創業時に使えるお金|日本公庫の創業融資・補助金・助成金と、入口になる証明書
創業のときに使えるお金は、大きく融資、補助金・助成金、そして優遇の入口になる証明書の3つに分けると整理しやすくなります。
日本政策金融公庫の創業融資、小規模事業者持続化補助金の創業型、起業支援金、自治体の創業助成。それぞれの条件は違いますが、特定創業支援等事業の証明書を取っておくと、使える制度が広がります。
本記事では、各制度の中身と注意点、進める順番を整理します。日本政策金融公庫の融資条件・金利の数字は変わりやすいため載せず、公式ページで確認する形にしています。解説動画の内容に沿った完全ガイドです。
創業期のお金の全体像|3つに分けて考える
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 融資 | 借りるお金。返済が必要。日本政策金融公庫の創業融資などがある |
| 補助金・助成金 | 返済は不要だが、原則として使ったあとにお金が入る後払い。審査があり、不採択もある |
| 証明書 | お金そのものではなく、優遇を受けるための入口になる |
補助金は後払いのため、採択されても事業を進めて報告をしたあとまで、資金は自分で用意する必要があります。創業のときは補助金だけに頼らず、融資や自己資金とセットで考えるのが基本です。
📊 このセクションの要点
創業期のお金は、融資、補助金・助成金、証明書の3つで考えます。補助金は後払いなので、融資や自己資金とセットで計画します。
日本政策金融公庫の創業融資|新規開業・スタートアップ支援資金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 新規開業・スタートアップ支援資金(国民生活事業) |
| 対象 | 新たに事業を始める人など。適正な事業計画を策定しており、計画を遂行する能力が十分あると認められる人に限る |
| 使い道 | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金と運転資金 |
| 担保・保証人 | 希望を聞きながら相談して決める。創業期(新たに事業を始める人、または税務申告を2期終えていない人)は、原則として無担保・無保証人で各種融資制度を利用できると案内されている |
| 出す書類 | 創業計画書など。計画の内容を確認される |
補足
融資の限度額・返済期間・利率などの数字は、変わることがあります。必ず日本政策金融公庫の公式ページで確認してください。本記事では載せていません。
創業期の優遇と特例
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 創業期の利率の特例 | 創業期の人向けの利率の特例がある(どれくらいかは公式ページで確認) |
| 女性・若者・シニア | 利率の特例の対象になる枠がある |
| 再挑戦 | 廃業歴があり、創業に再チャレンジする人向けの枠がある |
| 経営者保証の免除 | 一定の要件を満たすと、経営者の保証を免除する特例を併用できる |
| 証明書 | 特定創業支援等事業の証明書を取得した人は、利率の特例の対象になる(有効な証明書に限る) |
申し込む前の準備
| 準備 | 内容 |
|---|---|
| 創業計画書を作る | 公庫の公式ページに、創業計画書の様式(Excel・PDF)がある |
| 記入例を読む | 洋風居酒屋、美容業、中古自動車販売業の3つの記入例が公開されている |
| 支店に相談する | お近くの支店に問い合わせて相談する |
| インターネットで申し込む | 必要書類のPDFを用意して、24時間受付のインターネット申込を使える |
創業計画書の書き方の骨格や、売上の根拠の作り方は、事業計画書の作り方の記事と動画で詳しく解説しています。金利の最近の動きは、融資制度の変更点の記事と動画をご覧ください。
📊 このセクションの要点
公庫の創業融資は、新規開業・スタートアップ支援資金が中心です。創業期の優遇や特例がありますが、条件の数字は公式ページで確認し、創業計画書と記入例から準備します。
入口になる証明書|特定創業支援等事業
特定創業支援等事業は、産業競争力強化法に基づき、市区町村が商工会議所・商工会・地域金融機関などと連携して行う創業支援です。継続した個別相談や、複数回の授業を行う創業塾・創業セミナーなどを受け、経営・財務・人材育成・販路開拓の知識を身につけます。受けたことの証明書を、自治体が発行します。
| 優遇 | 内容 |
|---|---|
| 登録免許税の軽減 | 会社設立時の登録免許税が半分になる(株式会社・合同会社とも) |
| 創業関連保証 | 信用保証協会の創業関連保証が、事業開始の6か月前から利用対象になる。市区町村によっては保証料の一部補助もある |
| 日本政策金融公庫の融資 | 利率の特例の対象になる |
| 持続化補助金(創業型) | 申請の要件になる |
| 自治体の助成 | 東京都の創業助成のように、要件の一つになっている例がある |
補足
証明書は、有効なものに限られます。受けられる内容や日程は自治体ごとに違うため、まずはお住まいの市区町村の創業の相談窓口に問い合わせてください。
📊 このセクションの要点
特定創業支援等事業の証明書は、登録免許税の軽減、創業関連保証、公庫の利率の特例、創業型の申請要件など、複数の優遇の入口です。最初の一歩は市区町村の創業窓口です。
創業で使える補助金・助成金
小規模事業者持続化補助金<創業型>
中小企業庁は、創業後1年以内の小規模事業者等を重点的に支援する補助金と案内しています。創業後、事業開始前の事業者も対象です。通常枠は開業前の創業予定者は対象外のため、別の補助金として押さえておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 創業後1年以内の小規模事業者等(創業後、事業開始前も対象) |
| 要件 | 特定創業支援等事業による支援を受けていること。支援を受けた日と開業日が、公募締切から遡って1年以内に入っていること |
| 内容 | 商工会・商工会議所の支援を受けながら自分で作った経営計画に沿った、販路開拓などの費用の一部を補助 |
| 補助率・上限 | 補助率2/3、上限200万円(中小企業庁の資料より。公募回によって変わることがあるため公募要領で確認) |
| 注意 | 事業支援計画書の発行が必要。補助金は後払い。創業型で過去に採択され事業を実施した事業者は対象外 |
起業支援金(地方創生起業支援事業)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 地域の課題の解決につながる社会的事業を、新たに起業する人(事業承継・第二創業も一部対象) |
| 地域 | 東京圏以外の都道府県・市町村、または東京圏内の条件不利地域で起業する人など |
| 内容 | 起業のための相談支援と事業費の助成。経費の2分の1、最大200万円 |
| 窓口 | 都道府県または市町村(選定された執行団体) |
| 注意 | 実施するかどうか、要件、受付の時期は自治体ごとに決まる。起業する地域の自治体に確認する |
自治体の創業助成の例|東京都
東京都と東京都中小企業振興公社が実施する創業助成事業の例です。詳しい申請の流れは東京都の創業助成事業の記事もご覧ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 都内で創業を予定している人、または創業して5年未満の中小企業者等 |
| 申請要件 | TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の終了者、認定特定創業支援等事業の支援を受けた人など、指定された創業支援事業の利用が必要。要件を満たすには概ね2か月以上かかる |
| 助成率・限度額 | 助成対象経費の3分の2以内、限度額400万円(募集要項で確認) |
| 期間 | 交付決定日から最長2年間 |
| 対象経費 | 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費、市場調査・分析費 |
東京都以外にも、自治体ごとに独自の制度を設けているところがあります。市区町村の創業窓口、都道府県の創業支援のページ、商工会・商工会議所、日本政策金融公庫の支店で相談できます。
📊 このセクションの要点
創業型は特定創業支援等事業の支援が要件、起業支援金は実施する自治体が限られ、自治体の助成は指定の創業支援の利用が要件です。補助率・上限は公募要領・募集要項で確認します。
創業までの進め方と、失敗しやすい点
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 相談 | 市区町村の創業窓口に相談する |
| 2 学ぶ | 創業塾などを受けて証明書をもらう |
| 3 計画 | 創業計画書を作る |
| 4 融資 | 日本政策金融公庫などに相談して申し込む |
| 5 開業 | 設立・開業のあとの公募に合わせて補助金を申請する |
補足
順番は制度や自治体によって変わります。あくまで目安です。
失敗しやすい4つの点
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 設立のあとで動き出す | 登録免許税の軽減のように、設立のときの優遇は、設立の前から準備が必要 |
| 補助金だけに頼る | 後払いのため、先に資金が必要になる |
| 数字に根拠がない | 融資も補助金も、計画書の中身が審査される |
| 証明書の有効性を確認しない | 期間は窓口で確認する |
創業時に使えるお金のよくある質問
Q1.創業のときの資金調達は、何から考えればよいですか。
A1.融資、補助金・助成金、証明書の3つで整理します。補助金は後払いなので、融資や自己資金とセットで考えます。まず市区町村の創業窓口で、特定創業支援等事業を受けられるか確認するのがおすすめです。
Q2.日本政策金融公庫の創業融資は担保や保証人が必要ですか。
A2.創業期は原則、無担保・無保証人で利用できると案内されています。公庫は創業融資のご案内で、新たに事業を始める人や税務申告を2期終えていない人は、原則として無担保・無保証人で各種融資制度を利用できるとしています。審査の結果、希望に沿えない場合もあります。
Q3.特定創業支援等事業の証明書は何に使えますか。
A3.登録免許税の軽減、創業関連保証、公庫の利率の特例、創業型の申請要件などです。自治体の助成で要件の一つになっている例もあります。証明書は有効なものに限られます。
Q4.開業前でも持続化補助金を使えますか。
A4.通常枠は開業前の創業予定者は対象外です。創業型は創業後、事業開始前も対象です。創業型は、特定創業支援等事業の支援を受けた日と開業日が公募締切から遡って1年以内であることなどの要件があります。
Q5.起業支援金は東京でも使えますか。
A5.東京圏は、条件不利地域などを除き対象外です。起業支援金は、東京圏以外の地域や、東京圏内の条件不利地域で起業する人などが対象です。実施の有無や要件は自治体ごとに異なります。
Q6.融資の金利や限度額はどこで確認しますか。
A6.日本政策金融公庫の公式ページで確認します。数字は変わることがあるため、本記事では載せていません。お近くの支店への相談もできます。
まとめ|創業時に使えるお金の4つのポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 1.全体像 | 融資・補助金と助成金・証明書の3つ。補助金は後払い |
| 2.公庫の創業融資 | 創業期の優遇と特例がある。条件の数字は公式ページで確認し、創業計画書から準備 |
| 3.入口の証明書 | 特定創業支援等事業の証明書で、登録免許税の軽減・創業関連保証・創業型の要件などが使える |
| 4.進め方 | 市区町村の創業窓口→創業塾と証明書→創業計画書→融資→開業後に補助金の順が目安 |
まずは、市区町村の創業の相談窓口に問い合わせてみてください。条件の数字や受付の時期は、公式ページ・公募要領・募集要項で確認します。
制度の整理のご相談
自社に合う制度の整理から、ご相談いただけます
壱市コンサルティングでは、創業のときに使える融資や補助金・助成金について、自社の場合にどの制度が合うのかを整理するご相談を受け付けています。書類の作成や手続きなど、士業の業務にあたる部分は、提携先の士業事務所と連携して対応します。
📋 制度の整理
創業期に使える融資・補助金・助成金と、入口になる証明書を並べ、どの順番で検討するかを整理します。
💼 募集要項・公募要領の確認
申請を予定している制度の要件と日付の条件を確認し、いつ動くかの逆算を一緒に考えます。
迷ったら、お気軽にご相談ください
こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください
- ✅ 創業のお金を、何から考えればよいかわからない
- ✅ 融資と補助金の順番を整理したい
- ✅ 証明書を取る前にやることを知りたい
- ✅ 手続きを任せられる士業事務所を探している
