【経営者向け】補助金と助成金の違い|もらえる条件・審査・入金時期を整理

【経営者向け】補助金と助成金の違い|もらえる条件・審査・入金時期を整理

「補助金と助成金は、何が違うのですか」という質問は、経営者の方からよくいただきます。名前は似ていますが、審査があるのか、要件を満たせばよいのか、お金はいつ入るのかで、資金繰りへの影響が大きく変わります。

先に押さえておきたいのは、補助金は選ばれる側、助成金は要件を満たす側という目安です。ただし、名前だけでは区別できない制度もあります。どちらも後払いで、使い道の証拠と報告が求められる点は共通しています。

本記事では、違いの目安、目的ごとの考え方、お金が入るまでの流れ、共通の注意点、公的なポータルでの探し方を整理します。解説動画の内容に沿った個別解説です。例は架空で、制度の細かい中身や、雇用関係の助成金の手続きには触れていません。

補助金は選ばれる、助成金は要件を満たす|違いの目安

中小機構のJ-Net21では、補助金と助成金は、どちらも国や地方公共団体などから支給される資金で、申請や審査が必要と説明されています。そのうえで、受けられるかどうかの決まり方に違いがあります。

項目 補助金 助成金
受けられるか 採択件数や金額があらかじめ決まっていることが多く、申請しても必ず受けられるわけではない 要件を満たせば受給できる可能性が高い
競争 多くの場合、応募が採択を上回る 要件を満たすかどうかが中心
募集の形 制度ごとに募集期間が定められ、制度の内容は変わる 制度ごとに内容や要件が異なる
入金 どちらも原則として後払い どちらも原則として後払い

ここで大切なのは、この区別は一般的な目安だという点です。J-Net21は、両者が必ずしも明確に区別されていないことを指摘しています。経済産業省所管の助成金には、補助金の性格が強いものもあります。名前に「補助金」とあるか「助成金」とあるかだけで判断せず、各制度の公募要領や公式ページで、要件と審査の有無を確認してください。

📊 このセクションの要点

補助金は応募が採択を上回ることが多く、選ばれる性格です。助成金は要件を満たせば受給できる可能性が高い性格です。ただし名前だけでは決まらないため、制度ごとに公式ページで確認します。

お問い合わせはこちら

目的が先、制度は後|目的別の考え方

制度を探す順番で、よくある失敗があります。使えそうな制度を先に見つけて、あとから使い道を考える順番です。壱市コンサルティングの整理では、目的が先、制度は後です。J-Net21も、事務処理や時間的な制約が増えるため、「もらえるものはもらう」という考え方での活用は勧められていないと説明しています。

目的 考え方の目安(一般論) 確認する先
設備投資・販路開拓などの投資 補助金の対象になる制度を探すことが多い 経済産業省・中小企業庁・自治体など実施主体の公式ページ
雇用・人材育成 助成金(厚生労働省系)が関わることが多い 社会保険労務士、労働局、ハローワーク
上記のどちらか迷う 目的を文章にしてから、制度を探す まず事前相談で整理する

補足

これは一般論の目安で、例外があります。雇用関係の助成金は、手続きや要件を含め、社会保険労務士にご確認ください。本記事では、雇用関係の助成金の手続きや、受給できるかどうかの判断には触れていません。

制度を選ぶ順番は、次のとおりです。まず、何のためにお金が必要かを一文にします。次に、その目的に合う制度の分野を絞ります。最後に、実施主体の公式ページで要件、対象経費、スケジュールを確認します。制度の名前から入ると、目的が後づけになりやすくなります。

📊 このセクションの要点

設備や販路などの投資は補助金、雇用や人材育成は助成金、というのが一般論の目安です。まず目的を言葉にして、そのあとで制度を探します。雇用の助成金は、社会保険労務士に確認します。

どちらも後払い|架空のC社で見る資金の流れ

補助金も助成金も、原則として後払いです。J-Net21の説明では、流れは事前申請、認定、取り組み、結果報告と確認、受け取りの順です。認定の前に事業に取り組むと、対象外となるケースが多いとされています。受け取りまでの期間が長く、金融機関からつなぎの資金を借りることが多いという指摘もあります。

架空の例で考えます。C社の社長が、設備を入れようと考えています。設備の代金は、先にC社が支払います。そのため、事業全体の資金を先に用意しなければなりません。

順番 C社の動き お金の動き
1.事前申請 制度の要件を確認し、申請する お金は動かない
2.認定 採択(認定)を受けて、はじめて取り組める お金は動かない
3.取り組み 設備を発注し、代金を支払う C社が全額を先に支払う
4.結果報告 報告書と、支払いの証拠を提出する まだ入らない
5.確認・受け取り 内容を確認されたあと、受け取る ここではじめて入金される

注意

全額が給付されることは少なく、自己負担を求められる場合が大半とされています。受け取りまでの間の資金繰りは、事前に計画してください。補助金や助成金を前提に、資金計画を立てないことが大切です。

📊 このセクションの要点

どちらも原則として後払いで、先にC社が全額を支払います。認定の前の着手は対象外になりやすく、受け取りまでの資金繰りを事前に用意しておく必要があります。

お問い合わせはこちら

共通の注意点|受け取ったあとの手間と課税

注意点 内容
後払い 事業全体の資金を先に用意する
事前着手の制限 事業期間外の支出は認められない。認定前の着手は対象外のことが多い
使い道の証拠 報告書と支払いの証拠を提出する。書類が不十分、または目的外の経費は、支払いを拒否されることがある
報告義務と検査 会計検査院などの検査を受ける可能性がある。書類は事実に沿って整える

J-Net21では、受け取ったあとにも制限がある場合があると説明されています。たとえば、機械の使用用途の制限や、収益納付などです。検査を受けることもあります。もらえても手間はかかるという点は、補助金でも助成金でも変わりません。

受け取った資金は、ほとんどの場合、課税対象になることが多いとされています。ただし、税務上の扱いは制度ごとに異なります。個別のご判断は、税理士にご確認ください。

📊 このセクションの要点

共通の注意点は、後払い、事前着手の制限、使い道の証拠、報告義務の4つです。受け取ったあとも制限や検査があり、課税の扱いは税理士に確認します。

公的なポータルで探す|3つのコツ

制度は、多くの場合、実施主体のホームページで告知されます。まとめて探すときは、公的なポータルが便利です。J-Net21の「支援情報ヘッドライン」では、国や都道府県などの施策を検索できます。中小企業庁のミラサポplusにも、補助金の概要や、自社に合う補助金、地域の補助金を探す入口があります。厚生労働省の雇用関係助成金のページは、雇用関係の入口です。

コツ 内容 理由
1.ポータルで広く探す J-Net21やミラサポplusで検索する 国・都道府県などの施策をまとめて見られる
2.実施主体で確認する 見つけた制度は、必ず実施主体の公式ページを開く 要件・対象経費・スケジュールは公式が正確
3.自治体の独自施策も見る 市区町村・都道府県のホームページも確認する すべての施策がポータルに載っているわけではない

注意

厚生労働省の雇用関係助成金のページには、厚生労働省の委託事業者を名乗って、助成金の手続きなどを持ちかける書面が送られている、という注意喚起が掲載されています。厚生労働省は関与していないとされています。心当たりのない勧誘には、公式ページで内容を確認してください。

📊 このセクションの要点

探すときは、ポータルで広く見て、実施主体の公式ページで確認し、自治体の独自施策も見ます。ポータルにすべての施策が載っているとは限りません。

お問い合わせはこちら

まとめ|違いと考え方の5つのポイント

ポイント 内容
1.受けられるかが違う 補助金は選ばれる、助成金は要件を満たす、が目安
2.名前では決まらない 制度ごとに公式ページで確認する
3.目的が先、制度は後 目的を言葉にしてから制度を探す。雇用の助成金は社会保険労務士に確認
4.どちらも後払い 先に全額を支払い、報告と確認のあとに入金される
5.手間と課税を見込む 書類・検査・報告と、課税の扱い(税理士に確認)

中小企業診断士として相談を受けて感じるのは、制度を探す前に、何のためのお金かを決めることが経営の土台になる、ということです。制度の整理でお悩みの場合は、事前相談をご利用ください。

関連記事

参考:中小機構 J-Net21 財務Q&A「補助金・助成金の違いや補助金活用における注意点について教えてください。」「自社に合う補助金を見つけるには、どうすればよいですか?」、J-Net21「補助金・助成金の活用」、中小企業庁 ミラサポplus、厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」。

制度の整理のご相談

制度の整理のご相談をお受けしています

壱市コンサルティングでは、制度の整理のご相談を、事前相談としてお受けしています。書類作成や手続きなど士業の業務にあたる部分は、提携先の士業事務所と連携します。

お問い合わせはこちら

友だち追加 お問い合わせ