【令和8年(2026年)】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?旧ものづくり・新事業進出補助金との違いと第1回スケジュールを徹底解説

令和8年(2026年)6月29日、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)から新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)の公募要領が公開されました。これまで別々の制度として運用されてきた「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」を統合・再編した、令和8年度の目玉となる大型補助金です。

本制度は「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つの枠で構成され、新事業進出枠・グローバル枠では従業員規模に応じて最大7,000万円(賃上げ特例適用時は最大9,000万円)という、過去最大級の補助上限が設定されました。統合によって申請窓口が一本化されたことで、「自社はどの枠で申請すべきか」という最初の判断が、これまで以上に採否を左右する制度設計になっています。

本記事では、制度の全体像、3つの枠の補助上限・補助率、基本要件、そして旧ものづくり補助金・旧新事業進出補助金との具体的な違いと第1回公募のスケジュールまでを網羅して解説します。新規事業や設備投資を検討している経営者の方はもちろん、クライアント支援にあたる士業・コンサルタントの方にも参考になります。

制度誕生の背景と政策的意義

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金を理解するためには、これまでの中小企業向け設備投資支援の経緯と、政策の重心の変化を俯瞰する必要があります。ものづくり補助金は平成24年度補正予算を起点とし、試作品開発から先端設備導入まで、技術的な革新性や付加価値向上を伴う投資を支援する制度として10年以上にわたり運用されてきました。一方の新事業進出補助金は、令和3年以降に実施された事業再構築補助金の流れを汲み、既存事業の枠を超えた新市場・高付加価値事業への進出を後押しする制度として設計されたものです。

令和8年度(2026年度)からは、この2つの代表的な制度が「ものづくり商業サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業」という大きな枠組みのもとで一体的に再構成されました。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、その中核を担う制度です。事業全体の予算規模は約2,960億円と大型であり、設備投資による生産性向上と、新市場・新分野への挑戦を、ひとつの成長戦略として一体的に評価する制度へと移行した点に、政策的な意義があります。

重要なのは、「どちらかの制度が廃止された」という単純な話ではないという点です。旧ものづくり補助金、旧新事業進出補助金それぞれの性質は、新制度の各枠に引き継がれています。言い換えれば、制度の考え方そのものが大きく変わったわけではなく、企業側に求められる「自社の成長ストーリーをどの枠で整理するか」という設計力が、これまで以上に問われるようになったと理解するのが実態に近い見方です。

この制度の核心

補助事業を通じて中小企業等の付加価値額や生産性を向上させ、最終的に従業員の賃上げにつなげることが、3つの枠すべてに共通する目的です。設備を導入すること自体が目的ではなく、その投資が継続的な売上・利益・賃上げにどう結びつくかが審査の根幹に据えられています。

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制度の基本的な仕組みと3つの枠

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、取り組み内容に応じて3つの枠に分かれています。それぞれが旧制度の理念を継承しており、自社の投資が「既存技術の高度化・新製品開発」なのか「新市場への進出」なのか「海外展開」なのかによって、選ぶべき枠が変わります。

革新的新製品・サービス枠(旧ものづくり補助金を継承)

革新的な新製品・新サービス開発の取組を支援する枠で、旧ものづくり補助金の「製品・サービス高付加価値化枠」に相当します。顧客等に新たな価値を提供することを目的に、自社の技術力等を活かして新製品・新サービスを開発することが対象です。単に機械装置・システムを導入するだけで新製品・新サービスの開発を伴わないもの、既存の生産プロセスの改善にとどまるものは対象外である点に注意が必要です。老朽化設備の単なる買い替え(同等品のリプレース)も認められません。この枠では機械装置・システム構築費が必須経費となります。

新事業進出枠(旧新事業進出補助金を継承)

既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する枠です。新たに製造・提供する製品等が、その事業者にとって新規性を有し、かつその製品等が属する市場がその事業者にとって新たな市場であることが要件です。ここでの新規性とは「日本初・世界初」ではなく、あくまで申請する中小企業等にとっての新規性を指します。この枠では建物費が対象経費に含まれ、機械装置・システム構築費か建物費のいずれかが必須となります。

グローバル枠(旧ものづくり補助金グローバル枠を継承・大幅拡充)

海外市場開拓(輸出)に向けた、国内の輸出体制強化の取組を支援する枠です。自社の製品等を活用し、自発的に新たな海外販路を開拓するうえで必要となる国内製造拠点の強化が対象であり、取引先主導の事業は自発的な取組とは言えず対象外となります。海外旅費・通訳翻訳費が対象経費に追加され、補助上限額は旧制度から2倍以上に大幅拡充されました。

支援対象 必須経費 継承元
革新的新製品・サービス枠 革新的な新製品・新サービス開発 機械装置・システム構築費 旧ものづくり補助金
新事業進出枠 新市場・高付加価値事業への進出 機械装置・システム構築費 または 建物費 旧新事業進出補助金
グローバル枠 海外市場開拓・国内輸出体制の強化 機械装置・システム構築費 または 建物費 旧ものづくり補助金グローバル枠

補助上限額・補助率の詳細

補助上限額は従業員規模ごとに設定されています。括弧内の金額は、後述する賃上げ特例を適用した場合の引上げ後の上限額です。革新的新製品・サービス枠の補助下限額は100万円、新事業進出枠・グローバル枠の補助下限額は750万円です。

従業員数 革新的新製品・サービス枠 新事業進出枠/グローバル枠
1〜5人 750万円(850万円) 2,500万円(3,000万円)
※1〜20人
6〜20人 1,000万円(1,250万円)
21〜50人 1,500万円(2,500万円) 4,000万円(5,000万円)
51〜100人 2,500万円(3,500万円)
※51人以上
5,500万円(7,000万円)
101人以上 7,000万円(9,000万円)

補助率は枠によって異なります。革新的新製品・サービス枠と新事業進出枠は中小企業者が原則1/2、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者は2/3です。さらに地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合は、中小企業者でも2/3に引き上げられます。グローバル枠は中小企業者で一律2/3と、他の枠より高い補助率が設定されています。

補助率 補助事業実施期間
革新的新製品・サービス枠 1/2(小規模・再生・最賃特例は2/3) 交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内)
新事業進出枠 1/2(最賃特例は2/3) 交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)
グローバル枠 2/3 交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)

補助対象事業の基本要件

本補助金は、3〜5年の事業計画に取り組むことが前提です。以下の要件をすべて満たす計画を策定する必要があります。特に賃上げ要件と事業場内最賃水準要件は、目標値が未達の場合に補助金の返還義務が生じるという重い性質を持っており、計画段階での慎重な目標設定が求められます。

要件 内容
付加価値額要件 事業計画期間において、付加価値額の年平均成長率を4.0%以上増加させる見込みであること(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)
賃上げ要件
未達で返還
一人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させること。交付申請時までに従業員等へ目標値を表明する必要がある
事業場内最賃水準要件
未達で返還
毎年、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い水準であること
ワークライフバランス要件 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、「両立支援のひろば」に公表していること
子育て等職場環境整備要件 ライフデザインサービスの活用/育児等支援サービスの活用/既存制度の周知・啓発のいずれか1つに取り組むこと
金融機関要件 金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合は、資金提供元による事業計画の確認(金融機関による確認書)が必要

賃上げ特例・地域別最低賃金引上げ特例

賃上げ特例は、一人当たり給与支給総額を年平均成長率+6.0%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上に引き上げる計画を立てることで、補助上限額が引き上げられる仕組みです(前掲の括弧内金額)。ただし要件未達の場合は引上げ分の全額返還が求められます。

地域別最低賃金引上げ特例は、一定の条件を満たす従業員割合がある場合に補助率を引き上げる特例で、適用すると事業場内最賃水準要件が基本要件から除かれます。

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旧ものづくり補助金・旧新事業進出補助金との違い

統合によって何がどう変わったのかを、旧制度と新制度で整理します。制度の考え方の根幹は継承されていますが、申請戦略に直結する重要な変更点がいくつかあります。

比較項目 旧制度(〜令和7年度) 新制度(令和8年度〜)
制度形態 ものづくり補助金・新事業進出補助金が独立した2制度 1制度3枠に統合・再編
事業枠の構成 ものづくりは「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」、新事業進出は枠区分なし 「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3枠に整理
申請の自由度 ものづくりが不採択でも新事業進出で再挑戦する「二段構え」が可能 窓口が一本化され、1回の公募につき1申請。枠選択の最初の判断が重要
グローバル枠の上限 最大3,000万円程度(特例時4,000万円) 最大7,000万円(特例時9,000万円)へ大幅拡充
新事業進出系の補助率 旧新事業進出補助金は原則1/2のみ 最低賃金引上げ特例の条件を満たせば2/3まで引上げ可能
広告宣伝・販売促進費 旧ものづくり補助金では対象外 革新的新製品・サービス枠で新たに対象経費に
子育て等職場環境整備要件 明示的な必須要件としては存在せず 基本要件として新設
付加価値額要件 旧ものづくりは年平均成長率3.0%以上(新事業進出は4.0%以上) 4.0%以上に統一。賃上げは給与支給総額年率3.5%以上、3〜5年計画が標準
一般事業主行動計画(WLB要件) 旧ものづくりは従業員21名以上の事業者が対象 従業員数に関わらず全申請事業者が対象
決算書の提出期間 旧ものづくりは直近2期分、旧新事業進出は直近2年間 直近3期分に拡大
加点項目 事業承継・M&A加点、被用者保険加点、アトツギ甲子園加点、技術情報管理認証加点、特定事業者加点 等 研究開発費・試験研究費加点、日本の食輸出1万者支援プログラム加点を新設。上記の旧加点は整理・廃止

最も実務的に影響が大きいのは、「二段構え」ができなくなったという点です。旧制度では、設備投資はものづくり補助金、新分野進出は新事業進出補助金、と性質に応じて別々に申請でき、片方が不採択でももう片方で再挑戦するという戦略が取れました。統合後は1公募1申請が原則であるため、自社の投資計画が「既存技術の高度化・新製品開発」なのか「新市場への進出」なのかを、申請前に明確に整理しておくことが、これまで以上に採否を分けます。

参考までに、旧制度の直近の採択率は、ものづくり補助金の製品・サービス高付加価値化枠が第19次32.3%・第20次34.4%・第21次34.8%と30%台で推移し、グローバル枠は20%台前半にとどまっていました。新事業進出補助金(第1回)も37%前後でした。グローバル枠は求められる計画水準が高く、専門的な資料作成も必要なため、新制度でも審査ハードルが相対的に高くなることが想定されます。

基本要件の厳格化と新設要件

基本要件の水準は、全体として引き上げと統一が進みました。付加価値額の年平均成長率は、旧ものづくり補助金の3.0%以上から4.0%以上へ引き上げられ、旧新事業進出補助金の水準に統一されています。また、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・公表は、旧ものづくり補助金では従業員21名以上の事業者が対象でしたが、新制度では従業員数に関わらず全申請事業者が対象となりました。これに加えて、若手従業員向けのライフデザインサービスの活用、家事代行・ベビーシッターサービスの活用、子育て関連の既存制度の従業員への周知のいずれかを求める「子育て等に関する職場環境整備要件」が新設されています。小規模な事業者ほど、これらの要件対応に要する準備期間を見込んでおく必要があります。

加点項目の整理と新設

加点項目は、国の政策方針に合わせて再編されました。新たに「研究開発費・試験研究費計上に係る加点」と、グローバル枠を対象とした「日本の食輸出1万者支援プログラム加点」が追加されています。また、従来から存在するパートナーシップ構築宣言加点については、「令和8年(2026年)1月1日に更新されたひな形を利用して宣言を公表している事業者」という明確な条件が指定されました。一方で、旧ものづくり補助金の事業承継・M&A加点や被用者保険加点、旧新事業進出補助金のアトツギ甲子園加点・技術情報管理認証制度加点・特定事業者加点などは、新制度の加点項目から外れています。過去に取得していた加点が引き続き有効とは限らないため、自社が狙う加点を新制度の項目に照らして見直すことが重要です。

添付書類の変更点

添付書類では、経営状況をより長期的に把握する方向で要件が引き上げられました。決算書の提出期間が、旧ものづくり補助金の直近2期分・旧新事業進出補助金の直近2年間から、新制度では直近3期分へ拡大されています(3期分の提出ができない場合は今期までの全期分)。また、新設された研究開発費・試験研究費計上加点を希望する場合は、過去4年以内に税務申告に使用した「別表六(十)」の写し、研究開発費が計上された会計上の「販売費及び一般管理費明細書」の写し、または事務局所定のフォーマットのいずれかを追加で提出する必要があります。

第1回公募のスケジュールと必要書類

第1回公募のスケジュールは以下のとおりです。公募開始から申請受付開始まで約2か月の準備期間が設けられている点が特徴です。この期間に事業計画と添付書類を整えておくことが、採択への第一歩になります。

区分 日程
公募開始 令和8年(2026年)6月29日(月)
申請受付開始 令和8年(2026年)8月31日(月)
申請締切 令和8年(2026年)9月30日(水)18:00(厳守)
採択発表 令和8年(2026年)12月頃(予定)

申請は電子申請システムでのみ受け付けられ、GビズIDプライムアカウントの取得が必須です。アカウント発行には1週間程度かかるため、未取得の場合は早急な準備が必要です。また、ワークライフバランス要件で求められる一般事業主行動計画の公表手続きには1〜2週間程度を要するため、こちらも余裕を持った対応が欠かせません。

必須となる添付書類は次のとおりです。

  • 決算書(法人は直近3期分の貸借対照表・損益計算書等/3期未満は今期までの全期分)
  • 従業員数を示す書類(労働基準法に基づく労働者名簿の写し)
  • 収益事業を行っていることを説明する書類(直近の確定申告書別表一および法人事業概況説明書の控え)
  • 金融機関から資金提供を受ける場合は金融機関による確認書、加点・特例を申請する場合は該当する確認書類

口頭審査(オンライン)に注意

一定の審査基準を満たした事業者は、Zoom等によるオンライン口頭審査の対象となります。所要時間は1事業者15分程度で、申請事業者自身(法人代表者等)が対応する必要があり、コンサルタントや社外顧問の同席は一切認められません。早期に電子申請を完了した事業者から優先的に受験日時が案内されるため、締切間際の申請は不利になる可能性があります。

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採択を左右する審査ポイント

書面審査では、補助対象事業としての適格性、経営戦略との整合性、事業の実現可能性、公的補助の必要性、政策面などが評価されます。新事業進出枠では、これに加えて「新規事業の新市場性・高付加価値性」という独自の審査項目が設けられており、中小企業庁・中小機構はその考え方を示す別冊資料も公開しています。

この審査では、まず新規事業で製造・提供する製品等のジャンル・分野を適切に区分することが求められます。区分の際には「性能」「サイズ」「素材」「価格帯」「地域性」「業態」「顧客層」「効果」といった要素を排除しなければなりません。たとえば「高精密小型医療機器部品」ではなく「医療機器部品」、「東京都港区の高級焼肉店」ではなく「焼肉店」と区分するのが適切です。そのうえで、区分したジャンル・分野の社会における一般的な普及度・認知度が低いこと(新市場性)、または同一ジャンル内で高水準の高付加価値化・高価格化を図るものであること(高付加価値性)を、客観的なデータ・統計で裏付ける必要があります。

新市場性・高付加価値性は「いずれか」を満たせばよい

新事業進出枠では、補助事業が「新市場である」か「高付加価値事業である」のいずれかを満たせば対象になります。両方を同時に満たす必要はありませんが、いずれも満たさない場合は対象外です。自社の取組がどちらの軸で評価されるのかを見極め、その軸に沿った客観的根拠を計画書に盛り込むことが採択への近道です。

制度活用の実践的戦略と注意点

統合により、過去の補助金の利用履歴に関する制限が複雑になっています。申請前に自社の状況を冷静に確認することが重要です。とりわけ次の点に注意が必要です。

  • 申請締切日を起点に16か月以内に、事業再構築補助金・新事業進出補助金・ものづくり補助金・本補助金の交付候補者として採択された事業者、または交付決定を受けて補助事業実施中の事業者は対象外です。
  • 過去3年間に事業再構築・新事業進出・ものづくり補助金の交付決定を合計2回以上受けた事業者は対象外です。1回受けている事業者は減点対象となります。
  • 新事業進出枠は創業後1年に満たない事業者は対象外です(最低1期分の決算書が必要)。
  • 応募申請時点で従業員数が0名の事業者は対象外です。

また、加点項目を取得しておくことも採択率を高める有効な手段です。パートナーシップ構築宣言、くるみん・えるぼし認定、健康経営優良法人、経営革新計画、事業継続力強化計画、DX認定、研究開発費・試験研究費の計上など、申請締切日時点で有効である必要があるものが多いため、計画的な取得が求められます。これらは一朝一夕には準備できないものも含まれるため、公募開始から申請受付までの準備期間を最大限に活用することが賢明です。

なお、外部支援者の活用については制度上の留意点があります。事業計画の検討やブラッシュアップのために認定経営革新等支援機関等の助言を受けることは差し支えありませんが、作成自体を申請者以外が行うことは認められません。提供するサービスの内容とかけ離れた高額な成功報酬を請求するような事業者には注意が必要です。事業計画作成支援者がいる場合は、支援者名・支援内容・報酬額・契約期間を電子申請システムに正しく入力する必要があります。

まとめ:押さえるべき5つのポイント

ポイント 内容
① 2制度の統合・再編 旧ものづくり補助金と旧新事業進出補助金が統合され、革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠の3枠で再編された。
② 最大9,000万円 新事業進出枠・グローバル枠は最大7,000万円(賃上げ特例時9,000万円)。グローバル枠の上限は旧制度から2倍以上に拡充された。
③ 枠選択が最重要 窓口が一本化され1公募1申請となったため、「二段構え」は不可。自社の投資が新製品開発か新市場進出かを最初に整理する必要がある。
④ 賃上げ要件は返還リスク 付加価値額年率4.0%・給与支給総額年率3.5%・事業場内最賃+30円が基本要件。賃上げ・最賃要件は未達時に返還義務がある。
⑤ 第1回は9/30締切 公募開始6/29、申請受付8/31開始、締切9/30(18:00厳守)。GビズID・一般事業主行動計画の準備に時間を要するため早期着手が必須。

よくある質問(Q&A)

Q1.自社はどの枠で申請すればよいですか?

A1.投資の性質で判断します。既存技術を活かした新製品・新サービスの開発なら革新的新製品・サービス枠、既存事業とは異なる新市場・新分野への進出なら新事業進出枠、海外輸出に向けた国内体制強化ならグローバル枠です。統合により1公募1申請となったため、迷う場合は自社の事業計画が「既存の延長線上の高度化」なのか「新しい市場への挑戦」なのかを切り分けることが出発点になります。建物の新築・改修を伴う場合は、建物費が対象となる新事業進出枠・グローバル枠が選択肢になります。

Q2.旧ものづくり補助金・新事業進出補助金を過去に使っていても申請できますか?

A2.利用履歴によります。申請締切日を起点に16か月以内に事業再構築・新事業進出・ものづくり・本補助金の採択を受けた事業者や、交付決定を受けて補助事業実施中の事業者は対象外です。また過去3年間にこれらの交付決定を合計2回以上受けた事業者も対象外で、1回受けている場合は減点対象となります。過去の採択・交付の時期と回数を正確に確認したうえで申請可否を判断してください。

Q3.補助率を2/3に引き上げるにはどうすればよいですか?

A3.小規模企業者・小規模事業者・再生事業者は当初から2/3が適用されます。それ以外の中小企業者は、地域別最低賃金引上げ特例の条件(2024年10月〜2025年9月の間に、当該期間の地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上あること)を満たすことで、革新的新製品・サービス枠・新事業進出枠の補助率を2/3に引き上げられます。グローバル枠は中小企業者で一律2/3です。

Q4.賃上げ目標を達成できなかった場合はどうなりますか?

A4.返還が求められます。賃上げ要件では、目標値の未達成率に応じた額の返還が、事業場内最賃水準要件では、補助金額を事業計画年数で除した額の返還が発生します。ただし、付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として営業利益が赤字の場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は返還を求められません。返還リスクを踏まえ、達成可能な水準で目標を設定することが計画段階の重要なポイントです。

Q5.他の補助金と併用できますか?

A5.補助対象経費が重複しなければ、複数の補助金に同時期に応募申請すること自体は可能です。ただし、国の他制度と補助対象経費が重複する事業や、デジタル化・AI導入補助金、省力化投資補助金など中小企業庁所管の補助金と同一の補助対象経費を含む事業は対象外です。複数採択された場合は、交付を受ける補助金を1つだけ選択して交付申請する必要があります。これまでの交付決定・申請状況は電子申請システムに必ず入力してください。

Q6.口頭審査では何が問われますか?

A6.事業の適格性、優位性、実現可能性、継続可能性等が問われます。Zoom等でのオンライン審査で所要時間は15分程度、申請事業者自身(法人代表者等)が対応する必要があり、コンサルタントや社外顧問の同席は認められません。早期に申請を完了した事業者から優先的に受験日時が案内されるため、締切間際の申請は希望日時が限られるリスクがあります。本人確認のための顔写真付き身分証明書と、安定した通信環境の準備が必要です。

Q7.GビズIDはいつまでに取得すればよいですか?

A7.できるだけ早く取得すべきです。申請にはGビズIDプライムアカウントが必須で、発行には1週間程度かかります。アカウント取得の遅れによる申請期限の延長は一切認められません。あわせて、ワークライフバランス要件で求められる一般事業主行動計画の「両立支援のひろば」への公表手続きにも1〜2週間程度を要します。公募開始から申請受付開始まで約2か月ありますが、これらの準備に時間を取られるため、着手は早いほど安全です。

Q8.新事業進出枠の「新規性」はどの程度のレベルが必要ですか?

A8.日本初・世界初である必要はありません。新規性とは、あくまで申請する中小企業等にとっての新規性を指します。過去に製造等していた製品等の再製造や、既存製品の単なる増産、製造方法の変更のみは対象外です。一方で、審査では区分したジャンル・分野の社会における普及度・認知度が低いこと(新市場性)、または同一ジャンル内で高水準の高付加価値化を図ること(高付加価値性)のいずれかを、客観的データで示す必要があります。自社にとって新しいだけでなく、社会的にも一定の新しさや高付加価値性を裏付けられるかが分岐点になります。

Q9.補助金はいつ受け取れますか?事前に発注してもよいですか?

A9.補助金は精算払いで、事業完了後の実績報告・確定検査を経て支払われます。交付決定日より前に補助事業に係る発注・契約・支払いを行った経費は対象外となるため、事前着手は厳禁です。支払いは原則として補助事業者自身による銀行振込の実績で確認され、現金払いや手形、ファクタリング、各種決済サービスは対象外です。資金繰りの観点から、交付までのつなぎ資金をどう確保するかも、計画段階で検討しておくべき論点です。

Q10.経営者として最も意識すべきことは何ですか?

A10.補助金の採択はゴールではなくスタートだという認識です。この制度は3〜5年の事業計画期間にわたって付加価値額や賃上げの達成状況が確認され、未達の場合は返還リスクが生じます。採択を得ること自体を目的化するのではなく、補助事業が会社全体の中長期ビジョンと連動し、継続的に売上・利益・賃上げにつながる設計になっているかを、早い段階で固めておくことが重要です。設備を導入して終わりではなく、その後の事業化までを見据えた計画づくりこそが、この制度の本質的な活用法です。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金なら壱市コンサルティング

採択をゴールにしない、事業計画と伴走支援を軸にした支援

壱市コンサルティングは、認定経営革新等支援機関(ID:109313013612)として、100件を超える補助金採択・累計15億円超の支援実績を持つ中小企業診断士のチームです。新制度では「どの枠で自社の成長ストーリーを整理するか」が採否を分けます。壱市コンサルティングでは、要件適合の初期診断から、枠選定、事業計画書の策定、加点項目の取得支援、そして採択後の事業化・賃上げ達成までを一貫してサポートします。

📋 要件適合診断と枠選定

過去の補助金利用履歴・創業時期・従業員数を確認し、申請可否と最適な枠をご提案します。「二段構え」が使えなくなった新制度で、最初の判断を誤らないための初期診断です。

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審査項目を踏まえた構成設計、新市場性・高付加価値性の客観的根拠づくり、付加価値額・賃上げ目標の妥当な算出まで、採択と返還リスク回避の両面から支援します。計画書はあくまで申請者自身が作成する制度であるため、壱市コンサルティングは助言・ブラッシュアップの立場で伴走します。

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交付申請から実績報告、5年間の事業化状況報告まで、採択後の長い道のりを継続的にサポートします。賃上げ・付加価値目標の達成管理まで見据えた伴走を重視しています。

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※本記事は令和8年(2026年)6月29日公開の第1回公募要領(1.0版)および中小企業庁・中小機構の公表資料をもとに作成しています。公募要領は改訂される場合があるため、申請にあたっては必ず事務局の最新情報をご確認ください。

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