【2026年10月時点】健康経営優良法人とは?認定要件・毎年の流れ・融資や補助金のメリットを徹底解説

【2026年10月時点】健康経営優良法人とは?認定要件・毎年の流れ・融資や補助金のメリットを徹底解説

従業員の健康づくりを経営の課題として進めている会社を、国の枠組みで毎年認定する制度が健康経営優良法人認定制度です。融資の特別利率、補助金の加点、自治体の優遇など、資金面にも関わる制度であるため、認定の仕組みを正しく理解しておくことは、経営者にとって実務上の意味を持ちます。

一方で、「自社が中小規模法人部門のどれに当たるのか」「何を満たせば認定されるのか」「毎年どのような流れで進むのか」が整理されないまま、手が止まっている会社は少なくありません。認定は自動では付かず、毎年自分で申請する制度であるという点が、最初の分岐点になります。

本記事では、令和8年(2026年)10月時点の公式情報にもとづき、制度の仕組み、中小規模法人部門の認定要件、毎年の流れ、認定のメリット、最初の一歩と専門家の関わり方を整理します。毎年実施される制度のため、締切や申請期間の具体的な日付は載せず、年間のパターンとして説明します。

健康経営優良法人認定制度とは

健康経営優良法人認定制度は、優良な健康経営を実践する法人を「見える化」し、従業員や求職者、関係企業、金融機関などから社会的な評価を受けられる環境を整える顕彰制度です。認定するのは日本健康会議で、経済産業省が制度を所管しています。

経済産業省は2014年度から上場企業を対象とする「健康経営銘柄」を選定しており、2016年度に健康経営優良法人認定制度が創設されました。令和8年(2026年)の発表は第10回目に当たります。

項目 内容
認定する組織 日本健康会議(経済産業省が制度を所管)
制度の開始 2016年度(2026年の発表で第10回目)
認定の有効期間 発表日から翌年3月31日まで(例:令和8年(2026年)3月9日発表の認定は令和9年(2027年)3月31日まで)
更新・申請 毎年、法人自身が申請する。自動では認定されない
認定後にできること ロゴマークの使用、自治体や金融機関でのインセンティブ

📊 このセクションの要点

認定は1年ごとの更新制で、続けたければ毎年申請し直す必要があります。まず「毎年の制度である」と捉えることが出発点です。

2つの部門と、上位の冠

制度には大規模法人部門と中小規模法人部門の2部門があります。大規模法人部門の上位には「ホワイト500」、中小規模法人部門の上位500法人には「ブライト500」、501位から1,500位には「ネクストブライト1000」の冠が付きます。

部門 上位の冠 対象の目安
大規模法人部門 上位にホワイト500 中小規模法人部門の目安を超える法人
中小規模法人部門 上位500法人がブライト500 製造業その他は300人以下、卸売業・サービス業は100人以下、小売業は50人以下
中小規模法人部門 501位から1,500位がネクストブライト1000 会社法上の会社等は、資本金基準(製造業その他3億円以下、卸売業1億円以下、小売業・サービス業5,000万円以下)のいずれかに該当すれば中小

補足

大規模法人部門に該当する従業員数であっても、資本金が中小規模の基準を満たす場合は、どちらか一方の部門に申請できます。部門の判断に迷う場合は、公式サイト(ACTION!健康経営)の最新の案内で確認してください。

認定数は年々増えている

公式に公表されている認定数は、令和7年(2025年)が大規模法人部門3,400法人・中小規模法人部門19,796法人の合計23,196法人です。令和8年(2026年)は大規模法人部門3,765法人・中小規模法人部門23,085法人で、合計は26,850法人となり、前年から約16%増えています。

認定年 大規模法人部門 中小規模法人部門 合計
2025年(3月10日発表) 3,400法人 19,796法人 23,196法人
2026年(3月9日発表) 3,765法人 23,085法人 26,850法人

📊 このセクションの要点

部門は大規模と中小規模の2つで、多くの経営者に関係するのは中小規模法人部門です。認定数は両部門合わせて2.6万法人を超え、年々増えています。

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認定の要件(中小規模法人部門)

中小規模法人部門の認定は、次の4段構えで考えると整理しやすくなります。全部の取り組みを実施する必要はなく、土台となる必須項目を満たしたうえで、選択項目から決められた数を選ぶ形です。

段階 内容
健康宣言事業への参加 加入している保険者(協会けんぽ・健保組合など)の健康宣言事業に参加する。保険者が実施していない場合は、自治体の健康宣言事業または自社独自の健康宣言で代替できる場合がある
必須項目をすべて満たす 健康診断の実施、担当者の設置、具体的な推進計画などの土台
選択項目から選ぶ 項目のグループごとに、決められた数以上を実施する
法令を守っている 定期健康診断の実施、50人以上の事業場のストレスチェック、労働基準法・労働安全衛生法違反で送検されていないことなど

必須項目の主なもの

必須項目 内容
健康診断 従業員の受診率は実質100%。経営者自身も受診する
健康づくりの担当者 担当者を置く
具体的な推進計画 健康課題を踏まえて、具体的な計画を作る
受動喫煙対策 対策を実施する
評価・改善 取り組みを振り返り、改善する

選択項目はグループごとに選ぶ

選択項目は、受診勧奨などの取り組みやすいグループ、教育機会・ワークライフバランス・両立支援などの働き方と職場づくりのグループ、保健指導・食生活・運動・長時間労働の予防と事後対応・心の健康などの具体策のグループに分かれており、グループごとに決められた数以上を選びます。

補足

グループごとに必要な項目数の厳密な組み合わせは、年度ごとの認定申請書で確認してください。本記事では組み合わせの詳細までは断定しません。

小規模事業者向けの特例とブライト500

従業員数が一定以下の小規模事業者向けに、特例が設けられています(製造業その他は20人以下、卸売・小売・サービス業は5人以下、会社法上の会社以外は5人以下)。試験的な導入で、3年以内の見直しが想定されています。

ブライト500を目指す場合は、追加の設問で評価されます。配点は、経営者・役員の関与20、組織への浸透10、PDCA35、健康風土の把握20、自社発信10、外部依頼発信5です。PDCAの配点が最も大きい点が特徴です。評価結果の開示に同意しない場合、ブライト500・ネクストブライト1000には認定されません。

令和9年(2027年)認定に向けて変わった点

項目 内容
要件の骨格 維持
長時間労働 「長時間労働の予防と事後対応」に整理。2027年の申請ではいずれかで適合、次年度以降は両方の実施で適合とする予定と申請書に明記
自社従業員以外 常時使用しない従業員、派遣社員、契約関係にある個人事業者への健康支援を問う設問に変更
ベストプラクティス テーマ別ベストプラクティス選定へのエントリー設問が新設
心の健康 2026年10月1日から職場のカスタマーハラスメント防止の措置が事業主に義務化。法令上の義務に当たる取り組みだけでは当該設問の要件を満たさないとの注記あり

📊 このセクションの要点

要件の骨格は変わらず、中小規模法人部門は「健康宣言の参加→必須項目→選択項目→法令遵守」の流れです。細部は毎年更新されるため、申請する年の最新の申請書で必ず確認してください。

毎年の流れ(日付ではなくパターン)

申請期間や締切の日付は毎年変わるため、ここでは年間のパターンとして整理します。実際の日程は、その年の公式の案内で確認してください。

時期 内容
夏の終わりごろ その年の申請受付が始まる。受付期間は約2か月。初めて申請する法人は、申請用IDの取得が必要(申請期間中に発行)
受付期間中 中小規模法人部門は認定申請書(Excel)を記入し、専用サイトへアップロードする
11月ごろ 申請料の請求書が届き、年内に支払う
年明けから3月 内定の連絡があり、3月に認定が発表される。4月にはブライト500申請法人向けの評価結果(フィードバック)が届く
翌年3月末まで 認定が有効。そのあいだに、次の申請に向かう

申請料は、2027年認定の申請時点で、中小規模法人部門が15,000円(税込16,500円)、大規模法人部門が80,000円(税込88,000円)でした。金額は年度で変わる可能性があるため、その年の最新の案内で確認してください。

📊 このセクションの要点

夏に受付、11月ごろに請求、年明けに内定、3月に発表、翌年3月末まで有効、という流れを毎年繰り返します。

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認定のメリット

認定のメリットは、融資、補助金、自治体、人材面の4つに整理できます。ただし、中身は制度や地域によって異なるため、「認定があれば必ず有利」と考えず、利用する場面ごとに条件を確認することが前提です。

メリット 内容 確認先
融資 日本政策金融公庫の働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)で、認定法人は基準より低い特別利率①、ホワイト500・ブライト500・ネクストブライト1000の法人はさらに低い特別利率②が適用される 日本政策金融公庫の最新の案内
補助金 公式ページには、補助金の申請時に加点等の優遇措置が受けられる場合があると明記されている 申請する回の公募要領
自治体 公式の「地域の取り組み」ページで、融資優遇・入札関係・補助金や助成金といった分類で自治体ごとの内容がまとめられている 事業所のある自治体・金融機関
人材面など ロゴマークの使用、ハローワーク求人票でのロゴ使用、外国人の在留資格審査手続きの簡素化 ACTION!健康経営「国の取り組み」

融資:特別利率は最新の条件を公庫で確認

特別利率の具体的な数値は時期によって変わります。公式ページの表示は令和7年(2025年)2月時点のものであり、最新の利率は日本政策金融公庫で確認する必要があります。保証料の優遇などは、自治体・信用保証協会・金融機関ごとに異なるため、地元の取り組みを調べることが現実的です。

補助金:加点の内容は公募要領で決まる

公式の一覧には、ものづくり補助金、デジタル化・AI導入補助金、事業承継・M&A補助金、新事業進出補助金、成長加速化補助金、省力化投資補助金(一般型)、小規模事業者持続化補助金などが掲載されています。ただし、加点の有無や点数は回ごとの公募要領で決まるため、申請する回の要領で確認してください。

人材面:評価を受けやすい環境が整う

制度の目的は、従業員や求職者、関係企業、金融機関などから社会的な評価を受けられる環境を整えることです。採用に直結すると言い切ることはできませんが、ロゴマークや求人票を通じて、取り組みを外部に伝えやすくなります。

注意

認定は取って終わりではありません。申請書では、認定後も申請時の取り組みを維持・向上させる努力が求められ、基準を満たさなくなった場合は認定の返納、虚偽記載や法令違反があった場合は取消となります。申請の根拠となる資料は、申請期間の最終日から2年間保存し、提出を求められた場合は1週間以内に対応する必要があります。

📊 このセクションの要点

メリットは融資・補助金・自治体・人材面の4つですが、特別利率や加点の中身は条件が異なります。利用する場面ごとに最新の条件を確認してください。

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最初の一歩と、専門家の関わり方

何から始めればよいかは、次の4つに絞ると動き出しやすくなります。

順番 最初の一歩 内容
1 健康宣言に参加する 自社の部門と加入している保険者を確認し、その保険者の健康宣言事業に参加する。申請の前提条件
2 健診の受診率を確認する 実質100%を目指し、未受診の従業員がいないかを確認する
3 担当者を決める 健康づくりの担当者を置く。経営者ひとりで抱え込まない
4 推進計画を作る 健康課題を把握し、具体的な推進計画を作る

申請書の「認定基準適合書&申請にあたって保存すべき資料」シートでは、簡易な自己チェックができます。受付時期までに現状を整理しておくと、申請がスムーズに進みます。

専門家には、どこまで頼れるのか

申請書では、代理申請を行っていないことを誓約します。そのため、専門家が丸ごと代わりに書いて申請する形はできません。一方で、現状の整理、取り組みの設計(計画・指標・目標の立て方)、証跡資料の整理、社内の運用づくりといった伴走の支援であれば、専門家が役に立てる場面があります。どこまでが許容されるかは公式に細かく書かれていないため、迷う場合は認定事務局に確認が必要です。

📊 このセクションの要点

最初の一歩は、健康宣言への参加、健診の受診率の確認、担当者の設置、推進計画の作成です。申請は法人自身が行い、専門家は整理や設計の伴走で関わります。

まとめ:健康経営優良法人の5つのポイント

ポイント 内容
1.毎年更新の制度 認定は1年ごと。続けたければ毎年自分で申請する
2.2つの部門 大規模法人部門と中小規模法人部門。上位にはホワイト500・ブライト500・ネクストブライト1000の冠
3.要件は土台+選択 健康宣言への参加、必須項目、選択項目、法令遵守。全部をやる必要はない
4.毎年のパターン 夏に受付、11月ごろに請求、年明けに内定、3月に発表、翌年3月末まで有効
5.メリットは条件を確認 融資の特別利率、補助金の加点、自治体の優遇、人材面。内容は制度・地域ごとに異なる

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よくある質問(Q&A)

Q1.健康経営優良法人は、申請しなくても認定されますか?

A1.いいえ、認定には申請が必要です。認定は自動では行われません。大規模法人部門は「健康経営度調査」に回答して申請し、中小規模法人部門は認定申請書(Excel)に取り組み状況を記入して専用サイトにアップロードします。認定の有効期間は発表日から翌年3月31日までの1年間で、続けたい場合は毎年あらためて申請する必要があります。

Q2.自社は大規模と中小規模のどちらの部門ですか?

A2.業種と従業員数、資本金の基準で決まります。中小規模法人部門の目安は、製造業その他が従業員300人以下、卸売業・サービス業が100人以下、小売業が50人以下です。会社法上の会社等は資本金基準(製造業その他3億円以下、卸売業1億円以下、小売業・サービス業5,000万円以下)のいずれかに該当すれば中小規模とされます。大規模の人数でも資本金が中小基準であれば、どちらか一方に申請できます。判断に迷う場合は公式サイトの最新の案内で確認してください。

Q3.申請の前提として、必ず必要なことは何ですか?

A3.健康宣言事業への参加です。中小規模法人部門では、加入している保険者(協会けんぽ・健保組合など)の健康宣言事業に参加することが申請の前提です。国保組合・共済などで保険者が実施していない場合は、自治体の健康宣言事業や自社独自の健康宣言で代替できる場合があります。あわせて、初めて申請する法人は申請用IDの取得が必要です。

Q4.必須項目には何がありますか?

A4.健診・担当者・推進計画・受動喫煙対策・評価改善が土台です。従業員の健康診断(受診率は実質100%)、経営者自身の健診受診、健康づくり担当者の設置、具体的な健康経営の推進計画、受動喫煙対策、取り組みの評価・改善が主な必須項目です。このほかに、定期健康診断の実施や、50人以上の事業場でのストレスチェックなど、法令を守っていることが求められます。

Q5.選択項目は全部実施する必要がありますか?

A5.いいえ、グループごとに決められた数以上を選びます。選択項目は、取り組みの内容ごとにグループに分かれており、グループごとに決められた数以上を実施すれば足ります。ただし、グループごとの必要項目数の組み合わせは年度ごとの申請書で定められているため、申請する年の最新の申請書で確認してください。

Q6.毎年の申請は、いつごろ、どのように進みますか?

A6.夏の終わりごろに受付が始まり、3月に認定が発表されます。毎年のパターンは、夏の終わりごろに受付開始(約2か月)、11月ごろに申請料の請求書、年内に支払い、年明けに内定、3月に認定発表、という流れです。具体的な日付は年度ごとに公表されるため、その年の公式の案内で確認してください。

Q7.申請料はいくらかかりますか?

A7.2027年認定の申請時点で、中小規模法人部門は15,000円(税込16,500円)です。大規模法人部門は80,000円(税込88,000円)でした。グループ会社を同時に申請する場合は、1社ごとに15,000円が加算されます。金額は年度で変わる可能性があるため、申請する年の最新の案内で確認してください。

Q8.認定を受けると、補助金で必ず有利になりますか?

A8.必ずとは言えません。回ごとの公募要領で決まります。国の公式ページには、補助金の申請時に加点等の優遇措置が受けられる場合があると記載され、対象となる補助金の一覧が掲載されています。ただし、加点の有無や点数は補助金ごと、回ごとの公募要領で定められるため、申請する回の要領を確認することが前提です。

Q9.専門家に申請書を代わりに書いてもらえますか?

A9.いいえ、代理申請はできません。申請書では、代理申請を行っていないことを誓約します。専門家には、現状の整理、取り組みの設計、証跡資料の整理、社内の運用づくりといった伴走を依頼できます。どこまでが許容されるかは公式に細かく記載されていないため、迷う場合は認定事務局に確認してください。

Q10.認定を受けた後に、注意することはありますか?

A10.取り組みの維持・向上が求められます。認定後も、申請時の取り組みを維持し、さらに良くする努力が求められます。基準を満たさなくなった場合は認定の返納、虚偽記載や法令違反があった場合は取消となります。申請内容を説明できる資料は、申請期間の最終日から2年間保存し、提出を求められたら1週間以内に対応する必要があります。

健康経営優良法人の認定に関するご相談

認定の可否も、融資や補助金との組み合わせ方も、一緒に整理します

健康経営優良法人は、取り組みを整理し、毎年の申請に向けて仕組み化できるかどうかが分かれ目になります。壱市コンサルティングでは、現状の整理から取り組みの設計、融資・補助金の活用の検討まで、伴走で支援しています。

📊 現状の整理と部門の確認

自社が中小規模法人部門のどれに当たるのか、現在の取り組みで何を満たしているのかを整理します。

📋 取り組みの設計と資料整理

計画・指標・目標の立て方、証跡資料の整理、社内の運用づくりを伴走で支援します。申請そのものは法人自身が行います。

🏦 融資・補助金との組み合わせ

認定を活かせる融資や補助金の選択肢を、最新の条件を確認しながら検討します。

制度の最新の条件は、申請の前に必ず公式サイトでご確認ください。

こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください

  • ✅ 自社が認定の対象になるのか、何から始めればよいか分からない
  • ✅ いまの取り組みで認定を狙えるのか見立てがほしい
  • ✅ 認定を融資や補助金の活用につなげたい

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