パートナーシップ構築宣言とは|宣言の中身・メリット・登録の流れ・補助金の加点

取引先と共に栄えていくことを、会社の代表者が宣言して、公式サイトに公開する。それがパートナーシップ構築宣言です。業種も規模も問われず、小さな会社でも宣言できます。

ロゴマークの使用や補助金の加点といったメリットがある一方で、企業名・代表者名が公開される、宣言を実行する前提である、といった負担もあります。

本記事では、制度の中身、宣言文の中身、メリットとデメリット、登録の流れ、公式サイトの資料と見本の見方、補助金の加点との関係を順番に整理します。解説動画の内容に沿った個別解説です。

パートナーシップ構築宣言とは|制度の中身

パートナーシップ構築宣言は、事業者が、サプライチェーン全体の付加価値向上と、大企業と中小企業の共存共栄を目指し、発注者の立場から、代表権のある者の名前で宣言するものです。内閣府や中小企業庁などが推進し、公式ポータルサイトは公益財団法人全国中小企業振興機関協会が運営しています。

項目 内容
宣言する人 代表権のある者の名前で宣言する
立場 発注者の側から宣言する
対象 業種・規模を問わない。委託先が1社もない会社も、今後の取引が発生した場合として宣言できる
公開 登録後、企業名・代表者名を含む宣言文がポータルサイトで公開される
罰則・検査 自主的な取組であり、公的機関による強制的な検査や、違反した場合の罰則はない

📊 このセクションの要点

パートナーシップ構築宣言は、取引先と共に栄えることを、発注者の立場から代表者の名前で宣言して公開する制度です。業種・規模を問わず、小さな会社も宣言できます。

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宣言文の中身|ひな形の3つの項目

宣言文は、公式サイトのひな形をもとに作ります。ひな形は大きく3つの項目でできています。

項目 中身
1.サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携 直接の取引先だけでなく、深い層の取引先にも働きかけ、既存の取引関係や企業規模を超えた連携を目指す
2.「振興基準」の遵守 受託中小企業振興法に基づく、発注方法・対価の決定・代金の支払方法・型に関する取引条件・知的財産の保護など、望ましい取引慣行を守る
3.その他(任意記載) 会社独自の取組を書く。価格転嫁を意識した価格決定や、約束手形の廃止に向けた取組などが例示されている

1つ目の項目に書く分野の例

ひな形の1つ目の項目には、次の6つの分野が例示されています。積極的に取り組む項目を特定し、項目ごとに取組内容を具体的に記載します。全部を書く必要はありません。

分野 取組の例
企業間の連携 オープンイノベーション、事業承継支援、取引先のテレワーク導入支援など
IT実装支援 共通EDIの構築、データの相互利用、IT人材の育成支援、サイバーセキュリティ対策の助言など
専門人材マッチング 専門人材を取引先に紹介する取組
グリーン化 脱・低炭素化技術の共同開発、省エネ診断に係る助言、グリーン調達など
健康経営 健康経営に係るノウハウの提供、健康増進施策の共同実施など
BCP・事業継続 取引先の災害時の事業継続計画策定の助言など

メリットとデメリット

宣言のメリット

メリット 内容
ロゴマーク 宣言した企業のみ使える。名刺などで取組をPRできる(登録後に届くメールの案内からダウンロード)
補助金の加点 一部の補助金で加点措置が受けられる(後述)
融資 日本政策金融公庫で、パートナーシップ構築宣言関連の融資制度が利用できる
税制 賃上げ促進税制は、一定規模以上の企業で、宣言の公表が適用条件になる。中小企業が使えない制度もあるため注意

デメリットと負担

負担 内容
社名・代表者名の公開 企業名・代表者名を含む宣言文が、ポータルサイトで誰でも見られる
実行が前提 罰則はないが、勧告や排除措置命令を受けるなど、宣言が履行されていないと認められると、掲載が取りやめになることがある
見直しと更新 定期的に宣言内容を見直す。ひな形が改正されたときは更新する
アンケート協力 中小企業庁が年1回程度行うアンケートに協力する

補足

費用については、公式サイトで確認できませんでした。無料と断定せず、登録の際に公式の案内を確認してください。

📊 このセクションの要点

メリットはロゴマーク、補助金の加点、関連融資です。負担は、社名の公開、宣言の実行、見直しと更新、アンケート協力です。

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登録の流れ|公開まで約10日

順番 やること
登録の前に 代表者の名前で宣言すること、企業名・代表者名が公開されることを確認し、「振興基準」の内容を確認する
1 準備 公式サイトの登録方法のページから、ひな形(Word)をダウンロードする
2 作成 記載要領を参考に宣言文を作り、社内手続きを済ませて、PDFにする
3 登録 ポータルの「宣言の登録」から、企業名・業種などを入力し、PDFをアップロードする
4 公開 登録企業リストに公開される。修正の依頼がなければ、登録日の約10日後

公開されても通知は届かないため、アップロードされた宣言文を自分で確認します。補助金の申請に関連して登録が集中する時期は、さらに数日かかることがあります。宣言文を変更するときは、登録ページから「更新」を選んで新しいPDFをアップロードします(宣言文のURLが変わります)。

ひな形でつまずきやすい4つの点

注意点 内容
赤字の部分は全部削除 ひな形の赤い文字(タイトルの「ひな形」、説明文、例など)はすべて削除する
署名は文字で入力 企業名・役職・氏名・日付は、Wordなどで入力する。手書きは不可
代表権のある役職名 代表権を有する者の役職名が必須
個人事業主は屋号と役職 氏名だけは不可。屋号と、代表や院長などの役職を入力する

📊 このセクションの要点

登録は、ひな形のダウンロード、宣言文の作成とPDF化、ポータルでの登録、公開の順です。公開まで約10日かかるため、補助金の加点を考えるなら早めに動きます。

公式サイトの資料と見本の見方

資料 できること
登録方法のページ ひな形、記載要領、注釈つきのひな形をダウンロードできる
登録企業リスト 他社の宣言文を実際に読める
取組事例集 宣言をきっかけに取引先との関係が変わった事例が、年度ごとのPDFで公開されている
振興基準 中小企業庁のページで内容を確認できる

見本を読むときは、次の4点を意識します。

ポイント 内容
同じ業種・規模を探す 登録企業リストで、近い条件の宣言を見る
1つ目の項目の選び方 どの分野を選び、どう具体的に書いているか
任意記載の書き方 どんな独自の取組を書いているか
そのまま写さない 宣言は実行が前提。自社で本当にできる内容にする

補助金の加点との関係

公式ポータルのメリットのページには、加点措置のある補助金が省庁ごとに一覧で載っています。加点の条件や時点は各公募要領で確認が必要です。

補助金 加点の扱い
中小企業新事業進出補助金 ポータルサイトで宣言を公表している事業者に加点(応募締切日時点)
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 宣言している企業への加点措置(応募締切日前日時点)
中小企業成長加速化補助金 採択企業のほとんどが宣言しており、審査上も重要な考慮要素の一つとされている
そのほか 省エネルギー投資の補助金、大規模な成長投資の補助金など、国の補助金が多数掲載されている

一方で、公募要領を確認した範囲では、小規模事業者持続化補助金、事業承継・M&A補助金、デジタル化・AI導入補助金には、この加点は見当たりませんでした。地方自治体の補助金で加点になる場合もあります。

加点を狙うときの4つの注意

注意点 内容
公開されていることが前提 登録しただけでなく、公開されている必要がある
公開まで約10日 締切から逆算して、余裕を持って登録する
ひな形の版を確認 公募要領が求めるひな形の版に合っているか確認する
加点は採択の保証ではない 事業計画の中身が評価される点は変わらない

📊 このセクションの要点

新事業進出・ものづくりなどで加点があり、成長加速化では審査の考慮要素です。条件は公募要領で確認し、公開まで約10日かかることを見込んで早めに登録します。

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パートナーシップ構築宣言のよくある質問

Q1.パートナーシップ構築宣言とは何ですか。

A1.取引先と共に栄えることを、代表者の名前で宣言する制度です。サプライチェーン全体の共存共栄と、中小受託事業者との望ましい取引慣行(振興基準)の遵守を宣言し、公式ポータルサイトに公開されます。

Q2.小さな会社や、委託先がない会社でも宣言できますか。

A2.業種・規模を問わず宣言できます。公式のよくある質問では、委託先が1社もない会社でも、今後、取引が発生した場合として宣言できるとされています。

Q3.宣言したあと、検査や罰則はありますか。

A3.検査や罰則はありませんが、履行していないと掲載が取りやめになることがあります。自主的な取組のため、公的機関による強制的な調査や罰則はありません。ただし、勧告や排除措置命令を受けるなど、履行していないと認められる場合は、掲載が取りやめになることがあります。

Q4.登録から公開までどのくらいかかりますか。

A4.通常、登録日の約10日後です。修正の依頼がない場合の目安です。補助金の申請に関連して登録が集中する時期は、さらに数日かかることがあります。通知は届かないため、自分で確認します。

Q5.費用はかかりますか。

A5.公式サイトでは、費用に関する記載を確認できませんでした。無料と断定せず、登録の際に公式の案内を確認してください。

Q6.補助金の加点は必ずつきますか。

A6.補助金ごとに異なります。公募要領で確認してください。新事業進出補助金やものづくり補助金などで加点がありますが、条件や時点は公募ごとに確認が必要です。加点は採択の保証ではありません。

まとめ|パートナーシップ構築宣言の4つのポイント

ポイント 内容
1.制度 取引先と共に栄えることを、発注者の立場から代表者の名前で宣言して公開する。業種・規模を問わない
2.宣言文 共存共栄と連携、振興基準の遵守、任意の独自取組の3項目。ひな形をもとに作る
3.メリットと負担 ロゴマーク・補助金の加点・関連融資と、社名の公開・宣言の実行・見直しと更新
4.登録 ひな形、PDF化、ポータルで登録。公開まで約10日。補助金の加点は公募要領で確認

まずは、公式サイトの登録企業リストで、他の会社の宣言を読んでみてください。

制度の整理のご相談

自社に合う制度の整理から、ご相談いただけます

壱市コンサルティングでは、補助金の加点になる制度について、自社の場合にどの制度が合うのかを整理するご相談を受け付けています。書類の作成や手続きなど、士業の業務にあたる部分は、提携先の士業事務所と連携して対応します。

📋 制度の整理

宣言の中身と負担を踏まえて、自社が宣言するかどうか、ほかの加点制度と比べてどれから検討するかを整理します。

💼 補助金の公募要領の確認

申請を予定している補助金の加点項目と時点の条件を確認し、いつ動くかの逆算を一緒に考えます。

迷ったら、お気軽にご相談ください

こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください

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