限られます。第2回であれば令和9年(2027年)2月1日から令和10年(2028年)2月29日までがその期間です。

例外は出展小間の申込(契約)のみで、これは助成対象期間前に行っていても対象となります。ただし出展と支払いは期間内である必要があり、公社のFAQでは、期間前に前金として小間料の30%を支払った場合、その前金部分は対象外となり、期間内に支払った残金のみが対象になると説明されています。

注意

実績報告では、展示会開催時のカラー写真5~6枚、資材の使用状況が確認できる写真、印刷物の配架・配布が確認できる写真など、履行確認のための証跡が求められます。サイト改修の場合は改修前ページのハードコピー(URLと日付がわかる状態)が必要です。出展当日や着手前に撮影を忘れると、後から取り返すことができません。

📊 このセクションの要点

助成金は交付決定で確定するものではなく、実績報告と完了検査を経て金額が確定します。契約・実施・支払いの三点が助成対象期間内に収まっているか、支払名義が事業者名義かという2点が、減額を避けるための最重要チェックポイントです。改修前サイトのハードコピーや展示会当日の写真は、事後に取得できない証跡である点に注意が必要です。

まとめ

押さえるべきポイント 要点
第2回が令和8年度最後の機会 申請期間は令和8年(2026年)11月10日10時から11月30日17時まで。第1回は終了済みで、同一年度の申請は1事業者1回に限られます
限度額150万円・助成率3分の2 販路開拓費の申請が必須で、販売促進費のみの申請はできません。サイト制作・改修費のみの申請は可能で、その場合の限度額は20万円です
対象商品は1種類に限定 自社が企画・製造し単独で販売できる商品で、第2回は令和8年(2026年)10月31日までに開発完了・事業化していることが必要です
審査は4視点で構成 波及性・事業適格性・優秀性・市場性。『2050東京戦略』との接続を自社で説明する責任があり、事務局は該当可否を回答しません
準備の起点はGビズID GビズIDプライムの発行に原則2週間、登記簿謄本・納税証明書の取得にも日数を要します。10月中の着手が現実的な目安です

よくある質問

Q1.本店が他県にあり、都内に事業所があります。申請できますか。

A1.都内事業所を支店登記していない場合は申請できません。本助成の申請要件では、法人は登記簿謄本(履歴事項全部証明書)により都内に本店または支店の所在が確認できることが求められます。公社のFAQでも、本店が他県にあり都内事業所が支店登記されていない場合は申請できないと明示されています。加えて、都税事務所発行の法人事業税および法人都民税の納税証明書を提出できることも要件です。さらに募集要項では、都内で実質的に事業を行っていることについて、単に建物があるだけでは足りず、申請書類、ホームページ、看板や表札、電話連絡時の状況、事業実態や従業員の雇用状況等から総合的に判断すると記載されています。申請を検討する段階で、登記の状況と都税の納税状況の両方を確認することが必要です。

Q2.設立したばかりで決算をまだ迎えていません。申請できますか。

A2.未決算の法人および創業予定者は申請できません。申請要件として、直近2期分の確定申告書の控えを提出できることが求められています。創業2期未満の場合は1期分での申請が認められますが、少なくとも1期分の確定申告書が提出できることが最低条件です。公社のFAQでも、創業予定者および未決算企業は申請できないと明記されています。なお、提出する2期分には休眠・休業期間を含まないことも条件です。休眠期間がある法人は、実質的に事業を行っていた期の申告書で要件を満たせるかを事前に確認する必要があります。創業間もない事業者は、決算を1期経過させたうえで翌年度の募集を狙うという判断が現実的です。

Q3.代理店として取り扱っている他社商品で申請できますか。

A3.代理店契約に基づく他社商品では申請できません。助成対象商品は、助成事業者自らが企画・製造し、自社製品として単独で販売する権利を有していることが要件です。公社のFAQでも、代理店契約を結んでいる他社商品による申請はできないと回答されています。ここでいう「企画・製造」は、製造工程の一部を外部に委託している場合でも、企画主体かつ販売権を単独で有していれば該当し得ますが、他社が企画・製造した製品を仕入れて販売している形態は対象外です。OEM供給を受けている場合や、共同開発品で販売権を他社と共有している場合は、権利関係を契約書で確認したうえで判断することが必要です。

Q4.複数の自社製品で販路開拓を行いたいのですが、まとめて申請できますか。

A4.助成対象商品は原則1種類に限られ、同一年度の申請も1事業者1回のみです。複数の有力製品を持つ事業者であっても、1種類を選択して申請する必要があります。展示会出展を申請する場合、その展示会では助成対象商品が主たる展示物であることが求められ、自社小間内で他製品を併せて展示する場合も、対象商品が中心であることを写真等で確認できる必要があります。一方で、印刷物や動画、ECサイトなどの制作物において複数商品を紹介している場合は、助成対象商品が含まれていれば原則として経費を按分する必要はないとされています。展示会と制作物で扱いが異なる点を理解して計画を組む必要があります。

Q5.展示会に出展する予定はありません。それでも申請できますか。

A5.サイト制作・改修費またはEC出店初期登録料のみでも申請できます。助成対象経費のうち販路開拓費には、展示会等参加費のほかにEC出店初期登録料とサイト制作・改修費が含まれています。販路開拓費の申請が必須という条件は、これらのいずれかを申請すれば満たされます。公社も第2回募集の案内で、サイト制作・改修費のみの申請が可能である旨を明示しています。この場合の助成限度額は20万円です。一方、印刷物制作費・動画制作費・広告掲載費からなる販売促進費のみでの申請は認められません。チラシや動画だけを作りたいという計画では申請が成立しないため、販路開拓費のいずれかと組み合わせる設計が必要です。

Q6.助成対象期間より前に展示会の出展申込を済ませています。対象になりますか。

A6.申込(契約)のみは期間前でも認められますが、出展と支払いは期間内である必要があります。出展小間の申込は、展示会の性質上、開催のかなり前に締め切られることが多いため、助成対象期間前の契約でも対象とされています。ただし出展(会期)と支払いの両方が助成対象期間内に行われることが条件です。公社のFAQでは、助成対象期間前に前金として小間料の30%を支払ったケースについて、その前金は対象外となり、期間内に支払った残金のみが助成対象になると説明されています。支払スケジュールを主催者と調整できるかどうかが、実際の助成額を左右します。なお、出展とパックになっているレンタル装飾や電気工事等の資材費についても、期間前の契約が認められています。

Q7.クレジットカードで支払っても助成対象になりますか。

A7.条件を満たす場合に限り対象となりますが、口座からの引き落としまで助成対象期間内に完了している必要があります。認められる条件は、利用日と口座引き落としの両方が助成対象期間内であること、リボ払いや分割払いでないこと、助成事業者名義(法人の場合は当該法人名義)のカードであり事業者名義の口座から引き落とされることです。代表者個人のカードや社員のカードによる立替は対象外です。公社のFAQでも、期間内にカード決済を行っても引き落としが期間後になった場合は対象とならないと明示されています。カード払いは締め日と引き落とし日の関係で1~2か月のずれが生じるため、期間終了間際の決済は避けることが賢明です。また、支払時に取得または使用したポイント相当分も対象外となります。

Q8.自社サイトにEC機能を付けたいのですが、サイト制作費の対象になりますか。

A8.販売管理システムを搭載するサイトは対象外です。サイト制作・改修費の要件では、予約・決済システム、顧客・会員システム、ショッピングカート、自社EC等のソフトウェアと同様の機能の搭載を含まないことが求められています。公社のFAQでも、販売(EC)機能を付加したページの制作は対象とならないと回答されています。対象となるのは、助成対象商品をPRすることを目的とした自社サイトです。また、自社でドメインを取得して運営・管理することが前提であり、他者が運営元となるサイトは自社ページであっても対象外です。運用費(ドメイン取得費・維持費、レンタルサーバ費、保守・管理費等)や素材購入費も対象外となるため、制作会社の見積書は制作・改修に係る経費が明確に区分された形で取得する必要があります。

Q9.すでにECモールに出店しています。EC出店初期登録料は対象になりますか。

A9.すでに出店しているモールとは別のモールへ新たに出店する場合は対象となります。公社のFAQでは、既存の出店モールとは異なるモールへ新規出店する場合、その初期登録料が助成対象になると説明されています。対象となるのはモール型ECサイト、すなわちECサイトのドメイン配下にショップページ用のディレクトリが割り振られる形式のものに限られ、独自ドメインの自社ECは対象外です。クラウドファンディングやフリーマーケットサイトの登録料も対象となりません。また、対象経費は初回契約時に支払う初期登録料のみで、コンテンツ費用、月額出店料、運用サービス費、デザイン費などのランニング費用は含まれません。初期登録から出店・支払いまでを助成対象期間内に完了させることも条件です。

Q10.申請手続きを外部の専門家に任せることはできますか。

A10.Jグランツの代理申請機能を使う場合に限り可能ですが、申請の確認と提出は申請者自身が行います。申請者がGビズID上で受任者に委任の依頼を行うことで、受任した行政書士等がJグランツ上で申請を作成できます。委任関係を結ぶには、委任者・受任者双方がGビズIDプライムを保有し、マイページ上で委任申請と承認の作業を行う必要があります。代理申請を請け負う者は、公社所定の「同意書(代理申請者用)」を申請フォームの指定箇所にアップロードします。ただし、助成対象経費に関与する外注(委託)先の事業者およびその従業員は代理申請を請け負えません。制作会社や展示会関連業者が申請代行まで担う形は認められないという点に注意が必要です。また、申請受付以降の手続きは申請者自身が行うこととされています。

課題解決販路の申請をお考えの経営者の方へ

「良い製品はある。あとは売り先をどう広げるか」という段階こそ、この助成金が最も有効に働く時期です

課題解決販路は、申請要件そのものは明快である一方、助成対象商品の選定、『2050東京戦略』との接続の説明、経費区分の組み立て、そして支払ルールの管理という4つの実務判断が結果を左右します。壱市コンサルティングでは、認定経営革新等支援機関として、都内中小企業の販路開拓計画の設計から申請書作成、交付決定後の実績報告までを一貫して支援しています。

📋 申請可否の事前診断

登記・納税・決算期数といった資格要件と、助成対象商品の要件充足を確認し、今回申請すべきか翌年度に備えるべきかを判断します

📊 事業計画詳細の設計・作成支援

波及性・事業適格性・優秀性・市場性という4つの審査視点に正面から答える構成で、申請書別紙を組み立てます

🔄 交付決定後の実績報告サポート

契約・実施・支払いの三点管理と履行確認書類の準備を伴走し、減額リスクを抑えた着地を目指します

第2回の締切は令和8年(2026年)11月30日17時です。GビズIDの取得期間を含めると、10月中の着手が現実的な目安となります

こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください

  • ✅ 自社商品が4分野に該当するか判断できない
  • ✅ 複数の製品のうちどれで申請すべきか迷っている
  • ✅ 展示会に出展しないが、サイト制作費で申請したい
  • ✅ 『2050東京戦略』との関連づけをどう書けばよいかわからない
  • ✅ 過去に申請して不採択となり、次回の改善点を整理したい

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