一般事業主行動計画とは|くるみん・えるぼしの中身・届出の流れ・補助金の加点

従業員が働きやすい会社にするための計画を作って、国に届ける。それが一般事業主行動計画です。計画を届け出たうえで基準を満たすと、くるみんやえるぼしの認定を受けることもできます。

この計画や認定は、複数の補助金で加点の対象になっています。一方で、計画の策定・公表・届出には手間がかかり、会社名と計画が公式サイトで公開されるといった負担もあります。

本記事では、制度の中身、認定の種類、メリットとデメリット、届出の流れ、公式サイトの資料と見本の見方、補助金の加点との関係を順番に整理します。解説動画の内容に沿った個別解説です。

一般事業主行動計画とは|制度の中身

一般事業主行動計画は、企業が従業員の働きやすさについて、計画期間・目標・目標を達成するための対策の内容と実施時期を決め、都道府県労働局に届け出る計画です。根拠となる法律は2つあります。

法律 対象のテーマ 計画の公表先
次世代育成支援対策推進法(次世代法) 仕事と子育ての両立 両立支援のひろば
女性活躍推進法 女性の活躍 女性の活躍推進企業データベース
従業員数(常時雇用) 策定・届出の扱い
101人以上 策定・届出が義務
100人以下 努力義務(作って届け出ることはできる)

補足

100人以下の会社が計画を作らなくても罰則があるわけではありません。ただし、補助金の加点では、100人以下の会社が行動計画を公表していること自体が加点要件になっているものがあります(後述)。

📊 このセクションの要点

一般事業主行動計画は、従業員の働きやすさに関する計画期間・目標・対策を決めて労働局に届け出る計画です。101人以上は義務、100人以下は努力義務です。

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くるみん・えるぼしとは|認定の種類

行動計画を作って届け出たうえで、目標を達成するなど一定の基準を満たすと、申請により厚生労働大臣の認定を受けられます。申請先は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。

認定 中身
くるみん 次世代法に基づく「子育てサポート企業」の認定
トライくるみん くるみんの基準引き上げに伴い創設された認定
プラチナくるみん くるみん認定企業が、より高い水準の取組を行った場合の特例認定
くるみんプラス 不妊治療と仕事の両立に取り組む企業の認定
えるぼし 女性活躍推進法に基づく、女性活躍の実施状況が優良な企業の認定(段階あり)
プラチナえるぼし えるぼしの上位の認定

注意

認定基準の数字(男性の育児休業取得率など)や、えるぼしの段階ごとの要件は、見直されることがあります。本記事では数字を記載していません。申請の前に、厚生労働省の最新の案内で確認してください。

メリットとデメリット

認定のメリット

メリット 内容
補助金の加点 新事業進出・ものづくり、省力化投資(一般型)、小規模事業者持続化、事業承継・M&A、デジタル化・AI導入の公募要領に、くるみん・えるぼしの加点がある
公共調達の加点 国の機関が総合評価落札方式などで調達する際に、認定企業を加点評価する仕組みがある
助成金・税制・融資 くるみんは、中小企業向けのくるみん助成金、賃上げ促進税制の上乗せ、日本政策金融公庫の働き方改革推進支援資金などが厚生労働省のページに挙げられている
認定マーク 商品や求人に使え、採用や取引先へのアピールになる

注意

助成金の期限や税制の控除率は変わります。最新の内容は、厚生労働省の案内や関係機関で確認してください。

デメリットと負担

負担 内容
手間 計画の策定、公表、従業員への周知、届出のすべてが必要
数値目標 現在は、計画に数値目標を設定する必要がある
情報の公開 公表すると、会社名と計画が公式サイトで誰でも見られる状態になる
時間 くるみんは、計画期間が終わり、目標を達成してからの申請になる

📊 このセクションの要点

認定には補助金の加点や公共調達の加点などのメリットがありますが、手間、数値目標、情報の公開、認定までの時間といった負担もあります。加点が目的なら、いつ動くかの逆算が大切です。

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届出の流れ|策定・公表・届出

次世代法の行動計画の流れは、厚生労働省のページで次の5ステップに整理されています。

順番 やること
1 現状の把握 自社の現状や従業員のニーズを把握する(育児休業の取得状況や労働時間の把握・分析を含む)
2 計画の策定 課題に優先順位をつけ、計画期間・数値目標・対策を決める
3 公表と周知 策定からおおむね3か月以内に、一般に公表し、従業員にも周知する
4 届出 主たる事業所の所在地の都道府県労働局に届け出る(郵送・持参・電子申請)
5 実施 計画に沿って取り組む

電子申請は、電子政府の総合窓口(e-Gov)から利用できます。女性活躍推進法と次世代法の計画を一体的に届け出る方法もあります。

📊 このセクションの要点

計画は、現状把握、策定、公表と周知(おおむね3か月以内)、届出、実施の順に進めます。届出は郵送・持参・電子申請のいずれも可能です。

公式サイトの資料と見本の見方

サイト・資料 できること
両立支援のひろば(一般事業主行動計画公表サイト) 次世代法の行動計画を登録・公表する。企業名・所在地・業種などから、他社の計画を検索できる。企業の取組事例のページもあり、規模・業種・取組内容で探せる
女性の活躍推進企業データベース 女性活躍推進法の行動計画や女性活躍の情報を公表する。企業情報の検索、入力マニュアル、行動計画策定支援ツールがある
厚生労働省のページ 届出の様式、記入例、パンフレット、モデル行動計画(AからJの10種類)が掲載されている

両立支援のひろばのよくある質問には、計画に必要な3項目(計画期間・目標・対策と実施時期)の見本の書き方も示されています。見本を読むときは、次の4点を意識します。

ポイント 内容
同じ業種・規模を探す 検索で条件をしぼり、近い条件の計画を見る
3項目の流れをつかむ 計画期間、目標、対策と実施時期がどうつながっているか
数値目標の置き方を見る 何を数字にして目標にしているか
文章をそのまま写さない 自社の実態に合わせて書く。実際にできないことを書くと、あとで自分が苦しくなる

補助金の加点との関係

公募要領を確認した範囲では、次のように扱われています。加点の区分、時点、条件は公募回ごとに変わるため、申請する補助金の最新の公募要領で必ず確認してください。点数は非公表です。

補助金 くるみん・えるぼし 行動計画の策定・公表
新事業進出・ものづくり 加点項目がある 確認できず
省力化投資(一般型) 加点項目がある 確認できず
小規模事業者持続化 重点政策加点の一つ 政策加点の一つ(従業員100人以下、計画期間に締切日と事業終了予定日が含まれる等の条件)
事業承継・M&A 加点事由の一つ 従業員100人以下で公表している場合の加点事由
デジタル化・AI導入 加点項目がある 確認できず
成長加速化 形式上の加点項目ではない 審査の中で女性活躍・両立支援の取組が評価の対象

加点を狙うときの4つの注意

注意点 内容
締切の時点で条件を満たす 補助金を申請する締切の時点で、認定や公表が済んでいることが前提になる
認定は時間がかかる くるみんは計画期間が終わってからの申請になる
公表だけで加点の補助金もある 従業員100人以下の会社は、公募要領で確認する
加点は採択の保証ではない 事業計画の中身が評価される点は変わらない

📊 このセクションの要点

くるみん・えるぼしは複数の補助金で加点の対象です。小規模な会社は、計画の公表だけで加点になる補助金もあります。区分や条件は公募ごとに変わるため、公募要領で確認が必要です。

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一般事業主行動計画のよくある質問

Q1.一般事業主行動計画とは何ですか。

A1.従業員の働きやすさに関する計画を作って、労働局に届け出る制度です。次世代法は仕事と子育ての両立、女性活躍推進法は女性の活躍が対象です。計画には、計画期間、目標、目標を達成するための対策の内容と実施時期を書きます。

Q2.従業員が100人以下でも作れますか。

A2.作って届け出ることはできます。常時雇用する従業員が101人以上の会社は策定・届出が義務、100人以下は努力義務です。作らなくても罰則はありませんが、補助金の加点で、計画の公表が要件になっているものがあります。

Q3.計画はどこで公表すればよいですか。

A3.次世代法の計画は両立支援のひろば、女性活躍推進法の計画は女性の活躍推進企業データベースです。どちらも、企業名や所在地、業種から検索できます。公表と従業員への周知は、策定からおおむね3か月以内に行います。

Q4.くるみんとえるぼしの違いは何ですか。

A4.くるみんは子育て、えるぼしは女性活躍に関する認定です。根拠の法律も、認定の基準も異なります。どちらも、行動計画を届け出たうえで、基準を満たすと申請できます。基準の数字は見直されることがあるため、最新の案内で確認してください。

Q5.補助金の加点のために、まず何をすればよいですか。

A5.申請する補助金の公募要領で、加点の区分と条件を確認することです。認定が必要なのか、計画の公表だけでよいのかは、補助金と規模によって異なります。そのうえで、締切から逆算して動きます。

Q6.見本はどこで見られますか。

A6.両立支援のひろばと、女性の活躍推進企業データベースで検索できます。同じ業種や同じくらいの規模の会社の計画を見て、全体の流れや数値目標の置き方をつかみます。文章はそのまま写さず、自社の実態に合わせて書きます。

まとめ|一般事業主行動計画の4つのポイント

ポイント 内容
1.制度 従業員の働きやすさの計画を労働局に届ける。101人以上は義務、100人以下は努力義務
2.認定 基準を満たすと、くるみん・えるぼしの認定を受けられる
3.メリットと負担 補助金や公共調達の加点などのメリットと、手間・公開といった負担がある
4.補助金 加点の区分と条件は公募ごとに変わる。公募要領で確認する

まずは、公式サイトで他社の計画を見ることから始めてください。

制度の整理のご相談

自社に合う制度の整理から、ご相談いただけます

壱市コンサルティングでは、補助金の加点になる制度について、自社の場合にどの制度が合うのかを整理するご相談を受け付けています。書類の作成や手続きなど、士業の業務にあたる部分は、提携先の士業事務所と連携して対応します。

📋 制度の整理

従業員数や取り組みたい内容に照らして、一般事業主行動計画や認定のうち、どれから検討するかを整理します。

💼 補助金の公募要領の確認

申請を予定している補助金の加点項目と時点の条件を確認し、いつ動くかの逆算を一緒に考えます。

迷ったら、お気軽にご相談ください

こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください

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