【令和8年(2026年)10月】新事業進出・ものづくり補助金(新もの)完全ガイド|3つの枠・要件・申請の中身を解説
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(通称「新もの」)の第1回公募は、令和8年(2026年)9月30日に申請受付が始まり、締切は令和8年(2026年)10月30日(金)18:00です。新製品の開発、新しい市場への進出、輸出体制の強化を後押しする国の補助金で、運営は中小企業基盤整備機構(中小機構)です。
制度は、何を新しくするのかによって「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つに分かれ、申請枠は途中で変えられません。採択後も、賃上げなどの約束を事業終了後3〜5年にわたって守る必要があり、未達の場合は補助金の返還を求められます。
この補助金で最も重要なのは、採択されることよりも、約束を守れる計画で申請することです。 上限額の大きさではなく、自社が実現できる賃金計画と、会社の戦略につながる事業計画で判断することが欠かせません。
本記事では、公募要領(1.3版)と公式サイトの案内にもとづき、制度の全体像、3つの申請枠の選び方、補助上限額と特例、採択後の約束と返還ルール、申請できない事業者、使える経費、電子申請と事業計画の書き方、審査のポイントまでを、締切までの段取りとあわせて整理します。
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新ものとは|目的・実施機関・第1回のスケジュール
公募要領は、本補助金の目的を、技術的革新性のある製品・サービスの開発、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓に向けた国内の輸出体制の強化を後押しし、企業規模の拡大と付加価値の向上を通じて賃上げにつなげることと定めています。補助金そのものがゴールではなく、賃上げがゴールに置かれている点が、この制度の出発点です。
公式サイトは、新ものを、中小企業新事業進出促進補助金やものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金とは「異なる補助金」と案内しています。一方で、過去にこれらの補助金を使った事業者の扱いは、新ものの対象外・減点の判定に直接かかわります。後述のとおり、利用歴の確認は申請準備の最初の作業です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 開発・新市場・輸出を通じた賃上げ |
| 実施機関 | 独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構) |
| 申請方法 | 電子申請システムのみ(GビズIDプライムが必要) |
| 第1回の受付 | 令和8年(2026年)9月30日〜10月30日(金)18:00(厳守) |
| 採択発表 | 令和9年(2027年)1月ごろ(予定) |
| 補助事業の実施期間 | 革新枠:交付決定から10か月以内/新事業進出枠・グローバル枠:交付決定から14か月以内 |
📊 このセクションの要点
新ものは、新製品・新市場・輸出を支援し、賃上げにつなげる補助金です。第1回の締切は令和8年(2026年)10月30日18:00で、本記事の作成時点(10月3日)から約4週間です。
3つの申請枠|分かれ目は「何を新しくするのか」
申請枠の分かれ目は、何を新しくするのかです。新しい製品・サービスを開発するなら革新的新製品・サービス枠、新しい顧客層の市場へ進出するなら新事業進出枠、新しい海外市場に向けて国内の体制を強くするならグローバル枠です。公式サイトでは、革新枠を青、新事業進出枠をピンク、グローバル枠を緑で示しています。
| 項目 | 革新的新製品・サービス枠 | 新事業進出枠 | グローバル枠 |
|---|---|---|---|
| 新しくする物 | 新製品・新サービス | 新市場 | 海外市場 |
| 補助率 | 1/2(小規模事業者などは2/3) | 1/2 | 2/3 |
| 補助の下限額 | 100万円 | 750万円 | 750万円 |
| 実施期間 | 交付決定から10か月以内 | 交付決定から14か月以内 | 交付決定から14か月以内 |
| 必須の経費 | 機械装置・システム構築費 | 機械装置・システム構築費または建物費 | 機械装置・システム構築費または建物費 |
注意
申請枠は、申請の途中で変更できません。 一時保存データを作る時点で枠が決まり、変える場合は削除して作り直しになります。最初の選択を誤ると、計画の作り直しになります。
新事業進出枠は「2つの新しい」が条件
申請の多い新事業進出枠は、製品・サービスが自社にとって新しいこと、そしてその市場が自社にとって新しいことの両方を満たす必要があります。新規性は事業者にとっての新しさで、世の中で初めてである必要はありません。「新たな市場」とは、既存事業で対象としていなかったニーズや属性を持つ顧客層の市場を指します。
| 必要なこと | 該当しない例 |
|---|---|
| 製品・サービスが自社にとって新しい | 今の製品を増産するだけ/過去に作っていた物の再製造/製造方法の単なる変更 |
| 市場が自社にとって新しい | 今のお客様と同じ市場/既存市場の一部だけが対象/商圏が違うだけ |
| (参考)創業1年未満 | 新事業進出枠だけ対象外(決算書が最低1期分必要) |
革新枠とグローバル枠の注意点
革新的新製品・サービス枠では、既存の製品・サービスのプロセス改善だけの事業や、機械装置を導入するだけで新製品の開発を伴わない事業、同業者の間ですでに相当程度普及している製品の開発は対象になりません。グローバル枠は、自社の製品を活用して自発的に新しい海外販路を開拓するための、国内の製造拠点の強化が対象で、取引先主導の事業は自発的な取組とは言えず対象外です。
📊 このセクションの要点
枠は「何を新しくするか」で選び、途中では変えられません。新事業進出枠は、製品と市場の両方が自社にとって新しいことが条件です。
補助上限額・補助率・賃上げ特例
補助上限額は、枠と従業員数で決まります。次の表の括弧内は、賃上げ特例を適用した場合の上限額です。
| 従業員数 | 新事業進出枠・グローバル枠の上限額(特例適用時) | 革新的新製品・サービス枠の上限額(特例適用時) |
|---|---|---|
| 1〜5人 | 2,500万円(3,000万円) | 750万円(850万円) |
| 6〜20人 | 2,500万円(3,000万円) | 1,000万円(1,250万円) |
| 21〜50人 | 4,000万円(5,000万円) | 1,500万円(2,500万円) |
| 51〜100人 | 5,500万円(7,000万円) | 2,500万円(3,500万円) |
| 101人以上 | 7,000万円(9,000万円) | 2,500万円(3,500万円) |
賃上げ特例は、未達なら引上げ分を全額返還
賃上げ特例を使うには、基本要件に加えて、1人当たりの給与支給総額を年平均6.0%以上増やす計画を立てて達成し、事業場内の最低賃金を地域別最低賃金より50円以上高くする必要があります。この目標は、交付申請までに全従業員等へ表明しなければなりません。
注意
どちらか一方でも達成できなければ、引上げ分の補助金は全額返還です。さらに、公募要領1.3版では、特例が未達であれば基本要件の賃上げ要件も未達となるため、基本要件の部分も未達成率に応じた返還の対象になると明記されました。上限額の大きさで選ぶのではなく、実現できる賃金計画かどうかで決めてください。
このほか、一定の条件を満たす事業者の補助率が2/3に上がる「地域別最低賃金引上げ特例」があります。応募申請時に指定の様式と賃金台帳の提出が必要で、この特例を使う場合は基本要件の事業場内最低賃金水準要件が除かれます。新事業進出枠だけは、賃上げ特例と地域別最低賃金引上げ特例を併用できます。
📊 このセクションの要点
上限額は枠と従業員数で決まり、賃上げ特例を使うと新事業進出枠・グローバル枠で最大9,000万円、革新枠で最大3,500万円になります。ただし未達なら引上げ分は全額返還です。
採択後も守る約束|基本要件と返還ルール
採択はスタートラインにすぎません。事業終了後3〜5年の事業計画期間中、次の基本要件を守り続けます。補助金は、もらって終わりではなく、約束付きのお金です。
| 要件 | 内容 | 未達の場合 |
|---|---|---|
| 付加価値額 | 年平均4.0%以上の増加(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費) | 公募要領に返還規定の記載なし |
| 1人当たり給与支給総額 | 年平均3.5%以上の増加。目標値は交付申請までに全従業員等へ表明 | 表明していなければ全額返還。目標に届かなければ未達の割合に応じて返還 |
| 事業場内最低賃金 | 毎年、地域別最低賃金+30円以上 | 未達の年ごとに「交付額÷計画年数」を返還 |
| 一般事業主行動計画 | 次世代法にもとづく計画を策定し、申請締切日時点で有効なものを公表(掲載まで1〜2週間程度) | — |
| 職場環境整備 | 子育て等に関する職場環境整備の取組を1つ選ぶ(くるみん認定の取得者は免除) | — |
| 金融機関 | 金融機関から資金提供を受けるときは、事業計画の確認書を提出 | — |
POINT
賃上げ要件は、事業計画期間の最終年度の終了時点で目標を達成しているかを確認します。途中の年度で目標を下回っても、最終年度に達成していれば返還の対象にはなりません。一方、事業場内最低賃金は毎年度の事業化状況報告で確認され、満たしていない年度ごとに返還が発生します。
補足
給与支給総額には、給料・賃金・賞与等を含み、役員報酬・福利厚生費・法定福利費・退職金は含みません。パートタイマーは正社員の就業時間に換算して算出します。
審査で重視される「足下の賃上げ」
公募要領1.2版から、審査で足下の賃上げが明記されています。応募申請時の直近事業年度から基準年度までの1人当たり給与支給総額の年平均成長率が、物価上昇率を上回る程度に達しない場合、審査上、大幅に不利になります。公式サイトのよくあるご質問が示す参考値は、消費者物価指数の総合(2025年は前年比3.2%の上昇)で、これは最低限の数値であり、上回る水準が期待されるとされています。参考として、中小企業成長加速化補助金の2次公募の採択者は、足下の賃上げの中央値が3.0%でした。
📊 このセクションの要点
基本要件は、付加価値額の年平均4.0%以上、1人当たり給与の年平均3.5%以上、事業場内最低賃金は地域別最低賃金+30円以上です。賃上げの目標は、補助金のための数字ではなく、自社が実現できる賃金計画として設計してください。
申請できない事業者|まず補助金の利用歴を確認
申請の準備に入る前に、過去の補助金の利用歴を確認します。新ものの対象外・減点の判定は、事業再構築補助金、新事業進出補助金、ものづくり補助金、そして新ものの利用歴を中心に行われるためです。
| あなたの状況 | 新ものへの申請 |
|---|---|
| 申請締切日から16か月以内に、上記の補助金で採択された(辞退者を除く) | 対象外(新事業進出補助金の第4回で採択された事業者も含む) |
| 応募申請日から過去3年間に、交付決定を合計2回以上受けた | 対象外 |
| 過去3年間に、ものづくり補助金または新事業進出補助金の交付決定を1回受けた | 申請できるが審査で減点 |
| 医療法人 | 対象外(公式サイトのよくあるご質問) |
| 応募申請時点で従業員が0名 | 対象外 |
| 新規設立・創業後1年に満たない | 新事業進出枠のみ対象外 |
| 以前の補助金で不採択だった | 計画を見直して申請できる |
注意
過去に交付決定を受けた補助金や、現在申請中の補助金は、応募申請時に電子申請システムへ必ず入力してください。実績があるのに記載がない場合は、虚偽申請として不採択となることがあります。
対象者の範囲も業種で異なります。たとえば製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下かつ常勤従業員300人以下、卸売業は1億円以下かつ100人以下、サービス業(ソフトウェア・情報処理・旅館業を除く)は5,000万円以下かつ100人以下、小売業は5,000万円以下かつ50人以下です。対象者の要件は、応募申請時点で満たしている必要があります。
📊 このセクションの要点
申請前に、16か月以内の採択、過去3年の交付決定の回数、医療法人、従業員0名、創業1年未満の5点を確認します。不採択だった事業者は、計画を見直せば再申請できます。
使える経費と、お金の使い方で失敗しやすい点
補助対象経費の中心は、機械装置・システム構築費です。革新枠では必須で、新事業進出枠とグローバル枠では建物費とのどちらかが必須になります。建物費は、新事業進出枠とグローバル枠だけが対象です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 中心の経費 | 機械装置・システム構築費(単価10万円(税抜)以上) |
| 建物費 | 新事業進出枠・グローバル枠のみ。建設・改修・撤去が対象で、購入・賃借は対象外 |
| 上限のある経費 | 技術導入費・知的財産権等関連経費は総額の1/3、外注費は1/4、専門家経費は1/5まで |
| 対象外 | 汎用品(パソコン・スマートフォン等)、家賃・光熱費、自社の人件費、事業計画書の作成費用 |
| 失敗しやすい点 | 内容 |
|---|---|
| 事前着手の禁止 | 交付決定日前の契約・発注は対象外。支払いは銀行振込のみ |
| 相見積 | 契約先1件あたり50万円(税抜)以上は3者以上の同一条件の見積 |
| 精算払い | 補助金は事業の完了後に支払われる後払い。いったん自社で資金を手当てする |
| 経費の追加 | 応募時に計上していない経費は、交付申請時に追加できない |
| 下限額割れ | 減額で補助金額が下限額(革新枠100万円、他は750万円)を下回ると採択取消 |
📊 このセクションの要点
機械装置・システム構築費が中心で、汎用品や家賃、自社の人件費は対象外です。発注は交付決定後、補助金は後払いなので、立て替え資金を金融機関と早めに相談してください。
電子申請と事業計画|Excel4種で作り、一本の筋で書く
申請は電子申請システムのみで、代理申請の機能はありません。事業計画の4つの項目は、画面に直接入力するのではなく、Excelの「インポート用フォーマット」4種で作ってアップロードします。事業計画シートを作る入力は、全部で26のステップに分かれています。
| Excel | 中身 |
|---|---|
| 事業計画 | 会社概要・自社の目指す姿・経営戦略・補助事業計画 |
| 財務情報・収益計画 | 決算の数字(直近3期)と、数年先までの収益計画、付加価値額・給与の目標値 |
| 資金調達表・補助対象予定経費 | 経費区分ごとの金額と積算基礎、自己資金・補助金・借入金などの資金調達 |
| スケジュール | 補助事業の期間と、事業計画期間のマイルストーン |
注意
4種のExcelの間で、申請枠、従業員数、特例の有無、事業計画期間1年当たりの補助事業売上高見込み額が一致していないと、エラーになって申請できません。1つを直したら、ほかの3つも必ず確認してください。
事業計画は、現状から補助事業まで一本の筋でつなぐ
事業計画は、会社概要で今の事業を振り返り、目指す姿でビジョンを示し、そのギャップから経営課題を出して経営戦略を立て、その戦略を形にしたものとして補助事業計画を書く、という流れで組み立てます。必須の項目は36項目、合計でおよそ8,600字になります(壱市コンサルティング集計)。補助金のために新しい事業を考えるのではなく、会社の戦略の中に補助事業を位置づけることが大切です。
| 申請枠 | 必ず書くこと |
|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 開発する製品・サービスの革新性(顧客への新たな価値、活用する自社技術、同業者での普及状況まで) |
| 新事業進出枠 | 製品の新規性と市場の新規性。さらに「新市場性」か「高付加価値性」のどちらかを選び、客観的なデータで根拠を示す |
| グローバル枠 | 既存事業の販売先と、対象とする国・地域、輸出に向けた具体的な取組 |
POINT
どの枠でも、根拠は数字と固有名詞で示すのが基本です。事業計画を作る支援者(コンサルタント等)がいる場合は、支援者名・支援内容・報酬(予定)額・契約期間を電子申請システムに入力する必要があり、未入力は不採択・採択取消の対象です。
📊 このセクションの要点
事業計画はExcel4種で作ってアップロードし、4種の数字がそろっていないとエラーになります。計画は、会社概要から補助事業計画までを一本の筋で書きます。
審査で見られるポイント|加点・減点・口頭審査
書面審査では、主に次の観点が見られます。
| 観点 | 見られること |
|---|---|
| 経営戦略との整合性 | 過去の取組との一貫性、なぜ今この事業か、強み・弱みを踏まえた競争優位性 |
| 事業の実現可能性 | 賃上げ・付加価値額の目標とその実現性(足下の賃上げを含む)、実施体制、顧客ニーズの裏付け、資金 |
| 公的補助の必要性 | 地域への波及効果、補助がなければ自社単独で容易に実施できないか |
| 新市場性・高付加価値性 | 新事業進出枠のみ。どちらかを選択して審査 |
加点項目は17項目あり、パートナーシップ構築宣言、くるみん、えるぼし、健康経営優良法人、DX認定、経営革新計画の承認などが含まれます。加点・減点の配点は公表されていません。取れる加点を確実に取ること、減点にあたる利用歴を事前に確認することが現実的な対策です。
口頭審査は、社長本人が説明する
書面審査を通ると、必要に応じて、オンラインで1事業者15分程度の口頭審査が行われます。説明できるのは、個人事業主本人、法人代表者、取締役、労働者名簿に記載された担当者など、申請事業者自身だけです。事業計画作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問の対応・同席は認められません。社長が自分の言葉で説明できる計画にしておくことが欠かせません。
📊 このセクションの要点
審査は、経営戦略との整合性、実現可能性、公的補助の必要性を中心に行われます。口頭審査には社長本人が対応するため、自分の言葉で説明できる計画に仕上げてください。
締切までの段取り|約4週間のスケジュール
締切の令和8年(2026年)10月30日(金)18:00までは、本記事の作成時点で約4週間です。次の順で進めるのが現実的です。締切直前は申請が混み合うため、締切の数日前には入力を終えるのが理想です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 申請枠を決める/利用歴を確認する/設備の見積を依頼する |
| 2週目 | 一般事業主行動計画を公表する(掲載まで1〜2週間)/賃金の数字を整理する |
| 3週目 | Excel4種を作る/金融機関の確認書を依頼する |
| 4週目 | 枠・従業員数・特例・売上見込額をそろえる/必要書類を確認/電子申請に入力し、早めに申請 |
まとめ|新ものを申請する前に確認する5つのポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 制度の全体像 | 新製品・新市場・輸出を支援し、賃上げにつなげる補助金。第1回の締切は令和8年(2026年)10月30日18:00 |
| 3つの申請枠 | 何を新しくするかで選び、途中で変更できない。新事業進出枠は製品と市場の両方が新しいことが条件 |
| 上限額と特例 | 新事業進出枠・グローバル枠は2,500万〜7,000万円、賃上げ特例で最大9,000万円。未達なら引上げ分は全額返還 |
| 採択後の約束 | 付加価値額4.0%・給与3.5%・最低賃金+30円を3〜5年守る。未達は返還 |
| 申請の実務 | 利用歴の確認、Excel4種の整合、足下の賃上げ、口頭審査は社長本人。余裕をもって準備する |
よくある質問(Q&A)
Q1.新ものとは、どのような補助金ですか。
A1.新製品開発、新市場への進出、輸出体制の強化を支援する国の補助金です。正式名称は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で、通称が「新もの」です。公募要領は、企業規模の拡大と付加価値の向上を通じて生産性を高め、賃上げにつなげることを目的としています。運営は中小企業基盤整備機構で、申請は電子申請システムのみです。公式サイトは、新事業進出促進補助金やものづくり補助金とは異なる補助金と案内しています。第1回の締切は令和8年(2026年)10月30日18:00です。
Q2.3つの申請枠は、どう選べばよいですか。
A2.何を新しくするのかで選びます。新しい製品・サービスの開発なら革新的新製品・サービス枠、既存事業とは異なる顧客層の新市場への進出なら新事業進出枠、新しい海外市場の開拓に必要な国内の製造拠点の強化ならグローバル枠です。申請枠は一時保存データを作る時点で決まり、あとから変更できません。新事業進出枠は創業1年未満の事業者が対象外であるなど枠ごとの条件も異なるため、公募要領の定義と自社の事業を照らして選ぶことが重要です。
Q3.補助上限額と補助率はいくらですか。
A3.枠と従業員数で異なります。新事業進出枠とグローバル枠の上限は、従業員20人以下で2,500万円、101人以上で7,000万円です。革新的新製品・サービス枠は、5人以下で750万円、51人以上で2,500万円です。賃上げ特例を適用すると、最大で新事業進出枠とグローバル枠が9,000万円、革新枠が3,500万円になります。補助率は、革新枠と新事業進出枠が1/2、グローバル枠が2/3です。補助の下限額は、革新枠が100万円、新事業進出枠とグローバル枠が750万円です。
Q4.賃上げ特例には、どのようなリスクがありますか。
A4.未達の場合、引上げ分の補助金を全額返還します。賃上げ特例は、1人当たり給与支給総額の年平均6.0%以上の増加と、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より50円以上高くすることが要件です。どちらかが未達だと、引上げ分の補助金は全額返還になります。さらに、基本要件の賃上げ要件も未達とみなされ、基本要件の部分も未達成率に応じて返還を求められます。上限額の大きさではなく、実現できる賃金計画かどうかで判断してください。
Q5.新事業進出補助金で採択されたことがありますが、申請できますか。
A5.申請締切日から16か月以内の採択者は対象外です。申請締切日を起点に16か月以内に、事業再構築補助金、新事業進出補助金、ものづくり補助金、そして新ものの本補助金で採択された事業者は対象外です。新事業進出補助金の第4回で採択された事業者も、これに該当します。また、応募申請日を起点に過去3年間で、これらの補助金の交付決定を合計2回以上受けた事業者も対象外です。1回だけの場合は申請できますが、審査で減点されます。
Q6.新事業進出補助金で不採択でした。再申請できますか。
A6.再申請できます。公募要領では、不採択となった事業者は、事業計画の見直しを行ったうえで再度申請できるとされています。補助対象外の事業者に該当しなければ、新ものに申請できます。ただし、前回の計画書をそのまま出し直しても結果は変わりにくいため、経営戦略との整合性、実現可能性、新市場性・高付加価値性といった審査の観点に沿って、計画を組み直すことが重要です。
Q7.申請の準備で、最も時間がかかるのは何ですか。
A7.Excel4種の作成と、一般事業主行動計画の公表です。事業計画は、事業計画、財務情報・収益計画、資金調達表・補助対象予定経費、スケジュールの4種のExcelを作ってアップロードします。枠・従業員数・特例の有無・売上見込額が一致しないとエラーになるため、整合の確認にも時間がかかります。一般事業主行動計画は、公表されるまで1〜2週間程度かかります。あわせて、50万円以上の発注に必要な3者以上の見積も、早めに依頼してください。
Q8.歯科医院などの医療法人は、申請できますか。
A8.医療法人は対象外です。公式サイトのよくあるご質問では、医療法人は新ものの対象外とされています。歯科医院やクリニックを医療法人として運営している場合は、申請できません。設備投資や省力化を支援する別の補助金には、医療法人が対象となる制度もあるため、制度ごとに対象者の要件を確認する必要があります。対象者の判断に迷うときは、申請前に専門家へ確認することが賢明です。
Q9.事業計画書の作成を、コンサルタントに依頼できますか。
A9.依頼できますが、支援者の情報の入力が必須で、口頭審査には同席できません。事業計画作成支援者がいる場合は、支援者名・支援内容・報酬(予定)額・契約期間を電子申請システムに入力します。未入力は、不採択・採択取消・交付決定取消の対象です。また、事業計画書の作成費用は補助対象経費になりません。口頭審査の対象になった場合は、支援者や経営コンサルタントは対応も同席もできず、申請事業者自身が説明します。社長が自分の言葉で説明できる計画にしておくことが大切です。
Q10.結果はいつ分かりますか。次の公募はありますか。
A10.採択発表は令和9年(2027年)1月ごろの予定です。公式の日程は変更される場合があります。第2回以降の公募日程は、公募要領では示されていません。公式サイトや事務局の発表を確認する必要があります。分からない点は、公式サイトのコールバック予約システム(予約した日時にコールセンターから折り返し電話がかかる仕組み)で問い合わせることができますが、個別の審査に関わる内容は案内されません。
新ものの申請をご検討の方へ
10月30日の締切に向けて、計画の筋を一緒に固めます
壱市コンサルティングは、中小企業診断士・認定経営革新等支援機関として、ものづくり補助金・新事業進出補助金の申請支援を行ってきました。申請枠の選定から事業計画の策定、4種のExcelの整合チェック、採択後の手続きまで、一貫してご相談を受けています。
📋 申請枠の選定と対象要件の確認
自社の事業が3つの枠のどれに当てはまるか、利用歴による対象外・減点にあたらないかを、公募要領にもとづいて整理します。
📊 事業計画の策定と整合チェック
会社概要から補助事業計画までを一本の筋でつなぎ、4種のExcelの数字をそろえます。社長が自分の言葉で説明できる計画に仕上げます。
🔄 採択後の伴走支援
交付申請、補助事業の実施、実績報告、事業化状況報告まで、賃上げ要件の管理を含めて支援します。
申請するかどうか迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。
こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください
- ✅ 自社がどの申請枠に当てはまるのか判断できない
- ✅ 過去の補助金の利用歴が、対象外や減点にあたるか確認したい
- ✅ 賃上げ特例を使うべきか、返還リスクを踏まえて判断したい
- ✅ 事業計画書とExcel4種の作成を、専門家と一緒に進めたい
