東京都の設備投資助成金 第14回を解説するアイキャッチ。助成率は最大5分の4

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(第14回)とは?助成率・対象・申請期間を解説

東京都と東京都中小企業振興公社が実施する「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」の第14回(令和8年度第3回)の募集が始まっています。この記事では、東京都の報道発表(令和8年9月1日)と、東京都中小企業振興公社の第14回募集要項で確認できた内容をもとに、受付期間・助成率・対象・流れを整理します。

✅ 結論(3行)

① 受付は令和8年10月23日(金)から11月24日(火)13時まで。申請は国の電子申請システム「Jグランツ」です。

② 助成率は2分の1以内から5分の4以内(区分とコースで決まる)。助成額は区分Ⅰ・Ⅱが100万〜1億円、区分Ⅲが1億〜2億円です。

③ 第13回と助成率・助成額の表は同じで、変わったのは時期(基準日・受付期間・助成対象期間)です。

なお、この記事は令和8年10月31日時点の情報で、締切(11月24日13時)まで残り24日です。

第14回の受付期間はいつ?締切は何時?

受付期間は、令和8年10月23日(金)から11月24日(火)13時までです。締切は夕方ではなく、お昼の13時である点に注意してください。申請は、国が提供する電子申請システム「Jグランツ」で受け付けられます。

第14回の申請から助成対象期間までの流れ。申請受付は10月23日から11月24日13時まで、一次審査は12月中旬から1月中旬、二次審査は2月中旬から下旬、助成対象者の決定は3月中旬、助成対象期間は令和9年4月1日から最長令和10年9月30日。
図:第14回のスケジュール(公社の募集要項をもとに当社作成)

第13回の発表では、第14回の受付は「11月11日〜24日」と予告されていました。実際の募集は、予告より約3週間早い10月23日に始まっています。予告のとおりに準備を始めていた場合は、準備の期間が短くなる点に気をつけてください。

誰が対象になる?対象になる条件は?

基準日(令和8年10月1日)時点で、都内に登記簿上の本店または支店があり、2年以上事業を継続している中小企業者等が対象です。個人の場合は、都内で開業届出をして事業を営んでいる方です。業種は問われません(全業種)。

助成の対象になる事業は、次の3つの区分のいずれかに当てはまる、機械設備を新たに導入する事業です。区分の数字は、東京都の注記にならいローマ数字で表記します。

事業区分 内容(報道発表の説明)
区分Ⅰ 競争力強化 さらなる発展に向け、競争力の強化に必要な機械設備を新たに導入する事業
区分Ⅱ 後継者チャレンジ 事業承継を契機に、後継者が事業の多角化や新たな経営課題への対応に必要な機械設備を新たに導入する事業
区分Ⅲ アップグレード促進 競争力の強化と生産性の向上を図り、地域経済をけん引する企業へと成長するために必要な機械設備を新たに導入する事業

このほか、募集要項では、東京都に納税し税金等の滞納がないこと、同一回での申請は一企業一申請に限ること、同一の機械設備で他の助成を受けていないことなども要件とされています。区分Ⅱ(後継者チャレンジ)は、基準日の3年前(令和5年10月1日)から助成対象期間の起点の前日(令和9年3月31日)までに事業承継を行った、または行う予定の事業者が対象です。
機械設備を設置できる場所は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県です。東京都外に設置する場合は、東京都内に本店があることが条件です。

いくら助成される?助成率と助成限度額は?

助成率は区分・企業規模・コースで決まり、2分の1以内から5分の4以内です。助成額は、区分Ⅰ・Ⅱが100万〜1億円、区分Ⅲが1億〜2億円です。最も高いのは、区分Ⅰの小規模企業者が賃上げコースを選んだ場合の5分の4以内です。

第14回の助成率の比較。通常コースは中小企業者が2分の1、小規模企業者と後継者チャレンジが3分の2。ゼロエミコースはいずれも4分の3。賃上げコースは小規模企業者のみ5分の4で最も高い。
図:第14回の助成率(東京都の報道発表をもとに当社作成)
事業区分 通常コース ゼロエミコース 賃上げコース 助成額
区分Ⅰ 競争力強化(中小企業者) 2分の1以内 4分の3以内 4分の3以内 100万〜1億円
区分Ⅰ 競争力強化(小規模企業者) 3分の2以内 4分の3以内 5分の4以内 100万〜1億円
区分Ⅱ 後継者チャレンジ 3分の2以内 4分の3以内 4分の3以内 100万〜1億円
区分Ⅲ アップグレード促進 4分の3以内(コースの区別なし) - - 1億〜2億円

自己負担はいくらになる?助成率は「以内」なので、助成を受けても、助成対象経費のうち(1-助成率)以上は自己負担になります。たとえば(仮の数字)、助成対象経費が2,000万円で、区分Ⅰの中小企業者が通常コース(2分の1以内)の場合、助成額は最大1,000万円、自己負担は1,000万円以上です。助成率が5分の4でも、5分の1は自己負担です。

ゼロエミコースと賃上げコースは併用できません。賃上げコースは、賃金引上げ計画の期間(助成事業の完了月の翌月から12か月間)に、給与支給総額を基準の1.02倍以上に増やし、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする計画が要件です(募集要項)。区分Ⅲ(アップグレード促進)は、ゼロエミコースと賃上げコースの両方の要件を満たす必要があり、助成率の4分の3は、賃上げコースの交付方法に準じて2回に分けて交付されます。賃上げコースの申請には、基準日が属する月の前月から遡る12か月間(第14回は令和7年10月〜令和8年9月)の全従業員分の賃金台帳の写しが必要です。ゼロエミコースは、「ゼロエミッション概要書」の内容から省エネ効果が高いと見込まれる事業計画の場合に、助成率が高くなります。第13回の仕組みは第13回の解説記事をご覧ください。

何が助成対象になる?対象経費と助成対象期間は?

助成対象経費は、機械装置、器具備品、ソフトウェアの新たな導入、搬入・据付等に要する経費です。助成対象期間は、交付決定日の翌月1日から1年6か月間(令和9年4月1日〜最長令和10年9月30日)です。

募集要項では、助成対象期間内に契約・納品・支払いまでを完了する経費が対象とされ、交付決定前に支払った経費は対象になりません。設備の単価の下限は、機械装置と器具備品が1基50万円(税抜)以上、ソフトウェアが1基300万円(税抜)以上2,000万円以下(複数基でも合計2,000万円以下)です。見積書は、機械設備1機種につき同一メーカー・同一型番で2社から取り、安いほうを採用します(2社の見積書を取れない場合は見積限定理由書を提出)。「一式」とだけ書かれた見積書は対象外です。また、募集要項では、試作・開発ではなく量産フェーズの申請が対象とされています。

申請から助成開始までの流れは?

受付(10月23日〜11月24日13時)のあと、一次審査(書類)が12月中旬から1月中旬、二次審査(面接・価格審査)が2月中旬から下旬にあり、助成対象者の決定は3月中旬、助成事業の開始は4月1日以降の予定です。

時期 内容
令和8年10月23日〜11月24日13時 申請受付(Jグランツ)
12月中旬〜1月中旬 一次審査(資格審査、経理審査、事業計画審査)。現地調査は、対象者にだけ日程が知らされます
1月下旬 一次審査結果の通知(Jグランツ)
2月中旬〜2月下旬 二次審査(一次通過者のみ。面接審査、価格審査)
3月中旬 助成対象者決定(Jグランツで通知)。3月下旬に事務手続き説明会
令和9年4月1日〜最長令和10年9月30日 助成対象期間。完了報告のあと、完了検査から助成金確定まで約1か月、確定から交付まで約1か月
事業完了後、翌年度以降5年間 事業化状況報告書の提出(Jグランツ)

二次審査には面接が含まれます。事業計画を自分の言葉で説明できるように、計画書の数字と根拠をそろえておきましょう。助成金は、設備導入代金の支払い後に交付される「後払い」です(募集要項)。賃上げコースは、賃金引上げ計画の終了後の確認を経て、2回に分けて交付されます(1回目は賃上げ優遇なしの助成率で計算し、2回目で差額が交付されます)。たとえば募集要項の例では、競争力強化の中小企業者が賃上げコースで対象経費6,000万円の場合、助成金額は4,500万円(4分の3)で、1回目は3,000万円(2分の1)、2回目は1,500万円です。

締切までに何を準備する?逆算チェックリスト

受付は11月24日13時までです。最初にやることは、GビズIDプライムの申請です。発行に原則2週間程度かかるため、今日申請しても、取得は11月中旬になります。図の日付は当社の提案する目安で、公式の日程ではありません。

申請までの逆算。10月31日にGビズIDを申請し要件と区分を確認、11月6日ごろに2社の見積書と計画の骨子、11月13日ごろに事業計画書を仕上げ、11月18日ごろまでに入力を終え、締切は11月24日13時。
図:申請までの逆算(当社の目安)

📋 準備のチェックリスト

□ 基準日(令和8年10月1日)時点で、都内に本店または支店があり、2年以上事業を続けているか
□ 区分(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)と、コース(通常・ゼロエミ・賃上げ)を決めたか
□ Jグランツで申請するためのGビズIDプライムの発行を申請したか(原則2週間程度)
□ 導入する機械設備を絞り、同一メーカー・同一型番で2社の見積書を取ったか(取れない場合は見積限定理由書)
□ 申請書(誓約事項・申請書と事業計画書の両方)を作り始めたか
□ 区分・コースごとの必要書類(小規模企業者の確認書、事業承継概要書、ゼロエミッション概要書、賃金引上げ計画書、生産(増産)要請に関する証明書など)を確認したか
□ 設備を、交付決定前に契約・支払いしていないか
□ 設備代金を先に支払う資金(後払い)を考えたか

必要書類は、公社の募集ページに「区分・コース別必要書類一覧」と各様式が公開されています。申請書は「誓約事項・申請書」と「事業計画書」の両方が必須で、必ず第14回の様式を使います。申請は、持参・郵送・メールでは受け付けられず、Jグランツだけです。締切日はアクセスが集中して書類のアップロードに時間がかかるため、早めの提出が案内されています。Jグランツの代理申請機能を使う場合は、委任の手続きと同意書が必要です(申請の確認と提出は申請者自身が行います)。

第13回から何が変わった?

助成率・助成額の表は、第13回と同じです。変わったのは、基準日、受付期間、助成対象期間などの「時期」です。

第13回と第14回の比較表。基準日は7月1日から10月1日へ、申請受付は7月14日から23日17時から10月23日から11月24日13時へ、審査と決定の時期は約4か月後ろへ、助成対象期間は令和8年12月開始から令和9年4月開始へ変わった。助成率と助成額は同じ。
図:第13回と第14回の比較(東京都の報道発表と公社の募集要項をもとに当社作成)
項目 第13回(令和8年度第2回) 第14回(令和8年度第3回)
基準日 令和8年7月1日 令和8年10月1日
申請受付 7月14日〜7月23日17時 10月23日〜11月24日13時
一次審査 8月中旬〜9月初旬 12月中旬〜1月中旬
二次審査(面接) 10月中旬〜10月下旬 2月中旬〜2月下旬
助成対象者の決定 11月中旬 3月中旬
助成対象期間 令和8年12月1日〜最長令和10年5月31日 令和9年4月1日〜最長令和10年9月30日
助成率・助成額 区分Ⅰ〜Ⅲとも同じ 区分Ⅰ〜Ⅲとも同じ

受付期間は、第13回が約10日間、第14回は約1か月です。(第13回の欄は、東京都の第13回の報道発表と、当社の第13回の解説記事にもとづきます。)第13回の詳しい仕組みは、第13回の解説記事や第12回の完全解説で解説しています。採択された事業のイメージは、採択事例の分析(第9・10回177社)も参考になります。

個別相談会・募集要項・問い合わせ先はどこ?

募集要項・申請書類・電子申請マニュアルは、東京都中小企業振興公社の第14回の募集ページで公開されています。令和8年度から実施されている個別相談会は、第14回では国分寺(10月9日)と秋葉原(10月26日)で開催され、いずれも終了しました。助成事業の説明動画は、公社ホームページで見られます。過去の採択事例も、公社ホームページで公開されています。

内容 問い合わせ先
制度全般 東京都 産業労働局商工部創業支援課 03-5320-4694
申請 東京都中小企業振興公社 設備支援課 03-3251-7884

東京都の他の補助金・助成金と比べたい方は、東京都のおすすめ補助金・助成金7選もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 第14回の締切はいつですか?

令和8年11月24日(火)13時までです。受付は10月23日(金)から始まっています。申請はJグランツで行います。

Q2. 最大でいくら助成されますか?

区分Ⅰ・Ⅱは100万〜1億円、区分Ⅲは1億〜2億円です。助成率は区分・コースにより2分の1以内から5分の4以内で、実際の助成額は、助成対象経費に助成率を掛けた額(上限の範囲内)の範囲になります。

Q3. 自己負担はありますか?

あります。助成率は「以内」なので、助成対象経費のうち(1-助成率)以上は自己負担です。助成率が5分の4以内の場合でも、5分の1以上は自己負担になります。

Q4. 対象になるのはどんな会社ですか?

基準日(令和8年10月1日)時点で、都内に登記簿上の本店または支店があり(個人は都内で開業届出をして事業を営む方)、2年以上事業を継続している中小企業者等です。全業種が対象です。

Q5. 助成金は、設備を買う前にもらえますか?

もらえません。助成金は設備導入代金の支払い後に交付される後払いで、完了検査から助成金確定まで約1か月、確定から交付まで約1か月かかります(募集要項)。また、交付決定前に支払った経費は助成対象になりません。設備代金を先に支払う資金計画を立てておきましょう。

Q6. 第13回に申請した会社は、第14回にも申請できますか?

募集要項のよくある質問では、既存の申請の審査結果が判明するまでは、今回の募集に申請できないとされています。また、過去の同事業で採択された事業が完了しておらず、基準日時点で助成額の確定通知書を受け取っていない場合も、申請できません。個別の状況は、公社の設備支援課(03-3251-7884)にご確認ください。

設備投資の助成金の相談は、どこにすればいい?

壱市コンサルティングは、補助金の申請支援から、財務の分析や財務支援まで、中小企業を支えています。今回の募集について、ご相談があれば、公式LINEから事前相談をどうぞ。

※本記事は、東京都の報道発表資料(令和8年9月1日付、令和8年6月2日付)と、東京都中小企業振興公社の第14回募集ページ・募集要項をもとに、令和8年10月31日時点で作成しています。日程や要件は変更される場合があるため、申請にあたっては必ず公社の最新の募集要項をご確認ください。

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