補助金をもらった後の義務とは?事業化状況報告・財産処分・賃上げ未達の返還と不正受給で起きることを解説

補助金をもらった後の義務とは?事業化状況報告・財産処分・賃上げ未達の返還と不正受給で起きることを解説

補助金は、採択されて入金されたら終わりではありません。受け取ったあとにも、報告する義務、財産を自由にできない制限、賃上げの約束を守る義務があります。

どれも、守っていれば怖いものではありません。一方で、知らないまま設備を売ったり、報告の期限を過ぎたりすると、交付決定の取消や返還、次の補助金に申請できなくなるといった影響が出ることがあります。

さらに、偽りその他不正の手段で補助金を受けた場合は、返還にとどまらず、加算金、事業者名の公表、刑事責任の可能性まで法律が定めています。うっかりのミスと不正は、法律上まったく別の扱いです。

本記事では、補助金適正化法と各制度の公募要領をもとに、受給後の3つの約束(事業化状況報告・財産処分の制限・賃上げ要件)と、不正受給で何が起きるかを整理します。早めに相談すれば防げることがほとんどという視点で読み進めてください。

Contents
  1. まず結論|補助金をもらった後に守る3つの約束
  2. 交付決定から事業終了後までの流れ
  3. 約束その1|事業化状況報告
  4. 約束その2|財産処分の制限
  5. 約束その3|賃上げ要件と未達の返還
  6. 不正受給で何が起きるか
  7. 日常の備え|書類と支払いで気をつけること
  8. こんなときは早めに相談を
  9. まとめ|補助金をもらった後の5つのポイント
  10. よくある質問
  11. 制度の整理のご相談

まず結論|補助金をもらった後に守る3つの約束

補助金を受け取った事業者には、大きく3つの約束があります。法律が定めるのは大枠で、報告の時期・内容、財産の処分制限の期間、賃上げ要件の数値や返還額の式は、制度ごとの交付規程と公募要領が定めています。実際に守るべき内容は、ご自身が受けた制度の公募要領で必ず確認してください。

約束 中身 守れなかったとき
事業化状況報告 補助事業の終了後、事業化の状況や給与支給総額などを定期的に報告する 返還を求められることがある。制度によっては次の申請ができなくなる
財産処分の制限 単価50万円(税抜き)以上の機械・器具などは、売る・貸す・担保にする・廃棄する・別の用途に使うときに事前承認が必要 交付決定の取消、返還の対象になる
賃上げ要件の遵守 採択時に表明した賃上げ目標を、事業計画期間中に達成する 未達成率などに応じて返還。さらに加点を受けていた場合は、その後の申請で減点

📊 このセクションの要点

3つの約束はすべて「事前に確認し、期限内に報告する」ことで守れます。困ったときは、決める前に事務局へ相談するのが基本です。

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交付決定から事業終了後までの流れ

法律上の骨組みは、補助金適正化法に書かれています。まず全体の流れを押さえておくと、どの場面でどの義務が出てくるかが見えやすくなります。

場面 求められること
交付決定後 交付決定日より前の発注・契約は補助対象外。経費の配分変更、事業内容の変更、中止・廃止は事前に承認を受ける
補助事業の実施中 計画どおりに実施する。事務局から求められたら遂行状況を報告する
補助事業の完了時 期限までに実績報告書を提出する。出さないと交付決定の取消につながる制度がある
確定検査・額の確定 帳簿・証拠書類・現物を確認される。確認できない経費は補助対象から外れる
補助事業の終了後 事業化状況報告(効果報告)を毎年提出する。財産処分は事前承認。帳簿・証拠書類は5年間保存

補足

補助金は、支払を受けた事業年度の収入として法人税等の課税対象になります(持続化補助金は額の確定を受けた事業年度)。固定資産の取得に充てた部分は圧縮記帳ができる場合があります。可否や仕訳は税理士にご確認ください。

制度別の「終了後の義務」早見表

制度 事業化状況報告などの目安 財産処分・その他
ものづくり補助金 事業化状況・知的財産権等報告書を5年間。賃上げ未達は返還 事務局の事前承認。証拠書類は5年保存
省力化投資補助金(一般型) 効果報告を5年間。賃金台帳の提出 処分制限期間は法定耐用年数。保険・共済の加入が原則必須
新事業進出補助金・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 事業化状況・知的財産権報告書を5年間(計6回) 事務局の事前承認。保険・共済の加入義務あり
デジタル化・AI導入補助金(通常枠) 効果報告を3年度分。ITツールを継続して使っていることの報告 賃上げ未達は返還
小規模事業者持続化補助金 補助事業終了から1年後の状況を事業効果等状況報告として提出 単価50万円以上の取得財産は処分制限。証拠書類は5年保存
事業承継・M&A補助金 事業化状況報告を5年間(各事業年度終了後90日以内) 取得価額50万円以上の財産は事務局の承認が必要

報告の回数や期限の数え方は、制度や公募要領の版によって書き方が異なります。迷ったときは、受けた制度の公募要領と事務局のマニュアルで確認するのが確実です。

📊 このセクションの要点

受給後の義務は、法律の大枠(報告・承認・取消・返還)と、制度ごとのルール(時期・金額・式)の二層でできています。

約束その1|事業化状況報告

事業化状況報告(効果報告)は、補助事業が終わったあと、事業化の状況や給与支給総額、事業場内最低賃金、付加価値額、知的財産権の取得状況などを報告するものです。賃上げ要件を達成したかどうかも、この報告で毎年確認されます。

出さないとどうなるか

事業化状況報告の未提出を直接の刑事罰とする条文はありません。未提出の効果は、各制度の公募要領・交付規程が定める取消・返還・次回申請の制限です。たとえば次のような扱いが公募要領に書かれています。

制度 未提出・虚偽報告の扱い
ものづくり補助金 報告しなかった場合や虚偽報告があった場合は、補助金の返還を求めることがある。未提出のままだと、次の申請ができない
新事業進出系 報告が行われない場合や虚偽の数値が報告された場合は、交付決定を取り消し、返還等を求める。以降の応募申請は認めない
デジタル化・AI導入補助金 賃上げ目標の未達には、事務局へ期間内に報告しなかった場合も含まれ、返還の対象になる
持続化補助金 様式第14が未提出の事業者は、次の申請の対象外。提出後も1年が経過するまで申請に制限がかかる
事業承継・M&A補助金 交付決定を取り消し、返還を求める。賃上げ加点を受けていて未提出なら、加点要件は未達とみなされる

POINT

報告の期限が分からない、書き方が分からないときは、期限が過ぎる前に事務局のマニュアルやコールセンターへ。未提出の影響は大きい一方で、早めの確認で防げるものです。

国の検査でも見つかっている報告のずれ

会計検査院は、令和6年度(2024年度)決算検査報告で、事業再構築補助金の事業化状況報告が実態と合っていない例を指摘しています。検査対象の224事業主体のうち、報告内容が実態と合わない事態が49事業主体で見られました。たとえば、補助事業終了年度の報告を確認した213事業のうち9事業(4.2%)で、計画した新規事業の売上実績がないのに「売上実績あり」と報告していました。

注意

この数字は事業再構築補助金に関する検査結果で、他の制度の実態ではありません。報告は事実のとおりに、根拠となる帳簿とそろえて行うことが大切だ、という程度に受け止めてください。

📊 このセクションの要点

事業化状況報告は、期限内に、事実どおりに出すことが基本です。未提出・虚偽は、返還や次回申請の制限につながります。

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約束その2|財産処分の制限

補助金で取得した機械や器具は、自由に処分できません。補助金適正化法第22条は、政令で定める財産を、承認を受けずに、交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、または担保に供することを禁じています。各制度の公募要領・手引きでは、これに加えて廃棄も承認が必要としています。

項目 内容
対象 取得価格または効用の増加価格が単価50万円(税抜き)以上の機械・器具・その他の財産(各制度の公募要領)
制限される行為 目的に反する使用、譲渡、交換、貸付け、担保に供すること、廃棄など
期間 減価償却資産の耐用年数等に関する省令を準用。事業計画期間(3〜5年)が終わっても、法定耐用年数が経つまで制限が続く制度がある
手続き 事務局を通じた事前申請。承認なしの処分は、交付決定の取消・返還の対象

よくあるつまずきと、先に相談すべき場面

新事業進出系では、取得した財産は原則として事業計画書に記載した新しい事業にだけ使います。計画した事業が思うように進まないからと、既存事業に回すと、目的に反する使用と判断され、残存簿価相当額などの納付を求められることがあります。そのほか、次のような場面は事前に事務局へ相談してください。

場面 注意点
設備を売る・貸す・担保にする 事前承認が必要。納付金額は制度によって計算が異なる(残存簿価相当額、譲渡額など)
事業の休止・方向転換 設備を別の事業に使うと承認が必要になる場合がある
事業承継・法人成り・大企業化 補助対象外の事業者になった場合などは、目的に反する使用に当たることがある
災害・故障で使えなくなった まず事務局に連絡する。不注意での焼失・紛失は、取消や返還に至る場合がある
建物などに抵当権を設定したい 原則認められない制度がある。資金調達に限り、事前承認を条件に認められる場合がある

補足

会計検査院は、令和6年度(2024年度)決算検査報告で、事業再構築補助金について、処分制限財産が計画した新規事業以外にも使われている状況を指摘しています。ただし、これは「計画した新規事業にのみ使う」という考え方で集計した件数で、交付規程上の目的外使用と判断した件数ではありません。また、ものづくり補助金でも、処分制限財産の無断使用・廃棄の例が報告されています。

📊 このセクションの要点

単価50万円以上の機械・器具は、売る・貸す・担保・廃棄・別用途の前に、必ず事務局へ。事前の相談が、取消や返還を防ぐ最大の方法です。

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約束その3|賃上げ要件と未達の返還

ものづくり補助金や新事業進出系などでは、採択時に賃上げの計画を従業員へ表明し、事業計画期間中に達成することを条件に補助金が交付されます。達成できなかった場合は、未達成率などに応じて返還する条件が公募要領に書かれています。

要件の考え方

項目 ものづくり・新事業進出系などの基本の考え方
給与 1人当たり給与支給総額の年平均成長率について、自分で設定した目標値(基本は3.5%以上)を事業計画期間の最終年度までに達成する
最低賃金 事業場内最低賃金を、事業実施都道府県の地域別最低賃金プラス30円以上の水準にする
表明 目標値を従業員または従業員代表者に表明する。表明していなかった場合は、交付決定の取消と返還
返還の上限 交付された補助金額

注意

数値や返還の式は、制度や公募要領の版で違います。たとえばデジタル化・AI導入補助金(通常枠)は、給与の目標が年平均成長率3%以上(交付決定の時期によって3.5%)、事業計画期間は3年です。持続化補助金には返還の記載が公募要領になく、未達の場合は報告から18か月の減点が定められています。必ず、ご自身の制度の公募要領で確認してください。

返還額のイメージ(あくまで例)

ものづくり補助金や新事業進出系の給与要件は、未達成率に応じた式で返還額を計算します。以下は説明用の例で、実際の返還額は、公募要領と交付規程の式に基づいて事務局が決定します。

ケース 計算の例
給与要件が一部未達 交付額3,000万円、目標の年平均成長率3.5%、最終年度の実績が2.8%の場合、達成率は80%。返還額は3,000万円×(1−0.8)=600万円
最低賃金が未達(交付額÷年数型) 交付額3,000万円、事業計画期間5年の場合、未達の年1回につき600万円(3,000万円÷5年)
デジタル化・AI導入補助金(最低賃金・3年計画) 交付額450万円で、1年目に未達なら450万円、2年目なら300万円、3年目なら150万円

最低賃金の返還の考え方は、当社の記事「最低賃金1,177円時代の中小企業経営」でも解説しています。

免除・例外と、加算金との関係

付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合には、一部の返還を求めない規定があります。「赤字なら必ず免除」ではなく、付加価値額などの条件に当たるかどうかを、公募要領と事務局が判断します。再生事業者は、目標未達でも返還を求めない制度があります。

なお、年10.95%の加算金は、補助金適正化法第19条により、取消に基づく返還に付くものです。賃上げ未達による返還に加算金が自動的に付くかどうかは、制度の交付規程・公募要領によります。デジタル化・AI導入補助金は「加算金・延滞金は含まない」と明記しています。

返還だけでなく「減点」もある

賃上げの加点を受けて採択されたのに、申請した要件を達成できなかった場合、事業化状況報告で未達が報告されてから18か月間、中小企業庁が所管する補助金への申請で大幅に減点されます(災害など正当な理由がある場合を除く)。義務を果たすことが、次の補助金につながるという面もあります。

POINT

賃上げの見通しが立たなくなったら、報告を待たずに、早い段階で事務局に確認してください。毎年の賃金台帳で進み具合を確認しておくと安心です。

📊 このセクションの要点

賃上げ未達の返還は、制度ごとの式で決まります。上限は交付額、例外規定もあります。数値は必ず自分の制度の公募要領で確認してください。

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不正受給で何が起きるか

ここからは、うっかりのミスではなく、偽りその他不正の手段で補助金を受けた場合の話です。補助金適正化法は、次のように段階的な対応を定めています。

段階 内容
調査 事務局や会計検査院による実地検査・立入検査(法第23条)。事前の連絡なしの立入調査を行う制度もある
交付決定の取消 法第17条。理由が示される。額の確定後でも取消できる
返還命令 法第18条。期限を定めて返還
加算金・延滞金 取消に基づく返還には、受領の日から納付の日まで年10.95%の加算金(法第19条)。期限までに納付しないと、未納付額に年10.95%の延滞金
徴収 国税滞納処分の例により徴収できる(法第21条)
公表 制度の公募要領で、悪質な不正の場合に事業者名・代表者名・不正内容を公表することがある
刑事責任 法第29条(不正受給)は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(併科あり)。法第30条(他用途使用)は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。事案によっては刑法の詐欺罪に当たり得る

注意

実際に刑事手続きに進むかどうかは事案ごとの判断です。公募要領も「可能性がある」と書いています。なお、現行の補助金適正化法の罰則は「懲役」ではなく「拘禁刑」です。

次の申請への影響

不正受給の影響は、返還だけではありません。中小機構の補助金交付等及び競争参加資格停止措置要領では、不正行為に対し、悪質性に応じて6か月・12か月・18か月の補助金交付等の停止期間を定めています。他の用途への使用や、交付決定の条件に違反した不適切な行為にも、それぞれ停止期間が定められています。事実を速やかに報告し、再発防止体制を整備するなどの事情があれば、期間の短縮もあり得ます。

各制度の公募要領にも、取消を受けた事業者や、返還命令を受けて未返還の事業者などを補助対象外とする規定があります。法第20条による他の補助金の一時停止は、返還金などを納付しない場合に限られるため、「不正をすると自動的にすべての補助金が受けられなくなる」と単純には言えません。実際の制限は、停止措置要領と公募要領の対象外規定によります。

公式に整理されている不正の類型

類型 内容の例
キャッシュバック・紹介料 勧誘業者への委託費用を後日返金・減額される。第三者から紹介料・コンサル料を受け取る
名義貸し・代理申請 補助対象者以外が補助事業者の名義で申請手続きを行う(GビズIDの共有など)
実態のない事業・取引 購入物が納品されていない。事業が実際に行われていない。実態のない外注や、外注先からの資金の還流
重複受給 同じ内容で国から他の補助金や助成金を受ける
虚偽の申請・報告 従業員数の過少申告など企業実態の偽装。帳簿・証拠書類・報告書への虚偽記載
目的外使用 取得財産を計画した事業以外に使う、無断で譲渡・貸付・廃棄する
支援者の申告漏れ 外部の支援を受けているのに、支援者の名称・内容・報酬などを申告しない

会計検査院が公表している実態

会計検査院は、令和6年度(2024年度)決算検査報告で、中小企業基盤整備機構の補助金について、ものづくり補助金5件(3,738万円余)、事業再構築補助金20件(3億4,461万円余)、合計3億8,199万円余が過大に交付されるなどして不当と認めました。内容は、納品を受けていないのに受けたとする虚偽の実績報告、実態を伴わない外注、処分制限財産の無断の使用・譲渡・廃棄などの類型です。公表されているのは類型と集計であり、特定の事業者を取り上げるものではありません。

補足

「実質自己負担ゼロ」「キャッシュバック」などの勧誘は、不正行為につながる可能性があると、事務局が注意喚起しています。補助金を受け、報告し、義務を負うのは補助事業者本人です。業者に任せきりにしないことが大切です。

📊 このセクションの要点

不正受給は、取消・返還・加算金に加え、公表、交付等の停止、刑事責任の可能性まで及びます。正しく申請し、正しく使い、正しく報告することが最大の防御です。

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日常の備え|書類と支払いで気をつけること

検査や確認が入っても慌てないために、日々の管理を整えておきましょう。

項目 ポイント
帳簿・証拠書類の保存 原則5年間。起点は制度で違う(交付年度終了後、完了年度終了後など)。迷うときは長いほうで保存する
見積書 単価50万円(税抜き)以上は原則として複数者の見積を取る制度が多い。合理的な理由で取れないときは理由書
支払い方法 銀行振込が原則。現金払い、相殺、手形、代行振込などは補助対象にならない制度が多い
発注の時期 交付決定日より前の発注・契約は補助対象外
経費の按分 補助事業期間をまたぐ契約や、使用量に応じる原材料は、補助事業分だけが対象
取得財産の保管 事業計画書に記載した実施場所で保管・使用。補助対象物件の書類やラベルも整備

補助事業の終了後も、会計検査院や事務局が実地検査に入ることがあります。取得財産に関する書類は、処分制限期間が終わるまで保管しておくのが安全です。処分制限期間が5年を超える機械装置の例(10年)も報告されています。

📊 このセクションの要点

書類の保存、見積書、振込払いの3点を押さえるだけで、確定検査や実地検査での指摘は大きく減らせます。

こんなときは早めに相談を

義務は、決める前に確認すれば守れるものがほとんどです。次のような場面では、決める前に事務局や専門家へ相談してください。

場面 相談先の目安
計画(経費配分・事業内容・機械装置)を変えたくなった 事前承認が必要。まず事務局
買った設備を売る・貸す・担保にする・廃棄する・別用途に使う 処分の前に事務局へ
賃上げ目標が達成できそうにない 見込みが立たない時点で事務局に確認。免除の条件に当たるかは事務局が判断
報告の期限や書き方が分からない 事務局のマニュアル・コールセンター
調査・立入検査の連絡が来た 落ち着いて書類を整えて協力。必要に応じて専門家に相談
「実質無料」「キャッシュバック」を持ちかけられた 不正行為に当たる可能性があるため、受けない
返還を命じられた 資金繰りは金融機関、法的な判断は弁護士・税理士などに相談

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まとめ|補助金をもらった後の5つのポイント

ポイント 内容
1.義務は三本柱 報告(実績報告・事業化状況報告)、財産の管理、賃上げ要件の遵守
2.報告は期限内に事実どおり 未提出・虚偽は、返還や次回申請の制限につながる
3.50万円以上の設備は事前承認 売る・貸す・担保・廃棄・別用途の前に、必ず事務局へ
4.賃上げ未達の返還は制度ごと 式・数値・免除は公募要領で確認。加点未達は18か月の減点
5.不正は別次元 取消・返還・加算金・公表・停止措置・刑事責任の可能性。迷ったら相談

よくある質問

Q1.事業化状況報告を出し忘れたら、すぐ刑事罰になりますか。

A1.いいえ、事業化状況報告の未提出を直接の刑事罰とする条文はありません。ただし、制度の公募要領・交付規程により、返還の請求、交付決定の取消、次回申請の制限といった影響が出ることがあります。気づいた時点で、すぐ事務局に連絡して指示を受けてください。期限前に不安があるときは、早めにマニュアルやコールセンターで確認するのが確実です。

Q2.事業化状況報告はいつまで続きますか。

A2.制度によって3年度分、5年間(計6回)、1年後の1回など異なります。ものづくり補助金や新事業進出系は5年間、デジタル化・AI導入補助金(通常枠)は3年度分、持続化補助金は補助事業終了から1年後の報告です。起点の数え方も版で違うため、受けた制度の公募要領でご確認ください。

Q3.50万円未満の機械は自由に処分できますか。

A3.処分制限の対象は、取得価格が単価50万円(税抜き)以上の財産が基本です。ただし制度や公募要領によって対象の定めが異なることがあります。また、補助金で購入した物の使い道が計画と違うと、補助対象外と判断されることもあります。迷う場合は、処分の前に事務局へ確認してください。

Q4.事業が思うように進まず、設備が余ってしまいました。

A4.まず事務局に相談してください。無断で別の事業に使うのは避けるべきです。取得した財産は、原則として事業計画書に記載した事業にだけ使います。既存事業などに使うには承認が必要になる場合があります。休止や方向転換が見えた時点で、事前に相談しておけば、納付金額の整理や手続きの方法を案内してもらえます。

Q5.賃上げ目標が未達だと、必ず全額返還ですか。

A5.必ずしも全額ではありません。制度ごとの式で決まります。給与要件は未達成率に応じた式、最低賃金は交付額÷年数型、など制度で異なります。給与の成長率がゼロまたはマイナスの場合は全額返還とする制度もあります。赤字などの条件に当たる場合の免除規定もありますが、判断は公募要領と事務局によるため、早めに確認してください。

Q6.賃上げ未達の返還には、年10.95%の加算金が付きますか。

A6.自動的には付きません。制度の交付規程・公募要領によります。年10.95%の加算金は、補助金適正化法第19条により、取消に基づく返還に付くものです。デジタル化・AI導入補助金のように「加算金・延滞金は含まない」と明記している制度もあります。ご自身の制度の公募要領で確認してください。

Q7.不正受給は、うっかりミスでも成立しますか。

A7.法第29条は「偽りその他不正の手段」による受給を対象としています。うっかりの記載ミスや手続の遅れは、不正受給とは別の問題として扱われます。ただし、虚偽の報告、無断の財産処分などは、取消や返還の対象になります。ミスに気づいたら、隠さずに早めに事務局へ報告することが重要です。

Q8.業者に任せていた場合、責任は業者にありますか。

A8.補助金を受け、報告し、義務を負うのは補助事業者本人です。勧誘業者や関与した第三者がいても、事業者が免責されるわけではありません。「実質無料」「キャッシュバック」といった勧誘は不正行為に当たる可能性があります。任せきりにせず、内容を理解したうえで進めてください。

Q9.調査や立入検査の連絡が来たら、どうすればよいですか。

A9.落ち着いて、書類を整えて協力してください。正当な理由なく応じないと、交付決定の取消につながる制度があります。帳簿・見積書・契約書・納品書・請求書・振込明細などを紐づけて準備しておくとスムーズです。不安なときは、専門家に相談しながら対応してください。

Q10.書類はいつまで保存すればよいですか。

A10.原則5年間です。ただし起点は制度で異なります。交付年度、完了年度、受給年度、終了日の属する年度など、制度ごとに書き方が違います。迷うときは長いほうで保存してください。取得財産の関係書類は、処分制限期間が終わるまで保管するのが安全です。

制度の整理のご相談

受給後の義務で迷ったら、まず制度の整理から

壱市コンサルティングでは、補助金を受けた後の報告や財産管理、賃上げ要件について、どの制度のどのルールが自社に当てはまるのかを整理するご相談をお受けしています。

📋 制度の整理

受けている補助金の公募要領・交付規程をもとに、報告の時期、処分制限の対象、賃上げ要件の考え方を整理します。

🤝 士業事務所との連携

書類作成や手続きなど、士業の業務にあたる部分は、提携先の士業事務所と連携して対応します。

早い段階でご相談いただくほど、選べる対応は広がります。

こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください

  • ✅ 報告の期限や内容がよく分からない
  • ✅ 買った設備を売る・貸す・別用途に使うことを考えている
  • ✅ 賃上げ目標の達成が難しくなってきた
  • ✅ 事務局から調査や確認の連絡があった

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