【第20回公募】持続化補助金の完全ガイド|賃金引上げ特例の変更と過去3回の採択データ

【第20回公募】持続化補助金の完全ガイド|賃金引上げ特例の変更と過去3回の採択データ

小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)の第20回公募は、令和8年(2026年)11月5日に受付が始まり、申請締切は12月15日(火)17時です。商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書は12月4日(金)までに受け付けてもらう必要があり、実質的な準備期間は多くありません。

今回の公募では、これまで「最低賃金を50円以上引き上げる」方式だった賃金引上げ特例が、1人当たり給与支給総額をねん平均3.0%以上増やす方式に変わりました。特例を希望して要件を満たせないと、上乗せ分だけでなく補助金の全体が交付されません。

一方で、直近の第17〜19回の通常枠の採択率は51.1%、47.5%、47.2%と、2件に1件弱の水準が続いています。申請数は減っているのに採択率が大きく変わらない点が、計画づくりの出発点になります。

本記事では、制度の中身、過去3回の採択データ、第20回の変更点と締切までの段取りを、公式の公募要領と中小企業庁の公表資料にもとづいて整理します。

持続化補助金(通常枠)の基本と第20回の日程

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自ら作成した経営計画にもとづいて行う販路開拓などの取組を、費用の一部補助で支援する制度です。業務効率化の取組も対象に含まれます。窓口は地域の商工会議所または商工会で、申請には両者が発行する事業支援計画書が欠かせません。

項目 内容
窓口 商工会議所・商工会
受付開始 令和8年(2026年)11月5日(木)
支援計画書の発行受付の締切 12月4日(金)
申請締切 12月15日(火)17:00
採択発表 2027年3月頃(予定)
補助事業の実施期限 2028年3月31日

補足

出典は小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)第20回 公募要領(第8版)です。日程は変更される場合があるため、申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。

対象者は従業員数の目安で決まる

区分 従業員数の目安
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下
対象外の例 医療法人・社会福祉法人・開業前の創業予定者

従業員数は常時使用する従業員で数えます。開業前の創業予定者は、持続化補助金の通常枠ではなく、別の補助金である創業型の領域になります。また、過去に採択された事業者は、事業の報告書を出し終えていないと申請できません。

📊 このセクションの要点

第20回の申請締切は12月15日(火)17時、事業支援計画書の発行受付は12月4日までです。対象は常時使用する従業員が一定以下の小規模事業者で、商業・サービス業は5人以下が目安になります。

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補助上限・補助率・使える経費

項目 内容
通常の補助上限 50万円
インボイス特例 上乗せ50万円
賃金引上げ特例 上乗せ150万円
両方を使う場合 上乗せ200万円(最大250万円)
補助率 3分の2(赤字事業者の賃金引上げ特例は4分の3)

注意

特例を希望して、その要件を1つでも満たせない場合は、上乗せ分だけでなく補助金の全体が交付されません。特例を使うかどうかは、達成の見込みを確認したうえで決めてください。

使える経費は8区分で、機械装置、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、外注費が挙げられています。広報費とウェブサイト関連費はそれぞれ30万円までで、その費目だけでの申請はできません。

論点 第20回のルール
相見積 1件50万円超は2者以上の見積(以前は100万円超)
対象外の例 パソコン・車両・消耗品
発注のタイミング 交付決定後(決定前の発注・支払は対象外)

📊 このセクションの要点

上限は通常50万円で、インボイス特例と賃金引上げ特例を併用すると最大250万円です。広報費とウェブサイト関連費は各30万円まで、50万円超の発注は2者以上の見積が必要で、発注は交付決定後に行います。

事業支援計画書と審査のポイント

持続化補助金の大きな特徴が、商工会・商工会議所の事業支援計画書(様式4)です。面談を受けたうえで発行してもらう書類で、これがないと申請が完了しません。発行の受付は12月4日までで、これを過ぎると発行を受けられないため、申請締切より前に早めに相談する必要があります。

審査の観点 見られる内容
経営状況の分析 自社の強み・弱みの分析が妥当か
経営方針と今後のプラン 売上や利益の増加を目指しているか
補助事業計画の有効性 客観的な根拠のある目標で、実現できるか
積算の適切さ 経費の見積が透明で適切か

審査は提出書類のみの書面審査で、ヒアリングはありません。過去に採択された事業者は、前回とは明確に違う新しい事業かどうかも見られます。

📊 このセクションの要点

審査は書面のみで、経営状況の分析、今後のプラン、事業計画の有効性、積算の適切さが見られます。事業支援計画書は12月4日までに発行を受ける必要があります。

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過去3回の採択データ(第17〜19回)

公募回 申請数 採択数 採択率
第17回 23,365 11,928 51.1%
第18回 17,318 8,229(修正後) 47.5%
第19回 16,576 7,819 47.2%

第18回は、後から要件を満たさない101件が見つかり、採択数が8,330件から8,229件に修正されています。この記事では修正後の数字で統一しています。第17回から第19回にかけて申請数は約3割減りましたが、採択率は5割弱で大きく変わっていません。採択された件数は約1万2,000件から約7,800件へ減っています。

補足

採択件数は中小企業庁の公表にもとづきます。出典:中小企業庁 採択結果の公表(一般型・通常枠)。

採択された事業のテーマ別(第19回)

公式にテーマ別の統計はないため、ここからは当社が第19回の採択事業名(約7,600件)をキーワードで分類した結果です。複数のテーマに該当する事業があるため、合計は100%にはなりません。

テーマ 割合
販路開拓 48.7%
店舗改装・設備導入 10.6%
デジタル関連 10.2%
冷凍・高付加価値加工 6.0%
業務効率化 5.8%
インバウンド・観光 2.7%

採択者の地域(第19回・全国7,819件)

第19回の採択者名簿は、商工会議所地区5,686件と商工会地区2,133件を合わせて全国7,819件で、公表された採択数と一致します。当社の集計では、地方ブロック別に関東33.3%、近畿21.3%、東海12.2%、九州・沖縄12.2%、北陸信越5.8%、中国4.9%でした。都道府県では東京が1,194件、大阪が721件、愛知が546件で、主要8都府県で全体の約半数になります。ただし、これは事業者数が多いためで、地域別の採択率は名簿からは分かりません。

採択された事業の例(第19回)

業種 採択された事業名(地域)
食品 冷凍スイーツの通販事業(富山)
建設 公共解体工事への参入(三重)
デジタル AI英語学習サービス(東京)
美容 個室型ヘッドスパの導入(富山)

POINT

採択されている計画に共通するのは、誰に、何の価値を、どんな経路で届けるのかが具体的な点です。販路開拓を軸に、広告やSNSといった入口と、設備や改装といった出口を組み合わせている計画が目立ちます。

📊 このセクションの要点

通常枠の採択率は第17回51.1%、第18回47.5%、第19回47.2%と2件に1件弱の水準が続き、申請数は約3割減りました。採択事業の約半数が販路開拓で、新しい客層への打ち出し方が具体的な計画が並んでいます。

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創業型は別の補助金(第1〜3回の採択率)

以前の創業枠は、現在は創業型という別の補助金になっています。通常枠とはデータも別に見る必要があります。

公募回 申請数 採択数 採択率
第1回 3,883 1,473 37.9%
第2回 3,220 1,225 38.1%
第3回 1,919 791 41.2%

申請数は第1回から第3回で半分ほどに減る一方、採択率は少しずつ上がっています。通常枠の第19回(47.2%)よりは低い水準です。創業型の第4回は、第20回と同じ日程で公募されます。出典は中小企業庁・中小機構の公表です。

第20回の最大の変更点:賃金引上げ特例

項目 内容
第19回まで 事業場内最低賃金を50円以上引き上げ
第20回 1人当たり給与支給総額を、ねん平均3.0%以上増やす
対象の期間 2027年4月〜2028年3月の12か月(前年の同月と比較)
未達の場合 補助金全体が交付されない

目標は、採択後から交付決定までの間に従業員へ表明する必要があります。賃上げに関する加点も、同様にねん平均2.0%以上の方式です。特例の判定方法が変わったため、過去の公募回の体験談をそのまま当てはめることはできません。

注意

賃金引上げ特例を希望するかどうかは、2027年4月以降の給与計画まで含めて判断する必要があります。達成できなかった場合の影響が、上乗せ分にとどまらず補助金全体に及ぶ点に注意してください。

そのほかの主な変更点

項目 第20回の内容
経費の上限 広報費・ウェブサイト関連費は各30万円、単独申請は不可
相見積 50万円超で2者以上(以前は100万円超)
事業の要件 売上高・売上総利益の増加見込みが追加
加点 健康経営優良法人、地域別最低賃金の引上げが新設
以前の枠 いまの扱い
賃金引上げ枠 通常枠の「賃金引上げ特例」
卒業枠・後継者支援枠 加点として残る
創業枠 別の補助金「創業型」
インボイス特例 継続

📊 このセクションの要点

最大の変更は、賃金引上げ特例がねん平均3.0%以上の給与支給総額の増加という方式に変わったことです。広報費・ウェブ費の上限、相見積の基準、事業要件、加点も変わり、以前の枠の名前も現在とは異なります。

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締切までの段取り

順番 やること ポイント
1 商工会・商工会議所に相談 事業支援計画書(様式4)の発行を依頼。受付は12月4日まで
2 経営計画と補助事業計画を作る 電子申請システムに入力。計画は自分で考えて作ることが前提
3 見積書をそろえる 50万円超は2者以上
4 12月15日17時までに申請 発注・支払は交付決定のあと

事業計画の作成で第三者の支援を受けた場合は、その相手と金額を様式に記載する必要があります。スケジュール面では、第17〜19回は申請締切から採択発表までおよそ3か月から3か月半かかっており、第20回も2027年3月頃の発表予定です。結果が出るまでに時間がかかるため、資金計画には余裕を持たせてください。

まとめ:第20回で押さえる5つのポイント

ポイント 内容
1.日程 受付11月5日、支援計画書は12月4日まで、申請締切は12月15日17時
2.上限と補助率 通常50万円、特例併用で最大250万円。補助率は3分の2
3.採択率 第17〜19回は51.1%、47.5%、47.2%。2件に1件弱
4.最大の変更 賃金引上げ特例は給与支給総額ねん平均3.0%以上。未達は全体が不交付
5.計画の作り方 誰に・何を・どう届けるかを具体的に。入口と出口を組み合わせる

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よくある質問(Q&A)

Q1.第20回の申請締切はいつですか?

A1.令和8年(2026年)12月15日(火)の17時です。受付は11月5日(木)に始まります。ただし、締切より前に、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書を受け取る必要があり、その発行の受付は12月4日(金)までです。12月4日を過ぎると、理由を問わず発行を受けられません。申請の締切だけを見て準備を始めると間に合わなくなるため、早めに窓口へ相談してください。

Q2.対象になる従業員数の目安を教えてください。

A2.商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下が目安です。従業員数は常時使用する従業員で数えます。医療法人、社会福祉法人、開業前の創業予定者は対象外です。また、過去に採択された事業者は、事業の報告書を出し終えていないと申請できません。自社がどの区分にあたるか迷う場合は、商工会・商工会議所に確認するのが確実です。

Q3.補助上限と補助率はいくらですか?

A3.通常の上限は50万円、特例を併用すると最大250万円で、補助率は3分の2です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方を使うと上乗せは200万円になります。赤字の事業者が賃金引上げ特例を使う場合は、補助率が4分の3になります。ただし、特例を希望してその要件を満たせないと、補助金の全体が交付されない点に注意が必要です。

Q4.賃金引上げ特例は何が変わりましたか?

A4.事業場内最低賃金を50円以上引き上げる方式から、1人当たり給与支給総額をねん平均3.0%以上増やす方式に変わりました。対象期間は2027年4月から2028年3月までの12か月で、前年の同じ月と比べて判定します。目標は採択後から交付決定までの間に従業員へ表明する必要があります。達成できなかった場合は補助金全体が交付されないため、給与計画を踏まえて特例を使うかどうかを決めてください。

Q5.通常枠の採択率はどのくらいですか?

A5.直近の第17〜19回は51.1%、47.5%、47.2%で、2件に1件弱です。第18回は採択数が8,330件から8,229件に修正されているため、修正後の数字で47.5%です。申請数は第17回の23,365件から第19回の16,576件へ約3割減ったものの、採択率は5割弱のままでした。採択率が高めに見えても、計画の具体性が問われる点は変わりません。

Q6.どんな事業が採択されていますか?

A6.当社の分類では、第19回の採択事業の約半数(48.7%)が販路開拓でした。次いで店舗改装・設備導入が10.6%、デジタル関連が10.2%でした。これは公式の統計ではなく、当社が事業名をキーワードで分類した結果です。冷凍スイーツの通販、公共解体工事への参入、AI英語学習サービスなど、新しい客層や売り方を具体的に描いた事業が採択されています。

Q7.広報費やウェブサイト関連費だけで申請できますか?

A7.できません。広報費とウェブサイト関連費は、それぞれ30万円までで、その費目だけの申請は認められません。第20回では、機械装置などほかの経費と組み合わせた計画が前提になります。あわせて、発注1件あたり50万円を超える場合は2者以上の見積が必要になりました。パソコン、車両、消耗品は対象外で、交付決定前の発注や支払も対象になりません。

Q8.以前の「卒業枠」「創業枠」はどうなりましたか?

A8.卒業枠と後継者支援枠は加点として残り、創業枠は創業型という別の補助金になりました。賃金引上げ枠は、通常枠の中の賃金引上げ特例になっています。創業型の第4回は第20回と同じ日程で公募されます。過去の資料やブログで枠の名前を見かけた場合は、現在の制度とは区分が異なる可能性があるため、最新の公募要領で確認してください。

Q9.結果が出るまでどのくらいかかりますか?

A9.第17〜19回は、申請締切から採択発表まで約3か月から3か月半かかっています。第20回の採択発表は、2027年3月頃の予定です。補助事業の実施期限は2028年3月31日までとなっています。採択前に発注すると補助対象外になるため、設備や広告の発注時期は、交付決定後に合わせる必要があります。

Q10.専門家に計画づくりを頼んでもよいですか?

A10.可能ですが、事業計画は自分で考えて作ることが前提で、第三者の支援を受けた場合は、その相手と金額を様式に記載する必要があります。計画を整理する壁打ちや書き方の相談は、事業者自身が納得して計画を作るための手段として使うのが適切です。事業支援計画書は商工会・商工会議所の面談を経て発行されるため、専門家への相談と並行して、早めに窓口にも相談してください。

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壱市コンサルティングは、中小企業診断士として、補助金の活用判断から計画づくりまでを支援しています。

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誰に・何を・どう届けるかを言語化し、事業計画に落とし込みます。

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持続化補助金か、ほかの制度かを、自社の投資内容から整理します。

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