【令和8年(2026年)最新】新事業進出・ものづくり補助金とは?統合の全体像と公募開始時期を解説

中小企業の設備投資を支える二大補助金が、大きな転換点を迎えています。ものづくり補助金は第23次公募(申請締切 令和8年(2026年)5月8日)をもって現行の枠組みでの公募を終え、新事業進出補助金も第4回公募(応募締切 令和8年(2026年)6月19日18:00)が現行制度としての最終回となる見込みです。この2制度は、令和8年度から「新事業進出・ものづくり補助金」として一つの制度に統合されることが、令和7年度(2025年度)補正予算で示されました。

統合という言葉から「制度が複雑になる」「要件が厳しくなる」といった不安を抱く経営者も少なくありません。しかし新制度の本質は、これまで別々に運用されてきた支援を「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つの枠に再整理し、約2,960億円という大型予算のもとで一体的に支援する点にあります。中身が混ざって分かりにくくなるのではなく、企業の挑戦段階に応じて窓口を一本化する再編と理解するのが実態に近い見方です。

本記事では、新事業進出・ものづくり補助金の統合の背景、統合される2制度の現在の状況、新制度の全体像と3つの枠、現行制度の採択率から読み取れる見通し、そして公募開始までに今できる準備までを、公表されている一次情報をもとに網羅的に整理します。次回公募を見据えて準備を始めたい経営者の方はもちろん、顧問先を支援する士業・支援機関の方にも参考になります。

本記事の情報の取り扱い
統合後の新制度「新事業進出・ものづくり補助金」は、令和8年(2026年)6月時点で予算・枠組み・運営主体などの方針は公表されていますが、詳細な公募要領は未公表です。本記事では「公表済みの確定情報」と「過去の傾向に基づく見込み」を区別して記載しています。実際の申請にあたっては、必ず中小企業庁および事務局が公表する最新の公募要領をご確認ください。

新事業進出・ものづくり補助金が生まれた背景

今回の統合を理解するためには、近年の中小企業向け補助金の流れと政策の変化を俯瞰する必要があります。新型コロナウイルス禍では、事業再構築補助金に代表される「救済型・損失補填型」の支援が多くの企業を支えました。問題はその後に生じました。緊急的な救済の役割を終えたあと、補助金政策の軸足は「前向きな成長投資」と「持続的な賃上げ」へと明確に移っていったのです。

事業再構築補助金は新規募集を終え、その理念を引き継ぐ形で新事業進出補助金が令和7年(2025年)4月に始まりました。一方、革新的な設備投資・試作開発を支える代表的制度として、ものづくり補助金が長年運用されてきました。この2つは「既存事業の高付加価値化」と「新分野への進出」という、近接しながらも別々の目的を持つ制度として並走してきました。

令和7年度補正予算では、これらを「ものづくり・商業・サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業」という大きな枠組みのもとで一体運用する方針が示されました。その中核として位置づけられたのが、新事業進出・ものづくり補助金です。革新的な製品開発から、新市場への進出、さらには海外展開までを、一つの制度で連続的に支援しようとする再編と整理されます。

統合される2つの制度と現在の公募状況

新制度に統合されるのは、ものづくり補助金と新事業進出補助金の2制度です。それぞれの現行公募は、いずれも終盤を迎えています。

ものづくり補助金 ― 第23次が現行最終

ものづくり補助金は、令和8年(2026年)2月6日から始まった第23次公募(申請締切 5月8日)をもって、現行の枠組みでの公募を終えました。中小企業庁の予算資料でも、次年度以降は新事業進出・ものづくり補助金として公募を予定する旨が明記されています。直近の第21次公募では、申請1,872件に対して採択638件、採択率は約34.1%と、近年は採択ハードルが上がっている点も押さえておく必要があります。

新事業進出補助金 ― 第4回が現行最終

新事業進出補助金は、令和8年(2026年)3月27日に第4回公募要領が公開され、応募期間は5月19日から6月19日18:00までです。この第4回が現行制度としての最終回となる見込みです。第4回では補助率特例の創設、賃上げ要件の見直し、加点・減点項目の追加、提出書類の増加など、実務に直結する変更が複数加えられています。なお、第3回公募(令和8年(2026年)3月締切分)の採択結果は、2026年7月頃の公表が見込まれています。

項目 ものづくり補助金 新事業進出補助金
現行の最終公募 第23次(申請締切 令和8年(2026年)5月8日) 第4回(応募締切 令和8年(2026年)6月19日18:00)
主な目的 革新的な製品・サービス開発、生産プロセス改善のための設備投資 既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出
統合後の位置づけ 革新的新製品・サービス枠/グローバル枠の母体 新事業進出枠の母体

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新制度の全体像 ― 予算・運営主体・3つの枠

新事業進出・ものづくり補助金は、令和7年度補正予算において令和8年度から実施されることが示された制度です。予算規模は約2,960億円と大型で、中小企業等事業再構築促進基金を活用して実施される見通しです。運営は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が担うとされています。

この制度の核心は、企業の挑戦段階に応じた3つの枠を一つの制度に束ねた点にあります。革新的な製品・サービスの開発から、新市場・高付加価値事業への進出、海外市場の開拓までを、連続した支援として設計しようとするものです。

支援の方向性(公表方針)
革新的新製品・サービス枠 技術的革新性のある製品・サービスの開発を支援。従来のものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)の流れを汲む枠。
新事業進出枠 既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援。新事業進出補助金の流れを汲む枠。
グローバル枠 海外市場の開拓・海外展開に向けた設備投資等を支援。専門的な資料作成を要し、従来も採択ハードルが高い傾向。

統合は「ものづくり補助金がなくなる」「新事業進出補助金が終わる」という話ではありません。それぞれの支援目的は枠として残り、申請者は自社の挑戦内容に最も合う枠を選ぶ形になると見込まれます。重要なのは制度名の変化そのものではなく、自社の投資が「どの枠の趣旨に合致するか」を早い段階で見極めておくことです。

現行制度の採択率から見る統合後の見通し

統合後の新制度の採択率は、初回公募の結果が出るまで明らかになりません。ただし、母体となる現行制度の採択率の推移からは、一定の傾向を読み取ることができます。各枠の趣旨を引き継ぐと考えれば、これらの数値は今後の難易度を見積もるうえでの有力な手がかりとなります。

制度・枠 直近の採択率 傾向
ものづくり補助金 製品・サービス高付加価値化枠 約34.8%(第21次) 第19次32.3%→第20次34.4%→第21次34.8%と30%台で推移
ものづくり補助金 グローバル枠 約21.9%(第21次) 第19次24.1%→第20次23.2%→第21次21.9%と20%台で他枠より厳しい
新事業進出補助金(第2回) 約35.4% 応募2,350件・採択832件。第1回(約37.2%)からやや低下し30%台で推移

いずれの枠も、申請すれば採択されるという水準ではありません。とりわけ海外展開を狙うグローバル枠は、求められる計画の精度が高く、専門的な資料作成も必要になるため、審査が厳しくなることが想定されます。採択を勝ち取るためには、革新性と実現可能性を明確に示した質の高い事業計画書が不可欠であるという前提で準備を進めることが賢明です。

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公募開始の見込みと、今からできる準備

新制度の公募開始時期は、現時点の公表資料では明示されていません。ただし、新事業進出補助金の採択発表が2026年7月頃に予定されていること、新制度は公募要領と審査基準の再整理を要すること、過去の制度再編時も初回公募までに一定の期間が空いたことを踏まえると、統合後の初回公募は令和8年(2026年)夏以降、7月から秋頃になる可能性が高いと見込まれます。

公募要領が公表されてから準備を始めたのでは、質の高い事業計画書を作り込む時間が確保できません。公募要領の細部が未確定の今の段階でも、進められる準備は数多くあります。むしろ、要領待ちの「空白期間」こそ、事業構想を磨き込む最も有効な時期です。

公募開始前に着手できること

準備項目 内容
GビズIDの取得 電子申請に必須。取得に時間を要するため、未取得の場合は最優先で着手する。
事業計画の骨子作成 「どの枠で、何に、なぜ投資するのか」を整理。革新性・市場性・実現可能性の論理を固める。
認定支援機関との連携 認定経営革新等支援機関と早期に接点を持ち、計画の方向性をすり合わせる。
賃上げ・財務要件の確認 付加価値額の成長計画や賃上げ計画は母体制度でも重視されており、自社の数値を早めに点検する。

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申請を検討する際の注意点

新制度に関する情報は、ウェブ上でも見込みと確定情報が入り混じって流通しています。申請の可否や投資判断にあたっては、確定情報と予測情報を切り分けて受け止める必要があります。制度名・枠組み・予算規模は公表されていますが、補助上限額・補助率・加点項目・必要書類などの細部は、公募要領の公表を待つほかありません。

また、複数の補助金へ同時に申請することは可能ですが、複数で採択された場合は1つを選んで交付申請を行う必要があります。選択せずに重複して交付を受けると、後の交付が取り消され、返還命令の対象となる点に注意が必要です。最悪の場合、加算金を含む返還リスクが生じるため、申請戦略は冷静にご判断ください。

まとめ ― 押さえておきたい5つのポイント

ポイント 内容
① 2制度の統合 ものづくり補助金と新事業進出補助金が、令和8年度から「新事業進出・ものづくり補助金」に統合される。
② 現行公募は終盤 もの補助は第23次(5月8日締切)が最後、新事業進出補助金は第4回(6月19日締切)が現行最終の見込み。
③ 3つの枠で再整理 革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠の3枠。予算規模は約2,960億円。
④ 公募は夏以降の見込み 初回公募は令和8年(2026年)7月〜秋頃と見込まれる。詳細要件は公募要領の公表待ち。
⑤ 今が準備の好機 GビズID取得・事業計画の骨子作成・認定支援機関との連携を、公募前の今から進めることが採択への近道。

よくある質問(Q&A)

Q1. ものづくり補助金や新事業進出補助金は、もう申請できないのですか?

A1.現行の枠組みでの新規募集は終盤を迎えています。ものづくり補助金は第23次公募(申請締切 令和8年(2026年)5月8日)で現行公募を終えており、新事業進出補助金も第4回公募(応募締切 6月19日18:00)が現行制度としての最終回の見込みです。令和8年度以降は、統合後の新制度「新事業進出・ものづくり補助金」として公募が行われる予定です。

Q2. 統合されると、これまでの補助金と何が変わるのですか?

A2.大きく変わるのは「窓口の一本化」です。これまで別々だった2制度が、革新的新製品・サービス枠・新事業進出枠・グローバル枠の3枠として一つの制度に整理されます。支援の中身が混ざってなくなるわけではなく、企業は自社の投資内容に合う枠を選んで申請する形になると見込まれます。一方で、補助上限額や補助率、加点項目などの詳細は公募要領の公表を待つ必要があります。

Q3. 新制度の公募はいつ頃始まりますか?

A3.現時点の公表資料では、明確な公募開始時期は示されていません。ただし、新事業進出補助金の採択発表が2026年7月頃であること、新制度は要領・審査基準の再整理を要すること、過去の再編時も初回公募までに一定の期間が空いたことを踏まえると、令和8年(2026年)夏以降、7月から秋頃になる可能性が高いと見込まれます。確定情報は中小企業庁および事務局の公表をご確認ください。

Q4. 予算規模はどのくらいですか?

A4.令和7年度(2025年度)補正予算において、新制度の母体となる「ものづくり・商業・サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業」の予算規模は約2,960億円とされています。中小企業等事業再構築促進基金を活用して実施される見通しで、運営は独立行政法人中小企業基盤整備機構が担うとされています。大型の枠組みであり、中小企業にとって活用の幅は広いと整理されます。

Q5. 採択率はどの程度を想定すべきですか?

A5.統合後の採択率は初回公募の結果が出るまで分かりません。母体制度の直近実績では、ものづくり補助金の製品・サービス高付加価値化枠が30%台、グローバル枠が20%台、新事業進出補助金(第2回)が約35.4%(応募2,350件・採択832件)でした。申請すれば通る水準ではないため、革新性と実現可能性を明確に示した事業計画書を前提に準備することが重要です。とりわけグローバル枠は審査が厳しくなることが想定されます。

Q6. どの枠を選べばよいか分かりません。

A6.自社の投資が「何を目指すものか」で判断します。既存技術を磨いて革新的な製品・サービスを開発するなら革新的新製品・サービス枠、既存事業と異なる新市場へ踏み出すなら新事業進出枠、海外市場の開拓を狙うならグローバル枠が軸になります。枠の趣旨と自社の事業構想が合致しているかが審査の入口になるため、骨子の段階で枠の適合性を見極めておくことが賢明です。

Q7. 公募要領が出る前に準備しても無駄になりませんか?

A7.無駄にはなりません。GビズIDの取得、事業計画の骨子作成、認定支援機関との連携、賃上げ・付加価値の数値点検は、いずれも公募要領の細部に左右されにくい普遍的な準備です。むしろ要領公表後に着手すると、計画を練り込む時間が不足しがちです。要領待ちの期間こそ、事業構想を磨き込む最も有効な時期と理解しておくことが重要です。

Q8. 複数の補助金に同時に申請してもよいですか?

A8.同時申請自体は可能です。ただし、複数で採択された場合は1つを選んで交付申請を行う必要があります。選択せずに重複して交付を受けると、後の交付が取り消され、返還命令の対象となります。加算金を含む返還リスクが生じるため、申請ポートフォリオは事前に整理し、採択後にどれを選ぶかの方針まで決めておくことが望まれます。

Q9. 個人事業主でも申請できますか?

A9.母体である新事業進出補助金・ものづくり補助金は、いずれも一定の要件を満たす中小企業者等を対象としており、個人事業主も対象となり得ます。統合後の新制度でも同様の枠組みが引き継がれると見込まれますが、対象者の詳細な定義は公募要領で確定します。法人・個人を問わず、まずは自社が対象要件に該当するかを公表情報で確認したうえで準備を進めることが重要です。

Q10. 経営者として、今いちばん意識すべきことは何ですか?

A10.「会社としてどこへ向かう投資なのか」を言語化しておくことです。補助金政策の軸足は、救済型から前向きな成長投資・賃上げへと移っています。単に新しい設備を入れたい、新しい事業を始めたいという動機ではなく、その投資が自社の付加価値と賃上げにどうつながるのかを描けているかが、統合後はますます問われます。早い段階でこの構想を固めることが、採択にも経営にも資する取り組みとなります。

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公募開始前の「準備の差」が、採択の差になります。

壱市コンサルティングでは、補助金の採択を目的化するのではなく、事業計画の磨き込みと実行の伴走を軸に据えています。新事業進出・ものづくり補助金の公募開始を見据え、今の段階からできる準備を一緒に進めます。

📋 事業計画の骨子づくり
どの枠で、何に、なぜ投資するのか。革新性・市場性・実現可能性の論理を一緒に組み立てます。

🏦 資金計画・財務の整理
付加価値額の成長計画や賃上げ計画を、自社の数値に即して点検します。

🔄 公募開始までの伴走支援
GビズID取得から要領公表後の申請まで、認定経営革新等支援機関として継続的に支援します。

公募要領を待つ前に、構想を固める。それが採択への最短ルートです。

こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。
✅ 統合後の新制度で、自社がどの枠に当てはまるか分からない
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✅ これまで補助金申請をしたことがなく、進め方が分からない

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