補助金の加点制度まとめ|宣言・認定・登録で取れる加点と取る順番の考え方

補助金の加点制度まとめ|宣言・認定・登録で取れる加点と取る順番の考え方

補助金の審査には、特定の条件を満たしている会社に点数を上乗せする「加点」があります。くるみん、えるぼし、パートナーシップ構築宣言、DX認定、事業継続力強化計画と、名前の並ぶ制度が多く、何から手をつければよいのか迷う経営者は少なくありません。

加点になる制度は、宣言・公表、認定、計画の策定、登録、サービスの利用といった取り方のタイプで整理できます。さらに、費用・手間・期間・効く補助金の数という物差しを当てれば、取る順番が見えてきます。

本記事では、加点の仕組みと補助金ごとの違い、主な制度のメリット・負担・取り方の概略、取る順番の考え方、取る前の注意点(賃上げ加点の未達による減点を含む)を整理します。制度の中身は公募要領の改訂で変わるため、最終確認は各補助金の公募要領で行う前提でお読みください。

Contents
  1. 加点の仕組みと、補助金ごとの違い
  2. 加点になる制度の全体像|5つのタイプ
  3. 主な制度のメリット・負担・取り方
  4. 取る順番の考え方|4つの物差し
  5. 取る前に知っておく注意点
  6. まとめ|加点制度の5つのポイント
  7. よくある質問(Q&A)
  8. 補助金の加点の取り方でお悩みの経営者様へ

加点の仕組みと、補助金ごとの違い

加点とは、審査での点数の上乗せ

加点とは、審査の際に、定められた条件を満たす会社へ点数を上乗せする仕組みです。ただし、加点だけで採択が決まるわけではありません。審査の土台はあくまで事業計画の中身であり、加点は、同水準の計画が並んだときに差がつく要素と位置づけるのが実態に近い見方です。

加点のかたちは補助金ごとに異なる

加点の出し方は、補助金によってかなり違います。主な補助金のかたちを整理すると、次のとおりです。

補助金 加点のかたち
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領に加点項目の一覧が載っている
中小企業省力化投資補助金(一般型) 項目ごとに証明書類を提出し、要件に合致すると加点
小規模事業者持続化補助金 重点政策加点と政策加点から選ぶ形。選べる数に上限があり、超えると加点審査の対象外
事業承継・M&A補助金 枠ごとに加点事由が定められている
デジタル化・AI導入補助金 加点項目が公募回ごとに追加・変更される
中小企業成長加速化補助金 形式上の加点項目はなく、審査の波及効果で考慮される

注意

どの制度が、どの補助金の、どの区分で加点になるかは、公募要領ごとに異なります。本記事の整理はあくまで全体像の把握用です。申請を決めた補助金については、必ず最新の公募要領で確認してください。

成長加速化補助金は「加点」ではなく「審査で考慮」

成長加速化補助金には、形式上の加点項目がありません。代わりに、審査項目の波及効果で、健康経営優良法人、事業継続力強化計画、えるぼし、くるみん、パートナーシップ構築宣言、地域未来牽引企業といった取り組みが評価の対象になります。公式のよくある質問でもパートナーシップ構築宣言などは「一つの参考材料」という位置づけであり、「加点」と言い切らず、審査で考慮されると区別して理解することが重要です。

複数の補助金に効く制度ほど、優先度が高い

制度によって、効く補助金の数は異なります。健康経営優良法人とくるみん・えるぼしは、本記事で取り上げる6つの補助金すべてに関わります(成長加速化補助金は審査で考慮される扱いです)。

制度 関わる補助金の数の目安
健康経営優良法人 6つすべて
くるみん・えるぼし 6つすべて
事業継続力強化計画 5つ
成長加速マッチングサービス 4つ
アトツギ甲子園 3つで加点、省力化投資補助金では審査で考慮

📊 このセクションの要点

加点は審査での上乗せであり、採択の土台は事業計画です。加点のかたちは補助金ごとに違い、成長加速化補助金は「審査で考慮」の扱いです。複数の補助金に効く制度ほど、取る価値が高くなります。

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加点になる制度の全体像|5つのタイプ

制度の名前を一つずつ覚えるより、取り方のタイプで整理するほうが、自社に合うものを選びやすくなります。

タイプ 主な制度 取り方のイメージ
宣言・公表 パートナーシップ構築宣言、一般事業主行動計画の公表 宣言文や計画をつくり、ポータルサイト等で公表する
認定を受ける 健康経営優良法人、くるみん、えるぼし、DX認定 要件を満たして申請し、認定を受ける
計画を作る 事業継続力強化計画、経営力向上計画、先端設備等導入計画 計画を作成し、国や市区町村の認定を受ける
登録する 成長加速マッチングサービス 会員登録のうえ、挑戦課題を登録する
利用する 省力化ナビ、IT戦略ナビwith など 公的なサービスを使い、利用実績を申請に反映する

このほかに、選定されるもの(地域未来牽引企業、J-Startupなど)や、大会に出るもの(アトツギ甲子園)もあります。これらは対象が限られるため、後ほど別に整理します。

📊 このセクションの要点

加点になる制度は、宣言・公表、認定、計画、登録、利用の5つのタイプで整理できます。選定や大会出場のように、対象が限られるタイプもあります。

主な制度のメリット・負担・取り方

くるみん・えるぼし・一般事業主行動計画

くるみんとえるぼしは、いずれも厚生労働省の認定で、申請先は都道府県の労働局です。くるみんは子育てを支える会社の認定で、行動計画の期間が終わり、目標を達成したうえで申請します。えるぼしは女性の活躍を進めている会社の認定で、認定後も実績を毎年公表します。

負担は書類の量と期間です。メリットは、補助金の加点のほか、公共調達での加点や、公庫の融資の対象になることなどが挙げられます。補助金によっては、認定ではなく行動計画を策定して公表するだけで、従業員100人以下の会社なら加点になるものがあります。計画期間などの条件は、公募要領で確認が必要です。

パートナーシップ構築宣言

取引先との共存共栄を、会社として宣言する制度で、業種や規模は問いません。新事業進出・ものづくり補助金で加点になり、成長加速化補助金では審査で考慮されます。公式には、ロゴを名刺などに使えることや、宣言した会社向けの特別融資が、メリットとして紹介されています。

留意点は、会社名と代表者名を含む宣言文がポータルサイトで公表されることです。取り方は、ひな形で宣言文を作成してポータルサイトに登録します。公開までは通常10日ほどとされていますが、費用の扱いや、加点の条件となるひな形の版は、事前に公式情報と公募要領で確認してください。

DX認定

デジタル技術で会社を変えていく準備が整っていることを、国が認定する制度で、法人でも個人事業主でも申請できます。新事業進出・ものづくり補助金の加点になっており、申請の時点で有効な認定が必要です。

メリットは認定事業者としての公表やロゴの使用です。負担は、申請書が公開されることと、有効期間が2年で更新が必要なことです。申請はウェブフォームで行い、公式には費用はかからないと記載されていますが、標準の処理期間が3か月ほどとされているため、早めに動くことが賢明です。

計画を作って認定を受ける制度

制度 認定する先 主なメリット
経営力向上計画 国(事業を所管する大臣) 税制・融資・信用保証の優遇。持続化補助金と事業承継・M&A補助金で加点
先端設備等導入計画 市区町村 固定資産税の特例。事業承継・M&A補助金で加点

注意

持続化補助金では、決められた基準日までに経営力向上計画の認定を受けている必要があり、申請中のままでは対象外になります。「申請した」だけでは足りない点に注意が必要です。

事業継続力強化計画・健康経営優良法人・経営革新計画

事業継続力強化計画は、自然災害などに備える計画を国が認定する制度で、いわゆるBCPの入口にあたります。5つの補助金に関わる重要な制度です。健康経営優良法人は6つすべての補助金に関わり、経営革新計画も新事業進出・ものづくり補助金などで加点になります。これらは、それぞれ個別に詳しく扱う価値のある制度のため、本記事では位置づけの紹介にとどめます。

成長加速マッチングサービス

中小企業庁のサービスで、資金調達や事業承継など挑戦したい課題を登録すると、関心を持った支援者から連絡が届く仕組みです。公式には全機能が無料とされています。新事業進出・ものづくり、省力化投資、デジタル化・AI導入、事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠で加点になります。

登録にはGビズIDが必要で、会員登録のあと、挑戦課題の登録までがセットです。完了のメールが届かないため、マイページで「掲載中」になっているかを必ず確認してください。

省力化ナビ・生産性向上支援センター

省力化投資補助金に効く公的サービスが2つあります。省力化ナビは中小機構のサービスで、業種ごとに悩みを選ぶと改善例や取り組みのステップが示されます。登録不要で無料、省力化投資補助金(一般型)とデジタル化・AI導入補助金で加点になります。申請に使うGビズIDを入力する点が要件になっています。

生産性向上支援センターは、よろず支援拠点の中に設置された公的機関で、専門家と一緒に生産性向上取組計画書を作る無料の伴走支援です。省力化投資補助金(一般型)の加点になりますが、計画書の作成には1か月ほどかかり、申請書の代行はしてくれません。提出条件は公募要領での確認が必要です。

デジタル化・AI導入補助金の加点サービス

デジタル化・AI導入補助金には、ほかにも加点になる利用サービスがあります。IT戦略ナビwithはアンケートへの回答で同業との比較とマップができ、申請に添付します。IT経営サポートセンターは中小機構の無料オンライン相談窓口です。デジタル化セカンドオピニオンは、診断士などの確認者とオンラインで面談する取り組みで、経営者本人の出席が必須です。サイバーセキュリティお助け隊サービスは、事業承継・M&A補助金でも加点の対象になります。

これらの項目は公募回ごとに追加・変更されるため、最新の公募要領と加点項目一覧で確認する必要があります。

対象が限られる制度

制度 特徴
地域未来牽引企業 経済産業大臣が選定。事業承継・M&A補助金の加点になるが、推薦やデータで選ばれるため、自力では取りにくい
J-Startup 主にスタートアップ向け。新事業進出・ものづくり補助金の加点になっている
アトツギ甲子園 後継者が計画を発表する大会。補助金ごとに条件が異なり、省力化投資補助金では審査で考慮される

📊 このセクションの要点

費用がかからず手続きが軽い制度と、書類・期間の負担が大きい制度があります。制度ごとに「公開される情報」「有効期間」「更新」といった負担があるため、メリットと負担をセットで把握することが重要です。

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取る順番の考え方|4つの物差し

加点になる制度が複数ある以上、どれから取るかの判断が必要になります。物差しは次の4つです。

物差し 見るポイント
費用と手間 費用がかからないか。手続きが軽いか
期間 数日で済むのか、数か月かかるのか。長いものは早めに動く
効く補助金の数 複数の補助金に効く制度ほど価値が高い
自社の申請予定 自社が使う補助金で、実際に加点になっているか

POINT

どんなに手軽な制度でも、自社が申請する補助金で加点にならなければ意味がありません。最初に確認するのは、いつも狙っている補助金の公募要領です。

取りやすさの目安

目安 主な制度
手軽(利用・登録で済む) 省力化ナビ、IT戦略ナビwith、成長加速マッチングサービス
書類を作る パートナーシップ構築宣言
計画を作る 事業継続力強化計画
時間がかかる DX認定、くるみん、えるぼし
狙いにくい 地域未来牽引企業

これはあくまで目安です。費用や期間は制度ごとの公式情報で確認し、複数の補助金に効くものから優先して検討するのが現実的です。

📊 このセクションの要点

費用と手間、期間、効く補助金の数、自社の申請予定の4つで優先順位を決めます。手軽で期間が短く、複数に効く制度から順に検討し、時間のかかるものは早めに着手します。

取る前に知っておく注意点

賃上げ加点は、要件未達だと減点になる

賃上げを約束して加点を受け、採択されたにもかかわらず、その賃上げを達成できなかった場合、一定期間、中小企業庁所管の補助金で大きな減点を受けるルールがあります。正当な理由がある場合は除かれますが、基本的に厳しい扱いです。賃上げ加点は、本当に達成できるかを見極めてから選ぶことが重要です。減点の期間や条件は、各公募要領で確認してください。

注意

加点を取りにいって、かえって次の申請で不利になる事態は避けなければなりません。賃上げ以外の加点でも、取得後の報告や更新が必要な制度があります。

取る前の4つの確認

確認項目 内容
公募要領で加点か 補助金ごと・回ごとに変わる。狙う補助金で加点になっているかを確認する
申請時点で有効か 申請中や期限切れは対象外になる補助金がある
公表される情報 宣言文や計画が公開される制度がある。公表されても問題ないかを考えておく
本業の役に立つか 加点のためだけに取らない

災害への備えや職場づくりは、経営そのものに効く取り組みです。加点はおまけくらいに考え、会社が強くなることを目的に取り組むのが理想です。

📊 このセクションの要点

賃上げ加点は未達時の減点があるため慎重に選びます。取る前に、公募要領での加点の有無、申請時点での有効性、公表情報、本業への効果を確認します。

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まとめ|加点制度の5つのポイント

ポイント 内容
1.加点は上乗せ 審査での点数の上乗せ。採択の土台は事業計画
2.補助金で違う 加点のかたちは補助金ごとに異なる。成長加速化補助金は審査で考慮
3.5つのタイプ 宣言・公表、認定、計画、登録、利用で整理する
4.順番は4つの物差し 費用と手間、期間、効く補助金の数、自社の申請予定
5.賃上げ加点は慎重に 未達だと一定期間の減点。公募要領で必ず最終確認

よくある質問(Q&A)

Q1.加点を取れば補助金は採択されますか。

A1.いいえ、加点だけで採択は決まりません。審査の土台は事業計画の中身であり、加点は審査の中で点数を上乗せする仕組みです。計画の質が不十分なまま加点だけを積み上げても、採択につながるとは限りません。計画をつくり込んだうえで、取れる加点を加えるという順序で考えることが重要です。

Q2.どの制度が加点になるかは、どこで確認できますか。

A2.各補助金の公募要領が最終の根拠です。加点になる制度や条件は、補助金ごと、区分ごと、公募回ごとに変わります。本記事のような整理記事は全体像の把握には役立ちますが、申請の判断は、必ず最新の公募要領と公式サイトで確認してください。

Q3.成長加速化補助金の加点は、どうなっていますか。

A3.形式上の加点項目はなく、審査の波及効果で考慮されます。健康経営優良法人、事業継続力強化計画、えるぼし、くるみん、パートナーシップ構築宣言などの取り組みが、審査で評価の対象になります。ただし、公式のよくある質問でも参考材料という位置づけです。「加点される」と断定せず、審査で考慮されると理解するのが正確です。

Q4.まず取るなら、どの制度がよいですか。

A4.自社が使う補助金で加点になり、費用と手間が小さく、複数に効く制度からです。たとえば省力化ナビやIT戦略ナビwith、成長加速マッチングサービスのように、利用や登録で済む制度は手軽です。そのうえで、健康経営優良法人やくるみん・えるぼしのように複数の補助金に効く制度は、時間がかかるため早めの検討が賢明です。

Q5.宣言や認定の情報は、公表されますか。

A5.制度によっては公表されます。パートナーシップ構築宣言は、会社名と代表者名を含む宣言文がポータルサイトで公表されます。DX認定も申請書が公開されます。取引先や金融機関の目にも触れるため、公表されても問題ない内容かを事前に考えておく必要があります。

Q6.申請中の認定でも加点になりますか。

A6.申請中のままでは対象外となる補助金があります。持続化補助金の経営力向上計画の加点では、決められた基準日までに認定を受けている必要があり、申請中は対象外です。認定には審査期間がかかるため、申請予定の時期から逆算して、余裕をもって着手することが重要です。

Q7.賃上げ加点を取って未達だと、どうなりますか。

A7.一定期間、中小企業庁所管の補助金で大きな減点を受けます。賃上げを約束して加点を受け、採択されたのに賃上げができなかった場合に適用されるルールです。正当な理由がある場合は除かれますが、基本的に厳しい扱いです。減点の期間や条件は公募要領で確認し、達成できるかを見極めてから選んでください。

Q8.加点になる制度は、自社だけで取れますか。

A8.多くは自社で取れますが、書類や期間の負担があります。パートナーシップ構築宣言や成長加速マッチングサービスのように自社で手続きできるものがある一方、地域未来牽引企業のように推薦やデータで選ばれ、自力では取りにくいものもあります。負担が大きいものは、専門家の支援を受けるのも選択肢です。

Q9.加点のためだけに制度を取るのは、ありですか。

A9.おすすめしません。本業の役に立つかも判断材料にしてください。事業継続力強化計画や健康経営は、災害への備えや職場づくりという経営そのものに効く取り組みです。加点はおまけと捉え、会社が強くなることを目的に取り組むほうが、取得後の運用も続きます。

Q10.自社の場合、何から取ればよいか相談できますか。

A10.はい、壱市コンサルティングでご相談を承っています。自社が申請を考えている補助金で、どの制度が加点になるのか、何から取ればよいのかは、事業の状況によって変わります。補助金の申請支援を行う中小企業診断士が、整理のお手伝いをします。

補助金の加点の取り方でお悩みの経営者様へ

自社に合う加点の取り方を、一緒に整理します

壱市コンサルティングでは、中小企業診断士が、補助金の申請支援から経営アドバイザリーまでを担っています。加点制度は、どれを取るかより、**自社の申請予定に合う順番で取る**ことが成果を左右します。

📋 申請予定の補助金に合わせた加点の整理

狙う補助金の公募要領をもとに、加点になる制度と、取る順番を整理します。

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宣言・認定・計画の策定など、手続きと書類づくりを支援します。

まずは、申請を考えている補助金をお聞かせください。

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