【令和8年9月】新事業進出補助金 第4回採択結果を分析|採択率33.9%・製造業は2社に1社・受かった業種とは
【令和8年9月】新事業進出補助金 第4回採択結果を分析|採択率33.9%・製造業は2社に1社・受かった業種とは
令和8年(2026年)9月30日、中小企業基盤整備機構は新事業進出補助金の第4回公募の採択結果を公表しました。応募1,499件に対して採択は508件、採択率は33.9%です。第1回から一度も上昇することなく、4回連続で採択率が下がる結果となりました。
今回の結果で特に注目すべきは業種ごとの差です。製造業は266件の応募に対して133件が採択され、採択率はちょうど50.0%に達しました。一方で宿泊業・飲食サービス業は23.8%、不動産業・物品賃貸業は22.0%にとどまり、同じ補助金でありながら業種によって通りやすさに2倍以上の開きが生じています。
本記事では、事務局が公表した「第4公募の採択結果について」と採択案件一覧508件を壱市コンサルティングで集計し、どのような業種・テーマ・投資規模の計画が採択されたのかを整理します。あわせて、公募受付を終えた本制度の後を受ける「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」への備え方も解説します。
新事業進出補助金 第4回公募の採択結果概要
まず、第4回公募のスケジュールと採択結果の全体像を確認します。公募期間は令和8年(2026年)3月27日から6月19日までで、採択結果は9月30日に公表されました。
| 項目 | 第4回公募 |
|---|---|
| 公募期間 | 令和8年(2026年)3月27日〜6月19日 18:00 |
| 申請受付開始 | 令和8年(2026年)5月19日 |
| 採択結果発表 | 令和8年(2026年)9月30日 |
| 応募件数 | 1,499件 |
| 採択件数 | 508件 |
| 採択率 | 33.9% |
| うち関税加点対象 | 224件(採択件数の44.1%) |
応募件数は第3回の1,212件から287件(約23.7%)増加しました。第1回の3,006件、第2回の2,350件、第3回の1,212件と減少を続けてきた応募件数が、最後の公募で反転した形です。制度の公募終了が見込まれるなかで「最後の機会」として申請に踏み切った事業者が一定数存在したと整理されます。
| 公募回 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 | 関税加点対象(採択に占める割合) |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 3,006件 | 1,118件 | 37.2% | 590件(52.8%) |
| 第2回 | 2,350件 | 832件 | 35.4% | 446件(53.6%) |
| 第3回 | 1,212件 | 423件 | 34.9% | 176件(41.6%) |
| 第4回 | 1,499件 | 508件 | 33.9% | 224件(44.1%) |
採択率は37.2%から33.9%まで、4回にわたって少しずつ低下しました。応募件数が増えた第4回でも採択件数はそれに比例して増えておらず、審査の水準が緩む方向には動いていないと認識する必要があります。
📊 このセクションの要点
第4回は応募1,499件・採択508件・採択率33.9%で、4回連続の採択率低下となりました。応募件数は前回比で約24%増えましたが、採択のハードルはむしろ上がっています。
業種別に見る「受かった業種」と「苦戦した業種」
事務局が公表した業種別(既存事業の日本標準産業分類・大分類)の応募件数と採択件数から、業種ごとの採択率を算出しました。採択件数の多い順に並べています。
| 業種(大分類) | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 | 採択全体に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| 製造業 | 266件 | 133件 | 50.0% | 26.2% |
| 建設業 | 235件 | 79件 | 33.6% | 15.6% |
| 卸売業、小売業 | 223件 | 63件 | 28.3% | 12.4% |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 125件 | 37件 | 29.6% | 7.3% |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 147件 | 35件 | 23.8% | 6.9% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 91件 | 31件 | 34.1% | 6.1% |
| 情報通信業 | 103件 | 29件 | 28.2% | 5.7% |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 80件 | 27件 | 33.8% | 5.3% |
| 不動産業、物品賃貸業 | 82件 | 18件 | 22.0% | 3.5% |
| 医療、福祉 | 38件 | 18件 | 47.4% | 3.5% |
| その他(運輸・教育・農林・金融・漁業) | 109件 | 38件 | 34.9% | 7.5% |
製造業は応募した2社に1社が採択
製造業は応募266件のうち133件が採択され、採択率50.0%と全体平均33.9%を16ポイント以上上回りました。採択件数でも全体の4分の1強を占め、第4回でも本制度の中心が製造業であることが明確になっています。
採択された製造業の事業計画名を見ると、「プレス金型技術を応用した医療機器向け樹脂部品製造事業」「精密加工技術で挑む半導体製造装置の真空コア部品の製造事業」「宇宙用途向け高信頼樹脂部品の真空注型製造事業」のように、既存の加工技術を新しい市場へ転用する構図の計画が目立ちます。新事業進出補助金が求める「既存事業と異なる新市場への進出」を、自社の技術的な強みと結び付けて説明しやすい点が、製造業の高い採択率を支えていると理解するのが実態に近い見方です。
医療・福祉は応募が少ないながら47.4%
医療・福祉は応募38件と母数は小さいものの、18件が採択され採択率47.4%となりました。「ケアマネ事業所向けケアプラン作成支援AIの提供」「介護士・看護師常駐型ヴィラ宿泊事業」など、現場で培った専門知識を新しいサービスに転換した計画が並びます。業界の課題を当事者として理解していることが、市場ニーズの説得力に直結した結果と整理されます。
宿泊・飲食と不動産は採択率2割台前半にとどまる
一方で、宿泊業・飲食サービス業(23.8%)と不動産業・物品賃貸業(22.0%)は、全業種の中で最も低い水準でした。両業種とも、民泊・一棟貸し・サウナ・カフェといった比較的参入しやすい事業を計画するケースが多く、類似の計画との差別化や、市場規模・需要の根拠を示すことが難しくなりやすいという構造的な課題を抱えています。
注意
宿泊・観光系の計画そのものが不利というわけではありません。採択案件一覧には「宿泊」を含む計画が37件あり、その多くは地域資源・体験・特定の顧客層(ペット同伴、要介護者、競技者など)を組み合わせて独自性を明確にしています。「誰に・なぜ自社が」を具体的に示せない計画が苦戦していると認識する必要があります。
📊 このセクションの要点
製造業は採択率50.0%で第4回でも圧倒的な中心でした。医療・福祉も47.4%と高く、宿泊・飲食(23.8%)と不動産(22.0%)は苦戦しています。差を分けたのは、既存の強みと新市場との結び付きを説明できるかどうかです。
採択された508件の事業テーマ傾向
採択案件一覧に記載された事業計画名から、代表的なキーワードを含む件数を壱市コンサルティングで集計しました。一つの計画が複数のキーワードを含む場合は、それぞれに計上しています。
| キーワード | 件数(508件中) | 採択された事業計画名の例 |
|---|---|---|
| AI | 42件 | ローカルLLMを活用した組織向けAIエージェントの開発事業/AI搭載フレキソ印刷機への新市場進出事業 |
| 体験 | 39件 | 直島の宿泊不足を解消する高付加価値文化体験型宿泊施設整備事業 |
| 宿泊 | 37件 | DogID技術による愛犬同伴旅特化型宿泊予約プラットフォーム |
| 観光 | 22件 | 家族湯・貸切サウナの展開を通した地域観光活性化事業 |
| 再生(空き家・遊休資産・資源) | 17件 | 島根遊休工場再生による黒麹発酵食品の製造事業 |
| 医療 | 13件 | 医療機器分野への参入と高付加価値対応による収益V字回復 |
| ペット | 12件 | 予防医療型診療所併設ペット総合ケア事業 |
| 半導体 | 9件 | 半導体製造向け高品質・高性能バルブの設計・製造・販売事業 |
| ロボット | 8件 | 小型・軽量化・静粛性向上に資する介護ロボット部品の製造事業 |
最も多いキーワードは「AI」の42件で、採択全体の約8%を占めました。ただし、AIを使うこと自体が評価されているわけではありません。「AI×熟練ノウハウで実現する半導体部品の品質保証代行サービス」のように、既存事業で蓄積したノウハウとAIを組み合わせ、特定の業界課題を解決する計画が中心です。
また、「体験」「宿泊」「観光」を含む計画も合わせて相当数にのぼります。観光需要の回復を背景に、製造業や建設業が自社の工場・技術・地域資源を活かして体験型サービスに進出する計画も見られ、業種の垣根を越えた新市場進出が本制度の特徴として表れています。
📊 このセクションの要点
採択テーマの最多はAI(42件)で、体験・宿泊・観光系も多く採択されました。いずれも既存事業のノウハウや地域資源と組み合わせている点が共通しています。
地域別・申請額別に見る採択傾向
都道府県別|東京都・大阪府は採択率3割を下回る
| 都道府県 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 287件 | 80件 | 27.9% |
| 大阪府 | 137件 | 41件 | 29.9% |
| 愛知県 | 120件 | 48件 | 40.0% |
| 福岡県 | 64件 | 18件 | 28.1% |
| 神奈川県 | 58件 | 24件 | 41.4% |
| 兵庫県 | 57件 | 21件 | 36.8% |
| 北海道 | 53件 | 17件 | 32.1% |
| 京都府 | 52件 | 20件 | 38.5% |
| 静岡県 | 47件 | 20件 | 42.6% |
応募件数の上位は東京都・大阪府・愛知県で、この3都府県だけで応募全体の約36%を占めます。ただし採択率を見ると、東京都は27.9%、大阪府は29.9%と全国平均を下回りました。一方、製造業の集積が厚い愛知県(40.0%)や静岡県(42.6%)は高い採択率となっており、業種構成の違いが地域の採択率にも表れていると整理されます。
申請額別|投資規模が大きいほど採択率が高い
| 補助金申請額 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 1,500万円未満 | 480件 | 128件 | 26.7% |
| 1,500万円以上3,000万円未満 | 693件 | 245件 | 35.4% |
| 3,000万円以上 | 326件 | 135件 | 41.4% |
補助金申請額で3つに区分すると、1,500万円未満の採択率は26.7%、3,000万円以上は41.4%と、投資規模が大きいほど採択率が高い結果となりました。応募件数が最も多い価格帯は「2,500万円以上3,000万円未満」の286件で、このゾーンの採択率は36.7%でした。
補足
申請額を大きくすれば採択されやすくなるという意味ではありません。大きな投資を計画する事業者ほど、設備・市場調査・資金調達の裏付けを十分に準備している傾向があると読むのが妥当です。投資額は事業計画と収益見通しから逆算して決めることが重要です。
📊 このセクションの要点
東京都・大阪府は採択率3割を下回り、製造業の多い愛知県・静岡県は4割超でした。申請額3,000万円以上の採択率は41.4%と、小規模な計画(26.7%)を大きく上回っています。
採択と不採択を分けた要因
公表データと採択案件の事業計画名、そして壱市コンサルティングが支援の現場で見てきた計画書の傾向を重ね合わせると、採択と不採択を分けた要因は次の3点に整理されます。
| 分岐要因 | 採択された計画の特徴 | 不採択になりやすい計画の特徴 |
|---|---|---|
| 既存の強みとの接続 | 既存事業の技術・顧客・ノウハウを新市場で使う理由が明確 | 既存事業と無関係で、なぜ自社が行うのかが説明されていない |
| 市場と顧客の具体性 | 対象顧客・市場規模・競合との違いを数値と固有名詞で示している | 「需要が伸びている」など一般論の市場説明にとどまる |
| 投資と収益の整合 | 設備投資が売上・付加価値・賃上げにどうつながるかが一貫している | 設備の導入目的と収益計画のつながりが弱い |
新事業進出補助金は、単なる設備投資の補助ではなく、既存事業とは異なる市場に進出する「事業の挑戦」を評価する制度です。製造業の採択率が高いのは、業種が優遇されているからではなく、「自社の加工技術を、この市場のこの用途に展開する」という因果関係を描きやすいためと理解する必要があります。
逆に、参入障壁の低い事業を計画する場合は、立地・顧客層・既存資源の活用などで他社がまねできない理由を示さなければ、審査では類似の計画の中に埋もれてしまいます。宿泊・飲食や不動産の採択率が低いのは、この点の説明が不足しやすいことの表れと整理されます。
📊 このセクションの要点
採択を分けたのは「既存の強みとの接続」「市場と顧客の具体性」「投資と収益の整合」の3点です。業種そのものではなく、新市場に進む必然性を説明できるかどうかが問われています。
次の受け皿「新事業進出・ものづくり補助金」と不採択事業者の再申請
第4回で不採択となった事業者、あるいは申請を見送った事業者にとって、次の申請先は明確です。新事業進出補助金の公式サイトには「公募は終了しました」と掲載されており、本制度での新たな申請機会はありません。今後、新市場への進出を支援するのは、ものづくり補助金と統合された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」(新事業進出・ものづくり補助金)の「新事業進出枠」です。
第1回公募のスケジュールと申請枠
| 項目 | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回公募) |
|---|---|
| 公募期間 | 令和8年(2026年)6月29日〜10月30日 18:00(当初の9月30日から延長) |
| 申請受付 | 令和8年(2026年)9月30日から |
| 採択結果発表 | 令和9年(2027年)1月(予定) |
| 申請枠 | 革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠 |
新事業進出枠の補助上限・補助率
| 従業員数 | 補助上限額 | 賃上げ特例適用時 |
|---|---|---|
| 1〜20人 | 2,500万円 | 3,000万円 |
| 21〜50人 | 4,000万円 | 5,000万円 |
| 51〜100人 | 5,500万円 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
補助率は2分の1(地域別最低賃金引上げ特例の適用時は3分の2)、補助下限額は750万円、補助事業の実施期間は交付決定日から14か月以内です。対象となるのは、自社にとって新規性のある製品・サービスで、かつ既存事業では対象にしていなかった顧客層の市場に進出する事業です。既存製品の増産、単なる商圏の拡大、メニューの追加といった計画は対象になりません。
新事業進出枠の主な基本要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 付加価値額 | 事業計画期間(3〜5年)で、付加価値額の年平均成長率4.0%以上 |
| 賃上げ | 1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上(目標未達の場合は補助金の返還あり) |
| 事業場内最低賃金 | 毎年、地域別最低賃金より30円以上高い水準 |
| 一般事業主行動計画 | 次世代法に基づく行動計画を策定し「両立支援のひろば」に公表(掲載まで1〜2週間程度) |
新事業進出補助金で不採択だった事業者は再申請できる
公募要領では、本補助金で不採択となった事業者は「事業計画の見直しを行った上で、再度申請することができます」とされています。新事業進出補助金の第1回〜第4回で不採択となった事業者も、対象外となる事業者の規定に該当しなければ、新事業進出・ものづくり補助金に申請できます。一方で、次のケースは対象外です。
| 申請者の状況 | 新事業進出・ものづくり補助金への申請 |
|---|---|
| 新事業進出補助金で**不採択**だった | 申請できる(事業計画を見直したうえで) |
| 申請締切日から16か月以内に、事業再構築補助金・新事業進出補助金・ものづくり補助金・新事業進出・ものづくり補助金で採択された(採択辞退を除く) | 対象外(第4回の採択事業者はこれに該当) |
| 申請締切日時点で、上記の補助金の交付決定を受けて補助事業を実施中 | 対象外 |
| 過去3年間に、事業再構築補助金・新事業進出補助金・ものづくり補助金の交付決定を合計2回以上受けた | 対象外 |
注意
不採択となった計画書をそのまま提出しても、結果は変わりにくいと認識する必要があります。新事業進出枠の「新規性×新市場」の考え方と審査項目に沿って、既存の強みとの接続・市場と顧客の具体性・投資と収益の整合の3点から計画を組み直すことが重要です。また、一般事業主行動計画の公表は掲載まで時間がかかるため、締切から逆算して最優先で着手することが賢明です。
📊 このセクションの要点
後継の新事業進出・ものづくり補助金(第1回締切:令和8年(2026年)10月30日18:00)の新事業進出枠は、従業員数に応じて補助上限2,500万円〜7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円)、補助率2分の1です。新事業進出補助金で不採択だった事業者は再申請できますが、第4回の採択事業者は対象外です。
この記事のまとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 採択率は4回連続で低下 | 第4回は応募1,499件・採択508件・採択率33.9%。応募は前回比約24%増えたが、採択率は37.2%から一貫して低下した |
| 製造業は2社に1社が採択 | 製造業の採択率は50.0%で、採択全体の26.2%を占めた。既存技術の新市場転用が評価の中心 |
| 宿泊・飲食と不動産は苦戦 | 宿泊・飲食23.8%、不動産22.0%。参入しやすい事業ほど差別化と市場根拠の説明が問われる |
| 大きな投資ほど採択率が高い | 申請額3,000万円以上の採択率は41.4%、1,500万円未満は26.7% |
| 次の受け皿は新事業進出・ものづくり補助金 | 第1回締切は令和8年(2026年)10月30日18:00。不採択だった事業者は再申請できるが、第4回の採択事業者は対象外 |
よくある質問(Q&A)
Q1.新事業進出補助金 第4回の採択率は何%でしたか。
A1.採択率は33.9%です。事務局の公表によると、第4回公募には1,499件の応募があり、そのうち508件が採択されました。採択率は33.9%で、第1回の37.2%、第2回の35.4%、第3回の34.9%から一段低い水準となっています。応募件数は第3回の1,212件から約24%増えましたが、採択件数は応募の増加ほどには増えていません。4回を通じて採択率が一度も上昇していないことから、審査の水準は回を追うごとに厳しくなっていると認識する必要があります。応募が多い回ほど通りやすいという見方は当てはまりません。
Q2.第4回で最も採択された業種は何ですか。
A2.製造業で、採択件数133件・採択率50.0%です。製造業は応募266件のうち133件が採択され、採択件数・採択率ともに全業種で最も高い結果となりました。採択全体の26.2%を製造業が占めています。2番目は建設業(79件・採択率33.6%)、3番目は卸売業・小売業(63件・28.3%)です。製造業の採択案件には、金型・精密加工・樹脂成形などの既存技術を医療機器、半導体、宇宙といった新しい市場に展開する計画が多く見られます。既存の強みと新市場との結び付きを説明しやすいことが、高い採択率の背景にあると整理されます。
Q3.宿泊業や飲食業は申請しても採択されにくいのですか。
A3.採択率は低めですが、計画の独自性次第で十分に採択されます。第4回の宿泊業・飲食サービス業の採択率は23.8%で、全体平均の33.9%を下回りました。ただし、採択案件一覧には「宿泊」を含む計画が37件、「体験」を含む計画が39件あり、宿泊・観光系の計画は数多く採択されています。採択された計画は、地域の文化資源、ペット同伴や要介護者といった特定の顧客層、自社の既存ノウハウなどを組み合わせ、他社がまねしにくい理由を明確にしています。民泊やカフェなど参入しやすい事業ほど、誰に向けて、なぜ自社が行うのかを具体的に示すことが重要です。
Q4.関税加点はどの程度採択に影響しましたか。
A4.採択508件のうち224件、約44%が関税加点の対象でした。事務局の公表では、第4回の採択508件のうち関税加点の対象は224件で、採択全体の44.1%を占めています。第1回は52.8%、第2回は53.6%、第3回は41.6%で推移してきました。米国の関税措置の影響を受ける事業者への配慮として設けられた加点ですが、加点だけで採択が決まるわけではなく、採択の過半数は加点の対象外の事業者です。加点の対象となる場合は確実に要件を満たして申請しつつ、計画書本体の質を高めることが前提となります。
Q5.申請額が大きいほうが採択されやすいのですか。
A5.結果としては大きいほど採択率が高いものの、額を増やせば有利になるわけではありません。第4回の申請額別の採択率は、1,500万円未満が26.7%、1,500万円以上3,000万円未満が35.4%、3,000万円以上が41.4%でした。大きな投資を計画する事業者ほど、設備の仕様・見積・市場調査・資金調達の見通しなどを入念に準備している傾向があり、その計画の完成度が採択率に表れていると読むのが妥当です。投資額は事業計画と収益見通しから逆算して決めるものであり、採択を狙って根拠なく申請額を膨らませると、かえって計画の整合性が崩れます。
Q6.東京都や大阪府は採択されにくいのですか。
A6.第4回では東京都27.9%・大阪府29.9%と、全国平均を下回りました。第4回の採択率は、東京都が27.9%(287件中80件)、大阪府が29.9%(137件中41件)で、いずれも全国平均の33.9%を下回りました。一方で愛知県は40.0%、神奈川県は41.4%、静岡県は42.6%と高い水準です。都道府県ごとの採択枠が決まっているわけではなく、地域ごとの業種構成の違い、たとえば製造業の多さなどが採択率の差として表れていると整理されます。所在地で有利不利を考えるよりも、計画書そのものの質を高めることに注力すべきです。
Q7.新事業進出補助金の第5回公募はありますか。
A7.新事業進出補助金としての公募は第4回で終了しています。新事業進出補助金の公式サイトには「公募は終了しました」と掲載されています。今後、新市場への進出を支援する補助金としては、ものづくり補助金と統合された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の「新事業進出枠」が受け皿となります。同補助金の第1回公募は令和8年(2026年)6月29日に始まり、応募締切は当初の9月30日から10月30日18:00に延長されています。第4回で不採択となった事業者や、申請を見送った事業者は、この新制度での申請を検討することになります。
Q8.第4回で不採択でした。新事業進出・ものづくり補助金に再申請できますか。
A8.再申請できます。ただし計画書は新事業進出枠の考え方に沿って組み直す必要があります。新事業進出・ものづくり補助金の公募要領では、本補助金で不採択となった事業者は、事業計画の見直しを行ったうえで再度申請できるとされており、新事業進出補助金で不採択だった事業者も、対象外となる事業者の規定に該当しなければ申請できます。対象外となるのは、申請締切日から16か月以内に事業再構築補助金・新事業進出補助金・ものづくり補助金などで採択された事業者(第4回の採択事業者が該当)、過去3年間にこれらの交付決定を合計2回以上受けた事業者などです。再申請にあたっては、既存の強みとの接続・市場と顧客の具体性・投資と収益の整合の3点から弱点を洗い出し、新事業進出枠の審査項目に沿って計画を組み直すことが重要です。
Q9.第4回で採択された後は何をすればよいですか。
A9.交付申請を期限内に行い、交付決定を受けてから発注・契約に進みます。採択はあくまで補助金交付の候補者に選ばれた段階であり、補助金の交付が確定したわけではありません。採択後は事務局の案内に従って交付申請を行い、見積書などの書類審査を経て交付決定を受ける必要があります。原則として、交付決定より前に発注・契約・支払いを行った経費は補助対象になりません。交付申請の期限や必要書類は事務局の案内で必ず確認し、余裕をもって準備することが重要です。補助事業の完了後には実績報告、その後も事業化状況の報告が続きます。
Q10.採択率を上げるために最も重要なことは何ですか。
A10.自社がその新市場に進出する必然性を、根拠をもって説明することです。第4回の結果を業種・テーマ・投資規模の各面から見ると、採択された計画に共通するのは、既存事業で培った技術・顧客・ノウハウと新市場との結び付きが明確であることです。そのうえで、対象顧客と市場規模を具体的な数値で示し、設備投資が売上・付加価値・賃上げにどうつながるかを一貫したストーリーで説明しています。書類の体裁を整えることよりも、事業の中身を固めることが先決です。早い段階で専門家と計画を磨き込むことが、採択への近道となります。
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後継制度の第1回締切は令和8年(2026年)10月30日です。早い段階でのご相談が、計画の完成度を大きく左右します。
こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください
- ✅ 第4回で不採択となり、どこを直せばよいかわからない
- ✅ 自社の業種で新事業進出の計画が通るのか判断したい
- ✅ 後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のどの枠で申請すべきか知りたい
- ✅ 採択後の交付申請や実績報告に不安がある
